Rescue VMの要件について説明します。
Rescue VMの仮想マシンに次のいずれかのOSをインストールする必要があります。
Red Hat Enterprise Linux 6 (x64)
Red Hat Enterprise Linux 7 (x64)
Rescue VMの仮想マシンのハードウェアの要件は、上記のOSを動作させる要件に準じます。Red Hat Enterprise Linux 7のインストールガイドから一部を抜粋すると以下の通りです。詳細はインストールガイドを参照してください。
Intel/AMDの64bit CPU(x86_64)が搭載されていること
少なくとも1GBのメモリーが搭載されていること
最小7.5GBのストレージ領域
次にRescue VMを利用する環境におけるSigmaSystemCenterとvCenter Serverが動作する管理サーバVMとRescue VMの利用可能な構成について説明します。
SigmaSystemCenterとvCenter Serverについては、次の図のように、同一の管理サーバVMにインストールする場合でも別の管理サーバVM上にインストールする場合でもどちらも利用可能です。
SigmaSystemCenterとvCenterServerが同一管理サーバVM上で動作
SigmaSystemCenterとvCenter Serverを同一の管理サーバVMにインストールして利用する構成です。
後述の説明のように管理サーバVMとRescue VMが同一ESXi上で動作しないようにする必要があるため、次の図のようにVM配置制約のNE制約の設定が必要です。
SigmaSystemCenterとvCenter Serverが別管理サーバVM上で動作
SigmaSystemCenterとvCenter Serverを別管理サーバVMにインストールして利用する構成も可能です。
ただし、NE制約を設定するためにSigmaSystemCenterとvCenter Serverの管理サーバVMとRescue VMをそれぞれ異なるESXi上に配置する必要があります。また、障害時の退避先のESXiも必要なためシステムに4台以上のESXiが必要となります。
Rescue VMについては、管理サーバVMとのESXi上の配置関係に注意が必要です。
次の図のようにSigmaSystemCenterまたはvCenter Serverの管理サーバVMとRescure VMが同一ESXi上に配置されている場合、ESXiに障害が発生するとRescue VMと管理サーバVMの両方がダウンしている状況になるため、復旧することができなくなります。
そのため、管理サーバVMとRescue VMは同一ESXi上に配置しないようにする必要があります。前述の通り、NE制約を利用することで自動的に同一ESXi上に移動されることをガードすることが可能です。
同一ESXi上への管理サーバVMとRescue VMの配置は不可
なお、正しい配置の場合でも、管理サーバVMとRescue VMの多重障害時は復旧処理を実行できなくなります。次の図のように管理サーバVMとRescue VMが配置されているそれぞれのESXiで同時に障害が発生する場合などが考えられます。
管理サーバVMとRescue VMの多重障害は非対応
また、Rescue VMを利用する環境では次の注意事項もありますので注意してください。
管理サーバの仮想マシンに接続する仮想スイッチに分散仮想スイッチ(分散仮想ポートグループ)を使用しないでください。分散仮想ポートグループを使用した場合、Rescue VMから行われる管理サーバの仮想マシンのFailoverが失敗します。