■VMware/KVMの場合
各仮想化基盤のVM移動の対応は次のとおりです。Hyper-Vについては、後述の表を参照してください。
操作 | VMware vCenter Server管理 | スタンドアロンESXi(注1) | KVM |
---|---|---|---|
Migration | 利用可能 | 利用可能(電源OFF時のみ) | 利用可能(NFSストレージプール利用時のみ) |
Quick Migration | 利用可能 | 利用可能 | 利用可能(NFSストレージプール利用時のみ) |
Storage Migration | 利用可能 | 利用可能(電源OFF時のみ) | 利用不可 |
Move | 利用可能 | 利用可能 | 利用不可 |
Failover | 利用可能 | 利用可能(sscコマンド、ポリシー契機のみ) (注2) | 利用可能(sscコマンド、ポリシー契機のみ) (注2) |
(注1)スタンドアロンESXi環境では、以下の注意事項があります。
同一共有データストア上の仮想マシンのみ移動をサポートしています。
Migration、Storage Migrationは電源OFFの仮想マシンのみ移動できます。ただし、移動先の仮想マシンサーバが移動元と同じ場合、仮想マシンが電源ONでも成功します。
Storage Migration、Moveの「移動先データストアの指定」でデータストアを選択しても別のデータストアに移動できません。
Storage Migration、Moveで「拡張ディスクを移動対象から除外する」設定のオン・オフに関わらず、仮想マシンの拡張ディスクは移動対象になります。
(注2)移動元の仮想マシンサーバの状態が回復した後、次の作業を行う必要があります。
移動元の仮想マシンサーバを起動状態にした後、ssc recover machineコマンドを実行し、移動元の仮想マシンサーバからFailover対象の仮想マシンの登録を解除してください。
■Hyper-Vの場合
Hyper-Vについては、使用するHyper-Vの機能やバージョンにより利用可否が異なります。
VM移動の操作 | VM移動の実行内容 | Hyper-Vクラスタ | Hyper-V単体 | |
---|---|---|---|---|
データストア間の 移動有無 | 仮想マシンサーバ間の 移動有無 | |||
Migration/Quick Migration | 移動しない | 移動する | 利用可能 | 次の条件を満たす場合、利用可能
|
Storage Migration/Move | 移動する | 移動する | 次の条件を満たす場合、利用可能
| |
移動しない | 次の条件を満たす場合、利用可能
| |||
Failover | 移動しない | 移動する | 利用不可 | 次の条件を満たす場合、利用可能
ただし、ポリシーによる自動移動は利用不可。 また、移動元の仮想マシンサーバが回復した後、起動後にssc recover machineコマンドを実行し、移動元の仮想マシンサーバからFailover対象の仮想マシンの登録を解除する必要があります。 |
(注1)移動元と移動先の仮想マシンサーバはWindows Server 2012以降のHyper-Vで動作している必要があります。
(注2)移動元と移動先の仮想マシンサーバにおいて、Hyper-Vのライブマイグレーション機能が利用可能になっている必要があります。
Hyper-Vマネージャを使用して、移動元と移動先の仮想マシンサーバに対して、ライブマイグレーションの設定を行います。ライブマイグレーションの送受信を有効にし、認証プロトコルとしてKerberos認証を使用するように設定する必要があります。
アクティブディレクトリ上の移動元の仮想マシンサーバのマシンアカウントの設定にて、移動先の仮想マシンサーバへの委任の設定が追加されている必要があります。
(注3)Hyper-V単体環境で、移動元と移動先の仮想マシンサーバが共有するデータストアを構築するためには、SMBファイルサーバが必要です。Migration/Quick Migrationを行うためには、移動元と移動先の仮想マシンサーバが共有しているSMBファイルサーバのデータストア上で、移動対象の仮想マシンが動作している必要があります。Storage Migration/Moveの操作でも、共有データストアを使用する場合はSMBファイルサーバが必要です。SMBファイルサーバについては、「4.1.7. Hyper-V環境でのSMBファイルサーバの利用」を参照してください。