データストアの作成・登録方法は、以下のように、ストレージ環境の種類や仮想化基盤製品の種類により異なります。データストアを作成・登録するためには、事前にその実体となるディスクボリュームを作成しておく必要があります。
登録済のデータストアの情報は、[仮想]ビューの仮想マシンサーバのデータストア一覧や[運用]ビューのリソースプールやssc show datastoreコマンドで閲覧することができます。
SigmaSystemCenterからデータストアを作成・登録するためには、実体となるディスクボリュームをSigmaSystemCenterに登録しておく必要があります。
SigmaSystemCenterから行う場合は、ssc create datastoreコマンドを使用して、対象のディスクボリュームを指定しデータストアを作成することができます。
事前準備として、データストアを作成する前に、対象のディスクボリュームを作成し、接続後にssc scan datastoreコマンドを実行し、仮想マシンサーバにディスクボリュームを認識させる必要があります。
SigmaSystemCenterの[リソース]ビュー上にディスクボリュームの情報を登録しない場合、データストアになる前のディスクボリュームの確認がWebコンソール上でできないため、ssc show datastore -storageコマンドで確認する必要があります。
各仮想基盤ごとの違いは、以下のとおりです。
VMwareの場合
ssc create/scan datastoreコマンドを使用することができます。
vCenter Serverから行う場合、vCenter Server上で対象の仮想マシンサーバとディスクボリュームを指定してデータストアを作成・登録し、登録後に収集でvCenter ServerからSigmaSystemCenterにデータストアの情報を取り込みます。データストアの作成・登録する前にvCenter Server上でディスクをスキャンして認識させる必要があります。
対象のディスクボリュームを複数の仮想マシンサーバで共有して使用する場合、1つ目の仮想マシンサーバでデータストアを作成した後、その他の仮想マシンサーバ上でのデータストアの登録が必要です。2つ目以降の仮想マシンサーバについては、ssc create datastoreコマンドではなく、ssc scan datastoreコマンド、またはvCenter Server上でスキャンを実行して、データストアを登録することができます。
ディスクを拡張する場合、ディスク拡張後、ディスクに接続している各仮想マシンサーバに対して、ssc scan datastoreコマンドを実行して、各仮想マシンサーバに拡張後のディスクの情報を認識させる必要があります。
データストアのStorage I/O Control(SIOC)の設定を有効にするには、構成パラメータ設定でSIOCを有効な指定にして、データストア作成を行う必要があります。「(4)データストアの構成パラメータ設定について」を参照してください。
作成済みのデータストアのSIOCに関する設定変更、および確認を行うことはできません。vSphere Clientで行う必要があります。
Hyper-Vの場合
ssc create/scan datastoreコマンドを使用することができます。ssc create datastoreコマンドで登録可能なディスクボリュームの種類はCSVのみです。
ssc create datastoreコマンドでは、対象ディスクボリュームのフォーマットやクラスタへの追加などの処理を自動的に行います。
対象のディスクボリュームを複数の仮想マシンサーバで共有して使用する場合、1回のssc create datastoreコマンドの実行により、各仮想マシンサーバ上にデータストアを登録することが可能です。
Hyper-V上で手動でデータストアの作成を行う場合、仮想マシンサーバのホストOS上でボリュームの登録、パーティション作成やフォーマットなどを行い、対象のディスクボリュームを使用できるようにした後、収集の操作でSigmaSystemCenterに取り込むことで登録できます。
収集の操作では、CSV、仮想マシンサーバのホストOSに登録されている全ドライブのルートディレクトリ、およびボリュームがマウントされたフォルダがデータストアとしてSigmaSystemCenterに登録されます。
CSVは、複数の仮想マシンサーバで共有して使用する場合に利用します。収集操作の前に、フェールオーバー クラスター マネージャーを使用して、クラスタに対象のディスクボリュームをCSVとして登録しておく必要があります。
対象のディスクボリュームを複数の仮想マシンサーバで共有して使用する場合、データストアを作成する前に、すべての仮想マシンサーバ上で、ssc scan datastoreコマンド、またはHyper-V上でスキャンを実行して、仮想マシンサーバにディスクを認識させる必要があります。
Hyper-Vの場合、データストアに対して、VM作成先ディレクトリの設定が可能です。VM作成先ディレクトリの設定により、データストアのルート以外のディレクトリに仮想マシンを作成することができます。VM作成先ディレクトリの設定は、[仮想] ビューのデータストアの設定で行うことが可能です。
KVMの場合
データストアは、KVMではストレージプールと呼ばれます。
virt-managerを使用して、対象のディスクボリュームを使用して、ストレージプールを作成します。作成後に収集でSigmaSystemCenterにデータストアの情報を取り込みます。
FC SAN環境のディスクボリュームを複数の仮想マシンサーバで共有して使用することはできません。
ssc create/scan datastoreコマンドは使用できません。
NAS環境では、スキャンによるデータストアの登録を行うことができません。そのため、対象のディスクボリュームを複数の仮想マシンサーバで共有して使用する場合、各仮想マシンサーバに対してデータストア作成・登録を行う必要があります。
ssc create datastoreコマンドを使用してSigmaSystemCenterから行う場合は、NAS環境ではフォルダ名とサーバアドレスを指定する必要があります。フォルダ名はファイルサーバ上で公開されている共有フォルダを指定します。NetAppの場合、対象のディスクボリューム名の頭に"/"を付けると共有フォルダ名になります。サーバアドレスは、ファイルサーバのホスト名、または、IPアドレスを指定します。NetAppの場合、ディスクアレイのIPアドレスとしてNAS用のLAN側のIPアドレスを指定します。
各仮想基盤ごとの違いは以下のとおりです。
VMwareの場合
ssc create datastoreコマンドを使用することができます。
vCenter Serverから行う場合は、FC/iSCSI SAN環境と同様にvCenter Server上でデータストアを作成後にSigmaSystemCenterに収集で取り込みます。
データストアのStorage I/O Control(SIOC)の設定を有効にするには、前述のFC/iSCSI SAN環境と同様に構成パラメータ設定での設定が必要です。「(4)データストアの構成パラメータ設定について」を参照してください。
Hyper-Vの場合
NAS環境(NFS)では利用できません。
KVMの場合
ssc create datastoreコマンドを使用することができます。
virt-managerで行う場合は、FC SAN環境と同様にvirt-manager上でストレージプールを作成後にSigmaSystemCenterに収集で取り込みます。
対象のディスクボリュームを複数の仮想マシンサーバで共有して使用する場合、すべての仮想マシンサーバに対して、同一名のストレージプールを作成する必要があります。
Hyper-Vの場合
Windows Server 2012 Hyper-Vを使用している場合にのみ、CIFS(SMB3.0)のSMBファイルサーバ上の共有フォルダをデータストアとして使用することができます。仮想マシンサーバにデータストアを登録する前に、ファイルサーバ上で手動でデータストアとなる領域を作成する必要があります。
SMBファイルサーバは、SigmaSystemCenterのストレージ制御の対象外です。SigmaSystemCenterからディスクボリュームを作成したり、管理対象マシンとディスクボリュームを接続したりすることはできません。
対象となる共有フォルダをデータストアとして作成・登録するためには、ssc create datastoreコマンドを実行する必要があります。Hyper-V単体環境上で対象の共有フォルダを複数の仮想マシンサーバで共有して使用する場合、各仮想マシンサーバに対してデータストア作成・登録を行う必要があります。Hyper-Vクラスタ環境では、1回sscコマンドを実行するだけでクラスタを構成する各仮想マシンサーバに反映されます。
データストアの構成パラメータの設定について、説明します。
■利用可能な操作
構成パラメータは、以下のデータストア作成のsscコマンド実行時に指定することが可能です。構成パラメータは-propertyオプションで指定します。
ssc create datastore
なお、作成済みのデータストアに対して、SigmaSystemCenterから設定の確認や変更を行うことはできません。設定の確認や変更を行う場合は、vSphere Clientを使用して行う必要があります。
■設定項目
以下の表の設定が可能です。
各パラメータの詳細については、VMwareのマニュアルも参照してください。
仮想化基盤製品 | パラメータ | 値 |
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VMware | datastore.ioc | Storage I/O Control(SIOC) の有効/無効を設定します。既定値はoffです。
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datastore.ioc.threshold | SIOCが有効なデータストアのI/Oの輻輳状態を検出するため、データストアの応答時間のしきい値を指定します。 パーセンテージ(%), ミリ秒(ms) の単位を付けて指定することができます。%の場合は、最大スループットに対する割合で指定します。 例: 90%, 30ms
既定値は90%です。 | |
datastore.ioc.iostat.collect | IO統計収集の有効/無効を設定します。既定値はvSphere6.0の場合はoff 、vSphere6.5の場合はonです。
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datastore.ioc.sdrs.iostat | VMwareのvSphere Storage DRS機能 (SDRS) での IO統計の有効/無効を設定します。既定値はoffです。
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