多数の仮想マシンに対して、一斉に起動、または再起動を実行すると、仮想マシンサーバ、およびデータストアへの負荷が集中することにより、処理性能が大幅に劣化する場合があります。
これを回避するため、SystemProvisioningでは、仮想マシンの一斉起動・再起動時に、時間差実行を行います。
時間差実行では、仮想マシンサーバ、またはデータストアごとの最大同時実行数を超過しないように、対象マシンを複数の実行グループに分け、設定された時間差間隔ごとに実行を開始します。
たとえば、仮想マシンサーバごとの最大同時実行数が3、データストアごとの最大同時実行数が5、時間差間隔が30秒の場合
仮想マシンサーバ1上の仮想マシン:
VM11、VM12、VM13、VM14、VM15、VM16、VM17 (すべてデータストア1上)
仮想マシンサーバ2上の仮想マシン:
VM21、VM22、VM23、VM24、VM25、VM26、VM27 (すべてデータストア1上)
仮想マシンサーバ3上の仮想マシン:
VM31、VM32、VM33、VM34、VM35、VM36、VM37 (すべてデータストア2上)
上記のすべての仮想マシンに対する一斉起動は、以下のように実行されます。
最大同時実行数を超過しないように、以下のとおり、複数の実行グループに分けられる。
実行グループ1:VM11、VM21、VM31、VM12、VM22、VM32、VM13、VM33
実行グループ2:VM23、VM14、VM24、VM34、VM15、VM25、VM35、VM36
実行グループ3:VM16、VM26、VM17、VM27、VM37
実行グループ1の起動処理が開始される。
実行グループ1の開始から30秒後に実行グループ2の起動処理が開始される。
実行グループ1の開始から60秒後に実行グループ3の起動処理が開始される。
すべての実行グループの処理完了後、ジョブ完了となる。
仮想マシンサーバ、またはデータストアごとの最大同時実行数、および時間差間隔は、以下のレジストリ値で設定することができます。
レジストリキー:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\NEC\PVM\Engine
一斉起動
| 値名 | 既定値 |
---|---|---|
仮想マシンサーバごとの最大同時実行数 | StartupVMsOnSameHost_Max | 5 |
データストアごとの最大同時実行数 | StartupVMsOnSameHost_MaxPerDatastore | 20 |
時間差間隔 (秒) | StartupVMsOnSameHost_Interval | 30 |
一斉再起動
| 値名 | 既定値 |
---|---|---|
仮想マシンサーバごとの最大同時実行数 | RebootVMsOnSameHost_Max | 5 |
データストアごとの最大同時実行数 | RebootVMsOnSameHost_MaxPerDatastore | 20 |
時間差間隔 (秒) | RebootVMsOnSameHost_Interval | 30 |
上記の設定値は、SystemProvisioningが管理するすべての仮想マシンサーバ・データストアで共通に使用されます。仮想マシンサーバごと・データストアごとに異なる値を設定することはできません。