Hyper-V環境を管理するために、Hyper-Vクラスタと Hyper-V単体の2種類の方式があります。
Hyper-Vクラスタ
Windows Server Failover Cluster(WSFC)で管理された仮想マシンサーバのクラスタを管理します。Microsoft Failover Clusterの機能により、Migrationや障害時のフェールオーバーなどの機能が利用できるようになります。他の仮想化基盤とほぼ同等の機能が利用できるようになります。管理対象のクラスタをSigmaSystemCenterで管理するためには、Webコンソールのサブシステム画面上で管理対象のクラスタを登録します。
Hyper-V単体
Hyper-V仮想マシンサーバを個別に管理します。Microsoft Failover Cluster利用により実現する機能は、利用できません。また、Hyper-V単体の管理方式はデフォルトでは有効になっていません。有効にするためには、Webコンソールの[仮想]ビュー上で"Hyper-Vを管理する"を実行する必要があります。
SigmaSystemCenter は、Hyper-Vクラスタと Hyper-V単体の両方が混在した環境を管理することができます。ただし、1つの仮想マシンサーバを両方の方式で同時に管理することはできません。どちらか片方の方式を選択する必要があります。
Hyper-Vクラスタと Hyper-V単体の機能差異は次の表のとおりです。
機能 | Hyper-Vクラスタ | Hyper-V単体 |
---|---|---|
VM作成/削除/再構成(HWProfile/Disk/Differential Clone) | 利用可能 | 利用可能 |
マシンプロファイル/VM編集 | 利用可能 | 利用可能 |
テンプレートのインポート/エクスポート | 利用可能 | 利用可能 |
スナップショット管理/イメージ管理 | 利用可能 | 利用可能 |
VMインポート/VMエクスポート | 利用可能 | 利用可能 |
VMクローン | 利用可能 | 利用可能 |
VM電源制御 | 利用可能 | 利用可能 |
仮想マシンサーバの電源制御 | 利用可能 | 利用可能 |
VM移動(Migration / Quick Migration) | 利用可能 | 利用可能(SMBファイルサーバ) *1 |
VM移動(Storage Migration / Move) | 利用可能 *1 | 利用可能 *1 |
VM移動 (Failover) | 利用不可(SSCからの操作) | 利用可能(SMBファイルサーバ) *1 |
障害時のVM自動Failover | 利用可能(WSFC動作の自動同期) | 利用不可 |
障害予兆時のVM自動Migration | 利用可能 | 利用可能(SMBファイルサーバ) *1 |
仮想マシンサーバのブートコンフィグ(vIO)置換 | 利用可能 | 利用可能 |
VM最適起動 | 利用可能 | 利用可能(別サーバへの移動はWindows Server 2012以降が必要) |
VM最適配置(負荷分散、省電力) | 利用可能 | 利用可能(SMBファイルサーバ) *1 |
VM配置制約 | 利用可能(VM最適起動とVM最適配置のみ) | 利用可能(SMBファイルサーバ) *1 |
仮想マシンサーバ監視 | 利用可能(WSFC動作の自動検出) | 利用可能 |
VM死活監視 | 利用可能(WSFC動作の自動検出) | 利用可能 |
仮想マシンサーバHW予兆監視 | 利用可能 | 利用可能(ポリシーによる自動移動はSMBファイルサーバ) *1 |
仮想マシンサーバへのパッチ配布 | 利用可能 | 利用可能 |
VMへのパッチ・アプリケーション配布 | 利用可能 | 利用可能 |
仮想マシンサーバプロビジョニング | 利用不可 | 利用不可 |
VMコンソール/コンソールスクリーンショット | 利用可能 | 利用可能 |
最新性能情報閲覧 | 利用可能 | 利用可能 |
性能監視、グラフ表示(SystemMonitor) | 利用可能 | 利用可能 |
*1 Windows Server 2012以降が必要
仮想マシンサーバと仮想マシンの監視や障害時のVM自動Failoverについては、Microsoft Failover Clusterの機能で実現します。Microsoft Failover Clusterが何らかの障害を検出した場合、SigmaSystemCenter は、それを検出し運用ログにイベントを記録したり、仮想マシンサーバとVMのステータス情報に状態を反映したり、ポリシーを起動したりすることができます。障害時は、Microsoft Failover Clusterが障害が発生した仮想マシンサーバ上で動作していた仮想マシンを別の仮想マシンサーバに自動的にFailoverします。SigmaSystemCenter は、その動作を自動的に検出し、構成情報データベースに反映を行い、実際の状況と保持情報が矛盾しないように動作します。
なお、Hyper-VのHyper-Vレプリカ機能について、SigmaSystemCenterから設定を行うことはできません。Hyper-V マネージャーなどを使用して設定する必要があります。
また、SigmaSystemCenterにレプリカ仮想マシンを登録して管理することはできません。