Sysprep(System Preparation Utility)は、Microsoft社が提供するWindows OSを展開するためのツールです。Sysprepの利用により、マスタマシンのイメージを任意のマシンへ複製を実行したとき、複製先のマシン上でOSが利用可能な状態になるように固有情報を適用することができます。
SigmaSystemCenterは、イメージ展開を行う際、Sysprepを使用してイメージ複製、展開を行う以下の製品を使用します。使用する製品ごとに使用方法が異なります。
DeploymentManager(DPM)
vCenter Server(VC)
次のように管理対象の種類別に使用する製品が異なります。
製品 | 管理対象/展開方法の種類 |
---|---|
DeploymentManager | 物理マシン |
Hyper-Vの仮想マシン | |
スタンドアロンESXiの仮想マシン | |
HW Profile Clone利用時 | |
vCenter Server | VMwareの仮想マシン(HW Profile Cloneを除く) |
Sysprepを使用すると、基本的に以下のような処理が行われます。
展開元のマシンでマシン固有の情報の消去を行う。
展開先のマシン上でマシン固有の情報の再設定や初期化を行う。
Sysprepが対象とするマシンの固有情報は、下記をはじめとしてさまざまな情報があります。
コンピュータ名
IPアドレス
プロダクトキー
セキュリティ識別子(SID)
Sysprepの利用も含むイメージ展開作業は、基本的に以下のように作業を行います。管理対象の種類別に手作業で行う必要がある部分や自動で行われる部分が異なります。
マスタマシンを作成する。
マスタマシン上でSysprepを実行し、マシンの固有情報を削除する。
マスタマシンのイメージを作成する。
DPM/VC上で複製・展開を行うための準備を行う。
マスタマシンのイメージの複製作業を行う。展開先でマシンの固有情報が再設定される。
なお、ライセンス上の理由のためSysprepの実行回数は制限されているので、同一イメージに対して何度もSysprepを実行するような運用はできません(Windows Server 2008のVolumeライセンスキーの場合は3回まで)。上記の問題が発生しない運用方法については、「1.4.12. イメージ展開の利用例-物理マシン展開、HW Profile Clone (DPM) -」を参照してください。