マスタマシンセットアップシナリオは、イメージ展開のためにマスタマシンやレプリカVM上で必要となる作業を自動化するシナリオで、Sysprep/LinuxRepSetUp関連のファイルのコピーや実行などの処理を自動で行います。マスタマシンセットアップシナリオのパッケージやシナリオは、Built-inシナリオとしてDeploymentManagerに登録されているため、パッケージやシナリオの作成作業は必要ありません。
マスタマシンセットアップシナリオは、DeploymentManagerによる固有情報の適用を行うときに利用できます。
マスタマシンセットアップシナリオの実行方法は、対象環境やテンプレートの種類により、以下の2つの方法があります。どちらの方法においてもマスタマシンセットアップシナリオを実行する前に、マスタマシンにDPMクライアントをインストールする必要があります。
物理環境、または仮想環境でHW Profile Cloneを行う場合
DeploymentManager上でマスタマシンに対してマスタマシンセットアップシナリオを手動で実行します。 SigmaSystemCenterの指定ソフトウェア配布の操作でマスタマシンセットアップシナリオを実行しないでください。指定ソフトウェア配布でマスタマシンセットアップシナリオを実行した場合、正常に動作しません。
仮想環境でDisk Clone、Differential Cloneを行う場合
マスタマシンセットアップシナリオはマスタVMからレプリカVMが作成されるときに自動実行されます。SigmaSystemCenter上でシナリオの指定は省略可能(推奨)です。指定を行う場合は、マスタVMに対して"レプリカ作成時に配布"のタイミングでソフトウェア配布が行われるように設定します。
Built-inシナリオとしてDeploymentManagerに登録されているマスタマシンセットアップシナリオは、対象のOSの種類や使用するSysprepのオプションの違いにより、次の3種類があります。Disk Clone、Differential Cloneでは、シナリオの指定を省略した場合、テンプレートやイメージの設定から適切なシナリオが自動的に選択されて実行されます。
System_WindowsMasterSetup
展開対象のOSがWindowsの場合に使用します。
Disk Clone、Differential Cloneでシナリオの指定を省略する場合、テンプレートに設定されているOS種別が、Windows ClientまたはWindows Serverのときに実行されます。
System_WindowsMasterSetupVM
展開対象のOSがWindows Server 2012以降、Windows 8以降のOSで、Sysprepの「/mode:vm」オプションを指定する場合に使用します。「/mode:vm」オプションは、デバイス検出をスキップすることで、Sysprep使用時における初回起動を高速化するオプションです。
Disk Clone、Differential Cloneでシナリオの指定を省略する場合、テンプレートに設定されているOS種別が、Windows ClientまたはWindows Serverで、イメージに設定されている[VMモード]が有効なときに実行されます。
Sysprepの「/mode:vm」オプションの詳細については、Microsoft社から下記資料を参照してください。
「 http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/hh825033.aspx 」
なお、mode:vmを有効にすると管理対象マシンへIPアドレスの固有情報反映が行われないため、ホスト設定で明示的にIPアドレスを指定したり、IPアドレスプールを使用したりする必要がある場合は本シナリオを利用しないでください。
System_LinuxMasterSetup
展開対象のOSがLinuxの場合に使用します。
Disk Clone、Differential Cloneでシナリオの指定を省略する場合、テンプレートに設定されているOS種別が、Linuxのときに実行されます。