クライアントとサーバ間で行われる一連の処理の間セッションは維持され、そのクライアントとの通信は、常に同じリアルサーバとの間で行わなければならない場合があります。
このような状況のときのために、ロードバランサはセッションを維持するための機能を提供しています。
SigmaSystemCenterでは、セッション維持方式として、以下の表の方式を指定することができます。ロードバランサグループごとに設定することができます。
セッション維持方式の指定により、負荷分散を行う処理方法が、L4負荷分散かL7負荷分散のどちらかになります。
また、ロードバランサがリアルサーバにトラフィックを振り分ける動作は、セッション維持方式以外に負荷分散方式の指定も影響します。
セッション維持方式と負荷分散方式の指定の組み合わせによる動作については、下表の [説明] 欄を参照してください。
方式 | 負荷分散の処理方法 | 各製品での利用可否 | 説明 | ||
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NetvisorPro | IntersecVM/LB | Linux Virtual Server | |||
NoSetting | L4負荷分散 | 利用可能 | 利用可能 | 利用可能 | クライアントからのトラフィックは、指定の負荷分散方式により振り分け先のリアルサーバが決定されます。 セッション維持を行わないため、トラフィックごとに負荷分散が行われます。 |
Sticky/Single IP | L4負荷分散 | 利用可能 | 利用可能 | 利用可能 | クライアントからのトラフィックは、指定の負荷分散方式により振り分け先のリアルサーバが決定されます。 開始されたセッションは、クライアントのIPアドレスで識別され、維持されます。 InterSecVM/LBとLinux Virtual Serverでは、セッション開始後、トラフィックがない場合でも、指定の固定化時間の間はセッションが維持されます。
NetvisorProでは[Sticky]を指定します。InterSecVM/LBとLinux Virtual Serverでは[Single IP]を指定します。 |
Range IP | L4負荷分散 | 利用不可 | 利用可能 (3.0以降は利用不可) | 利用可能 | 指定のIPアドレス範囲のクライアントからのトラフィックが、指定のリアルサーバに振り分けられます。 振り分け先候補のリアルサーバが複数ある場合、指定の負荷分散方式により振り分け先が決定され、セッションが維持されます。 InterSecVM/LBとLinux Virtual Serverでは、セッション開始後、トラフィックがない場合でも、指定の固定化時間の間はセッションが維持されます。
クライアントのIPアドレス範囲の設定は、リアルサーバの[クライアントIPアドレス]で設定します。
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Cookie | L7負荷分散 | 利用可能 | 利用可能 | 利用不可 | クライアントからのトラフィックは、指定の負荷分散方式により振り分け先のリアルサーバが決定されます。開始されたセッションは、cookieの情報からセッションが識別され、維持されます。InterSecVM/LBでは、cookieの情報がない場合、クライアントのIPアドレスで識別されます。
NetvisorProでは、セッション管理に利用するクッキーの名前を入力する必要があります。
InterSecVM/LBでは、セッション開始後、トラフィックがない場合でも、指定のCookie固定化時間の間はセッションが維持されます。
セッション管理に利用するクッキーの名前は、仮想サーバの[クッキー]で設定します。
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Ssl | L7負荷分散 | 利用可能 | 利用不可 | 利用不可 | クライアントからのトラフィックは、指定の負荷分散方式により振り分け先のリアルサーバが決定されます。開始されたセッションは、SSLのセッションIDの情報からセッションが識別され、維持されます。 |
URL | L7負荷分散 | 利用不可 | 利用可能 | 利用不可 | HTTPリクエストに含まれるURL情報が指定のパターンと一致している場合、HTTPリクエストは指定のリアルサーバに振り分けられます。 振り分け先候補のリアルサーバが複数ある場合、指定の負荷分散方式により振り分け先が決定され、セッションが維持されます。 セッション開始後、トラフィックがない場合でも、指定の固定化時間の間はセッションが維持されます。
HTTPリクエストを識別するために使用するパターンは、リアルサーバの[URL]で設定します。
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ClientType | L7負荷分散 | 利用不可 | 利用可能 | 利用不可 | HTTPリクエストに含まれるURL情報でiモード携帯端末とそれ以外(PCなど)かが識別され、指定の種類と一致するHTTPリクエストは、指定のリアルサーバに振り分けられます。 振り分け先候補のリアルサーバが複数ある場合、指定の負荷分散方式により振り分け先が決定されます。 開始されたセッションは、PC等はクライアントのIPアドレスで識別され、iモード携帯端末の場合はInterSecVM/LBが付加するタグ情報で識別され、維持されます。
セッション開始後、PC等の場合、トラフィックがない場合でも、指定の固定化時間の間はセッションが維持されます。iモード携帯端末の場合は固定化時間の指定は無視され、固定化時間以上あいた場合でもセッションは維持されます。
クライアントのタイプは、リアルサーバの[クライアントタイプ]で設定します。
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制御対象のロードバランサの種類がInterSecVM/LBかLinux Virtual Serverの場合、NoSetting以外を選択した場合、固定化時間を指定することができます。固定化時間の指定により、セッションを維持する時間を指定することができます。使用中のセッションについて、固定化時間内にトラフィックがない場合、そのセッションは破棄されます。固定化時間の既定値は300秒です。
InterSecVM/LBでは、セッション維持方式にCookieを指定した場合、Cookie固定化時間の指定も可能です。Cookie固定化時間は、cookieの情報により固定化される場合に有効となるセッションを維持する時間です。Cookie固定化時間が有効なとき、固定化時間の指定も有効です。Cookie固定化時間の既定値は300秒です。
NetvisorProのロードバランサの場合、固定化時間を指定できません。