VM移動は、使用する仮想環境の条件、移動対象の仮想マシンの構成や状態、移動元と移動先の仮想マシンサーバの関係や状態によって、実行できない場合があります。
VM移動の各操作における実行不可の条件について、以下に説明します。VM移動の操作が失敗する場合、下記の実行不可の条件を解消してから、再度操作を行ってください。
(1)電源状態がOnの仮想マシンに対するMigrationの実行不可条件
VMwareの環境にVMotionのライセンスが登録されていない。
VMwareの場合、移動元と移動先の仮想マシンサーバに登録されているVMKernelに以下の問題がある。
VMotionが有効になっていない。
同じLANに接続していない。
Hyper-Vの場合、Hyper-VのMigrationの条件を満たしていない。「4.5.4. 各仮想化基盤の対応一覧」のHyper-Vの説明を参照してください。
仮想マシンに割り当てられたポートグループの設定が、移動先の仮想マシンサーバのポートグループの設定にない。
移動元と移動先の仮想マシンサーバが、移動対象の仮想マシンが配置されるデータストアを共有していない。
移動元の仮想マシンサーバの電源状態がOff。
移動先の仮想マシンサーバの電源状態がOff。
移動元と移動先の仮想マシンサーバは、同じデータセンタに所属していない。
移動元と移動先の仮想マシンサーバは、同じ仮想マネージャに所属していない。
配置制約の設定に反する移動を実行。VM移動の操作時に配置制約を無視する指定により回避可能。
Hyper-Vの場合、移動対象の仮想マシンは次のいずれかの特徴を持つ。
Hyper-V単体環境において、移動対象の仮想マシンが、RDMのディスクを持つ。
Hyper-V単体環境において、移動対象の仮想マシンのCPU数が、移動先の仮想マシンサーバの vCPU 数サポート上限を超えている。
Hyper-Vクラスタ環境において、移動対象の仮想マシンがクラスタに登録されていない。
Hyper-Vクラスタ環境において、移動対象の仮想マシンがCSVに格納されていない。
(2)電源状態がOnの仮想マシンに対するStorage Migrationの実行不可条件
VMwareの環境にStorage VMotionのライセンスが登録されていない。
VMwareの場合、移動元と移動先の仮想マシンサーバに登録されているVMKernelに以下の問題がある。
VMotionが有効になっていない。
同じLANに接続していない。
Hyper-Vの場合、Hyper-VのStorage Migrationの条件を満たしていない。「4.5.4. 各仮想化基盤の対応一覧」のHyper-Vの説明を参照してください。
仮想マシンに割り当てられたポートグループの設定が、移動先の仮想マシンサーバのポートグループの設定にない。
移動元の仮想マシンサーバの電源状態がOff。
移動先の仮想マシンサーバの電源状態がOff。
VMware、Hyper-Vの場合、移動対象の仮想マシンは次のいずれかの特徴を持つ。
移動対象の仮想マシンは、Differential Cloneテンプレートで作成された。
移動対象の仮想マシンは、Differential CloneテンプレートのレプリカVMである。
移動元と移動先の仮想マシンサーバは、同じ仮想マネージャに所属しているが同じデータセンタには所属していない。
vSphere5.5以前のVMwareで移動元と移動先の仮想マシンサーバは、同じ仮想マネージャに所属していない。
配置制約の設定に反する移動を実行。VM移動の操作時に配置制約を無視する指定により回避可能。
Hyper-Vの場合、移動対象の仮想マシンは次のいずれかの特徴をもつ。
Windowsのフェールオーバー クラスタリング機能によりクラスタ化された仮想マシンである。
移動対象の仮想マシンのCPU数が、移動先の仮想マシンサーバの vCPU 数サポート上限を超えている。
(3)Quick Migration、および、電源状態がOffの仮想マシンに対するMigrationの実行不可条件
Hyper-Vの場合、Hyper-VのMigrationの条件を満たしていない。「4.5.4. 各仮想化基盤の対応一覧」のHyper-Vの説明を参照してください。
仮想マシンに割り当てられたポートグループの設定が、移動先の仮想マシンサーバのポートグループの設定にない。
移動元と移動先の仮想マシンサーバが、移動対象の仮想マシンが配置されるデータストアを共有していない。
移動元の仮想マシンサーバの電源状態がOff。
移動先の仮想マシンサーバの電源状態がOff。
VMwareの場合、移動元と移動先の仮想マシンサーバは、同じデータセンタに所属していない。および、移動対象の仮想マシンは次のいずれかの特徴をもつ。
移動対象の仮想マシンは、Differential Cloneテンプレートで作成された。
移動対象の仮想マシンは、Differential CloneテンプレートのレプリカVMである。
移動元と移動先の仮想マシンサーバは、同じ仮想マネージャに所属していない。
電源状態がOnの仮想マシンに対するQuickMigration、または、自動起動が指定されている場合に、配置制約の設定に反する移動を実行。VM移動の操作時に配置制約を無視する指定により回避可能。
Hyper-Vの場合、移動対象の仮想マシンは次のいずれかの特徴を持つ。
Hyper-V単体環境において、移動対象の仮想マシンが、RDMのディスクを持つ。
Hyper-V単体環境において、移動対象の仮想マシンのCPU数が、移動先の仮想マシンサーバの vCPU 数サポート上限を超えている。
Hyper-Vクラスタ環境において、移動対象の仮想マシンがクラスタに登録されていない。
Hyper-Vクラスタ環境において、移動対象の仮想マシンがCSVに格納されていない。
(4)Move、および、電源状態がOffの仮想マシンに対するStorage Migrationの実行不可条件
Hyper-Vの場合、Hyper-VのStorage Migrationの条件を満たしていない。「4.5.4. 各仮想化基盤の対応一覧」のHyper-Vの説明を参照してください。
仮想マシンに割り当てられたポートグループの設定が、移動先の仮想マシンサーバのポートグループの設定にない。
移動元の仮想マシンサーバの電源状態がOff。
移動先の仮想マシンサーバの電源状態がOff。
VMware、Hyper-Vの場合、移動対象の仮想マシンは次のどちらかの特徴を持つ。
移動対象の仮想マシンは、Differential Cloneテンプレートで作成された。
移動対象の仮想マシンは、Differential CloneテンプレートのレプリカVMである。
vSphere5.5以前のVMwareで移動元と移動先の仮想マシンサーバは、同じ仮想マネージャに所属していない。
自動起動が指定されている場合に、配置制約の設定に反する移動を実行。VM移動の操作時に配置制約を無視する指定により回避可能。
Hyper-Vの場合、移動対象の仮想マシンは次のいずれかの特徴をもつ。
Windowsのフェールオーバー クラスタリング機能によりクラスタ化された仮想マシンである。
移動対象の仮想マシンのCPU数が、移動先の仮想マシンサーバの vCPU 数サポート上限を超えている。
(5)Failoverの実行不可条件
仮想マシンに割り当てられたポートグループの設定が、移動先の仮想マシンサーバのポートグループの設定にない。
移動元と移動先の仮想マシンサーバが、移動対象の仮想マシンが配置されるデータストアを共有していない。
移動元の仮想マシンサーバの電源状態がOn。
移動先の仮想マシンサーバの電源状態がOff。
移動元と移動先の仮想マシンサーバは、同じデータセンタに所属していない。
移動元と移動先の仮想マシンサーバは、同じ仮想マネージャに所属していない。
配置制約の設定に反する移動を実行。VM移動の操作時に配置制約を無視する指定により回避可能。
(6)その他の条件(仮想化基盤製品の対応やVM最適配置について)
その他、使用する仮想化基盤製品によってもVM移動の実行可否が決まります。仮想化基盤製品の対応については、「4.5.4. 各仮想化基盤の対応一覧」を参照してください。
また、次の操作を行った場合は、移動対象の仮想マシンや移動先候補の仮想マシンサーバはVM最適配置機能により決定されるため、前述の説明と異なる条件が加わります。「4.7.4. VM最適配置の条件」の説明を参照してください。
VMS操作のポリシーアクション。
ssc evacuate/ssc vmop apply-ruleコマンド。ssc evacuateコマンドの場合は、移動対象として仮想マシンサーバを指定したときのみ。
起動時の移動については、VM最適起動機能により決定されます。「4.7.7. VM最適起動」を参照してください。