もうひとつの復旧機能は、温度異常などのHW障害予兆発生時に実行される仮想マシンのVM退避の機能です。
マシンに搭載されているBMCは、障害の予兆となるハードウェアの異常な状態を検出することができます。BMCで検出された異常はESMPRO/ServerAgent・ServerManager、または、Out-of-Band Management(OOB管理)を経由して、イベント通知されます。通知されたイベントを受け、SigmaSystemCenter はその仮想マシンサーバ上で動作している仮想マシンを別仮想マシンサーバにMigrationすることで、障害による業務停止を事前に回避するようにします。
前述の仮想マシンサーバダウン時のVM退避では障害発生時に一時的に業務停止が発生しますが、本機能を利用することで仮想マシンサーバの障害を事前に回避できるため、業務をできるだけ停止しないような運用が可能になります。
センサー診断では、イベント受信後、OOB管理によりハードウェア状態の再度確認が行われます。状態に変わりがなければ、引き続き復旧処理が実行されます。OOB管理 が無効な場合は、センサー診断の処理は実行されず、ポリシーの次のアクションが実行されます。
本機能を利用するためには、ESMPRO/ServerAgentの障害時自動シャットダウンの設定を無効にしておく必要があります。*1
本機能を利用するために使用する標準ポリシーは、標準ポリシー(仮想マシンサーバ 予兆)、標準ポリシー(仮想マシンサーバ Hyper-V 予兆)です。これらの標準ポリシーでは、予兆関連のイベントのポリシー規則が有効な状態で登録されています。その他の仮想マシンサーバ用の標準ポリシーについては、予兆関連のイベントのポリシーが無効状態で追加されているため、状態の設定を有効に変更することで利用可能です。
次の図は、VMware(vCenter Server管理)の環境で標準ポリシー(仮想マシンサーバ 予兆)を使用した場合に、HW予兆:筺体温度異常のイベントが発生したときの動作の説明です。
*1
ESX(Linux)の場合
ESMamsadmを起動し、「Base Setting」→「Shutdown Setting」画面で [Enable the function]のチェックをオフにする。
Hyper-V(Windows)の場合
ESMPRO/ServerAgent のコントロールパネルより、[全般]タブ → "通報設定" → アラートマネージャ画面上で、「設定」メニュー→「通報基本設定」→ 「その他の設定」タブの"シャットダウン開始までの時間設定"のアイコンを赤にする。