アプリケーション/パッチ配布は、管理サーバにパッケージとして登録されたアプリケーションやパッチのインストールイメージを、DeploymentManagerの機能を利用して、インストール対象の管理対象マシンに転送し、インストールを実行する機能です。
アプリケーション/パッチ配布を行うためには、アプリケーションとパッチのインストールイメージからイメージビルダを使用してパッケージを作成し、DeploymentManagerに配布のためのシナリオを登録する必要があります。
DeploymentManagerに登録したシナリオは、収集を実行してSigmaSystemCenterに登録してください。アプリケーション/パッチ配布用のシナリオは、SigmaSystemCenterでは種別が「アプリケーションとアップデート」のソフトウェアとして登録されます。
シナリオ登録後、SigmaSystemCenterから、次の操作で実行することができます。インストール対象の管理対象マシンを指定して実行します。
指定ソフトウェア配布/ssc deploy software
また、グループプロパティ、モデルプロパティ、ホスト設定、および マシンプロパティの[ソフトウェア]タブに登録し、以下のプロビジョニングの操作を行った場合、複数のプロビジョニング処理の1つとして実行することも可能です。
リソース割り当て / ssc assign machine
新規リソース割り当て / ssc create machine
割り当て解除 / ssc release machine
マシン置換 / ssc replace machine
用途変更
同様に以下のポリシーアクションでも実行可能です。
マシン操作/ マシン置換
マシン操作/ マシン置換(直ちに強制OFF)
グループ操作/ スケールアウトマシン追加
上記の各操作では、パッケージを管理対象マシン上で実行するときに渡すコマンドオプションを指定することが可能です。
コマンドオプションの指定方法は、指定ソフトウェア配布と各プロパティの[ソフトウェア]タブで設定して実行する操作で異なります。
指定ソフトウェア配布の場合
操作実行時に、対象ソフトウェアの詳細設定にて設定します。
各プロパティの[ソフトウェア]タブで設定して実行する操作
[ソフトウェア]タブ上に登録したソフトウェアの詳細設定で設定します。なお、詳細設定のアイコンはソフトウェア一覧に設定対象のソフトウェアを追加しただけでは、表示されないので注意してください。ソフトウェア一覧に追加後、適用を実行すると詳細設定のアイコンが表示されます。
コマンドオプションは、任意の文字列だけでなく、管理対象マシンやグループに関する各種設定や情報を特定の変数名で指定することも可能です。また、カスタムプロパティとして、グループ/ホスト/マシン別に定義された任意の変数を指定することも可能です。変数はコマンドオプション中に複数指定することが可能です。
変数の詳細については「1.6.3. 予約変数」、「1.6.4. 変数の定義方法(カスタムプロパティ)」を参照してください。
なお、コマンドオプションで変数名を変数ではなく文字列として処理させたい場合は、変数名の$の前に\を付加してください。変数名の$の前に\を付加した場合、変数とは見なさず、文字列として処理されます。
アプリケーション/パッチ配布のシナリオにより管理対象マシン上で実行された各パッケージの実行結果は、デフォルトでは、対象のシナリオを含むジョブの動作に影響しません。パッケージの実行が成功しても、失敗しても、ジョブの処理は続行されます。
[コマンド実行結果をジョブ実行結果に反映する]のチェックを使用して、パッケージの実行結果をシナリオのジョブ実行結果に反映することが可能です。この設定が有効(チェックがON)の場合、パッケージの実行が失敗するとパッケージから実行失敗として返却された実行結果は警告で表示されます。シナリオ内のすべてのパッケージの実行が失敗した場合、シナリオを呼び出したジョブは異常終了します。
アプリケーション/パッチのシナリオの実行結果について、運用ログで確認することができます。
シナリオのパッケージごとの実行結果が以下のフォーマットで運用ログに出力されます。
1行目 package=[パッケージ名およびオプション]
2行目 exitcode=[終了コード] stdout=[標準出力] stderr=[標準エラー出力]
標準出力および標準エラー出力のフォーマットは以下のとおりです。
標準出力および標準エラー出力の文字数が指定文字数×2以下であれば全部出力します。
標準出力および標準エラー出力の文字数が指定文字数×2+1以上であれば先頭と最後から指定文字数分切り出し、間に"..."を挟んで出力します。
標準出力と標準エラー出力から指定文字数分切り出した際に、先頭および末尾に改行コードが含まれている場合は削除します。
標準出力と標準エラー出力から切り出した文字列の途中に改行コードが含まれる場合はそのまま出力します。
指定文字数の設定は以下のレジストリにあり、デフォルトの文字数は70です。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\NEC\PVM\DPMProvider\LogOutputNumberOfCharacters