VM配置情報を利用するケースとして、一般的に以下のようなことが考えられます。
仮想マシンサーバの障害時、Failover操作によって退避した仮想マシンを、復旧後に元の配置を戻したい。
時間帯や業務別に仮想マシンの配置を決めておき、適時配置を変更したい。
上記、1の要件で配置情報を構成した場合について、説明します。
次の図は、仮想マシンサーバグループGroupA配下のモデルVMSModel上の仮想マシンサーバVMS1、VMS2、VMS3、VMS4と、その上で動作するVM1、VM2、VM3、VM4、VM5、VM6について、正常時の状態を示したものです。
この状態の配置を、VM配置情報機能を利用し、配置情報Keyword1として設定しておきます。
ここで、VMS1に障害が発生したとします。
VMS1上で動作していた仮想マシンについて、業務を継続するために仮想マシンの退避を行います。
この結果、VMS1上で動作していたVM1、およびVM2は、正常な仮想マシンサーバにそれぞれFailoverされます。
この後、VMS1を修理、もしくは交換により、正常化します。
ここで元々の運用に戻すためには、VM1、VM2のそれぞれの仮想マシンを元の配置に戻す必要があります。
しかし、仮想マシンの台数が多い場合などにおいては、元の配置に戻すための手順が煩雑になり、対応が容易ではありません。
このような場合に、正常状態の配置情報が存在しているならば、この配置情報を適用することで容易に元の配置に戻すことが可能です。
配置情報Keyword1には、VM1、および、VM2の配置先としてVMS1が記録されているため、これを適用するとVM1、および、VM2はVMS1に移動します。
その他の仮想マシン(VM3、VM4、VM5、VM6)は、配置情報Keyword1と同じ配置先で稼動しているため、何も行いません。
同様に、VMS2、VMS3が故障した場合にも、配置情報Keyword1を適用することで、元の状態に戻すことができます。