マスタVMとは、新規リソース割り当ての操作により仮想マシンの作成および自動構築を実施するときに作成する仮想マシンの雛型として利用する仮想マシンのことです。マスタVMとして利用する仮想マシンは、雛型として利用できるようにOSや必要なソフトウェアのインストールの準備を行った後、テンプレートやイメージの作成時に指定して使用します。
テンプレートの作成時に指定され、マスタVMとして使用された仮想マシンは、[仮想]ビューのマスタVM一覧上で表示され、アイコンに"M"のマークが表示されます。
レプリカVM以外の仮想マシンは、下記のように種類や稼動可否に関係なくマスタVMとして使用可能です。
テンプレートの使用有無、種類に関係なく使用可能 (※Differential Cloneで作成した仮想マシンを除く)
[運用]ビュー上での稼動状態に関係なく使用可能
レプリカVMは不可
マスタVMとして利用するためには、対象の仮想マシンに対して以下の準備を実施する必要があります。
OSのインストール
DeploymentManagerの固有情報反映を利用する場合、DPMクライアントのインストール
各仮想化基盤製品のエージェントのインストール
VMware:VMware Tools
Hyper-V:Hyper-V統合サービス
KVM:qemu-guest-agent
利用の操作前に電源状態を規定の状態にしておく必要がある。(下記の利用操作の表を参照)
マスタVMとして使用する仮想マシンに対して、以下の操作や作業を行い利用します。
テンプレートの種類 |
マスタVMに対する操作/作業 |
説明 |
---|---|---|
Full Clone |
テンプレート作成 |
マスタVMを使用して、テンプレートを作成します。 操作前に使用するマスタVMの電源は Off にしておく必要があります。 |
HW Profile Clone |
マスタマシンセットアップシナリオの実行/Sysprep関連の準備作業 |
マスタマシンセットアップシナリオの実行、または手動でSysprep関連の作業を行い、固有情報反映のための準備を行います。マスタマシンセットアップシナリオは、指定ソフトウェア配布での実行は不可のため、DeploymentManagerからシナリオを実行する必要があります。 操作前に使用するマスタVMの電源は On にしておく必要があります。また、準備を行った後は、マスタVMは固有情報が削除された状態で 電源Off になります。下記のバックアップを行う前に電源Onにしないでください。 |
バックアップ |
DeploymentManagerを利用して、指定のマスタVMのバックアップを行います。 バックアップはマスタマシンセットアップシナリオの実行、または、Sysprep関連の準備を行った後に行います。これらの事前の作業によりマスタVMの電源は Off になりますが、この状態でバックアップを実行する必要があります。 | |
テンプレート作成 |
マスタVMを使用して、テンプレートを作成します。 | |
Differential Clone / Disk Clone |
Sysprep関連の準備作業 |
DeploymentManagerの固有情報反映を利用します。 vCenter Serverの固有情報反映を利用する場合は、本作業は必要ありません。 作業前に使用するマスタVMの電源は On にしておく必要があります。また、準備を行った後は、マスタVMは 電源Off にします。 |
テンプレート作成 |
指定のマスタVMを使用して、テンプレートを作成します。実行時、マスタVMからイメージ(レプリカVM)が作成されます。 操作前に使用するマスタVMの電源は Off にしておく必要があります。 | |
イメージ作成 |
テンプレートに関連付いているマスタVMを使用して、イメージ(レプリカVM)を作成します。 操作前に使用するマスタVMの電源は Off にしておく必要があります。 |
テンプレートに設定されているマスタVMは、ssc update templateコマンドで変更することが可能です。
マスタVMとして使用中の仮想マシンは、削除することができません。削除するためには、対象のマスタVMを使用しているテンプレートを先に削除するか、前述のssc update templateコマンドで別の仮想マシンをマスタVMとしてテンプレートに設定する必要があります。