テンプレートとは、仮想マシンのハードウェア設定やOSイメージなどの情報で構成される、仮想マシンを作成するための雛形です。テンプレートにより、インストールや構成時の反復作業を省くことができます。テンプレートはマスタVMとして利用する任意の仮想マシンから作成されるため、同一テンプレートから作成された仮想マシンは、基本的にマスタVMのイメージや設定を共通に持ちます。共通部分以外の個々の仮想マシン固有の設定については、「4.3. 仮想マシンに割り当てるデバイスのカスタマイズ」や「1.4. イメージ展開について」の情報が使用され設定されます。マスタVMから作成するイメージの管理方法はテンプレートの種類によって異なります。Differential Cloneや Disk Cloneについては、パッチ適用などの更新が行われた際に作成されたマスタVMの「4.4.12. イメージとレプリカVM(Differential Clone、Disk Clone)」ことができます。
SigmaSystemCenter では次の4種類のテンプレート方式を利用することができます。
テンプレート種類 | 操作簡易性 | 機能性 | 仮想マシン作成性能 | 容量 | 特長 |
---|---|---|---|---|---|
Full Clone | ★★★ | ★ | ★★ | ★★ | 仮想化基盤製品の標準テンプレートを使用する。VMware vCenter Serverとテンプレートを共有できる点や設定のしやすさがメリットである。 |
HW Profile Clone | ★ | ★ | ★☆ | ★★ | 物理マシンと同様にDPMによるバックアップ・リストアで仮想マシンを作成することができる。DeploymentManager の高速Sysprepの機能により仮想マシン作成性能の項目に☆が1つ追加された。 |
Differential Clone | ★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ベースとの差分情報のみを作成するため、容量が少なく、また、作成時間が短い。ただし、マスタVMのスナップショットの管理などが必要なため管理コストは大きい。別途ライセンスが必要。 |
Disk Clone | ★★ | ★★ | ★☆ | ★★ | イメージ管理機能により同一マスタVMから作成したイメージの世代管理がしやすい。Differential CloneのようにマスタVMのスナップショットが必要ない分、管理しやすい。DeploymentManager の高速Sysprepの機能により仮想マシン作成性能の項目に☆が1つ追加された。 |
各仮想環境における各種テンプレートの使用可否について、次の表を参照してください。
括弧内はゲストOSの固有情報設定を行う製品です。推奨パターンは太字で記載します。斜体字は非推奨です。
管理対象の環境 | Full Clone | HW Profile Clone | Differential Clone | Disk Clone |
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VMware(vCenter Server管理) | 利用可能(VC) | 利用可能(DPM) | 利用可能(VC) | 利用可能(VC) |
スタンドアロンESXi | 利用不可 | 利用可能(DPM) | 利用可能(DPM) | 利用可能(DPM) |
XenServer | 利用不可 *1 | 利用不可 | 利用可能(DPM) *2 | 利用可能(DPM) |
Hyper-Vクラスタ | 利用不可 | 利用可能(DPM) | 利用可能(DPM) | 利用可能(DPM) |
Hyper-V単体 | 利用不可 | 利用可能(DPM) | 利用可能(DPM) | 利用可能(DPM) |
KVM | 利用不可 | 利用不可 | 利用可能(DPM) | 利用可能(DPM) |
*1 [運用]ビューから新規リソース割り当てによる通常の仮想マシン作成操作は不可。[仮想]ビュー上で作成は可能だが、ゲストOSの固有情報設定は不可。
*2 XenServerでは、性能的なメリットが大きいため、Differential Cloneを推奨。容量的にはメリットはほとんどない。
なお、テンプレートはエクスポート・インポートすることが可能です。「4.4.17. テンプレートのインポートとエクスポート」を参照してください。