「 6.2.6. VNX利用時のシステム構成 」 、「 6.2.7. VNX(SMI-S)利用時のシステム構成 」 に記載の初期設定実施後、LUN(ディスクボリューム)と管理対象マシンの接続の制御のために、以下の準備が必要です。なお、SANブートの環境の場合はSANブート用の準備作業が別途必要です。「 6.4.5. SANブートでの利用 」 を参照してください。
Navisphere CLIなどのVNXの管理ツールでの設定
RAIDグループの作成
LUNの作成先となるRAIDグループを作成します。
※ SigmaSystemCenterのLUN(ディスクボリューム)作成機能を利用する場合(RAIDタイプの固定化について)
SigmaSystemCenterのLUN作成機能は、RAIDグループのRAIDタイプが事前に設定されている前提で動作します。
RAIDグループのRAIDタイプは、LUNの削除によってRAIDグループ中にLUNが1つもなくなった場合にRAIDタイプの設定が消去されます。次の方法で、作成したRAIDグループのRAIDタイプがSigmaSystemCenterによるLUN作成前に事前に設定され、利用中にRAIDタイプが消去されないようにしておく必要があります。
対象のRAIDグループに対して事前にLUNをダミーで1個作成してください。LUNを作成することでRAIDグループのRAIDタイプが設定されます。 なお、ここで作成したダミーのLUNは、誤って削除されることを防ぐため、運用では使用しないことを推奨します。
LUNの作成
作成したRAIDグループ上に、マシンと接続を行う対象となるLUNの作成を行います。下記のコマンド、もしくはNavisphere ManagerやUnisphereを使用して作成することが可能です。SigmaSystemCenterでLUNを作成する場合はこの作業は不要です。
naviseccli -h [SPのIP] bind [RAIDタイプ] [LUN番号] -rg [RAIDグループID] -cap
[LUNサイズ] -sp [SP名] -sq [LUNサイズの単位]
SigmaSystemCenterは、MetaLunには対応していません。
作成するLUNの名前はディスクアレイ内で一意にしてください。同一名のLUNが複数存在すると、SigmaSystemCenterからのストレージ制御が失敗する原因となります。
ストレージグループの作成
制御対象となる管理対象マシンに対応するストレージグループを作成します。下記のコマンド、もしくはNavisphere ManagerやUnisphereを使用して作成することが可能です。
naviseccli -h [SPのIP] storagegroup -create -gname [ストレージグループ名]
作成するストレージグループの名前はディスクアレイ内で一意にしてください。同一名のストレージグループが複数存在すると、SigmaSystemCenterからのストレージ制御が失敗する原因となります。
また、作成したストレージグループに割り当てるホスト情報やHBAをストレージ装置に登録したり、ストレージグループにホスト情報を割り当てたりしないでください。コマンドの場合、-connecthostや-setpathスイッチによる実行が該当します。SigmaSystemCenterからの制御以外の方法で、前記の作業が行われている場合、SigmaSystemCenterのストレージ制御が失敗する原因となります。
SigmaSystemCenterの設定
ディスクボリュームの登録
ディスクアレイ登録後、制御の対象となるディスクボリュームとしてLUNを登録します。LUNの登録時、作成済みのLUNの一覧が選択肢として表示されます。作成済みのLUNが表示されない場合は収集を実行してください。登録対象のディスクボリュームの作成をSigmaSystemCenterを使用して行う場合は、下記を参照してください。
名前:ディスクアレイ上で作成済みのLUN名が表示されます。
番号:LUNの番号が表示されます。
共有状態:複数のマシン間でディスクボリュームを共有する場合は、共有状態を共有に変更します。
フェイルオーバー・モードの設定
ディスクボリュームの接続制御時に指定するフェイルオーバー・モードの設定を必要に応じて変更します。既定値はEMC社が推奨する4です。
レジストリキー: HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\NEC\PVM\Provider\Storage\Clarix の値:failovermode(DWORD)で設定します。
ディスクボリュームの作成
VNXの管理ツールでディスクボリューム(LUN)の作成を行わない場合は、SigmaSystemCenterを使用してディスクボリュームを作成します。
Webコンソールの[リソース]ビュー、または、ssc create diskvolumeコマンドで、ディスクボリュームを作成します。SigmaSystemCenterからディスクボリュームの作成を行った場合、ディスクボリュームの登録は自動的に行われるため、上記ディスクボリュームの登録の作業は不要です。
作成するディスクボリュームの名前はディスクアレイ内で一意にしてください。同一名のディスクボリュームが複数存在すると、SigmaSystemCenterからのストレージ制御が失敗する原因となります。
HBA、パス情報の登録
管理対象マシンにセッティングされているHBAの情報(WWNNとWWPN)や管理対象マシンとディスクアレイ間のパス情報を、sscコマンドとWebコンソールのマシンプロパティ設定で登録します。
パス情報の登録のために、ディスクアレイをあらかじめ登録しておく必要があります。
sscコマンドを実行してディスクアレイ側のパスの情報を表示します。
Navisphere CLIを利用してストレージを管理した場合
>ssc show diskarraypath CK100000
SG20(CK100000/ SP A /0)
SG20(CK100000/ SP A /1)
SG20(CK100000/ SP B /0)
SG20(CK100000/ SP B /1)
SMI-Sを利用してストレージを管理した場合
>ssc show diskarraypath CLARiiON+CK100000
SG20
HBAのアドレス(WWNN、WWPN)とHBAの接続先のディスクアレイのパスをSigmaSystemCenterに登録します。VNXの場合、WWNNの指定は必須です。HBAと接続先のディスクアレイのパスの組み合わせが複数ある場合は、組み合わせのすべてのパターンを実行する必要があります。SMI-Sを利用する場合、ディスクアレイ側のパスを指定する必要はありません。装置により、ディスクアレイ側のすべてのパスへ自動的に接続されます。
Navisphere CLIを利用してストレージを管理した場合
>ssc set hba CK100000 "SG20(CK100000/ SP A
/0)" 2000-0000-C92B-53D3 -wwnn 1000-0000-C92B-53D3
>ssc set hba CK100000 "SG20(CK100000/ SP A
/1)" 2000-0000-C92B-53D3 -wwnn 1000-0000-C92B-53D3
>ssc set hba CK100000 "SG20(CK100000/ SP B
/0)" 2000-0000-C92B-53D3 -wwnn 1000-0000-C92B-53D3
>ssc set hba CK100000 "SG20(CK100000/ SP B
/1)" 2000-0000-C92B-53D3 -wwnn 1000-0000-C92B-53D3
>ssc set hba CK100000 "SG20(CK100000/ SP A
/0)" 2000-0000-C92C-53D3 -wwnn 1000-0000-C92C-53D3
>ssc set hba CK100000 "SG20(CK100000/ SP A
/1)" 2000-0000-C92C-53D3 -wwnn 1000-0000-C92C-53D3
>ssc set hba CK100000 "SG20(CK100000/ SP B
/0)" 2000-0000-C92C-53D3 -wwnn 1000-0000-C92C-53D3
>ssc set hba CK100000 "SG20(CK100000/ SP B
/1)" 2000-0000-C92C-53D3 -wwnn 1000-0000-C92C-53D3
SMI-Sを利用してストレージを管理した場合
>ssc set hba CLARiiON+CK100000 SG20
2000-0000-C92B-53D3 -wwnn 1000-0000-C92B-53D3
>ssc set hba CLARiiON+CK100000 SG20
2000-0000-C92C-53D3 -wwnn 1000-0000-C92C-53D3
上記sscコマンドで登録したHBAの情報に対応する[HBA番号]を、[リソース]ビュー/マシンプロパティ設定/[ストレージ]タブにて設定します。
HBAの設定情報は、[HBA番号]と[アドレス]、[接続先]の情報からなります。
[HBA番号]は、SigmaSystemCenter上での管理番号として任意の番号を選択します。
設定された[HBA番号]は、ディスクボリュームに接続する管理対象マシン上のHBAを特定するために使用されます。
[アドレス]は、前述の手順で、sscコマンドより登録したWWPN/WWNNが設定の選択肢として表示されますので、一覧の中から該当するWWPNを選択します。
[接続先]には接続しているストレージ情報が表示されます。[アドレス]の指定のときにWWPNと関連付いているストレージの情報が自動で設定されます。WWPNとの関連付けは、上述の「HBA、パス情報の登録」で行います。
ホストに接続するディスクボリュームの登録
リソース割り当て時に接続を行うディスクボリュームとHBAの組み合わせをホスト設定に登録します。共有使用するディスクボリュームの場合、グループ設定やモデル設定で設定することができます。ディスクボリュームは対象のディスクアレイとディスクボリューム名の組み合わせで指定します。HBAはHBA番号で指定します。SigmaSystemCenterは、ディスクボリュームの接続制御のとき、ディスクアレイ名とディスクボリューム名から対象のディスクボリュームを特定し、HBA番号から対象のHBAとパス情報を特定して接続の処理を行います。
冗長構成の場合は、個別のHBA番号を指定せず、すべてのHBAが接続されるように設定する必要があります。
ディスクボリュームのLUNを自動的に設定される番号と異なる番号で指定したい場合は、ホスト設定でディスクボリュームのLUNを明示的に指定する必要があります。
なお、ssc assign/release diskvolumeコマンドによるマシンとディスクボリュームの接続/切断のみの機能を利用し、リソース割り当てやマスタマシン登録などの操作ではディスクボリューム接続制御が実行されないように利用したい場合は、グループプロパティ設定/モデルプロパティ設定/ホスト設定に接続の設定を登録しないでください。