「6.2.4. VMAX3利用時のシステム構成」に記載の初期設定実施後、デバイス(ディスクボリューム)と管理対象マシンの接続の制御のために、以下の準備が必要です。
なお、SANブートの環境の場合はSANブート用の準備作業が別途必要です。「6.4.5. SANブートでの利用」を参照してください。
なお、VMAX3に対する操作は、VMAX3の利用について十分な知識、および権限を持った管理者が実施する必要があります。
VMAX3側の用語の概念や制御の考え方については、「6.7.3. VMAX3制御」も参照してください。
VMAX向けUnisphereなどのVMAXの管理ツールでの設定
ストレージリソースプール
初期設定としてあらかじめ装置に用意されているストレージリソースプールを使用します。
ストレージリソースプールは、ストレージ収集の操作により、SigmaSystemCenterに反映され、Webコンソールの[リソース]ビュー上でストレージプールの情報として閲覧することができます。
デバイスの作成、ストレージグループへの割り当て
ストレージリソースプール上に、マシンと接続を行う対象となるデバイスを作成します。
SigmaSystemCenterでは、デバイスをディスクボリュームとして扱います。SigmaSystemCenterからデバイスを作成することはできません。
デバイスはストレージグループによってグループ化して利用します。
ストレージグループは入れ子にすることで親子構造を持つことが可能です(カスケードSG機能)。
ストレージグループの設定は、SigmaSystemCenterのWebコンソールなどで閲覧、および、設定を行うことができないため、VMAX向けUnisphereなどVMAXの管理ツールを使用する必要があります。
SigmaSystemCenterの管理対象マシンへのディスクボリュームの割当は、デバイス単位で指定しますが、実際の割当は、デバイスのトップノードとなるストレージグループ1つをマスキングビューに割り当てることで、ストレージ接続制御を行います。
ストレージグループの利用により、より多様な設定を行うことができるため、SigmaSystemCenter上の管理対象マシン上のデバイスの割り当ての設定は、ストレージグループ内のデバイスの1つ設定しておき、実際の管理対象マシン上のデバイスの配置設定はストレージグループで行うことを推奨します。
ストレージグループでは、割り当て対象のデバイスをグループ化する以外にストレージグループ単位でのサービスレベルの設定や前述のカスケードSG機能を利用することができます。
デバイスとストレージグループは、VMAX向けUnisphereを使用して「Create Storage Groups」wizardより作成することが可能です。
イニシエータグループの作成
管理対象マシンごとにイニシエータグループを作成します。
イニシエータグループには、管理対象マシンにセッティングされているHBAのWWPNを登録します。冗長構成の場合は、冗長構成の構成要素となる全HBAのWWPNを登録してください。
WWPNは、HBAに印刷されている情報やHBAのBIOS設定画面などで確認することができます。作成するイニシエータグループの名前はディスクアレイ内で一意にしてください。同一名のイニシエータグループが複数存在すると、SigmaSystemCenterからのストレージ制御が失敗する原因となります。
VMAX向けUnisphereを使用して「Create Host」wizardより作成することが可能です。
ポートグループに関して
ポートグループは、SigmaSystemCenterからの接続制御の際に自動的に作成が行われるため、事前にVMAXの管理ツールで作成しておく必要はありません。
マスキングビューに関して
マスキングビューは、SigmaSystemCenterからの接続制御の際に自動的に作成が行われるため、事前にVMAXの管理ツールで作成しておく必要はありません。
SigmaSystemCenterの設定
ディスクボリュームの登録
[ディスクボリューム登録]の操作で、制御の対象となるディスクボリュームとしてデバイスを[リソース]ビューに登録します。
VMAX3で構築済みのデバイスの一覧が選択肢として表示されます。構築済みのデバイスが表示されない場合は収集を実行してください。
HBAと外部ポートの関連付け
HBA(WWPN)とストレージ装置の外部ポート(ダイレクタのポートを示すWWPN)を関連付けます。
関連付けを行ったHBAを設定した管理対象マシンに接続制御を行う際に、ポートグループに登録するストレージ装置の外部ポートを指定することが可能です。関連付けは、物理的な結線情報に合わせて設定を行ってください。
HBA(WWPN)に対して外部ポートの設定を行っていない状態で接続制御を行った場合、接続制御が失敗します。
ssc set hba 000296800011 1000-0000-C96F-E240 -ext 5000-0000-5801-3000
ssc set hba 000296800011 1000-0000-C96F-E240 -ext 5000-0000-5801-3002
ssc set hba 000296800011 1000-0000-C96F-E241 -ext 5000-0000-5801-3001
ssc set hba 000296800011 1000-0000-C96F-E241 -ext 5000-0000-5801-3003
HBAの登録
管理対象マシンにセッティングされているHBAの情報をSigmaSystemCenter上の[リソース]ビュー/マシンプロパティ設定/[ストレージ]タブに登録します。
HBAの設定情報は、[HBA番号]と[アドレス]、[接続先]の情報からなります。
[HBA番号]は、SigmaSystemCenter上での管理番号として任意の番号を選択します。 設定された[HBA番号]は、ディスクボリュームに接続する管理対象マシン上のHBAを特定するために使用されます。
[アドレス]は、VMAX3から収集したWWPNの一覧情報が設定の選択肢として表示されますので、一覧の中から該当するWWPNを選択します。
なお、HBAのWWPNの情報は、VMAX3に登録されているイニシエータグループ情報から収集します。
VMAX3上でイニシエータグループ情報の登録作業を行い、SigmaSystemCenterでストレージ収集を実行してから、SigmaSystemCenterでHBAの設定を行ってください。
[接続先]には接続しているストレージ情報が表示されます。[アドレス]の指定のときにWWPNと関連付いているストレージの情報が自動で設定されます。WWPNとの関連付けは、上述の「HBAと外部ポートの関連付け」で行います。
ホストに接続するディスクボリュームの登録
リソース割り当て時に接続を行うディスクボリュームとHBAの組み合わせをホスト設定に登録します。
共有使用するディスクボリュームの場合、グループ設定やモデル設定で設定することができます。
ディスクボリュームは対象のディスクアレイとディスクボリューム名の組み合わせで指定します。
HBAはHBA番号で指定します。
SigmaSystemCenterは、ディスクボリュームの接続制御のとき、ディスクアレイ名とディスクボリューム名から対象のディスクボリュームを特定し、HBA番号から対象のHBAとパス情報を特定して接続の処理を行います。
冗長構成の場合は、個別のHBA番号を指定せず、冗長化を構成するすべてのHBAが接続されるように設定する必要があります。
ディスクボリュームのLUNを明示的に指定することはできません。
なお、ssc assign/release diskvolumeコマンドによるマシンとディスクボリュームの接続/切断のみの機能を利用し、リソース割り当てやマスタマシン登録などの操作ではディスクボリューム接続制御が実行されないように利用したい場合は、グループプロパティ設定/モデルプロパティ設定/ホスト設定に接続の設定を登録しないでください。
SigmaSystemCenterから、ストレージ接続制御を行う際に、VMAX3に対してマスキングビューを作成します。
マスキングビューについて
マスキングビューは、前述のとおりストレージ接続制御の際に自動作成されるため、基本的に意識する必要はありませんが、次のようなときに事前にマスキングビュー名を明示的に指定しておく必要があります。
ホストに対して、非共有ディスクと共有ディスクを割り当てて利用する場合は、マスキングビュー名をそれぞれ別に指定する必要があります。
リソース割り当てやマスタマシン登録などの運用操作で、ストレージ接続制御を行う場合に、マスキングビュー名を指定する場合は、ssc add storageコマンド(-cnオプション)を使用してグループ/モデル/ホストに対してディスクボリュームの設定を行います。
ssc add storage Group-A001 DiskArray-001 Volume-001 -cn MV_Share
ssc add storage Group-A001 Host-A001 DiskArray-001 Volume-002 -cn MV_Local
ssc assign diskvolumeコマンドを利用したディスクボリュームの接続でマスキングビュー名を指定する場合も-cnオプションで指定することが可能です。
ssc assign diskvolume machine001 DiskArray-001 -name Volume-001 -cn MV_Share
また、マスキングビューの閲覧方法は次のとおりです。
装置上のマスキングビューの情報はssc show diskarraypathコマンドで閲覧することができます。
運用グループ/ホストに設定したマスキングビュー名は、ssc show hostコマンドで確認することができます。