マシンプロパティ、ホスト設定、モデルプロパティ、グループプロパティで登録するソフトウェアの配布タイミングの設定により、運用操作に対するソフトウェアの実行可否や実行タイミングを指定することができます。
配布タイミングの指定の対象となる運用操作は、稼動の処理用か待機の処理用かで、大きく分けることができます。
稼動とは、管理対象マシンを利用できる状態にするために、ホストの定義に対してマシンを割り当てる処理のことを言います。稼動の処理用の配布タイミングには、構築時、稼動時、リソース割り当て時、置換時があります。
ソフトウェア配布の実行を含む稼動が行われる操作は、以下のとおりです。
稼動の操作の1つであるマスタマシン登録ではソフトウェア配布は実行されません。
リソース割り当て
スケールアウト
マシンの用途変更(用途変更先のマシン)
マシンの置換(置換先のマシン)
新規リソース割り当て
再構成(Reconstruct, Revert)
待機とは、稼動の逆で、ホストの定義からマシンの割り当てを解除する処理のことを言います。待機の処理用の配布タイミングには、解体時、待機時、待機時・シャットダウン後があります。
ソフトウェア配布の実行を含む待機が行われる操作は、以下のとおりです。
割り当て解除
スケールイン
マシンの用途変更(用途変更元のマシン)
マシンの置換(置換元のマシン)
VM削除
その他、以下の設定により、ソフトウェアの実行可否や実行タイミングが決まります。
ソフトウェアの登録先の場所
マシンプロパティ、ホスト設定、モデルプロパティ、グループプロパティで登録できます。登録先の場所により、優先順位が異なります。
ソフトウェアの種別
OSイメージ、テンプレート、Backupタスク、アプリケーションとアップデート、スクリプト、ファイルがあります。
OSイメージについては、ディスクボリュームの接続タイミングとの実行順序の関係を、ディスクボリュームの設定で指定可能です。
また、テンプレートは仮想マシンの雛形であるため、仮想マシン作成などの他のプロビジョニング処理で参照されます。指定の配布タイミングでは、ソフトウェア配布は実行されません。
ディスクボリュームの[配布後に接続する]の指定
ディスクボリュームの接続タイミングの設定です。
OSイメージと設定の組み合わせにより、ソフトウェア配布とディスクボリュームの接続の実行順序が変わります。
ホスト設定、モデルプロパティ、グループプロパティの[ストレージ]タブ-[ディスクボリューム設定]で設定します。
割り当て解除操作実行時のオプションの選択
Webコンソールから割り当て解除を実行したときに選択するオプションにより、解体時、待機時、待機時・シャットダウン後のソフトウェア配布が実行可否が決まります。
[マシンを解体する]を選択し、[論理マシンを解体する]を選択した場合
解体時、待機時、待機時・シャットダウン後のソフトウェア配布が実行されます。
[マシンを解体する]を選択し、[論理マシンを解体する]を選択しなかった場合
待機時、待機時・シャットダウン後のソフトウェア配布が実行されます。
[マシンを解体しないで未稼動にする]を選択した場合
すべての配布タイミングのソフトウェア配布が実行されません。
次に、稼動と待機の処理における詳細な動作について説明します。
(1)稼動の操作実行時のソフトウェア配布順
稼動の処理において、ソフトウェア配布と他のプロビジョニング処理は、以下のとおり行われます。
配布順 | ディスクボリュームの接続設定/ ソフトウェア種別 | 配布タイミングの設定 | 説明 |
---|---|---|---|
他のプロビジョニング処理 | 設定内容や対象環境の状況チェックなどの処理の準備作業などが実行されます。
| ||
1 | - | 構築時 | 論理マシンの構築のためのソフトウェア配布が実行されます。登録先の場所により、以下の順序で実行されます。
|
他のプロビジョニング処理。
仮想マシンの場合は、種別がテンプレートのソフトウェアの設定がこの処理で使用されます。 | 物理マシン/仮想マシンサーバの場合、次の配布順のOSのインストールが実行できる状態になるように、プロビジョニング処理が実行されます。 仮想マシンの場合は、この段階で、仮想マシンは作成され、OSはセットアップされた状態まで処理が行われます。
| ||
2 |
| 稼動時、リソース割り当て時、置換時 | ディスクボリュームの接続設定に[配布後に接続]がオンの設定がある場合、種別のOSイメージのソフトウェア配布が実行されます。 ディスクボリュームの接続設定に[配布後に接続]がオンの設定がない場合、本タイミングでソフトウェア配布は実行されません。
OSイメージを複数の登録先に登録した場合、以下の順番で先頭の登録が有効になります。2番目以降の登録は、無効になります。
10. マシンプロパティ、稼動時・グループ配布後 |
他のプロビジョニング処理 | 次の配布順では、アプリケーションとアップデート、スクリプトの配布などを行う必要があるため、残りのディスクボリュームの制御などの処理が実行されます。
| ||
3 |
| 稼動時、リソース割り当て時、置換時 | アプリケーションとアップデート、Backupタスク、スクリプト、ファイルの配布が実行されます。ディスクボリュームの接続設定に[配布後に接続]がオンの設定がない場合は、OSイメージの配布も実行されます。
登録先の場所や配布タイミングの指定により、以下の順序で実行されます。ただし、リソース割り当て時の配布タイミングについては、リソース割り当て操作実行時のみ実行されます。置換時の配布タイミングについては、置換操作実行時のみ実行されます。 OSイメージを複数の登録先に登録した場合、以下の順番で先頭の登録が有効になります。2番目以降の登録は、無効になります。
10. マシンプロパティ、稼動時・グループ配布後 |
他のプロビジョニング処理 | ほぼ、管理対象マシンは利用できる状態になったため、ESMPRO/ServerManagerへの登録やロードバランサへの振り分け先の追加やマシン起動など、後処理が実行されます。
|
(2)待機の操作実行時のソフトウェア配布順
待機の処理において、ソフトウェア配布と他のプロビジョニング処理は、以下のとおり行われます。
配布順 | ソフトウェア種別 | 配布タイミングの設定 | 説明 |
---|---|---|---|
他のプロビジョニング処理 | ロードバランサから振り分け先の削除、ESMPRO/ServerManagerの登録の削除などの処理が実行されます。管理対象マシンはまだ利用できる状態です。 | ||
1 | - | 待機時 | 管理対象マシンが使用できる状態のときに実行する必要があるソフトウェアは、このタイミングで配布されるように設定します。
割り当て解除操作実行時、[マシンを解体しないで未稼動にする]を選択した場合は、配布は実行されません。
登録先の場所や配布タイミングの指定により、以下の順序で実行されます。
|
他のプロビジョニング処理 | 管理対象マシンが物理マシン/仮想マシンサーバの場合、以下の処理により、利用できない状態になります。
| ||
2 | - | 待機時シャットダウン後 | 管理対象マシンが使用できなくなった後、あるいはシャットダウンを行った後に実行する必要があるソフトウェアは、このタイミングで配布されるように設定します。
割り当て解除操作実行時、[マシンを解体しないで未稼動にする]を選択した場合は、配布は実行されません。
登録先の場所や配布タイミングの指定により、以下の順序で実行されます。
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3 | - | 解体時 | 論理マシンの解体のためのソフトウェア配布を実行します。 割り当て解除操作実行時、[論理マシンを解体する]を指定した場合のみ、この配布タイミングのソフトウェア配布は実行されます。 登録先の場所や配布タイミングの指定により、以下の順序で実行されます。
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他のプロビジョニング処理 |
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