複数台の仮想マシンを同じ仮想マシンサーバ上に配置する必要があるケースとしては、一般的に以下のような場合が考えられます。
仮想マシン間の通信が多く、異なる仮想マシンサーバに配置した場合にネットワーク負荷や遅延が問題となる。これを防ぐために、同一の仮想マシンサーバ上に配置したい。
このような要件でシステムを構成した場合について、説明します。
次の図は、グループGroupA上の仮想マシンサーバVMサーバ1、VMサーバ2、VMサーバ3と、その上で動作するVM1、VM2、VM3、VM4、VM5、VM6、VM7、VM8が存在する状況において、密接に関係する一部のVM間でEQ制約を設定した場合の例です。
システムにある業務のうち、業務Aと業務Bの仮想マシンはそれぞれ1つの組となって動作しており、これら2つの仮想マシン間では頻繁に通信が発生します。このため、このような仮想マシン群は、十分なパフォーマンスを発揮させるために同一の仮想マシンサーバ上で動作することが求められます。
上記を実現するためにこれら仮想マシンの組に対してEQの配置制約を適用します。本例では、VM1とVM2、およびVM3とVM4がそれぞれ上述の組となる仮想マシンであり、このためEQ制約は、VM1とVM2、および、VM3とVM4の間で設定します。
この配置制約により、各仮想マシンの組は、常に同一の仮想マシンサーバで動作するようになります。次の図のステップ②は、VMサーバ1で障害が発生し、この上で動作していたVMが退避された例です。VMサーバ1上にある仮想マシンのうち、VM1とVM2、およびVM3とVM4はそれぞれ同じ仮想マシンサーバが退避先となります。それ以外の仮想マシンについては、負荷状況に応じて各々移動先が決定されます。