SANブートとは、管理対象マシンのブート方式の1つで、管理対象マシンのブートのためにSANに接続されたディスクアレイ上のディスクボリュームを使用する方式のことをいいます。
SANブートの構成で管理対象マシンを利用するためには、管理対象マシンのハードウェアやその上で動作するOS、アプリケーションなどのシステムの各階層でSANブート用の設定を行う必要があります。このように、SANブートを実現するためには、SigmaSystemCenter以外の様々な製品を理解する必要があります。SANブート環境の構築方法や設定について、「SAN ブート導入ガイド」や各製品マニュアルを参照してください。
SigmaSystemCenterについては、次のように、ディスクボリュームのLUN関連の設定を考慮する必要があります。
管理対象マシンのブートに使用するデバイスは、BIOSのブート順序の設定で指定します。SANブートについても同様に、ブート順序の設定でHBAと接続されたディスクボリュームを指定する必要があります。また、HBAのBIOSの設定で起動に使用するディスクボリュームのLUNを設定しておく必要があります。
HBAのBIOSの設定作業は、HBAがディスクボリュームを認識できる状態で行う必要があるため、事前にストレージ管理製品を使用して、ディスクボリュームの作成とHBAとディスクボリュームの接続を行う必要があります。BIOS設定終了後、BIOS設定に使用したディスクボリュームの接続を切断します。
なお、BIOSの設定作業で必要となる情報はLUNのみなので、BIOS設定で使用するディスクボリュームは業務で使用するものではなく、任意のディスクボリュームで良いです。
BIOSの設定に関する詳細については、ハードウェアのマニュアルを参照してください。
SANブートのブートデバイスとして使用するディスクボリュームをSigmaSystemCenterのディスクボリューム接続制御の対象とする場合、SigmaSystemCenter側のLUNの設定を管理対象マシン側のBIOS上のLUNの設定と合わせる必要があります。「6.4.3. LUNについて」を参照してください。
次の図は、ローカルディスクでのブートとSANブートのイメージです。
SigmaSystemCenterからSANブートを使用したシステムを管理する場合の利用例について、「6.4.10. SANブート置換の利用例」を参照してください。