論理ネットワークのP-Flow設定では、管理対象マシンが接続する仮想テナントネットワーク(VTN)の定義を行います。任意のタイミング、あるいは、ネットワークに接続する管理対象マシンに対する操作実行時に、設定した内容を対象のProgrammableFlowコントローラ(PFC)に適用して、利用します。
また、[リソース]ビューから、ProgrammableFlowコントローラ(PFC)に対して、適用済の設定を削除することも可能です。
ProgrammableFlowについては、「5.2.17. ProgrammableFlow(P-Flow)とは」、「5.3.7. ProgrammableFlow(P-Flow)制御を行うためにシステム構成」、 「5.3.8. ProgrammableFlow(P-Flow)制御を行うために必要な準備」も参照してください。
論理ネットワークのP-Flow設定は、論理ネットワークの設定の[P-Flow]タブ、[ルータ]タブ上で設定します。各タブを表示するために、論理ネットワークの[ネットワーク仮想化]の設定を「Programmable Flow」にする必要があります。
定義対象のVTNの名前は、通常、論理ネットワークの名前が使用されます。後述の[論理ネットワーク名に別名を指定する。]のチェックをオンにして、明示的にVTN名を指定することも可能です。
各タブには次の設定項目があります。
[P-Flow]タブ
PFC
指定対象となるProgrammableFlowコントローラは事前に登録しておく必要があります。[管理]ビュー→[サブシステム]→[追加]を実行して登録することができます。
ProgrammableFlowコントローラが1台しか登録されていない場合、本項目は表示されせん。
[論理ネットワーク名に別名を指定する。]
論理ネットワーク名がVTNの名前としてProgrammableFlowの規約に沿わない場合は、チェックボックスをオンにしてVTNの名前を論理ネットワーク名と異なる名前で指定します。
また、同じ名前の複数の論理ネットワークを作成することができないため、複数の論理ネットワークで同じVTNを制御する場合は、本設定で明示的にVTN名を指定してください。
入力できる文字数は31文字以内です。使用できる半角記号は、_ です。
仮想ブリッジ
VTN上に構築する仮想ブリッジの設定を指定します。
仮想ブリッジは、指定のVLAN IDのタグのパケットを送受信するノード間の通信が行われるように動作します。
仮想ブリッジは、次の設定で構成されます。
ブリッジ名 :
仮想ブリッジの名前を指定します。
マッピング方式 :
物理ネットワークリソースをマッピングする方式を指定します。
vlan-mapから変更することはできません。
vlan-mapの方式では、ProgrammableFlowのネットワークで該当するVLAN IDのタグのパケットを受信した際、該当するVLAN IDが指定された仮想ブリッジと該当パケットの入り口となったProgrammableFlowスイッチ上の物理ポートが自動的に接続されます。
VLAN ID :
仮想ブリッジに割り当てるVLAN IDを指定します。
[ルータ]タブ
ルータ
VTN上に構築する仮想ルータの設定を指定します。仮想ルータは次に説明するインターフェースやスタティックルーティング情報によるIPルーティングを実施します。
インターフェース
仮想ルータに登録するインタフェース情報を指定します。各インターフェースに指定するIPアドレスの情報より、インターフェース間のIPルーティングが自動的に実施されます。
インターフェースは、次の設定で構成されます。
インターフェース名 :
インターフェースの名前を指定します。
IPアドレス/サブネットマスク :
インターフェースに登録するIPアドレス情報を指定します。1つのルータに同じセグメントのIPアドレスのインタフェースを複数設定することはできません。
接続先 :
インターフェースの接続先である仮想ブリッジを指定します。ここで指定する仮想ブリッジは、同じ論理ネットワークの[P-Flow]タブに設定しておく必要があります。
スタティックルーティング
仮想ルータに登録するスタティックルーティング情報を指定します。
インターフェースは、次の設定で構成されます。
宛先IPアドレス/サブネットマスク :
ルーティングの条件となる宛先のIPアドレス情報を指定します。
転送先IPアドレス :
転送先のIPアドレスを指定します。
論理ネットワークのP-Flow設定のProgrammableFlowコントローラへの適用制御は、新規の設定を適用する時のみ可能です。
論理ネットワークのP-Flow設定のProgrammableFlowコントローラに対する適用の制御は、次の条件の時、後述の操作を実行すると行われます。
新規にP-Flow設定を行った時
設定済みのP-Flow設定を変更した時(※)
(※)既にProgrammableFlowコントローラに設定が適用済みで設定が重複している場合、操作がエラーになる場合があります。この場合、該当する設定の削除を実施してから、再度操作を行ってください。
論理ネットワークの詳細の画面にて、以下の操作で、ProgrammableFlowコントローラに適用することができます。
[P-Flow適用]
定義したP-Flow設定を指定のProgrammableFlowコントローラに適用する場合に実行します。
また、論理ネットワークに接続する定義が行われた管理対象マシンに対して、以下の操作を実行した場合も、ProgrammableFlowコントローラに設定を適用することができます。
[リソース割り当て]
[スケールアウト]
[マスタマシン登録]
[マシン置換]
[マシン用途変更]
[構成変更]
ProgrammableFlowコントローラに対して適用を行った設定について、[リソース]ビュー上でProgrammableFlowコントローラを指定して削除することも可能です。以下の設定を削除することができます。
VTN
仮想ルータ
仮想ブリッジ
ProgrammableFlowコントローラに対して適用を行った設定の変更はSigmaSystemCenterから行うことはできません。設定の変更はProgrammableFlowコントローラ上で行う必要があります。