1. はじめに

1.1. 対象読者と目的

『CLUSTERPRO X インストール&設定ガイド』は、CLUSTERPROを使用したクラスタシステムの導入を行うシステムエンジニアと、クラスタシステム導入後の保守・運用を行うシステム管理者を対象読者とし、CLUSTERPROを使用したクラスタシステム導入から運用開始前までに必須の事項について説明します。

実際にクラスタシステムを導入する際の順番に則して、CLUSTERPROを使用したクラスタシステムの設計方法、CLUSTERPROのインストールと設定手順、運用開始前に必要な評価手順について説明していきます。

1.2. 本書の構成

1.3. CLUSTERPRO マニュアル体系

CLUSTERPRO のマニュアルは、以下の 5 つに分類されます。各ガイドのタイトルと役割を以下に示します。

CLUSTERPRO X スタートアップガイド』 (Getting Started Guide)

すべてのユーザを対象読者とし、製品概要、動作環境、アップデート情報、既知の問題などについて記載します。

『CLUSTERPRO X インストール&設定ガイド』 (Install and Configuration Guide)

CLUSTERPRO を使用したクラスタシステムの導入を行うシステムエンジニアと、クラスタシステム導入後の保守・運用を行うシステム管理者を対象読者とし、CLUSTERPRO を使用したクラスタシステム導入から運用開始前までに必須の事項について説明します。実際にクラスタシステムを導入する際の順番に則して、CLUSTERPRO を使用したクラスタシステムの設計方法、CLUSTERPRO のインストールと設定手順、設定後の確認、運用開始前の評価方法について説明します。

CLUSTERPRO X リファレンスガイド』 (Reference Guide)

管理者、および CLUSTERPRO を使用したクラスタシステムの導入を行うシステムエンジニアを対象とし、CLUSTERPRO の運用手順、各モジュールの機能説明およびトラブルシューティング情報等を記載します。『CLUSTERPRO X インストール&設定ガイド』を補完する役割を持ちます。

CLUSTERPRO X メンテナンスガイド』 (Maintenance Guide)

管理者、および CLUSTERPRO を使用したクラスタシステム導入後の保守・運用を行うシステム管理者を対象読者とし、CLUSTERPRO のメンテナンス関連情報を記載します。

CLUSTERPRO X ハードウェア連携ガイド』 (Hardware Feature Guide)

管理者、および CLUSTERPRO を使用したクラスタシステムの導入を行うシステムエンジニアを対象読者とし、特定ハードウェアと連携する機能について記載します。『CLUSTERPRO X インストール&設定ガイド』を補完する役割を持ちます。

1.4. 本書の表記規則

本書では、注意すべき事項、重要な事項および関連情報を以下のように表記します。

注釈

この表記は、重要ではあるがデータ損失やシステムおよび機器の損傷には関連しない情報を表します。

重要

この表記は、データ損失やシステムおよび機器の損傷を回避するために必要な情報を表します。

参考

この表記は、参照先の情報の場所を表します。

また、本書では以下の表記法を使用します。

表記

使用方法

[ ] 角かっこ

コマンド名の前後
画面に表示される語 (ダイアログボックス、メニューなど) の前後
[スタート] をクリックします。
[プロパティ] ダイアログボックス

コマンドライン中の [ ] 角かっこ

かっこ内の値の指定が省略可能であることを示します。

clpstat -s[-h host_name]

#

Linux ユーザが、root でログインしていることを示すプロンプト

# clpcl -s -a

モノスペースフォント

パス名、コマンドライン、システムからの出力 (メッセージ、プロンプトなど)、ディレクトリ、ファイル名、関数、パラメータ

/Linux/5.1/jpn/server/

太字

ユーザが実際にコマンドラインから入力する値を示します。

以下を入力します。
clpcl -s -a

斜体

ユーザが有効な値に置き換えて入力する項目

rpm -i clusterpro-<バージョン番号>-<リリース番号>.x86_64.rpm

CLUSTERPRO X 本書の図では、CLUSTERPROを表すために このアイコンを使用します。

1.5. 最新情報の入手先

最新の製品情報については、以下のWebサイトを参照してください。

https://jpn.nec.com/clusterpro/

2. システム構成を決定する

本章では、CLUSTERPROを用いたクラスタシステムのシステム構成を決定する方法について説明します。

本章で説明する項目は以下の通りです。

2.1. クラスタシステム設計から運用開始前テストまでの流れ

CLUSTERPRO を使用したクラスタシステムを構築する前に、必要なハードウェア環境、使用するソフトウェア、運用形態などを十分に考慮してシステムを設計する必要があります。
また、クラスタ構築後、運用開始前には、適切にクラスタシステムが構築されているかどうかをテストする必要があります。
本ガイドは、この一連の流れに則して説明します。実際にクラスタシステムを導入する手順を実行しながら、読み進めてください。以下にCLUSTERPRO を使用したクラスタシステムの設計から運用開始前までの流れを記載します。

クラスタシステムの設計

CLUSTERPRO のインストール前に必要な作業を行います。構築するクラスタシステムのハードウェア構成と設定内容を決定します。

CLUSTERPRO のインストールと設定

CLUSTERPRO のインストールを実行します。サーバマシンへ CLUSTERPRO をインストールし、ステップ 1、ステップ 2 で作成した構成情報を用いてCluster WebUI で構成情報ファイルを作成し、クラスタシステムを構築します。その後、システムが正常に稼動するかどうかの動作確認を行います。

クラスタシステム運用開始前の準備

CLUSTERPRO の運用を開始する前に必須の評価作業を行います。構築したシステムの動作チェックを行った後、運用開始前に必要な事項について確認します。最後に、アンインストールおよび再インストールの手順について説明します。

参考

本ガイドの流れに従って操作を行うためには、本ガイドの手順に従いながら、随時『リファレンスガイド』を参照する必要があります。また、動作環境やリリース情報などの最新情報は、『スタートアップガイド』を参照してください。

2.2. CLUSTERPRO とは?

CLUSTERPRO とは、冗長化 (クラスタ化) したシステム構成により、現用系のサーバでの障害が発生した場合に、自動的に待機系のサーバで業務を引き継がせることで、飛躍的にシステムの可用性と拡張性を高めることを可能にするソフトウェアです。

正常動作しているActive serverとStandby server

図 2.1 クラスタシステム(正常動作時)

エラーの発生したActive serverと正常動作しているStandby server

図 2.2 クラスタシステム(エラー発生時)

CLUSTERPRO を使用したクラスタシステムの導入により、次の効果を得られます。

  • 高可用性
    クラスタを構成するサーバのうち一台が障害などにより停止しても、そのサーバが処理していた業務を他の健全なサーバへ自動的に引き継ぐことにより、障害時の業務停止時間を最小限に抑えます。
  • 高拡張性
    最大 32 台までのパラレルデータベースをサポートすることにより、拡張性の高い高性能なデータベースプラットフォームを提供します。

参考

CLUSTERPRO の詳細については、『スタートアップガイド』の「クラスタシステムとは?」、「CLUSTERPRO の使用方法」を参照してください。

2.2.1. CLUSTERPRO のソフトウェア構成

CLUSTERPRO は、以下の 2 つのソフトウェアで構成されています。

  1. CLUSTERPRO Server (Main module)
    CLUSTERPRO のメインモジュールです。クラスタを構成する各サーバにインストールします。
  2. Cluster WebUI
    CLUSTERPRO の構成情報の作成や運用管理を行うための管理ツールです。
    ユーザインターフェースとして Web ブラウザを利用します。操作は管理端末上の Web ブラウザで行うため、CLUSTERPRO本体とは区別されています。
ServerとManagement PC

図 2.3 ソフトウェア構成

2.3. システム構成の検討

構築するクラスタの用途や運用形態を良く確認してから、ハードウェア構成を決定します。以下に CLUSTERPRO の構成例を記載します。

参考

動作環境やリリース情報などの最新情報は 『スタートアップガイド』で確認してください。

2.3.1. 共有ディスク方式とデータミラー方式

システム構成は、共有ディスク方式とデータミラー方式の 2 つに分類できます。さらにデータミラー方式のサブセットとしてハイブリッド方式があります。

  • 共有ディスク方式
    共有ディスク方式は、双方のサーバから、物理的に接続された共有ディスクにデータを格納することで、フェイルオーバ後も同一データにアクセスできるようにする方式です。
    一方のサーバが共有ディスクの特定領域を利用している場合、もう一方からはアクセスできないようなガードを設けることが一般的です。
    データ書き込みにおける性能劣化が無いため、データベースサーバ等、データ書き込み量が多いシステムで利用されています。
  • データミラー方式
    データミラー方式は、業務データを 2 台のサーバのディスク間で常にミラーリングすることで、フェイルオーバ後も同一データにアクセスできるようにする方式です。
    現用系がデータの書き込みを行った場合、そのデータは待機系にも同時に書き込まれた後、書き込み完了と判断されるようになります。そのため、待機系にデータを書き込む分、書き込み性能の劣化が発生します。
    ただし、共有ディスクのような特別な外部ディスクが必要なく、サーバ内蔵のディスクだけでクラスタが構築できるため、システムの価格は安く抑えることが可能です。
  • ハイブリッド方式
    ハイブリッド方式は、共有ディスク方式とデータミラー方式を融合させた方式です。共有ディスクのデータをミラーリングすることで、共有ディスクのデータを第3のサーバに置き共有ディスクが SPOF になることを防止することができます。この方式は、データミラー方式のサブセットと言えます
    データの書き込み性能、運用イメージ、運用上の注意点はデータミラー方式に準じます。

以降に、共有ディスク、ミラーディスク、ハイブリッド方式を用いた構成の例を示します。これらの例を参考にしながら、システム構成を行ってください。

2.3.2. 2 ノードで共有ディスクを使用する場合の構成例

最も一般的なシステム構成です。

  • サーバは異機種でも構いません

  • インタコネクトを LAN ケーブルで接続します (4 ノードの場合と同様に専用 HUB を設置して接続しても構いません)。

同一LAN上のServer 1、Server 2、Client 1と、Routerを介して接続された Client 2

図 2.4 2 ノードで共有ディスクを使用する場合の構成例

クラスタサーバと同一LAN上のクライアント(Client 1)は、フローティングIPを使用してクラスタサーバと接続できます。 リモートLAN上のクライアント(Client 2)も、フローティングIPを使用してクラスタサーバと接続できます。 フローティングIPを使用するために、ルータ(Router)に特別な設定をする必要はありません。

2.3.3. 2 ノードでミラー専用ディスクを使用する場合の構成例

  • サーバは異機種でも構いませんが、同一アーキテクチャである必要があります。

  • インタコネクトを LAN ケーブルで接続します。ミラー用のインタコネクト (ミラーディスクコネクト) は LAN ケーブルで直結して、HUB などを経由しないようにしてください。

同一LAN上のServer 1、Server 2、Client 1と、Routerを介して接続された Client 2

図 2.5 2 ノードでミラー専用ディスクを使用する場合の構成例

クラスタサーバと同一LAN上のクライアント(Client 1)は、フローティングIPを使用してクラスタサーバと接続できます。 リモートLAN上のクライアント(Client 2)も、フローティングIPを使用してクラスタサーバと接続できます。 フローティングIPを使用するために、ルータ(Router)に特別な設定をする必要はありません。

2.3.4. 2 ノードでミラー専用ディスクを使用する、LAN が 1 系統の場合の構成例

  • サーバは異機種でも構いませんが、同一アーキテクチャである必要があります。

同一LAN上のServer 1、LAN用ルータ、WAN用ルータ、およびそれらとWANを介して接続されているServer 2、WAN用ルータ

図 2.6 2 ノードでミラー専用ディスクを使用する、LAN が 1 系統の場合の構成例

WAN用ルータ、LAN用ルータなどをPing NP解決方式の監視先にします。 WANのスループットは業務におけるデータ更新に耐えうる速度である必要があります。 CLUSTERPROには回線速度をブーストする機能はありません。

2.3.5. 2 ノードで OS 用ディスクにミラー領域を使用する場合の構成例

  • 下図のようにミラー用のパーティションは、OS 用に使用しているディスクと同じディスクに確保することが可能です。

同一LAN上のServer 1、Server 2、Client 1と、Routerを介して接続された Client 2

図 2.7 2 ノードで OS 用ディスクにミラー領域を使用する場合の構成例

クラスタサーバと同一LAN上のクライアント(Client 1)は、フローティングIPを使用してクラスタサーバと接続できます。 リモートLAN上のクライアント(Client 2)も、フローティングIPを使用してクラスタサーバと接続できます。 フローティングIPを使用するために、ルータ(Router)に特別な設定をする必要はありません。

参考

ミラー用パーティションの設定に関しては『リファレンスガイド』の「グループリソースの詳細」の「ミラーディスクリソースを理解する」を参照してください。

2.3.6. 3 ノードの構成例

  • 3 ノードの場合、ミラーリソースが集約される待機系サーバ (下記の図では Server 3) に 2 つのミラーディスクを用意します。

  • インタコネクト兼ミラーディスクコネクトの LAN を専用 HUB (Interconnect HUB)経由で接続します。

  • HUB はできるだけ高速なものを使用してください。

内部にMirror disk 1をもつServer 1、内部にMirror disk 2をもつServer 2、内部にMirror disk 1とMirror disk 2をもつServer 3

図 2.8 3 ノードの構成例

インタコネクト LAN はインタコネクト用HUB(Interconnect HUB)に接続します。インタコネクト用HUBには他のサーバやクライアントは接続しません。

2.3.7. 4 ノードの構成例

  • 2 ノードの場合と同様に共有ディスクを接続します。

  • インタコネクトを専用 HUB 経由で接続します。

FCスイッチを介して共有ディスクに接続されている、Server 1、Server 2、Server 3、Server 4

図 2.9 4 ノードの構成例

インタコネクト LAN はインタコネクト用HUB(Interconnect HUB)に接続します。インタコネクト用HUBには他のサーバやクライアントは接続しません。

2.3.8. 3 ノードでハイブリッド方式を使用する場合の構成例

共有ディスクで接続された 2 ノード と ミラーリング対象のディスクを用意した1 ノードで構成される 3 ノードの構成例です。

  • サーバは異機種でも構いませんが、同一アーキテクチャである必要があります。

  • インタコネクト兼ミラーディスクコネクトの LAN を専用 HUB 経由で接続します。

  • HUB はできるだけ高速なものを使用してください。

共有ディスクに接続されているServer 1、Server 2、およびそれらと異なるサーバグループに属するServer 3

図 2.10 3 ノードでハイブリッド方式を使用する場合の構成例

インタコネクト LAN はインタコネクト用HUB(Interconnect HUB)に接続します。インタコネクト用HUBには他のサーバやクライアントは接続しません。

2.3.9. 2 ノードで BMC 関連機能を使用する場合の構成例

物理マシンの強制停止機能を利用する 2 ノードクラスタの構成例です。

  • BMC 関連機能を利用する場合、インタコネクト LAN と BMC の管理用 LAN を専用 HUB 経由で接続します。

  • HUB はできるだけ高速なものを使用してください。

HUBに接続されたServer 1 、およびServer 2

図 2.11 2 ノードで BMC 関連機能を使用する場合の構成例

インタコネクト LAN 、およびBMC LANをHUBに接続します。このHUBには他のサーバやクライアントは接続しません。

2.4. CLUSTERPRO モジュール別の動作環境を確認する

CLUSTERPRO X は、CLUSTERPRO Server (本体モジュール)、Cluster WebUIの 2 つで構成されています。各モジュールを使用するマシンごとに、動作環境を確認してください。動作環境については、『スタートアップガイド』の「CLUSTERPRO の動作環境」を参照してください。

2.5. CLUSTERPRO(本体モジュール)のハードウェア構成例

CLUSTERPRO の本体モジュールは、クラスタを構築する各サーバにインストールします。 Cluster WebUI は、 CLUSTERPRO 本体モジュールの一部です。CLUSTERPRO Server をインストールすると自動的にインストールされます。

2.5.1. CLUSTERPRO Server で推奨するスペック

CLUSTERPRO Server で推奨するスペックは下記の通りです。

  • Ethernet ポート 2 つ以上

  • 共有ディスク (ディスクリソース用またはハイブリッドディスクリソース用)

  • ミラーリング用ディスクまたは空きパーティション (ミラーディスクリソース用またはハイブリッドディスクリソース用)

  • DVD-ROM ドライブ

参考

サポートされているハードウェアや OS の一覧など最新の動作環境情報については、『スタートアップガイド』を参照してください。

2.6. Cluster WebUI の動作環境を確認する

Cluster WebUIは、CLUSTERPRO を使用したクラスタシステムの状態を監視するために、管理用の PC から通常の Web ブラウザを経由してアクセスします。このため、管理用 PC は、ネットワーク経由でクラスタにアクセス可能である必要があります。この管理 PC のオペレーティングシステムは、Linux、Windows どちらでもかまいません。
Cluster WebUI の動作確認済 OS、動作確認済ブラウザ、必要メモリ容量/ディスク容量などの最新の動作環境情報については、『スタートアップガイド』を参照してください。

2.7. ハードウェア構成の決定

ハードウェア構成の決定は、クラスタシステム上で二重化するアプリケーションとクラスタシステムの設計を考慮して行う必要があります。次章の「3. クラスタシステムを設計する」を確認した後に行ってください。

2.8. ハードウェア構成後の設定

ハードウェア構成を決定し、実際にハードウェアの設置を行った後に、以下を確認してください。

2.8.1. ディスクリソース用の共有ディスクを設定する (ディスクリソース使用時は必須)

以下の手順で共有ディスクの設定を行います。ハイブリッドディスクリソース使用時 (ReplicatorDR使用時) は「2.8.2. ハイブリッドディスクリソース用の共有ディスクを設定する (Replicator DR 使用時は必須) 」を参照してください。

注釈

共有ディスク上のデータを引き続き使用する場合 (サーバの再インストール時など) は、パーティションの確保やファイルシステムの作成は行わないでください。パーティションの確保やファイルシステムの作成を行うと共有ディスク上のデータは削除されます。

1-a. ディスクハートビート用パーティションの確保

共有ディスク上に CLUSTERPRO が独自に使用するパーティションを作成します。このパーティションはディスクハートビートリソースで使用します。
パーティションは、共有ディスクを使用するクラスタ内のサーバのうちの 1 台のサーバにて作成します。
fdisk コマンドを使用し、パーティションを確保します。

注釈

通常、ハートビートリソースに使用するパーティションは 1 つです。しかし、ディスクの故障などでデバイス名がずれた場合には、他の LUN でハートビートを行う必要があります。このため、通常ハートビートに使用する LUN に加えて、各 LUN に 1 つ、予備としてダミーのディスクハートビートリソース用のパーティションを確保しておきます。この際、ディスクハートビート専用パーティションのパーティション番号は各 LUN で同じになるように確保してください。

注釈

ディスクハートビート用パーティションは 10MB (10*1024*1024 バイト) 以上確保してください。また、ディスクハートビート用パーティションにはファイルシステムの構築は必要ありません。

1-b. ディスクリソース用パーティションの確保

共有ディスク上にディスクリソースで使用するパーティションを作成します。共有ディスクを使用するクラスタ内の 1 台のサーバから作成します。
fdisk コマンドを使用し、パーティションを確保します。
  1. ファイルシステムの作成
    共有ディスク上のディスクリソース用パーティションにファイルシステムを構築します。共有ディスクを使用するクラスタ内の 1 台のサーバから、通常の Linux と同様に mkfs コマンドなどでファイルシステムを構築してください。

    注釈

    ディスクハートビート用パーティションにはファイルシステムの構築は必要ありません。

    注釈

    共有ディスク上のファイルシステムは CLUSTERPRO が制御します。共有ディスクのファイルシステムを OS の /etc/fstab にエントリしないでください。(/etc/fstabへのエントリが必要な場合には、ignoreオプションは使用せずnoautoオプションを使用してください。)

    • 共有ディスクで使用するファイルシステムについて基本的に依存をしていませんが、ファイルシステムの fsck の仕様により問題が発生することがあります。

    • システムの対障害性の向上のために、ジャーナル機能を持つファイルシステムを使用することを推奨します。

    • 現在、動作確認を完了しているファイルシステムは下記の通りです。

      • ext3

      • ext4

      • xfs

      • reiserfs

      • jfs

      • vxfs

      • zfs

    注釈

    vxfs が使用可能なディストリビューション、カーネルは vxfs のサポート状況に依存します。

  2. マウントポイントの作成
    ディスクリソース用パーティションを mount するディレクトリを作成します。
    ディスクリソースを使用する、クラスタ内のすべてのサーバで作成します。

2.8.2. ハイブリッドディスクリソース用の共有ディスクを設定する (Replicator DR 使用時は必須)

以下の手順でハイブリッドディスクリソース用の共有ディスクの設定を行います。通常のディスクリソース用の設定は「2.8.1. ディスクリソース用の共有ディスクを設定する (ディスクリソース使用時は必須)」を参照してください。
共有ディスクでないディスク (サーバ内蔵のディスクや外付のディスクで共有タイプでないもの)をハイブリッドディスクリソースとして使用する場合には「 2.8.3. ハイブリッドディスクリソース用のパーティションを設定する (Replicator DR 使用時は必須) 」を参照してください。

注釈

共有ディスク上のデータを引き続き使用する場合 (サーバの再インストール時など) は、パーティションの確保やファイルシステムの作成は行わないでください。パーティションの確保やファイルシステムの作成を行うと共有ディスク上のデータは削除されます。

  1. cluster パーティションの確保
    ミラードライバが独自に使用するパーティションを作成します。このパーティションはミラードライバやミラーエージェントがハイブリッドディスクの状態を管理するために使用します。
    パーティションは、共有ディスクを使用するクラスタ内のサーバのうちの 1 台のサーバにて作成します。fdisk コマンドを使用し、パーティションを確保します。

    注釈

    CLUSTER パーティションは 1024MiB 以上確保してください。(1024MB ちょうどを指定しても、ディスクのジオメトリの違いにより実際には 1024MB より大きなサイズが確保されますが、問題ありません)。また、CLUSTER パーティションにはファイルシステムを構築しないでください。

  2. CLUSTER パーティションの初期化
    (過去に CLUSTERPRO のミラーディスクやハイブリッドディスクとして使用していた共有ディスクを流用する場合にのみ必要)
    • CLUSTER パーティションに以前のデータが残っているため初期化が必要です。

    • パーティションを再確保してもパーティション上のデータは残っていますので、CLUSTERPRO のミラーディスクやハイブリッドディスクとして使用したことのあるディスクを再利用する場合には必ず実行してください。

    • 共有ディスクを使用するクラスタ内のサーバのうちの 1 台のサーバから以下のコマンドを実行します。

      dd if=/dev/zero of=<CLUSTERパーティションとして使用するパーティションデバイス名>

    注釈

    ddコマンドを実行するとof=で指定したパーティションのデータは初期化されます。パーティションデバイス名を十分に確認してからddコマンドを実行してください。

    注釈

    dd コマンドを実行したときに以下のメッセージが表示されますが、異常ではありません。

    dd: writing to <CLUSTERパーティションとして使用するパーティションデバイス名>: No space left on device
  3. ハイブリッドディスクリソース用パーティションの確保
    共有ディスク上にハイブリッドディスクリソースで使用するパーティションを作成します。その共有ディスクを使用するクラスタ内のサーバのうちの 1 台のサーバにて作成します。
    fdisk コマンドを使用し、パーティションを確保します。
  4. ファイルシステムの作成について
    ハイブリッドディスクリソース用のパーティションに対してファイルシステムの作成が必要です。
    • 複数台のサーバがあるグループリソース (共有ディスクでハイブリッドディスクリソース) を使用する場合、グループリソース内のいずれか 1 台のサーバでファイルシステムを作成してください

    • ハイブリッドディスクリソースはファイルシステムについて基本的に依存をしていませんが、ファイルシステムの fsck の仕様により問題が発生することがあります。

    • システムの対障害性の向上のために、ジャーナル機能を持つファイルシステムを使用することを推奨します。

    • 現在動作確認を完了しているファイルシステムは下記の通りです。

      • ext3

      • ext4

      • xfs

      • reiserfs

      • jfs

      • vxfs

    • ファイルシステムを作成せず、ダイレクトにパーティションへアクセスする使い方も可能です。

    注釈

    ハイブリッドディスクリソース上のファイルシステムは CLUSTERPRO が制御します。ハイブリッドディスクリソースやハイブリッドディスクリソース用のパーティションを OS の /etc/fstab にエントリしないでください。(ignore オプション付きでの /etc/fstab へのエントリも行わないでください。)

    注釈

    vxfs が使用可能なディストリビューション、カーネルは vxfs のサポート状況に依存します。

    注釈

    ファイルシステムを作成し忘れて問題が発生した場合には、下記を行ってください。

    1. クラスタが起動している場合には、クラスタを停止する。
      Cluster WebUI の場合 : [サービス] → [クラスタ停止]
      コマンドの場合 : clpcl コマンド使用 「clpcl -t -a」
    2. ミラーエージェントが起動している場合には、ミラーエージェントを停止する。
      Cluster WebUIの場合 : [サービス] → [ミラーエージェント停止]
      コマンドの場合 : 「service clusterpro_md stop」を各サーバにて実行
    3. ハイブリッドディスクパーティションへのアクセス制限を解除する。
      clproset コマンド使用 (例: clproset -w -d <パーティションデバイス> 等)
    4. ファイルシステムを作成する。
      mkfs コマンド等使用 (例: mkfs -t ext3 <パーティションデバイス> 等)
    5. システムをリブートする。

  5. ディスクハートビート用パーティションの確保
    共有ディスク上に CLUSTERPRO が独自に使用するパーティションを作成します。このパーティションはディスクハートビートリソースで使用します。
    パーティションは、共有ディスクを使用するクラスタ内のサーバのうちの 1 台のサーバにて作成します。
    fdisk コマンドを使用し、パーティションを確保します。

    注釈

    通常、ハートビートリソースに使用するパーティションは1つです。しかし、ディスクの故障などでデバイス名がずれた場合には、他の LUN でハートビートを行う必要があります。このため、通常ハートビートに使用する LUN に加えて、各 LUN に1つ、予備としてダミーのディスクハートビートリソース用のパーティションを確保しておきます。この際、ディスクハートビート専用パーティションのパーティション番号は各 LUN で同じになるように確保してください。

    注釈

    ディスクハートビート用パーティションは 10MB (10*1024*1024 バイト) 以上確保してください。また、ディスクハートビート用パーティションにはファイルシステムを構築しないでください。

  6. マウントポイントの作成
    ハイブリッドディスクリソース用パーティションを mount するディレクトリを作成します。
    ハイブリッドディスクリソースを使用する、共有ディスクを接続している各サーバにて作成します。
    なお、ハイブリッドディスクリソース用パーティションに対してファイルシステムを使用しない場合は、マウントポイントの作成は不要です。

2.8.3. ハイブリッドディスクリソース用のパーティションを設定する (Replicator DR 使用時は必須)

以下の手順で共有ディスクではないディスク (サーバ内蔵のディスクや外付のディスクで共有タイプでないもの) をハイブリッドディスクリソースとして使用する場合のパーティションの設定を行います。
通常のミラー構成 (Replicator 使用時) は「 2.8.4. ミラーディスクリソース用のパーティションを設定する (Replicator 使用時は必須)」を参照してください。
共有ディスクをハイブリッドディスクリソースとして使用する場合には「2.8.2. ハイブリッドディスクリソース用の共有ディスクを設定する (Replicator DR 使用時は必須) 」を参照してください。

注釈

単体サーバのクラスタ化やサーバの再インストール時など、既存のパーティション上のデータを引き続き使用する場合は、ハイブリッドディスクリソース用パーティションの確保やファイルシステムの作成は行わないでください。ハイブリッドディスクリソース用パーティションの確保やファイルシステムの作成を行うとパーティション上のデータは削除されます。

  1. CLUSTER パーティションの確保
    ミラードライバが独自に使用するパーティションを作成します。このパーティションはミラードライバやミラーエージェントがハイブリッドディスクの状態を管理するために使用します。
    fdisk コマンドを使用し、パーティションを確保します。

    注釈

    CLUSTER パーティションは 1024MiB 以上確保してください。(1024MB ちょうどを指定しても、ディスクのジオメトリの違いにより実際には 1024MB より大きなサイズが確保されますが、問題ありません)。また、CLUSTER パーティションにはファイルシステムを構築しないでください。

  2. CLUSTER パーティションの初期化
    (過去に CLUSTERPRO のミラーディスクやハイブリッドディスクとして使用していたディスクを流用する場合にのみ必要)
    • CLUSTER パーティションに以前のデータが残っているため初期化が必要です。

    • パーティションを再確保してもパーティション上のデータは残っていますので、CLUSTERPRO のミラーディスク、ハイブリッドディスクとして使用したことのあるディスクを再利用する場合には必ず実行してください。

    • 以下のコマンドを実行します。

      dd if=/dev/zero of=<CLUSTERパーティションとして使用するパーティションデバイス名>

      注釈

      ddコマンドを実行するとof=で指定したパーティションのデータは初期化されます。パーティションデバイス名を十分に確認してからddコマンドを実行してください。

      注釈

      dd コマンド実行時、以下のメッセージが表示されますが異常ではありません。

      dd: writing to <CLUSTERパーティションとして使用するパーティションデバイス名>: No space left on device
  3. ハイブリッドディスクリソース用パーティションの確保
    ハイブリッドディスクリソースで使用するパーティションを作成します。
    fdisk コマンドを使用し、パーティションを確保します。
  4. ファイルシステムの作成について
    ハイブリッドディスクリソース用のパーティションに対してファイルシステムの作成が必要です。
    • ハイブリッドディスクリソースはファイルシステムに基本的に依存をしていませんが、ファイルシステムの fsck の仕様により問題が発生することがあります。

    • システムの対障害性の向上のために、ジャーナル機能を持つファイルシステムを使用することを推奨します。

    • 現在動作確認を完了しているファイルシステムは下記の通りです。

      • ext3

      • ext4

      • xfs

      • reiserfs

      • jfs

      • vxfs

    • ファイルシステムを作成せず、ダイレクトにパーティションへアクセスする使い方も可能です。

    注釈

    ハイブリッドディスクリソース上のファイルシステムは CLUSTERPRO が制御します。ハイブリッドディスクリソースやハイブリッドディスクリソース用のパーティションを OS の /etc/fstab にエントリしないでください。(ignore オプション付きでの /etc/fstab へのエントリも行わないでください。)

    注釈

    vxfs が使用可能なディストリビューション、カーネルは vxfs のサポート状況に依存します。

    注釈

    ファイルシステムを作成し忘れて問題が発生した場合には、下記を行ってください。

    1. クラスタが起動している場合には、クラスタを停止する。
      Cluster WebUI の場合 : [サービス] → [クラスタ停止]
      コマンドの場合 : clpcl コマンド使用 「clpcl -t -a」
    2. ミラーエージェントが起動している場合には、ミラーエージェントを停止する。
      Cluster WebUI の場合 : [サービス] → [ミラーエージェント停止]
      コマンドの場合 : 「service clusterpro_md stop」を各サーバにて実行
    3. ハイブリッドディスクパーティションへのアクセス制限を解除する。
      clproset コマンド使用 (例: clproset -w -d <パーティションデバイス> 等)
    4. ファイルシステムを作成する。
      mkfs コマンド等使用 (例: mkfs -t ext3 <パーティションデバイス> 等)
    5. システムをリブートする。

  5. マウントポイントの作成
    ハイブリッドディスクリソース用パーティションを mount するディレクトリを作成します。
    なお、ハイブリッドディスクリソース用パーティションに対してファイルシステムを使用しない場合は、マウントポイントの作成は不要です。

2.8.4. ミラーディスクリソース用のパーティションを設定する (Replicator 使用時は必須)

以下の手順でミラー用パーティションの設定を行います。ハイブリッドディスクリソース使用時(Replicator DR 使用時) は「 2.8.3. ハイブリッドディスクリソース用のパーティションを設定する (Replicator DR 使用時は必須) 」を参照してください。

注釈

単体サーバをクラスタ化する場合など、既存のパーティション上のデータを引き続き使用する場合や、サーバの再インストール時などは、ミラーリソース用パーティションの確保は行わないでください。ミラーリソース用パーティションの確保を行うとパーティション上のデータは削除されます。

  1. CLUSTER パーティションの確保
    ミラードライバが独自に使用するパーティションを作成します。このパーティションはミラードライバやミラーエージェントがミラーリソースの状態を管理するために使用します。
    パーティションは、ミラーリソースを使用するクラスタ内のすべてのサーバで、それぞれ作成します。fdisk コマンドを使用し、パーティションを確保します。

    注釈

    CLUSTER パーティションは 1024MiB 以上確保してください。(1024MB ちょうどを指定しても、ディスクのジオメトリの違いにより実際には 1024MB より大きなサイズが確保されますが、問題ありません)。また、CLUSTER パーティションにはファイルシステムを構築しないでください。

  2. CLUSTER パーティションの初期化
    (過去に CLUSTERPRO のミラーディスクやハイブリッドディスクとして使用していたディスクを流用する場合にのみ必要)
    • CLUSTER パーティションに以前のデータが残っているため初期化が必要です。

    • パーティションを再確保してもパーティション上のデータは残っていますので、CLUSTERPRO のミラーディスクやハイブリッドディスクとして使用したことのあるディスクを再利用する場合には必ず実行してください。

    • 以下のコマンドを実行します。

      dd if=/dev/zero of=<CLUSTERパーティションとして使用するパーティションデバイス名>

      注釈

      ddコマンドを実行するとof=で指定したパーティションのデータは初期化されます。パーティションデバイス名を十分に確認してからddコマンドを実行してください。

      注釈

      ddコマンド実行時、以下のメッセージが表示されますが異常ではありません。
      dd: writing to <CLUSTERパーティションとして使用するパーティションデバイス名>: No space left on device
  3. ミラーリソース用パーティションの確保
    ミラーリソースで使用するパーティションを作成します。パーティションは、ミラーリソースを使用する、クラスタ内のすべてのサーバで、それぞれ作成します。
    fdisk コマンドを使用し、パーティションを確保します。
  4. ファイルシステムの作成について
    ミラーリソース用パーティションの作成については「初期 mkfs を行う」の設定により異なります。
    • Cluster WebUI でクラスタ構成情報作成時に、「初期 mkfs を行う」を設定する場合、CLUSTERPRO が自動でファイルシステムを構築します。
      パーティション上の既存のデータは失われますので注意してください。
    • Cluster WebUI でクラスタ構成情報作成時に、「初期 mkfs を行う」を選択しなければCLUSTERPRO でファイルシステムの作成を行いません。
      パーティション上の既存のファイルシステムを利用するため、事前にファイルシステムが作成されている必要があります。

    ミラーリソース用パーティションについては下記の点にも注意してください。

    • ミラーリソースは使用するファイルシステムについて基本的に依存をしていませんが、ファイルシステムの fsck の仕様により問題が発生することがあります。

    • システムの対障害性の向上のために、ジャーナル機能を持つファイルシステムを使用することを推奨します。

    • 現在動作確認を完了しているファイルシステムは下記の通りです。

      • ext3

      • ext4

      • xfs

      • reiserfs

      • jfs

      • vxfs

    • ファイルシステムを作成せず、ダイレクトにパーティションへアクセスする使い方も可能です。

    注釈

    既存のパーティション上のデータを引き続き使用する場合や、サーバの再インストール時などは、「初期 mkfs を行う」を選択しないでください。

    注釈

    ミラーリソース上のファイルシステムは CLUSTERPRO が制御します。ミラーリソースやミラーリソース用のパーティションを OS の /etc/fstab にエントリしないでください。(ignore オプション付きでの /etc/fstab へのエントリも行わないでください。)

    注釈

    vxfs が使用可能なディストリビューション、カーネルは vxfs のサポート状況に依存します。

  5. マウントポイントの作成
    ミラーリソース用パーティションを mount するディレクトリを作成します。
    ミラーリソースを使用する、クラスタ内のすべてのサーバでそれぞれ作成します。
    なお、ミラーリソース用パーティションに対してファイルシステムを使用しない場合は、マウントポイントの作成は不要です。

2.8.5. CLUSTERPRO のサービス起動時間を調整する (必須)

クラスタシステムを構成する各サーバに電源を投入してから、CLUSTERPROのサービス が起動するまでの時間を、以下の 2 つより長くなるように設定する必要があります。

  • 共有ディスクに電源を投入してから使用可能になるまでの時間 (共有ディスクを使用する場合)

  • ハートビート タイムアウト時間 ※既定値 90 秒

これは、以下の問題を回避するためです。

  • 共有ディスクとサーバの電源を入れてクラスタシステムを起動した際に、共有ディスクの起動が CLUSTERPRO の起動処理に間に合わず、共有ディスクが認識されない状態で CLUSTERPRO が起動することにより、ディスクリソースの活性に失敗する

  • サーバの再起動でフェイルオーバを発生させたい場合に、ハートビートタイムアウト時間内にそのサーバが再起動(CLUSTERPROのサービスが起動)してしまうと、相手側からはハートビートが継続しているとみなされフェイルオーバが発生しない

そのため、上記 2 点の時間を計測後、以下のいずれかの方法で起動時間を調整してください。

(例) OS 起動時間を調整する例

  • OS ブートローダに GRUB2 を使用している場合

    1. /etc/default/grub を編集します。
      GRUB_TIMEOUT=<起動時間 (単位は秒)> を指定します。

      例 起動時間90秒

      GRUB_TIMEOUT=90
      
    2. コマンドを実行して、設定の変更を反映します。

      • BIOSベースのサーバの場合

        # grub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg
        
      • UEFIベースのサーバの場合

        # grub2-mkconfig -o /boot/efi/EFI/redhat/grub.cfg
        

2.8.6. ネットワーク設定を確認する (必須)

クラスタ内のすべてのサーバで、ifconfig コマンドや ping コマンドを使用して、ネットワークが正常に動作しているかどうかを確認します。また、複数のネットワークデバイス (eth0、eth1、eth2... ) が、意図した役割 (パブリック LAN、インタコネクト専用 LAN) に割り当てられているかを確認します。以下のネットワークの状態を確認します。

  • パブリック LAN (他のマシンとの通信用)

  • インタコネクト専用 LAN (CLUSTERPRO のサーバ間接続用)

  • ホスト名

注釈

クラスタで使用する フローティング IP リソース および 仮想 IP リソース の IP アドレスは、OS 側への設定は不要です。

2.8.7. ファイアウォールの設定を確認する (必須)

CLUSTERPRO はモジュール間の通信にいくつかのポート番号を使用します。使用するポート番号については、『スタートアップガイド』の「注意制限事項」の「OS インストール後、CLUSTERPRO インストール前」を参照してください。

2.8.8. サーバの時刻を同期させる (必須)

クラスタシステムでは、クラスタ内のすべてのサーバの時刻を定期的に同期する運用を推奨します。 1 日 1 回程度を目安に ntp などを使用してサーバの時刻を同期させる設定にしてください。

注釈

各サーバの時刻が同期されていない場合、障害時に原因の解析に時間がかかることがあります。

2.8.9. OpenSSLをセットアップする (任意)

以下の機能にて、OpenSSLを使用した暗号化通信を行うことが可能です。

  • Cluster WebUI

  • Witnessハービート

  • HTTP ネットワークパーティション解決リソース

  • メール通報

Cluster WebUIでOpenSSLを使用する場合は、証明書ファイルと秘密鍵ファイルを用意してください。

用意したファイルは、Cluster WebUI 設定モードの 『リファレンスガイド』 - 「パラメータの詳細」 - 「クラスタプロパティ」 - 「暗号化タブ」 の設定で使用します。

2.8.10. SELinux に関する設定をおこなう (必須)

SELinux を無効、または、有効にします。
SELinux が有効 (Enforcing) な状態で CLUSTERPRO を使用する場合は、追加の設定が必要となります。

注釈

SELinux が有効になっているか無効になっているかについては、getenforce コマンドで確認できます。

getenforce

表示される単語の意味は下記のとおりです。

  • Enforcing : 有効(SELinux ポリシーが強制される)

  • Permissive : SELinux ポリシーが強制されずに、システムは動作し続け、代わりにワーニングがログ出力される

  • Disabled : 無効(SELinux ポリシーはロードされない)

2.8.10.1. 内部バージョン 5.1.2-1 以降の場合

SELinux が有効 (Enforcing) な状態で CLUSTERPRO を使用する場合には、CLUSTERPRO をインストールした直後に、clpselctrl.sh コマンドを実行してください。
また、CLUSTERPRO をインストールした後に SELinux を有効 (Enforcing) にする場合にも、有効にする前に、clpselctrl.sh コマンドを実行してください。
手順については、「4.2.3. SELinux 用の設定」を参照してください。

注釈

clpselctrl.sh コマンドは、semanage コマンドと restorecon コマンドを使用します。 semanage コマンドや restorecon コマンドがインストールされていない場合には、事前にインストールしてください。

  • RHEL 8系以降の場合

    dnf -y install policycoreutils-python-utils
    
  • RHEL 7系の場合

    yum -y install policycoreutils-python
    

注釈

clpselctrl.sh コマンドについては、『リファレンスガイド』の 「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」 - 「SELinux 用の設定をおこなう (clpselctrlコマンド)」 を参照してください。

2.8.10.2. 内部バージョン 5.1.1-1 以前の場合

SELinuxを有効 (Enforcing) にして CLUSTERPRO を使用する場合は、CLUSTERPRO のドライバのロードを事前に許可しておく必要があります。
その場合には、下記の手順をおこなってください。
  1. 下記のパッケージをインストールします。

    • RHEL 8系以降の場合

      dnf -y install selinux-policy-mls
      dnf -y install selinux-policy-devel
      
    • RHEL 7系の場合

      yum -y install selinux-policy-mls
      yum -y install selinux-policy-devel
      
  2. 作業用のディレクトリを作成して、そのディレクトリへ移動します。

    mkdir -p /tmp/te
    cd       /tmp/te
    
  3. clpka.ko ドライバ用の .te ファイルを作成します。

    vi clpka.te
    

    clpka.teのファイル内容:

    # clpka.te
    module clpka 1.0;
    
    require {
            type unconfined_service_t;
            type usr_t;
            class system module_load;
    }
    
    #============= unconfined_service_t ==============
    allow unconfined_service_t usr_t:system module_load;
    
  4. clpkhb.ko ドライバ用の .te ファイルを作成します。

    vi clpkhb.te
    

    clpkhb.teのファイル内容:

    # clpkhb.te
    module clpkhb 1.0;
    
    require {
            type unconfined_service_t;
            type usr_t;
            class system module_load;
    }
    
    #============= unconfined_service_t ==============
    allow unconfined_service_t usr_t:system module_load;
    
  5. liscal.ko ドライバ用の .te ファイルを作成します。

    vi liscal.te
    

    liscal.teのファイル内容:

    # liscal.te
    module liscal 1.0;
    
    require {
            type usr_t;
            type unconfined_service_t;
            class system module_load;
    }
    
    #============= unconfined_service_t ==============
    allow unconfined_service_t usr_t:system module_load;
    
  6. 下記コマンドを実行します。
    パッケージポリシーファイルが作成されて、インストールされます。
    make -f /usr/share/selinux/devel/Makefile
    semodule -i clpka.pp clpkhb.pp liscal.pp
    
  7. パッケージポリシーファイルが3つともインストールされているか、確認します。

    semodule -l | grep -E 'clp|liscal'
    

    実行結果:

    clpka
    clpkhb
    liscal
    

注釈

  • 作成した作業ディレクトリは、削除してもかまいません。

  • クラスタ生成後に、必要なドライバがロードされていることを確認してください。

    • clpkaは、ユーザ空間モニタリソースの監視方法として、keepaliveを指定している場合に、クラスタ開始時にロードされます。
      また、シャットダウン監視の監視方法としてkeepaliveを指定している場合に、シャットダウン監視開始時にロードされます。
    • clpkhbは、インタコネクトにカーネルハートビートを設定している場合や、clpka を使用する場合に、ロードされます。

    • liscalは、ミラーディスクリソースやハイブリッドディスクリソースが設定されている場合に、ロードされます。

    lsmod | grep -E 'clp|liscal'
    

    実行結果の例:

    clpka
    clpkhb
    liscal
    

3. クラスタシステムを設計する

本章では、二重化するアプリケーション、運用形態、クラスタ構築情報の説明など、クラスタ設計に際して必要な情報を提供します。

本章で説明する項目は以下の通りです。

3.1. クラスタシステムの設計

本章では、クラスタシステムの設計について、以下を行います。

  1. クラスタシステムの運用形態の決定

  2. 二重化するアプリケーションの決定

  3. クラスタ構成情報の作成

なお、本ガイドでは、以下の図に記載されている、典型的な 2 ノード、片方向スタンバイのクラスタ環境を構築する場合を例にとって説明を行います。

Shared diskに接続されたServer 1、Server 2

図 3.1 2 ノード、片方向スタンバイクラスタの例

FIP1

10.0.0.11
(Cluster WebUIクライアントからのアクセス先)

FIP2

10.0.0.12
(業務クライアントからのアクセス先)

NIC1-1

192.168.0.1

NIC1-2

10.0.0.1

NIC2-1

192.168.0.2

NIC2-2

10.0.0.2

  • 共有ディスク (Shared disk)

    DISKハートビート デバイス名

    /dev/sdb1

    DISKハートビート Rawデバイス名

    /dev/raw/raw1

    共有ディスクデバイス

    /dev/sdb2

    マウントポイント

    /mnt/sdb2

    ファイルシステム

    ext3

    raw monitor デバイス名

    設定しない

    raw monitor 監視対象Rawデバイス名

    /dev/raw/raw1

3.2. 運用形態を決定する

CLUSTERPRO は、複数の運用形態をサポートしています。片方のサーバを現用系、他方を待機系とする片方向スタンバイ形式と、両方のサーバがお互いに異なる業務の現用系、待機系となる双方向スタンバイ形式があります。

  • 片方向スタンバイクラスタ
    クラスタシステム全体で同一の業務アプリケーションが 1 つしか動作しないシステム形態です。フェイルオーバ発生後もパフォーマンスの劣化等はありませんが、正常時、待機系の資源が無駄になります。
    共有ディスクに接続された2台のサーバ

    図 3.2 片方向スタンバイクラスタ

  • 同一アプリケーション双方向スタンバイクラスタ
    クラスタシステム全体で同一の業務アプリケーションが複数動作するシステム形態です。この構成を構築するには業務が多重起動に対応している必要があります。
    共有ディスクに接続された2台のサーバ

    図 3.3 同一アプリケーション双方向スタンバイクラスタ

  • 異種アプリケーション双方向スタンバイクラスタ
    複数の種類の業務アプリケーションが、それぞれ異なるサーバで稼動し、相互に待機するシステム形態です。正常時も資源が無駄になりません。ただし、フェイルオーバ発生後は、1 台のサーバで 2 種の業務が動作するため、業務のパフォーマンスが低下します。
    共有ディスクに接続された2台のサーバ

    図 3.4 異種アプリケーション双方向スタンバイクラスタ

3.2.1. 片方向スタンバイクラスタのフェイルオーバの流れ

片方向スタンバイクラスタでは、ある業務が動作するグループがクラスタ内で常に 1 台のサーバ上で動作するように制限されています。

3.2.1.1. 共有ディスク使用時

1. Server 1上で業務A(Application A)が実行されています。 ここで、業務Aは同一クラスタ内で複数実行することができません。

共有ディスクに接続された2台のサーバ

図 3.5 片方向スタンバイクラスタ(共有ディスク使用): (1) 通常運用時

  1. 何らかの異常が発生し、Server 1がダウンします。

    共有ディスクに接続された2台のサーバ

    図 3.6 片方向スタンバイクラスタ(共有ディスク使用): (2) サーバダウン時

  2. Server 1からServer 2へ、業務の引継ぎが行われます。

    共有ディスクに接続された2台のサーバ

    図 3.7 片方向スタンバイクラスタ(共有ディスク使用): (3) フェイルオーバ時

  3. Server 1が復旧した後、Server 2からServer 1へ、業務A(Application A)のグループ移動を行うことができます。

    共有ディスクに接続された2台のサーバ

    図 3.8 片方向スタンバイクラスタ(共有ディスク使用): (4) サーバ復旧後

3.2.1.2. ミラーディスク使用時

1. Server 1上で業務A(Application A)が実行されています。 ここで、業務Aは同一クラスタ内で複数実行することができません。

それぞれMirror diskに接続されたServer 1、Server 2

図 3.9 片方向スタンバイクラスタ(ミラーディスク使用): (1) 通常運用時

  1. 何らかの異常が発生し、Server 1がダウンします。

    それぞれMirror diskに接続されたServer 1、Server 2

    図 3.10 片方向スタンバイクラスタ(ミラーディスク使用): (2) サーバダウン時

  2. Server 1からServer 2へ、業務の引継ぎが行われます。

    それぞれMirror diskに接続されたServer 1、Server 2

    図 3.11 片方向スタンバイクラスタ(ミラーディスク使用): (3) フェイルオーバ時

  3. 業務を再開するため、Server 2に接続されたMirror diskからデータ復旧を行います。

    それぞれMirror diskに接続されたServer 1、Server 2

    図 3.12 片方向スタンバイクラスタ(ミラーディスク使用): (4) データ復旧時

  4. Server 1が復旧した後、Server 2からServer 1へ、業務A(Application A)のグループ移動を行うことができます。

    それぞれMirror diskに接続されたServer 1、Server 2

    図 3.13 片方向スタンバイクラスタ(ミラーディスク使用): (5) サーバ復旧後

3.2.2. 双方向スタンバイクラスタフェイルオーバの流れ

双方向スタンバイクラスタでは、ある業務が複数のサーバ上で同時に動作することが可能なため、フェイルオーバ実行時、現用系に負荷がかかります。

3.2.2.1. 共有ディスク使用時

  1. Server 1上で業務A(Application A)、Server 2上で業務B(Application B)が実行されています。

    共有ディスクに接続された2台のサーバ

    図 3.14 双方向スタンバイクラスタ(共有ディスク使用): (1) 通常運用時

  2. 何らかの異常が発生し、Server 1がダウンします。

    共有ディスクに接続された2台のサーバ

    図 3.15 双方向スタンバイクラスタ(共有ディスク使用): (2) サーバダウン時

  3. Server 1からServer 2へ、業務Aの引継ぎが行われます。

    共有ディスクに接続された2台のサーバ

    図 3.16 双方向スタンバイクラスタ(共有ディスク使用): (3) フェイルオーバ時

  4. Server 1が復旧した後、Server 2からServer 1へ、業務A(Application A)のグループ移動を行うことができます。

    共有ディスクに接続された2台のサーバ

    図 3.17 双方向スタンバイクラスタ(共有ディスク使用): (4) サーバ復旧後

3.2.2.2. ミラーディスク使用時

  1. Server 1上で業務A(Application A)、Server 2上で業務B(Application B)が実行されています。

    それぞれMirror diskに接続されたServer 1、Server 2

    図 3.18 双方向スタンバイクラスタ(ミラーディスク使用): (1) 通常運用時

  2. 何らかの異常が発生し、Server 1がダウンします。

    それぞれMirror diskに接続されたServer 1、Server 2

    図 3.19 双方向スタンバイクラスタ(ミラーディスク使用): (2) サーバダウン時

  3. Server 1からServer 2へ、業務Aの引継ぎが行われます。

    それぞれMirror diskに接続されたServer 1、Server 2

    図 3.20 双方向スタンバイクラスタ(ミラーディスク使用): (3) フェイルオーバ時

  4. 業務Aを再開するため、Server 2のMirror partition 1からデータ復旧を行います。

    それぞれMirror diskに接続されたServer 1、Server 2

    図 3.21 双方向スタンバイクラスタ(ミラーディスク使用): (4) データ復旧時

  5. Server 1が復旧した後、Server 2からServer 1へ、業務A(Application A)のグループ移動を行うことができます。

    それぞれMirror diskに接続されたServer 1、Server 2

    図 3.22 双方向スタンバイクラスタ(ミラーディスク使用): (5) サーバ復旧後

3.3. 二重化するアプリケーションを決定する

二重化するアプリケーションを決定するには、アプリケーションが CLUSTERPRO によるクラスタシステム上でのクラスタ対象として適しているかどうかを、以下の内容を十分に検討して判断します。

3.3.1. 注意事項に該当する構成

対象アプリケーションをどのようなスタンバイ形態にするかで注意事項が異なります。注意事項については「3.3.2. 対象アプリケーションについての注意事項」 (1 ~ 5) に対応します。

  • 片方向スタンバイ [現用-待機] 注意事項: 1 2 3 5

  • 双方向スタンバイ [現用-現用] 注意事項: 1 2 3 4 5

  • 共存動作 注意事項: 5
    クラスタシステムによるフェイルオーバの対象とはせず、共存動作する運用形態です。

3.3.2. 対象アプリケーションについての注意事項

3.3.2.1. 注意事項 1: 障害発生後のデータ修復

障害発生時に現用系のアプリケーションが更新していたファイルは、フェイルオーバ後に待機系でアプリケーションがそのファイルにアクセスするとき、データとして完結していない状態にある場合があります。 非クラスタ (単体サーバ) での障害後のリブートでも同様のことが発生するため、本来アプリケーションはこのような障害に対処するメカニズムを持っている必要があります。クラスタシステム上ではこれに加え人間の関与なしに (スクリプトから) 復旧が行える必要があります。 共有ディスクまたはミラーディスクのファイルシステムに fsck が必要な場合には、CLUSTERPRO が fsck を行います。

3.3.2.2. 注意事項 2: アプリケーションの終了

CLUSTERPRO が業務グループを停止・移動 (オンラインフェイルバック) する場合、その業務グループが使用していたファイルシステムをアンマウントします。このため、アプリケーションへの終了指示にて、共有ディスクまたはミラーディスク上の全てのファイルに対するアクセスを停止する必要があります。 通常は終了スクリプトでアプリケーション終了指示コマンドを実行しますが、終了指示コマンドが (アプリケーションの終了と) 非同期で完了してしまう場合注意が必要です。

3.3.2.3. 注意事項 3: データ格納位置

CLUSTERPRO がサーバ間で引き継ぐことのできるデータは次の通りです。

  • 共有ディスクまたはミラーディスク上のデータ
    アプリケーションのデータを、サーバ間で共有すべきデータと、サーバ固有のデータを異なる配置場所に分けて保存する必要があります。

    データの種類

    配置場所

    引き継ぎたいデータ

    ユーザデータなど

    共有ディスクまたはミラーディスク

    引き継ぎたくないデータ

    プログラム、設定情報など

    サーバのローカルディスク

3.3.2.4. 注意事項 4: 複数業務グループ

双方向スタンバイの運用形態では、(障害による縮退時) 1つのサーバ上で同一アプリケーションによる複数業務グループが稼動することを想定しなくてはなりません。
単一サーバが複数の業務グループを同時に実行できることが必要です。また、アプリケーションは、次のいずれかの方法で資源を引き継ぐことができなければなりません。
ミラーディスクも同じ考え方です。
共有ディスクに接続されたServer 1、Server 2

図 3.23 各サーバ上で業務が正常稼働(双方向スタンバイクラスタ)

  • 複数インスタンス起動
    新たに別インスタンス (プロセス) を起動する方法です。アプリケーションが複数動作できる必要があります。
    共有ディスクに接続されたServer 1、Server 2

    図 3.24 複数インスタンス起動

  • アプリケーション再起動
    もともと動いていたアプリケーションを一旦停止し、再起動することで、追加された資源を扱えるようにする方法です。
    共有ディスクに接続されたServer 1、Server 2

    図 3.25 アプリケーション再起動

  • 動的追加
    動作中のアプリケーションに対して、自動またはスクリプトからの指示により資源を追加する方法です。
    共有ディスクに接続されたServer 1、Server 2

    図 3.26 動的追加

3.3.2.5. 注意事項 5: アプリケーションとの相互干渉、相性問題

CLUSTERPRO の機能や動作に必要な OS 機能との相互干渉によってアプリケーションまたは CLUSTERPRO が動作できない場合があります。

  • 切替パーティションとミラーパーティションのアクセス制御
    非活性状態のディスクリソースは書込み禁止の設定になります。非活性状態のミラーディスクリソース、ハイブリッドディスクリソースはすべてのアクセスができない状態になります。
    アプリケーションは非活性状態の (つまりアクセス権利のない) ディスクリソースまたはミラーディスクリソース、ハイブリッドディスクリソースにアクセスできません。
    通常、クラスタスクリプトから起動されるアプリケーションは、それが起動された時点でアクセスすべきディスクリソースまたはミラーディスクリソース、ハイブリッドディスクリソースが既にアクセス可となっていることを想定してかまいません。
  • マルチホーム環境及び IP アドレスの移動
    クラスタシステムでは、通常、一つのサーバが複数の IP アドレスを持ち、ある IP アドレス (フローティング IP アドレスなど) はサーバ間で移動します。
  • アプリケーションの共有ディスクまたはミラーディスクへのアクセス
    共存動作アプリケーションには、業務グループの停止が通知されません。もし、業務グループの停止のタイミングでそのグループが使用しているディスクリソースまたはミラーディスクリソース、ハイブリッドディスクリソースにアクセスしている場合、アンマウントに失敗してしまいます。
    システム監視サービスを行うようなアプリケーションの中には、定期的に全てのディスクパーティションをアクセスするようなものがあります。この場合、監視対象パーティションを指定できる機能などが必要になります。

3.3.3. 注意事項に対する対策

問題点

対策

注意事項に対応する
番号

データファイル更新中に障害が発生した場合、待機系にてアプリケーションが正常に動作しない

プログラム修正

注意事項 1

アプリケーションを停止しても一定時間の間、ディスクやファイルシステムへアクセスしつづける

停止スクリプト中にsleepコマンドを使用し待ち合わせる

注意事項 2

一台のサーバ上で同一アプリケーションを複数起動できない

双方向スタンバイ運用では、フェイルオーバ時にアプリケーションを再起動し共有データを引き継ぐ

注意事項 3

3.3.4. 業務形態の決定

本章全体を踏まえた上で、業務形態を決定してください。

  • どのアプリケーションをいつ起動するか

  • 起動時やフェイルオーバ時に必要な処理は何か

  • ディスクリソースまたはミラーディスクリソース、ハイブリッドディスクリソースに置くべき情報は何か

3.4. クラスタ構成を設計する

フェイルオーバグループ(グループ)とは、クラスタシステム内のある 1 つの独立した業務を実行するために必要な資源の集まりのことで、フェイルオーバを行う単位になります。
グループは、グループ名、グループリソース、属性を持ちます。
共有ディスクに接続された2台のサーバ

図 3.27 フェイルオーバグループとグループリソース

各グループのリソースは、それぞれひとまとまりのグループとして処理されます。すなわち、ディスクリソース 1 とフローティング IP リソース 1 を持つ Group1 においてフェイルオーバが発生した場合、ディスクリソース 1 とフローティング IP リソース 1 がフェイルオーバすることになります (ディスクリソース 1 のみが、フェイルオーバすることはありません)。
また、ディスクリソース 1 は、他のグループ (たとえば Group2) に含まれることはありません。

3.5. グループリソースを理解する

クラスタシステムでフェイルオーバを実現するには、フェイルオーバの単位となるグループを作成する必要があります。グループを構成するのは、グループリソースです。最適なクラスタを作成するためには、作成するグループにどのようなグループリソースを追加し、どのような設定で運用するかをよく理解する必要があります。

参考

各リソースの詳細は、『リファレンスガイド』を参照してください。

現在サポートされているグループリソースは以下です。

グループリソース名

略称

EXEC リソース

exec

ディスクリソース

disk

フローティング IP リソース

fip

仮想 IP リソース

vip

ミラーディスクリソース

md

ハイブリッドディスクリソース

hd

ボリュームマネージャリソース

volmgr

ダイナミック DNS リソース

ddns

AWS Elastic IPリソース

awseip

AWS 仮想IPリソース

awsvip

AWS セカンダリ IP リソース

awssip

AWS DNS リソース

awsdns

Azure プローブポートリソース

azurepp

Azure DNS リソース

azuredns

Google Cloud 仮想 IP リソース

gcvip

Google Cloud DNS リソース

gcdns

Oracle Cloud 仮想 IP リソース

ocvip

3.6. モニタリソースを理解する

モニタリソースは、指定された監視対象を監視します。監視対象の異常を検出した場合には、グループリソースの再起動やフェイルオーバなどを行います。
モニタリソースの監視可能な状態の範囲は常時監視と活性時監視の 2 つがあります。
常時監視

クラスタ起動時~クラスタ停止時まで監視します。

活性時監視

グループ活性時~グループ非活性時まで監視します。

現在サポートされているモニタリソースは以下です。

モニタリソース名

略称

常時監視

活性時監視

ディスクモニタリソース

diskw

IP モニタリソース

ipw

NIC Link Up/Down モニタリソース

miiw

ミラーディスクコネクトモニタリソース

mdnw

ミラーディスクモニタリソース

mdw

ハイブリッドディスクコネクトモニタリソース

hdnw

ハイブリッドディスクモニタリソース

hdw

PID モニタリソース

pidw

ユーザ空間モニタリソース

userw

カスタムモニタリソース

genw

ボリュームマネージャモニタリソース

volmgrw

マルチターゲットモニタリソース

mtw

仮想 IP モニタリソース

vipw

ARP モニタリソース

arpw

外部連携モニタリソース

mrw

ダイナミック DNS モニタリソース

ddnsw

プロセス名モニタリソース

psw

DB2 モニタリソース

db2w

フローティング IP モニタリソース

fipw

FTP モニタリソース

ftpw

HTTP モニタリソース

httpw

IMAP4 モニタリソース

imap4

MySQL モニタリソース

mysqlw

NFS モニタリソース

nfsw

Oracle モニタリソース

oraclew

POP3 モニタリソース

pop3w

PostgreSQL モニタリソース

psqlw

Samba モニタリソース

sambaw

SMTP モニタリソース

smtpw

Tuxedo モニタリソース

tuxw

WebLogic モニタリソース

wlsw

WebSphere モニタリソース

wasw

WebOTX モニタリソース

otxw

JVM モニタリソース

jraw

システムモニタリソース

sraw

プロセスリソースモニタリソース

psrw

AWS Elastic IP モニタリソース

awseipw

AWS 仮想 IP モニタリソース

awsvipw

AWS セカンダリ IP モニタリソース

awssipw

AWS AZ モニタリソース

awsazw

AWS DNS モニタリソース

awsdnsw

Azure ロードバランスモニタリソース

azurelbw

Azure プローブポートモニタリソース

azureppw

Azure DNS モニタリソース

azurednsw

Google Cloud 仮想 IP モニタリソース

gcvipw

Google Cloud ロードバランスモニタリソース

gclbw

Google Cloud DNS モニタリソース

gcdnsw

Oracle Cloud 仮想 IP モニタリソース

ocvipw

Oracle Cloud ロードバランスモニタリソース

oclbw

3.7. ハートビートリソースを理解する

クラスタ内のサーバは他のサーバの死活監視を行います。サーバ間の死活監視はハートビートリソースを使用します。ハートビートデバイスには以下の種類があります。

  1. LANハートビート/カーネルモードLANハートビート(プライマリインタコネクト)

    共有ディスクに接続された2台のサーバ

    図 3.28 LANハートビート/カーネルモードLANハートビート(プライマリインタコネクト)

  2. LANハートビート/カーネルモードLANハートビート(セカンダリインタコネクト)

    共有ディスクに接続された2台のサーバ

    図 3.29 LANハートビート/カーネルモードLANハートビート(セカンダリインタコネクト)

  3. ディスクハートビート

    共有ディスクに接続された2台のサーバ

    図 3.30 ディスクハートビート

  4. Witnessハートビート

    共有ディスクに接続された2台のサーバ

    図 3.31 Witnessハートビート

ハートビートリソース名

略称

機能概要

LAN ハートビートリソース (1) (2)

lanhb

LAN を使用してサーバの死活監視を行います
クラスタ内の通信でも使用します
カーネルモード LAN ハートビート
リソース (1) (2)

lankhb

カーネルモードのモジュールが LAN を使用してサーバの死活監視を行います
クラスタ内の通信でも使用します

ディスクハートビートリソース (3)

diskhb

共有ディスク上の専用パーティションを使用してサーバの死活監視を行います

Witness ハートビートリソース (4)

witnesshb

Witness サーバを使用してサーバの死活監視を行います。

  • 優先度が一番高いインタコネクトには、全サーバ間で通信可能な LAN ハートビートまたはカーネルモード LAN ハートビートを設定してください。

  • カーネルモード LAN ハートビートリソースを 2 つ以上設定することを推奨します(クラウド環境や遠隔クラスタ環境のようにネットワークの追加が難しい場合はその限りではありません)。

  • インタコネクト専用の LAN を カーネルモード LAN ハートビートリソースとして登録し、さらにパブリックLAN も カーネルモード LAN ハートビートリソースとして登録することを推奨します。

3.8. ネットワークパーティション解決リソースを理解する

ネットワークパーティション状態とはクラスタサーバ間の全ての通信路に障害が発生しネットワーク的に分断されてしまう状態のことです。
ネットワークパーティション状態に対応できていないクラスタシステムでは、通信路の障害とサーバの障害を区別できず、同一資源に複数のサーバからアクセスしデータ破壊を引き起こす場合があります。CLUSTERPRO では、他サーバからのハートビート切れを検出すると、サーバの障害かネットワークパーティション状態かを判別します。サーバダウンと判定した場合は、健全なサーバ上で各種資源を活性化し業務アプリケーションを起動することでフェイルオーバを実行します。ネットワークパーティション状態と判定した場合には、業務継続よりデータ保護を優先させるため、緊急シャットダウンなどの処理を実施します。
ネットワークパーティション解決方式には下記の方法があります。
  • Ping 方式

    • ping コマンドを受信し、応答を返却可能な常時稼動している装置(以下、「ping用装置」と省略します)が必要です。

    • ping 用装置は複数指定することができます。

    • 他サーバからのハートビートの途絶を検出した際に、ping 用装置から ping コマンドの応答がある場合にはハートビートの途絶したサーバがダウンしたと判断してフェイルオーバを実施し、ping コマンドの応答がない場合はネットワークパーティション状態により自身がネットワークから孤立したものと判断して緊急シャットダウンします。これにより、ネットワークパーティション状態が発生した際に、クライアントと通信可能な方のサーバで業務を継続することができます。

    • ping 用装置の障害などにより、ハートビートが途絶する前に ping コマンドの応答が返らない状態が続くと、ネットワークパーティションの解決ができなくなりますので、この状態でハートビート切れを検出した場合、全サーバが緊急シャットダウンを実行します。

  • HTTP 方式

    • 常時稼働している Web サーバが必要です。

    • 他サーバからのハートビートの途絶を検出した際に、HTTP HEAD リクエストに対するレスポンスがある場合にはハートビートの途絶したサーバがダウンしたと判断してフェイルオーバを実施し、レスポンスがない場合はネットワークパーティション状態により自身がネットワークから孤立したものと判断して緊急シャットダウンします。これにより、ネットワークパーティション状態が発生した際に、クライアントと通信可能な方のサーバで業務を継続することができます。

    • Web サーバの障害などにより、ハートビートが途絶する前に HTTP HEAD リクエストへのレスポンスがない状態が続くと、ネットワークパーティションの解決ができなくなりますので、この状態でハートビート切れを検出した場合、全サーバが緊急シャットダウンを実行します。

  • ネットワークパーティション解決しない

    • 万一、クラスタサーバ間の全てのネットワーク通信路に障害が発生した場合には、全サーバがフェイルオーバを実行します。

推奨するネットワークパーティション解決方式は下記です。

ネットワークパーティション解決方式
ノード数
必要HW
フェイル
オーバ不可のケース
全ネットワーク経路断線時
両サーバがフェイルオーバするケース
ネットワークパーティション解決に必要な時間

Ping

制限なし

pingコマンドを受信し応答を返却する装置

なし

pingコマンドの応答が有るサーバが生存

pingコマンドが指定回数連続タイムアウト後に、全ネットワーク断線

0

HTTP

制限なし

Web サーバ

Web サーバ障害

Web サーバと通信可能なサーバが生存

なし

0

なし

制限なし

なし

なし

全サーバがフェイルオーバ実施

全ネットワーク断線時

0

4. CLUSTERPRO をインストールする

本章では、CLUSTERPRO のインストール手順について説明します。
本章で説明する項目は以下のとおりです。

参考

旧バージョンの CLUSTERPRO Server からアップグレードするには『スタートアップガイド』 「アップグレード手順」を参照してください。

4.1. CLUSTERPRO のインストールからクラスタ生成までの流れ

CLUSTERPRO のインストールからライセンス登録、クラスタシステム生成、クラスタシステムの状態確認までの流れを以下に示します。

以下の手順に進む前に、必ず「2. システム構成を決定する」「3. クラスタシステムを設計する」 を読み、必要な動作環境や生成するクラスタの構成内容について確認してください。

  1. CLUSTERPRO Server のインストール
    クラスタを構成する各サーバに、CLUSTERPRO のメインのモジュールである CLUSTERPRO Server をインストールします。
  2. ライセンスの登録
    clplcnsc コマンドでライセンスを登録します。
    (「5. ライセンスを登録する」) (サーバ OS の再起動が必要)
  3. Cluster WebUI を使用したクラスタ構成情報の作成
    Cluster WebUI を利用して、クラスタ構成情報を作成します。
  4. クラスタの生成
    Cluster WebUI で作成したクラスタ構成情報を使ってクラスタを生成します。
  5. Cluster WebUI を使用した設定確認
    Cluster WebUI を利用して、生成したクラスタの状態を確認します。

参考

本ガイドの流れに従って操作を行うためには、本ガイドの手順に従いながら、随時『リファレンスガイド』を参照する必要があります。また、動作環境やリリース情報などの最新情報は、『スタートアップガイド』を参照してください。

4.2. CLUSTERPRO Server のセットアップ

CLUSTERPRO の本体モジュールである CLUSTERPRO Server は以下のシステムサービスで構成され、CLUSTERPRO Server RPM / debパッケージ のインストールによりセットアップされます。

システムサービス名

説明

clusterpro

CLUSTERPRO デーモン
CLUSTERPRO 本体のサービスです。

clusterpro_evt

CLUSTERPRO イベント
CLUSTERPRO が出力するログおよび syslog を制御するサービスです。

clusterpro_nm

CLUSTERPRO ノードマネージャー
CLUSTERPRO のハートビートリソース、ネットワークパーティション解決リソースを制御するサービスです。

clusterpro_trn

CLUSTERPRO データ転送
クラスタ内のライセンス同期や構成情報の転送を制御するサービスです。

clusterpro_ib

CLUSTERPRO Information Base
CLUSTERPRO の情報を管理するサービスです。

clusterpro_api

CLUSTERPRO API
CLUSTERPRO Restful API 機能を制御するサービスです。

clusterpro_md

CLUSTERPRO ミラーエージェント
CLUSTERPRO のミラーディスクリソース、ハイブリッドディスクリソースとミラードライバを制御するサービスです。

clusterpro_alertsync

CLUSTERPRO アラート同期
クラスタ内のサーバでアラートを同期するためのサービスです。

clusterpro_webmgr

CLUSTERPRO WebManager
WebManager サーバのサービスです。

4.2.1. CLUSTERPRO RPM をインストールするには

以下の手順に従って、クラスタを構成する各サーバに CLUSTERPRO Server の RPM をインストールします。

注釈

  1. インストール DVD-ROM を mount します。

  2. rpm コマンドを実行して、パッケージファイルをインストールします。
    製品によりインストール用 RPM が異なります。
    DVD-ROM 内の /Linux/5.1/jp/server に移動して、以下を実行します。
    rpm -i clusterpro-<バージョン>.<アーキテクチャ>.rpm
    アーキテクチャには x86_64、IBM POWER LE があります。インストール先の環境に応じて選択してください。アーキテクチャは、arch コマンドなどで確認できます。
    インストールが開始されます。

    注釈

    CLUSTERPRO は以下の場所にインストールされます。このディレクトリは変更しないでください。また、このディレクトリをシンボリックリンクにしないでください。
    インストールディレクトリ: /opt/nec/clusterpro
  3. インストールが終了したら、インストール DVD-ROM を umount します。

  4. インストール DVD-ROM を取り出します。

参考

CLUSTERPRO の内部バージョンが 5.1.2-1 以降の場合、かつ、SELinux が有効な状態で CLUSTERPRO を使用する場合には、clpselctrl.sh コマンドを実行してください。
詳細については、「4.2.3. SELinux 用の設定」を参照してください。

参考

SNMP 連携機能を使用する場合、追加の設定が必要になります。
SNMP 連携機能の設定は、「4.2.4. SNMP 連携機能を設定するには」を参照してください。

4.2.2. CLUSTERPRO deb パッケージ をインストールするには

以下の手順に従って、クラスタを構成する各サーバに CLUSTERPRO Server の debパッケージ をインストールします。

注釈

CLUSTERPRO Server の debパッケージ は root ユーザでインストールしてください。

  1. インストール DVD-ROM を mount します。

  2. dpkg コマンドを実行して、パッケージファイルをインストールします。
    製品によりインストール用 debパッケージ が異なります。
    DVD-ROM 内の /Linux/5.1/jp/server に移動して、以下を実行します。
    インストールが開始されます。
    dpkg -i clusterpro-<バージョン>.amd64.deb

    注釈

    CLUSTERPRO は以下の場所にインストールされます。このディレクトリは変更しないでください。また、このディレクトリをシンボリックリンクにしないでください。
    インストールディレクトリ: /opt/nec/clusterpro
  3. インストールが終了したら、インストール DVD-ROM を umount します。

  4. インストール DVD-ROM を取り出します。

参考

SNMP 連携機能を使用する場合、追加の設定が必要になります。
SNMP 連携機能の設定は、「4.2.4. SNMP 連携機能を設定するには」を参照してください。

4.2.3. SELinux 用の設定

CLUSTERPRO の内部バージョンが 5.1.2-1 以降の場合、かつ、SELinux が有効な状態で CLUSTERPRO を使用する場合には、CLUSTERPRO をインストールした直後に、下記の様に clpselctrl.sh コマンドを実行してください。
CLUSTERPRO をインストールした後に SELinux を有効にする場合も、SELinux を有効にする前に、下記の様に clpselctrl.sh コマンドを実行してください。
clpselctrl.sh --add

注釈

clpselctrl.sh コマンドは、semanage コマンドと restorecon コマンドを使用します。
semanage コマンドや restorecon コマンドがインストールされていない場合には、事前にインストールをおこなってください。
  • RHEL 8系以降の場合

    dnf -y install policycoreutils-python-utils
    
  • RHEL 7系の場合

    yum -y install policycoreutils-python
    

注釈

SELinux が有効になっているか無効になっているかについては、getenforce コマンドで確認可能です。

getenforce

表示の意味は下記のとおりです。

  • Enforcing : 有効(SELinux ポリシーが強制される)

  • Permissive : SELinux ポリシーが強制されずに、システムは動作し続け、代わりにワーニングがログ出力される

  • Disabled : 無効(SELinux ポリシーはロードされない)

注釈

clpselctrl.sh コマンドの詳細については、『リファレンスガイド』の 「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」 - 「SELinux 用の設定をおこなう (clpselctrlコマンド)」 を参照してください。

4.2.4. SNMP 連携機能を設定するには

注釈

SNMP トラップ送信機能のみを使う場合は、本手順は必要ありません。

SNMP による情報取得要求に対応するためには、別途 Net-SNMP のインストール、およびSNMP 連携機能の登録が必要です。
以下の手順に従って設定を行ってください。

注釈

  • root ユーザで設定してください。

  • インストール手順に現れる Net-SNMP 関連の記述はディストリビューション毎に異なる可能性があります。

  1. Net-SNMP をインストールします。

  2. snmpd のバージョンを確認します。
    以下のコマンドを実行してください。
    snmpd -v
    
  3. snmpd デーモンを停止します。

    注釈

    通常、以下のコマンドを実行することで停止できます。

    • init.d 環境の場合:

    /etc/init.d/snmpd stop
    
    • systemd 環境の場合:

    systemctl stop snmpd
    
  4. snmpd デーモンの 構成ファイルに CLUSTERPRO のSNMP 連携機能を登録します。
    テキストエディタで構成ファイルを開いてください。
    snmpd のバージョンに応じて、ファイル末尾に以下を追記してください。

    snmpd のバージョンが 5.7 未満の場合:

    dlmod clusterManagementMIB /opt/nec/clusterpro/lib/libclpmgtmib.so
    

    snmpd のバージョンが 5.7 以上の場合:

    dlmod clusterManagementMIB /opt/nec/clusterpro/lib/libclpmgtmib2.so
    

    注釈

    • 通常、Net-SNMP snmpd デーモンの構成ファイルは以下に配置されています。

      /etc/snmp/snmpd.conf
      
    • snmpd デーモンが許可する MIB ビュー(snmpd.conf の view定義) に、CLUSTERPRO の OID を追加してください。
      CLUSTERPRO の OID は、「.1.3.6.1.4.1.119.2.3.207」です。
  5. 必要に応じてSNMP 連携機能の動作に必要なライブラリへのシンボリックリンクを作成します。
    必要なシンボリックリンクは次の 3 つです。
    libnetsnmp.so
    libnetsnmpagent.so
    libnetsnmphelpers.so
    

    以下の手順に従い作成してください。

    1. シンボリックリンクの有無を確認します。
    次のディレクトリに移動してください。
    /usr/lib64
    
    上に示した3つのシンボリックリンクが存在するか確認してください。
    存在する場合、手順 5-2は必要ありません。手順 6 に進んでください。
    存在しない場合、手順 5-2 を実施してください。
    2. シンボリックリンクを作成します。
    以下のコマンドを実行してください。
    ln -s libnetsnmp.so.X libnetsnmp.so
    ln -s libnetsnmpagent.so.X libnetsnmpagent.so
    ln -s libnetsnmphelpers.so.X libnetsnmphelpers.so

    X の部分は整数値を表します。環境により異なりますので確認して指定してください。

  6. snmpd デーモンを起動します。

    注釈

    通常、以下のコマンドを実行することで起動できます。

    • init.d 環境の場合:

    /etc/init.d/snmpd start
    
    • systemd 環境の場合:

    systemctl start snmpd
    

参考

CLUSTERPRO Server をアンインストールする際は、必ずSNMP 連携機能の設定解除も行ってください。SNMP 連携機能の設定解除は、「 11.1.2. SNMP 連携機能の設定を解除するには 」を参照してください。

注釈

SNMP 通信に必要な設定はNet-SNMP snmpd デーモン側で行います。

5. ライセンスを登録する

作成したクラスタを実際に稼動させるには、ライセンスの登録が必要になります。本章では、CLUSTERPRO のライセンス登録手順について説明します。
本章で説明する項目は以下のとおりです。

5.1. CPU ライセンスの登録

構築するクラスタシステムを実際に動作させるには、CPU ライセンスを登録する必要があります。

参考

構築するクラスタシステムに仮想サーバが存在する場合、仮想サーバにはCPUライセンスではなく、VM ノードライセンスを使用することができます。
VM ノードライセンスの登録については、「 5.2. VM ノードライセンスの登録 」を参照してください。

以下に CPU ライセンスに該当するライセンス製品名の一覧を記載します。

ライセンス製品名

CLUSTERPRO X 5.1 for Linux

CLUSTERPRO X SingleServerSafe 5.1 for Linux

CLUSTERPRO X SingleServerSafe for Linux アップグレードライセンス

CPU ライセンスの登録は、クラスタを構築しようとしているサーバのうち、マスタサーバとして設定しているサーバで行います。登録形式には、ライセンスシートに記載された情報を記載する方法と、ライセンスファイルを指定する方法の 2 つがあります。製品版、試用版それぞれの場合について説明します。

製品版

試用版

5.1.1. CPU ライセンスの注意事項

CPUライセンスを使用する場合の注意事項を示します。

  • マスタサーバでCPUライセンスを登録した後、「6. クラスタ構成情報を作成する」におけるクラスタ構成情報の作成と反映は、マスタサーバに接続した Cluster WebUI から実施する必要があります。

5.1.2. ライセンスファイル指定によるライセンス登録を行うには (製品版、試用版共通)

製品版、または試用版のライセンスを入手している場合で、ライセンスファイル指定によるライセンス登録の手順を示します。
本手順を実行する前に、以下を確認してください。
  • クラスタシステムを構築しようとしているサーバの中で、マスタサーバとして設定しようとしているサーバに root でログイン可能である。

  • ライセンスファイルが、クラスタシステムを構築しようとしているサーバの中で、マスタサーバとして設定しようとしているサーバの任意の位置に存在している。

  1. クラスタを構築しようとしているサーバのうち、マスタサーバとして設定しようとしているサーバに root でログインし、以下のコマンドを実行します。
    # clplcnsc -i filepath
    -iオプションで指定するfilepathには、ファイル名を含むライセンスファイルへのパスを指定します。
    コマンド実行後、正常にコマンドが終了した場合は、コンソールに「License registration succeeded.」と表示されます。その他の終了メッセージが表示された場合は、『リファレンスガイド』の「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」を参照してください。
  2. 以下のコマンドを実行し、ライセンスの登録状況を確認します。

    # clplcnsc -l -a
  3. オプション製品を使用する場合には「5.3. ノードライセンスの登録」に進んでください。

  4. オプション製品を使用しない場合には、この後、ライセンス登録を有効にしクラスタを稼動させるため全サーバを OS のシャットダウンコマンドで再起動してください。
    再起動後、次の「6. クラスタ構成情報を作成する」に進み、手順に従ってください。

注釈

OS の起動時に clusterpro_md がエラーになりますが無視してください。クラスタ環境が未構築のために出力されたものです。

5.1.3. コマンドラインから対話形式でライセンスを登録するには (製品版)

製品版のライセンスを保有している場合に、コマンドラインを使用して対話形でライセンスを登録する際の手順を示します。
本手順を実行する前に、以下を確認してください。
  • 販売元から正式に入手したライセンスシートが手元にある。
    ライセンスシートは製品を購入すると販売元から送付されます。このライセンスシートに記載されている値を入力します。
  • クラスタシステムを構築しようとしているサーバの中で、マスタサーバとして設定しようとしているサーバに root でログイン可能である。

参考

本手順では、clplcnsc コマンドを使用します。clplcnsc コマンドの使用方法の詳細については、『リファレンスガイド』の「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」を参照してください。

  1. ライセンスシートを手元に用意します。
    本ステップでは、添付されているライセンスシートが以下の場合を例にとり説明を行います。入力時には、お手元のライセンスシートに記載される値に置き換えてください。
    製品名 CLUSTERPRO X 5.1 for Linux
    ライセンス情報
        製品区分         製品版
        ライセンスキー   A1234567-B1234567-C1234567-D1234567
        シリアルナンバー AAAAAAAA000000
        CPU 数           2
  2. クラスタを構築しようとしているサーバのうち、マスタサーバとして設定しようとしているサーバに root でログインし、以下のコマンドを実行します。

    # clplcnsc -i
  3. 製品区分の入力を促す以下の文字列が表示されます。 License Version (製品区分) は1 の Product (製品版) ですので、1 と入力します。

    Selection of License Version.
        1 Product version
        2 Trial version
        e Exit
    Select License Version. [1, 2, or e (default:1)]...1
  4. シリアル No. の入力を促す以下の文字列が表示されます。ライセンスシートに記載されているシリアル No. を入力します。大文字と小文字は区別されますので気をつけてください。

    Enter serial number [Ex. XXXXXXXX000000]... AAAAAAAA000000
  5. ライセンスキーの入力を促す以下の文字列が表示されます。ライセンスシートに記載されているライセンスキーを入力します。大文字と小文字は区別されますので気をつけてください。

    Enter license key
        [XXXXXXXX-XXXXXXXX-XXXXXXXX-XXXXXXXX]...
    A1234567-B1234567-C1234567-D1234567
    コマンド実行後、正常にコマンドが終了した場合は、コンソールに「License registration succeeded.」と表示されます。その他の終了メッセージが表示された場合は、『リファレンスガイド』の「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」を参照してください。
  6. 登録したライセンスを確認します。以下のコマンドを実行します。

    # clplcnsc -l -a
  7. オプション製品を使用する場合には「5.3. ノードライセンスの登録 」に進んでください。
  8. オプション製品を使用しない場合には、全サーバを OS のシャットダウンコマンドで再起動してください。
    再起動後、次の「6. クラスタ構成情報を作成する」に進み、手順に従ってください。

注釈

OS の起動時に clusterpro_md がエラーになりますが無視してください。クラスタ環境が未構築のために出力されたものです。

5.2. VM ノードライセンスの登録

構築するクラスタシステムに仮想サーバが存在する場合、仮想サーバには CPU ライセンスではなく、VM ノードライセンスを使用することができます。
以下に VM ノードライセンスに該当するライセンス製品名の一覧を記載します。

ライセンス製品名

CLUSTERPRO X 5.1 for Linux VM

CLUSTERPRO X SingleServerSafe 5.1 for Linux VM

CLUSTERPRO X SingleServerSafe for Linux VM アップグレードライセンス

VM ノードライセンスの登録は、クラスタを構築しようとしているサーバのうち、仮想サーバ全てで行います。登録形式には、ライセンスシートに記載された情報を記載する方法と、ライセンスファイルを指定する方法の2つがあります。

製品版

試用版

5.2.1. ライセンスファイル指定によるライセンス登録を行うには (製品版、試用版共通)

製品版のライセンスを入手している場合で、ライセンスファイル指定によるライセンス登録の手順を示します。
本手順を実行する前に、以下を確認してください。
  • クラスタシステムを構築しようとしているサーバの中で、仮想サーバに root でログイン可能である。

  1. クラスタを構築しようとしているサーバのうち、仮想サーバに root でログインし、以下のコマンドを実行します。

    # clplcnsc -i filepath

    -iオプションで指定するfilepathには、ファイル名を含むライセンスファイルへのパスを指定します。

    コマンド実行後、正常にコマンドが終了した場合は、コンソールに「License registration succeeded.」と表示されます。その他の終了メッセージが表示された場合は、『リファレンスガイド』の「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」を参照してください。

  2. 以下のコマンドを実行し、ライセンスの登録状況を確認します。

    # clplcnsc -l -a
  3. クラスタ内で他に仮想サーバがあれば、同様の手順で VM ノードライセンスを登録します。

  4. オプション製品を使用する場合には「 5.3. ノードライセンスの登録 」を参照してください。

  5. オプション製品を使用しない場合には、この後、ライセンス登録を有効にしクラスタを稼動させるため全サーバを OS のシャットダウンコマンドで再起動してください。
    再起動後、次の「6. クラスタ構成情報を作成する」に進み、手順に従ってください。

注釈

OS の起動時に clusterpro_md がエラーになりますが無視してください。クラスタ環境が未構築のために出力されたものです。

5.2.2. コマンドラインから対話形式でライセンスを登録するには (製品版)

製品版のライセンスを保有している場合に、コマンドラインを使用して対話形でライセンスを登録する際の手順を示します。
本手順を実行する前に、以下を確認してください。
  • 販売元から正式に入手したライセンスシートが手元にある。
    ライセンスシートは製品を購入すると販売元から送付されます。このライセンスシートに記載されている値を入力します。
  • クラスタシステムを構築しようとしているサーバの中で、仮想サーバに root でログイン可能である。

参考

本手順では、clplcnsc コマンドを使用します。clplcnsc コマンドの使用方法の詳細については、『リファレンスガイド』の「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」を参照してください。

  1. ライセンスシートを手元に用意します。
    本ステップでは、添付されているライセンスシートが以下の場合を例にとり説明を行います。入力時には、お手元のライセンスシートに記載される値に置き換えてください。
    製品名 CLUSTERPRO X 5.1 for Linux VM
    ライセンス情報
        製品区分           製品版
        ライセンスキー     A1234567-B1234567-C1234567-D1234567
        シリアルナンバー   AAAAAAAA000000
        ライセンスサーバ数 1
  2. クラスタを構築しようとしているサーバのうち、仮想サーバに root でログインし、以下のコマンドを実行します。

    # clplcnsc -i
  3. 製品区分の入力を促す以下の文字列が表示されます。License Version (製品区分) は1 の Product (製品版) ですので、1 と入力します。

    Selection of License Version.
        1 Product version
        2 Trial version
        e Exit
    Select License Version. [1, 2, or e (default:1)]...1
  4. シリアル No. の入力を促す以下の文字列が表示されます。ライセンスシートに記載されているシリアル No. を入力します。大文字と小文字は区別されますので気をつけてください。

    Enter serial number [Ex. XXXXXXXX000000]... AAAAAAAA000000
  5. ライセンスキーの入力を促す以下の文字列が表示されます。ライセンスシートに記載されているライセンスキーを入力します。大文字と小文字は区別されますので気をつけてください。

Enter license key
    [XXXXXXXX-XXXXXXXX-XXXXXXXX-XXXXXXXX]...
A1234567-B1234567-C1234567-D1234567

コマンド実行後、正常にコマンドが終了した場合は、コンソールに「License registration succeeded.」と表示されます。その他の終了メッセージが表示された場合は、『リファレンスガイド』の「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」を参照してください。

  1. 登録したライセンスを確認します。以下のコマンドを実行します。

    # clplcnsc -l -a
  2. クラスタ内で他に仮想サーバがあれば、同様の手順で VM ライセンスを登録します。

  3. オプション製品を使用する場合には「 5.3. ノードライセンスの登録 」を参照してください。

  4. オプション製品を使用しない場合には、全サーバを OS のシャットダウンコマンドで再起動してください。
    再起動後、次の「6. クラスタ構成情報を作成する」に進み、手順に従ってください。

注釈

OS の起動時に clusterpro_md がエラーになりますが無視してください。クラスタ環境が未構築のために出力されたものです。

5.3. ノードライセンスの登録

X 5.1 Replicator、X 5.1 Replicator DR、X 5.1 Agent 製品群、X 5.1 Alert Service (以下、各オプション製品) を構築するクラスタシステムを動作させるには、ノードライセンスを登録する必要があります。
以下に各オプション製品のノードライセンスに該当するライセンス製品名の一覧を記載します。

ライセンス製品名

CLUSTERPRO X Replicator 5.1 for Linux

CLUSTERPRO X Database Agent 5.1 for Linux

CLUSTERPRO X Internet Server Agent 5.1 for Linux

CLUSTERPRO X File Server Agent 5.1 for Linux

CLUSTERPRO X Application Server Agent 5.1 for Linux

CLUSTERPRO X Java Resource Agent 5.1 for Linux

CLUSTERPRO X System Resource Agent 5.1 for Linux

CLUSTERPRO X Alert Service 5.1 for Linux

CLUSTERPRO X Replicator DR 5.1 for Linux

CLUSTERPRO X Replicator DR 5.1 for Linuxアップグレードライセンス

ノードライセンスの登録は、クラスタを構築するサーバのうち、オプション製品を使用するサーバで行います。登録形式には、ライセンスシートに記載された情報を記載する方法と、ライセンスファイルを指定する方法の 2 つがあります。製品版、試用版それぞれの場合について説明します。

製品版

試用版

5.3.1. ライセンスファイル指定によるライセンス登録を行うには (製品版、試用版共通)

製品版、または試用版のライセンスを入手している場合で、ライセンスファイル指定によるライセンス登録の手順を示します。
本手順を実行する前に、以下を確認してください。
  • クラスタシステムを構築しようとしているサーバの中で、オプション製品を使用しようとしているサーバに root でログイン可能である。

  1. クラスタを構築しようとしているサーバのうち、オプション製品を使用しようとしているサーバに root でログインし、以下のコマンドを実行します。

    # clplcnsc -i filepath

    -iオプションで指定するfilepathには、ファイル名を含むライセンスファイルへのパスを指定します。

    注釈

    オプション製品のライセンスがインストールされていない場合、ライセンスに対応するリソース・モニタリソースはCluster WebUIの一覧に表示されません。
    ライセンスが登録されている状態で一覧に表示されない場合や、Cluster WebUI を起動した後でライセンスを登録した場合は、 [ライセンス情報取得] ボタンを押してください。
    コマンド実行後、正常にコマンドが終了した場合は、コンソールに「License registration succeeded.」と表示されます。その他の終了メッセージが表示された場合は、『リファレンスガイド』の「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」を参照してください。
  2. 以下のコマンドを実行し、ライセンスの登録状況を確認します。

    # clplcnsc -l -a
  3. クラスタ内で他にオプション製品を使用するサーバがあれば、同様の手順でノードライセンスを登録します。
    Replicator / Replicator DR のライセンスは両方のサーバで登録してください。
  4. この後、ライセンス登録を有効にしクラスタを稼動させるため、全サーバを OS のシャットダウンコマンドで再起動してください。
    再起動後、「6. クラスタ構成情報を作成する」に進み、手順に従ってください。

    注釈

    OS の起動時に clusterpro_md がエラーになりますが無視してください。
    クラスタ環境が未構築のために出力されたものです。

    注釈

    クラスタとして運用を開始した後に Replicator / Replicator DR のライセンスを登録した場合には、クラスタシャットダウン、リブートを実行してください。
    リブート後から Replicator / Replicator DR が使用できます。

5.3.2. コマンドラインから対話形式でノードライセンスを登録するには (製品版)

製品版のライセンスを保有している場合に、コマンドラインを使用して対話形でライセンスを登録する際の手順を示します。
本手順を実行する前に、以下を確認してください。
  • 販売元から正式に入手したライセンスシートが手元にある。ライセンスシートは製品を購入すると販売元から送付されます。ノードライセンスのライセンスシートはオプション製品を使用しようとしているサーバの台数分必要です。このライセンスシートに記載されている値を入力します。

  • クラスタシステムを構築しようとしているサーバの中で、オプション製品を使用しようとしているサーバに root でログイン可能である。

参考

本手順では、clplcnsc コマンドを使用します。clplcnsc コマンドの使用方法の詳細については、『リファレンスガイド』の「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」を参照してください。

  1. ライセンスシートを手元に用意します。
    本ステップでは、添付されているライセンスシートが以下 (Replicator) の場合を例にとり説明を行います。入力時には、お手元のライセンスシートに記載される値に置き換えてください。
    製品名 CLUSTERPRO X Replicator 5.1 for Linux
    ライセンス情報
        製品区分         製品版
        ライセンスキー   A1234567-B1234567-C1234567-D1234567
        シリアルナンバー AAAAAAAA000000
        ノード数         1
  2. クラスタを構築しようとしているサーバのうち、オプション製品を使用しようとして設定しようとしているサーバに root でログインし、以下のコマンドを実行します。

    # clplcnsc -i

    注釈

    オプション製品のライセンスがインストールされていない場合、ライセンスに対応するリソース・モニタリソースはCluster WebUIの一覧に表示されません。

  3. 製品区分の入力を促す以下の文字列が表示されます。License Version (製品区分) は1 の Product (製品版) ですので、1 と入力します。

    Selection of License Version.
        1 Product Version
        2 Trial Version
        e Exit
    Select License Version. [1, 2, or e (default:1)]...1
  4. シリアル No. の入力を促す以下の文字列が表示されます。ライセンスシートに記載されているシリアル No. を入力します。大文字と小文字は区別されますので気をつけてください。

    Enter serial number [Ex. XXXXXXXX000000]... AAAAAAAA000000
  5. ライセンスキーの入力を促す以下の文字列が表示されます。ライセンスシートに記載されているライセンスキーを入力します。大文字と小文字は区別されますので気をつけてください。

    Enter license key
        [XXXXXXXX-XXXXXXXX-XXXXXXXX-XXXXXXXX]...
    A1234567-B1234567-C1234567-D1234567
    コマンド実行後、正常にコマンドが終了した場合は、コンソールに「License registration succeeded.」と表示されます。その他の終了メッセージが表示された場合は、『リファレンスガイド』の「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」を参照してください。
  6. 登録したライセンスを確認します。以下のコマンドを実行します。

    # clplcnsc -l -a
  7. クラスタ内で他にオプション製品を使用するサーバがあれば、同様の手順でノードライセンスを登録します。
    Replicator / Replicator DR のライセンスは両方のサーバで登録してください。
  8. この後、ライセンス登録を有効にしクラスタを稼動させるため、全サーバを OS のシャットダウンコマンドで再起動してください。
    再起動後、次の「6. クラスタ構成情報を作成する」に進み、手順に従ってください。

    注釈

    OS の起動時に clusterpro_md がエラーになりますが無視してください。クラスタ環境が未構築のために出力されたものです。

    注釈

    クラスタとして運用を開始した後に Replicator / Replicator DR のライセンスを登録した場合には、クラスタシャットダウン、リブートを実行してください。
    リブート後から Replicator / Replicator DR が使用できます。

5.4. 期限付きライセンスの登録

構築するクラスタシステムを期限付きで運用する場合、期限付きライセンスを使用します。
本ライセンスを使用する場合、ライセンス登録時を開始日とし、一定期間、ライセンスが有効になります。
ライセンスの期限切れに備え、同一製品のライセンスを複数登録することが可能です。余剰分のライセンスはストックされ、使用中のライセンス期限が切れた時に有効化されます。
以下に期限付きライセンスに該当するライセンス製品名の一覧を記載します。

本体製品

ライセンス製品名

CLUSTERPRO X 5.1 for Linux VM

オプション製品

ライセンス製品名

CLUSTERPRO X Replicator 5.1 for Linux

CLUSTERPRO X Database Agent 5.1 for Linux

CLUSTERPRO X Internet Server Agent 5.1 for Linux

CLUSTERPRO X File Server Agent 5.1 for Linux

CLUSTERPRO X Application Server Agent 5.1 for Linux

CLUSTERPRO X Java Resource Agent 5.1 for Linux

CLUSTERPRO X System Resource Agent 5.1 for Linux

CLUSTERPRO X Alert Service 5.1 for Linux

CLUSTERPRO X Replicator DR 5.1 for Linux

期限付きライセンスの登録は本体製品、オプション製品に関わらず、クラスタを構築しようとしているサーバのうち、マスタサーバとして設定しているサーバで行います。ライセンスの登録はライセンスファイルを指定することで行います。

ライセンス登録の手順は「 5.4.2. 期限付きライセンスを登録するには 」を参照してください。

5.4.1. 期限付きライセンスの注意事項

期限付きライセンスを使用する場合の注意事項を示します。

  • クラスタ内の一部のサーバのみに期限付きライセンスを登録し、運用することはできません。

  • マスタサーバでライセンスを登録した後、「6. クラスタ構成情報を作成する」におけるクラスタ構成情報の作成と反映は、マスタサーバに接続した Cluster WebUI から実施する必要があります。

  • 期限付きライセンスは、クラスタを構成するサーバ台数以上のライセンスが必要です。

  • クラスタの運用開始後、期限付きライセンスを追加する場合も、マスタサーバ上でライセンスを登録する必要があります。

  • 一度有効化された期限付きライセンスは、サーバ削除、サーバ交換、ライセンス削除した場合は期限内であっても再登録することはできません。

5.4.2. 期限付きライセンスを登録するには

期限付きライセンスを登録する手順を示します。
本手順を実行する前に、以下を確認してください。
  • クラスタシステムを構築しようとしているサーバの中で、マスタサーバとして設定しようとしているサーバに root でログイン可能である。

  • 使用する製品の全てのライセンスファイルが、クラスタシステムを構築しようとしているサーバの中で、マスタサーバとして設定しようとしているサーバの任意の位置に存在している。

以下の手順で、使用する製品の全てのライセンスファイルを登録します。

  1. クラスタを構築しようとしているサーバのうち、マスタサーバとして設定しようとしているサーバに root でログインし、以下のコマンドを実行します。

    # clplcnsc -i filepath

    -iオプションで指定するfilepathには、ファイル名を含むライセンスファイルへのパスを指定します。

    注釈

    オプション製品のライセンスがインストールされていない場合、ライセンスに対応するリソース・モニタリソースはCluster WebUIの一覧に表示されません。
    ライセンスが登録されている状態で一覧に表示されない場合や、Cluster WebUI を起動した後でライセンスを登録した場合は、 [ライセンス情報取得] ボタンを押してください。
    コマンド実行後、正常にコマンドが終了した場合は、コンソールに「License registration succeeded.」と表示されます。その他の終了メッセージが表示された場合は、『リファレンスガイド』の「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」を参照してください。
    期限切れに備え、同一製品のライセンスファイルを複数入手している場合、同様の手順でコマンドを実行し、余剰分のライセンスを登録します。
  2. その他に使用する製品がある場合、手順 1 を繰り返します。

  3. 以下のコマンドを実行し、ライセンスの登録状況を確認します。

    # clplcnsc -l -a
  4. ライセンス登録を有効にしクラスタを稼動させるため全サーバを OS のシャットダウンコマンドで再起動してください。
    再起動後、次の「6. クラスタ構成情報を作成する」に進み、手順に従ってください。

    注釈

    OS の起動時に clusterpro_md がエラーになりますが無視してください。クラスタ環境が未構築のために出力されたものです。

    注釈

    クラスタとして運用を開始した後に Replicator / Replicator DR のライセンスを登録した場合には、クラスタシャットダウン、リブートを実行してください。
    リブート後から Replicator / Replicator DR が使用できます。

6. クラスタ構成情報を作成する

CLUSTERPRO では、クラスタシステムの構成内容を記述するデータのことを、クラスタ構成情報と呼びます。Cluster WebUI を用いてクラスタ構成情報を作成します。本章では、Cluster WebUI の起動方法、およびクラスタ構成情報の作成手順をサンプルの構成例を用いて説明します。

本章で説明する項目は以下のとおりです。

6.1. クラスタ構成情報を作成する

クラスタ構成情報の作成は、クラスタ構成情報の作成 / 変更用の機能であるCluster WebUI の設定モードを用いて行います。
管理用 PC からアクセスした Cluster WebUIを起動し、クラスタ構成情報を作成します。作成したクラスタ構成情報は、Cluster WebUI からクラスタシステムに反映します。

6.2. Cluster WebUI を起動する

クラスタ構成情報を作成するには、Cluster WebUIにアクセスする必要があります。ここでは、まず Cluster WebUI の概要を説明し、その後、クラスタ構成情報を作成する方法について説明します。

参考

Cluster WebUI の動作環境については、『スタートアップガイド』の「CLUSTERPRO の動作環境」を参照してください。

6.2.1. Cluster WebUI とは

Cluster WebUI とは、Web ブラウザ経由でクラスタの設定と状態監視、サーバ/グループの起動/停止及び、クラスタ動作ログの収集などを行うための機能です。以下の図に Cluster WebUI の概要を示します。

  1. CLUSTERPRO Server (Main module)

  2. Cluster WebUI

2台のサーバとManagement PC

図 6.1 Cluster WebUI

図の2台のサーバにはCLUSTERPROがインストールされています。管理用PC(Management PC)上のウェブブラウザを使っていずれかのサーバに接続すると、Cluster WebUIの画面が表示されます。 この際の接続先としては、管理グループのフローティングIP(FIP)アドレス、または仮想IP(VIP)アドレスを指定します。

6.2.2. Cluster WebUI がサポートしているブラウザ

Cluster WebUIの動作確認済 OS、動作確認済ブラウザ、必要メモリ容量/ディスク容量などの最新の動作環境情報については、『スタートアップガイド』を参照してください。

6.2.3. Cluster WebUI を起動するには

Cluster WebUI を起動する手順を示します。

  1. Web ブラウザを起動します。

  2. ブラウザのアドレスバーに、CLUSTERPRO Serverをインストールしたサーバの実 IP アドレスとポート番号を入力します。

    http://ip-address:port/
    ip-address

    インストール直後は管理グループが存在しないため、クラスタを構成する1台目のサーバの実IPアドレスを指定します。

    port

    インストール時に指定したWebManagerのポート番号と同じ番号を指定します(既定値29003)。

  3. Cluster WebUI が起動します。クラスタ構成情報を作成する場合、ツールバーのドロップダウンメニューで [設定モード] を選択してください。

  4. [クラスタ生成ウィザード] をクリックしてウィザードを開始します。

参考

CLUSTERPRO サーバと暗号化通信を有効にして接続する場合は、『リファレンスガイド』の「パラメータの詳細」 - 「クラスタプロパティ」 - 「WebManagerタブ」を参照してください。暗号化通信を行う場合は下記を入力します。

https://ip-address:29003/

6.3. 2 ノードクラスタ環境の設定値を確認する

クラスタ生成ウィザードを使用して実際にクラスタ構成情報を作成する前に、クラスタ構成情報として設定する値を確認します。値を書き出して、クラスタが効果的に作成されているか、情報に漏れがないかを確認しておきましょう。

6.3.1. クラスタ環境のサンプル

本章では、以下の図に記載されている、典型的な 2 ノードのクラスタ環境を構築する場合を例にとって説明を行います。

6.3.1.1. ディスクリソース使用時

Shared diskに接続されたServer 1、Server 2

図 6.2 2 ノードクラスタの例(ディスクリソース使用時)

FIP1

10.0.0.11
(Cluster WebUIクライアントからのアクセス先)

FIP2

10.0.0.12
(業務クライアントからのアクセス先)

NIC1-1

192.168.0.1

NIC1-2

10.0.0.1

NIC2-1

192.168.0.2

NIC2-2

10.0.0.2

  • 共有ディスク (Shared disk)

    • ディスクハートビートリソース

      デバイス名

      /dev/sdb1

    • ディスクリソース

      共有ディスクデバイス

      /dev/sdb2

      マウントポイント

      /mnt/sdb2

      ファイルシステム

      ext3

    • ディスクモニタリソース

      デバイス名

      /dev/sdb2

      監視対象Rawデバイス名

      (空欄)

      監視方法

      read(O_DIRECT)

6.3.1.2. ミラーディスクリソース使用時

それぞれディスクに接続された、Server 1、Server 2

図 6.3 2 ノードクラスタの例(ミラーディスクリソース使用時)

FIP1

10.0.0.11
(Cluster WebUIクライアントからのアクセス先)

FIP2

10.0.0.12
(業務クライアントからのアクセス先)

NIC1-1

192.168.0.1

NIC1-2

10.0.0.1

NIC2-1

192.168.0.2

NIC2-2

10.0.0.2

  • ミラーディスクリソース設定

    データパーティション

    /dev/sdb2

    クラスタパーティション

    /dev/sdb1

    マウントポイント

    /mnt/sdb2

    ファイルシステム

    ext3

  • ディスクモニタ設定

    デバイス名

    /dev/sdb1

    監視対象Rawデバイス名

    (空欄)

    監視方法

    read(O_DIRECT)

6.3.1.3. 遠隔構成 ミラーディスクリソース使用時

互いに遠隔地にあり、それぞれディスクに接続された2台のサーバ

図 6.4 2 ノードクラスタの例(遠隔構成ミラーディスクリソース使用時)

FIP1

10.0.0.11
(Cluster WebUIクライアントからのアクセス先)

FIP2

10.0.0.12
(業務クライアントからのアクセス先)

NIC1

10.0.0.1

NIC2

10.0.0.2

  • ミラーディスクリソース設定

    データパーティション

    /dev/sdb2

    クラスタパーティション

    /dev/sdb1

    マウントポイント

    /mnt/sdb2

    ファイルシステム

    ext3

  • ディスクモニタ設定

    デバイス名

    /dev/sdb1

    監視対象Rawデバイス名

    (空欄)

    監視方法

    read(O_DIRECT)

※ この構成はWANがレイヤー2タイプの場合(拠点間で同一ネットワークアドレスを使用できる)の例です。

6.3.1.4. ボリュームマネージャリソース使用時

Shared diskに接続されたServer 1、Server 2

図 6.5 2 ノードクラスタの例(ボリュームマネージャリソース使用時)

  • FIP1: Cluster WebUIクライアントからのアクセス先

  • FIP2: 業務クライアントからのアクセス先

以下に、上図のクラスタシステムを構築するためのクラスタ構成情報のサンプル値を記載します。以降のトピックでは、この条件でクラスタ構成情報を作成する手順をステップバイステップで説明します。実際に値を設定する際には、構築するクラスタの構成情報と置き換えて入力してください。値の決定方法については、『リファレンスガイド』を参照してください。

  • 2 ノードの構成設定例

    設定対象

    設定パラメータ

    設定値(ディスクリソース使用時)

    設定値(ミラーディスクリソース使用時)

    設定値(遠隔構成ミラーディスクリソース使用時)

    設定値(ボリュームマネージャリソース使用時)

    クラスタ構成

    クラスタ名

    cluster

    cluster

    cluster

    cluster

    サーバ数

    2

    2

    2

    2

    フェイルオーバグループ数

    2

    2

    2

    2

    モニタリソース数

    4

    6

    6

    5

    ハートビートリソース

    カーネルモードLAN ハートビート数

    2

    2

    1

    2

    ディスクハートビート数

    1

    0

    0

    1

    NPリソース

    PingNP

    0

    0

    1

    0

    1 台目のサーバの情報(マスタサーバ)

    サーバ名 1

    server1

    server1

    server1

    server1

    インタコネクトの IP アドレス(専用)

    192.168.0.1 (NIC1-1)

    192.168.0.1 (NIC1-1)

    10.0.0.1 (NIC1-2)

    192.168.0.1 (NIC1-1)

    インタコネクトの IP アドレス(バックアップ)

    10.0.0.1 (NIC1-2)

    10.0.0.1 (NIC1-2)

    10.0.0.1 (NIC1-2)

    パブリックの IP アドレス

    10.0.0.1 (NIC1-2)

    10.0.0.1 (NIC1-2)

    10.0.0.1 (NIC1-2)

    10.0.0.1 (NIC1-2)

    ディスクハートビートデバイス

    /dev/sdb1

    -

    -

    /dev/sdb1

    ミラーディスクコネクト

    -

    192.168.0.1 (NIC1-1)

    10.0.0.1 (NIC1-2)

    -

    2 台目のサーバの情報

    サーバ名 1

    server2

    server2

    server2

    server2

    インタコネクトの IP アドレス(専用)

    192.168.0.2 (NIC2-1)

    192.168.0.2 (NIC2-1)

    10.0.0.2 (NIC2-2)

    192.168.0.2 (NIC2-1)

    インタコネクトの IP アドレス(バックアップ)

    10.0.0.2 (NIC2-2)

    10.0.0.2 (NIC2-2)

    -

    10.0.0.2 (NIC2-2)

    パブリックの IP アドレス

    10.0.0.2 (NIC2-2)

    10.0.0.2 (NIC2-2)

    10.0.0.2 (NIC2-2)

    10.0.0.2 (NIC2-2)

    ディスクハートビートデバイス

    /dev/sdb1

    -

    -

    /dev/sdb1

    ミラーディスクコネクト

    192.168.0.2 (NIC2-1)

    10.0.0.2 (NIC2-2)

    管理用のグループ(Cluster WebUI 用)

    タイプ

    フェイルオーバ

    フェイルオーバ

    フェイルオーバ

    フェイルオーバ

    グループ名

    Management
    Group
    Management
    Group
    Management
    Group
    Management
    Group

    起動サーバ

    全てのサーバ

    全てのサーバ

    全てのサーバ

    全てのサーバ

    グループリソース数

    1

    1

    1

    1

    管理用グループのグループリソース 2

    タイプ

    フローティング IP リソース

    フローティング IP リソース

    フローティング IP リソース

    フローティング IP リソース

    グループリソース名

    ManagementIP

    ManagementIP

    ManagementIP

    ManagementIP

    IP アドレス

    10.0.0.11 (FIP1)

    10.0.0.11 (FIP1)

    10.0.0.11 (FIP1)

    10.0.0.11 (FIP1)

    業務用のグループ

    タイプ

    フェイルオーバ

    フェイルオーバ

    フェイルオーバ

    フェイルオーバ

    グループ名

    failover1

    failover1

    failover1

    failover1

    起動サーバ

    全てのサーバ

    全てのサーバ

    全てのサーバ

    全てのサーバ

    グループリソース数

    3

    3

    3

    4

    1 つ目のグループリソース

    タイプ

    フローティング IP リソース

    フローティング IP リソース

    フローティング IP リソース

    フローティング IP リソース

    グループリソース名

    fip1

    fip1

    fip1

    fip1

    IP アドレス

    10.0.0.12 (FIP2)

    10.0.0.12 (FIP2)

    10.0.0.12 (FIP2)

    10.0.0.12 (FIP2)

    2 つ目のグループリソース

    タイプ

    ディスクリソース

    ミラーディスクリソース

    ミラーディスクリソース

    ディスクリソース

    グループリソース名

    disk1

    md1

    md1

    disk1

    ディスクタイプ

    disk

    lvm

    ファイルシステム

    ext3

    ext3

    デバイス名

    /dev/sdb2

    /dev/dg1/lv1

    マウントポイント

    /mnt/sdb2

    /mnt/disk1

    ミラーパーティションデバイス名

    /dev/NMP1

    /dev/NMP1

    マウントポイント

    /mnt/sdb2

    /mnt/sdb2

    データパーティションデバイス名

    /dev/sdb2

    /dev/sdb2

    クラスタパーティションデバイス名

    /dev/sdb1

    /dev/sdb1

    ファイルシステム

    ext3

    ext3

    3 つ目のグループリソース

    タイプ

    EXEC リソース

    EXEC リソース

    EXEC リソース

    EXEC リソース

    グループリソース名

    exec1

    exec1

    exec1

    exec1

    スクリプト

    標準スクリプト

    標準スクリプト

    標準スクリプト

    標準スクリプト

    4 つ目のグループリソース(ボリュームマネージャ利用時のみ)

    タイプ

    ボリュームマネージャリソース

    グループリソース名

    volmgr1

    ボリュームマネージャ

    lvm

    ターゲット名

    vg1

    1 つ目のモニタリソース(デフォルト作成)

    タイプ

    ユーザ空間モニタ

    ユーザ空間モニタ

    ユーザ空間モニタ

    ユーザ空間モニタ

    モニタリソース名

    userw

    userw

    userw

    userw

    2 つ目のモニタリソース

    タイプ

    ディスクモニタ

    ディスクモニタ

    ディスクモニタ

    ディスクモニタ

    モニタリソース名

    diskw1

    diskw1

    diskw1

    diskw1

    デバイス名

    /dev/sdb1

    /dev/sdb1

    /dev/sdb1

    /dev/vg1/lv1

    監視対象Raw
    デバイス名

    -

    -

    -

    -

    監視方法

    read
    (O_DIRECT)
    read
    (O_DIRECT)
    read
    (O_DIRECT)
    read
    (O_DIRECT)

    監視タイミング

    常時

    常時

    常時

    活性時

    監視対象

    -

    -

    -

    volmgr1

    異常検出時

    クラスタサービス停止と OS
    シャットダウン
    クラスタサービス停止と OS
    シャットダウン
    クラスタサービス停止と OS
    シャットダウン
    クラスタサービス停止と OS
    シャットダウン

    3 つ目のモニタリソース(ManagementIPリソース作成後自動作成)

    タイプ

    フローティング IP モニタ

    フローティング IP モニタ

    フローティング IP モニタ

    フローティング IP モニタ

    モニタリソース名

    fipw1

    fipw1

    fipw1

    fipw1

    監視対象

    ManagementIP

    ManagementIP

    ManagementIP

    ManagementIP

    異常検出時

    "Management Group"グループのフェイルオーバ 3

    "Management Group"グループのフェイルオーバ 3

    "Management Group"グループのフェイルオーバ 3

    "Management Group"グループのフェイルオーバ 3

    4 つ目のモニタリソース(fip1リソース作成後自動作成)

    タイプ

    フローティング IP モニタ

    フローティング IP モニタ

    フローティング IP モニタ

    フローティング IP モニタ

    モニタリソース名

    fipw2

    fipw2

    fipw2

    fipw2

    監視対象

    fip1

    fip1

    fip1

    fip1

    異常検出時

    "failover1"
    グループの
    フェイルオーバ 3
    "failover1"
    グループの
    フェイルオーバ 3
    "failover1"
    グループの
    フェイルオーバ 3
    "failover1"
    グループの
    フェイルオーバ 3

    5 つ目のモニタリソース

    タイプ

    IP モニタ

    IP モニタ

    IP モニタ

    IP モニタ

    モニタリソース名

    ipw1

    ipw1

    ipw1

    ipw1

    監視 IP アドレス

    10.0.0.254
    (ゲートウェイ)
    10.0.0.254
    (ゲートウェイ)
    10.0.0.254
    (ゲートウェイ)
    10.0.0.254
    (ゲートウェイ)

    異常検出時

    全グループの
    フェイルオーバ 3
    全グループの
    フェイルオーバ 3
    全グループの
    フェイルオーバ 3
    全グループの
    フェイルオーバ 3

    6 つ目のモニタリソース(ミラーディスクリソース作成後自動作成)

    タイプ

    ミラーディスクコネクトモニタ

    ミラーディスクコネクトモニタ

    モニタリソース名

    mdnw1

    mdnw1

    監視ミラー
    ディスクリソース

    md1

    md1

    異常検出時

    何もしない

    何もしない

    7 つ目のモニタリソース(ミラーディスクリソース作成後自動作成)

    タイプ

    ミラーディスクモニタ

    ミラーディスクモニタ

    モニタリソース名

    mdw1

    mdw1

    監視ミラーディスクリソース

    md1

    md1

    異常検出時

    何もしない

    何もしない

    8 つ目のモニタリソース(ボリュームマネージャ利用時のみ、ボリュームマネージャリソース作成後自動作成)

    タイプ

    ボリュームマネージャモニタ

    モニタリソース名

    volmgrw1

    ボリュームマネージャ

    lvm

    ターゲット名

    vg1

    監視タイミング

    活性時

    監視対象

    volmgr1

    1 つ目のPingNPリソース

    リソース名

    xxxx

    監視先1

    xxxx

    監視先2

    xxxx

    1(1,2)

    「ホスト名」は原則として FQDN 形式からドメイン名を除いたショートネームのことを指します。

    2

    Cluster WebUI に接続するフローティング IP を用意します。この IP により、障害発生時もWeb ブラウザから動作している方のサーバが実行する Cluster WebUI にアクセスできます。

    3(1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12)

    すべてのインタコネクト LAN が切断された状態でのフェイルオーバを試行させる設定は『リファレンスガイド』の「モニタリソースの詳細」を参照してください。

6.4. 2 ノードクラスタ構成情報の作成手順

クラスタ構成情報を作成するには、基本的に、クラスタの作成、グループの作成、モニタリソースの作成の 3 つのステップを踏みます。以下に手順の流れを示します。

注釈

クラスタ構成情報の操作は何度でも繰り返して行えます。また、設定した内容のほとんどは名称変更機能やプロパティ表示機能を使用して後から変更できます。

  1. 6.4.1. クラスタの作成

    クラスタの生成、サーバの追加を行います。

  2. 6.4.2. フェイルオーバグループの作成

    フェイルオーバを行う際の単位である、フェイルオーバグループを作成します。

  3. 6.4.3. モニタリソースの作成

    指定された監視対象を監視する、モニタリソースをクラスタ内に追加します。

  4. 6.4.4. クラスタ動作を無効化する

    クラスタ動作を有効、または無効にします。

6.4.1. クラスタの作成

まず、クラスタを作成します。作成したクラスタに、クラスタを構成するサーバを追加し、優先度とハートビートの優先度を決定します。

6.4.1.1. クラスタを追加する

  1. [クラスタ生成ウィザード] の [クラスタ] 画面で、 [言語] フィールドをクリックして、Cluster WebUI を使用するマシンの OS で使用している言語を選択します。

    注釈

    1 つのクラスタ内で使用できる言語は 1 つのみです。複数の言語の OS をクラスタ内で使用している場合は、文字化けを避けるために「英語」を指定してください。

  2. [クラスタ名] ボックスにクラスタ名 (cluster) を入力します。

  3. Cluster WebUI の接続に使用するフローティング IP アドレス (10.0.0.11) を [管理IPアドレス] ボックスに入力します。[次へ] をクリックします。
    サーバの[基本設定] 画面が表示されます。Cluster WebUI 起動時に URL で指定した IP アドレスのサーバ (server1) が一覧に登録されています。

6.4.1.2. サーバを追加する

クラスタを構成する 2 台目のサーバを追加します。

  1. [サーバの定義一覧] で [追加] をクリックします。

  2. [サーバ追加] ダイアログボックスが開きます。 2 台目のサーバのサーバ名か FQDN 名、または IP アドレスを入力し、[OK] を押します。 [サーバの定義一覧] に 2 台目のサーバ (server2) が追加されます。

  3. [次へ] をクリックします。

6.4.1.3. ネットワーク構成を設定する

クラスタを構成するサーバ間のネットワーク構成を設定します。

  1. [追加]・[削除] で通信経路を追加・削除し、各サーバの列のセルをクリックし IPアドレスを選択または入力してください。一部のサーバが接続されていない通信経路の場合は、接続されていないサーバのセルを空欄にしてください。

  2. ハートビートの送受信に使用する通信経路 (インタコネクト) は、[種別] 列のセルをクリックして、[カーネルモード] を選択してください。ハートビートに使用せず、ミラーディスク リソースやハイブリッドディスクリソースのデータミラーリング通信にのみ使用する場合は、 [ミラー通信専用] を選択してください。
    必ず一つ以上の通信経路をインタコネクトに設定する必要があります。なるべく全ての通信経路をインタコネクトに設定してください。
    なお、インタコネクトを複数設定する場合、[優先度] 列の番号が小さい通信経路が優先的にクラスタサーバ間の内部通信に使用されます。優先度を変更する場合は、矢印で通信経路の順位を変更してください。
  3. DISK ハートビートを使用する場合、[種別] 列のセルをクリックして、[DISK] を選択してください。[サーバ名]列のセルをクリックしてディスクデバイスを選択または入力してください。DISK ハートビートを使用しないサーバは、[サーバ名] 列のセルを空白にしてください。

  4. Witness ハートビートを使用する場合、[種別] 列のセルをクリックし、[Witness] を選択してください。[プロパティ] ボタンをクリックして、[ターゲットホスト] に Witness サーバのサーバアドレスを入力し、[サービスポート] にポート番号を入力してください。Witness ハートビートを使用しないサーバは、そのサーバのセルをクリックして [使用しない] を選択してください。

  5. ミラーディスクリソースのデータミラーリング通信に使用する通信経路 (ミラーディスクコネクト) は、[MDC] 列のセルをクリックして、その通信経路に割り当てるミラーディスクコネクト名 (mdc1~mdc16) を選択してください。データミラーリング通信に使用しない通信経路は [使用しない] を選択してください。

  6. [次へ] をクリックします。

6.4.1.4. ネットワークパーティション解決処理を設定する

ネットワークパーティション解決リソースを設定します。

  1. PING 方式の NP 解決を行う場合、[追加] をクリックして [NP解決一覧] に行を追加し、[種別] 列のセルをクリックして [Ping] を選択し、[ターゲット] 列のセルをクリックして各サーバのセルをクリックして ping 送信の対象とする機器 (ゲートウェイ等) の IP アドレスを入力します。カンマ区切りで複数の IP アドレスを入力すると、その全てに ping応答がない場合にネットワークから孤立した状態と判断します。一部のサーバのみ PING 方式を使用する場合、使用しないサーバのセルを [使用しない] にしてください。ping 関連のパラメータを既定値から変更する必要がある場合は、[プロパティ] を選択して、[Ping NPのプロパティ] ダイアログで設定します。
    本章の設定例では、PING 方式の行を1つ追加し、[ターゲット] に 192.168.0.254を設定します。
  2. HTTP 方式の NP 解決を行う場合、[追加] をクリックして [NP 解決一覧] に行を追加し、[種別] 列のセルをクリックして [HTTP/HTTPS] を選択してください。[プロパティ] ボタンをクリックして、[ターゲットホスト] に Web サーバのサーバアドレスを入力し、[サービスポート] にポート番号を入力してください。一部のサーバのみ HTTP 方式を使用する場合、使用しないサーバのセルを [使用しない] にしてください。
    本章の設定例では、HTTP 方式は使用しません。
  3. [調整] を選択し、ネットワークパーティション検出時の動作を設定します。[クラスタサービス停止と OS シャットダウン] か [クラスタサービス停止] を選択し、[OK] を押します。
    本章の設定例では、[クラスタサービス停止] を選択します。
  4. [次へ] をクリックします。

6.4.2. フェイルオーバグループの作成

クラスタに、業務用のアプリケーションを実行するフェイルオーバグループ (以下「グループ」と省略する場合あり) を追加します。

6.4.2.1. フェイルオーバグループを追加する

障害発生時にフェイルオーバを行う単位となる、グループの設定を行います。

  1. [グループ一覧] で [追加] をクリックします。

  2. [グループの定義] 画面が開きます。
    [名前] ボックスにグループ名 (failover1) を入力し、[次へ] をクリックします。
  3. フェイルオーバグループが起動可能なサーバを設定します。本章の設定例では、共有ディスク及びミラーディスクを使用する場合、[全てのサーバでフェイルオーバ可能] チェックボックスをオンにします。

  4. フェイルオーバグループの各属性値を設定します。本章の設定例では、全て既定値を使用しますので、そのまま [次へ] をクリックします。
    [グループリソース] が表示されます。

6.4.2.2. グループリソース (フローティング IP リソース) を追加する

6.6.2.1. フェイルオーバグループ (業務用1) を追加する」 で作成したフェイルオーバグループに、グループの構成要素であるグループリソースを追加します。

  1. [グループリソース一覧] で、[追加] をクリックします。

  2. [グループのリソース定義 | failover1] 画面が開きます。[タイプ] ボックスでグループリソースのタイプ (フローティング IP リソース) を選択し、[名前] ボックスにグループリソース名 (fip1) を入力します。[次へ] をクリックします。

  3. 依存関係設定のページが表示されます。何も指定せず [次へ] をクリックします。

  4. [活性異常検出時の復旧動作]、[非活性異常検出時の復旧動作] が表示されます。[次へ] をクリックします。

  5. [IP アドレス] ボックスに IP アドレス (10.0.0.12) を入力し [完了] をクリックします。

6.4.2.3. グループリソース (ボリュームマネージャリソース) を追加する

クラスタ環境がボリュームマネージャ使用時の場合は、ボリュームマネージャをグループリソースとして追加します。

  1. [グループリソース一覧] で [追加] をクリックします。

  2. [グループのリソース定義 | failover1] 画面が開きます。[タイプ] ボックスでグループリソースのタイプ (ボリュームマネージャリソース) を選択し、[名前] ボックスにグループリソース名 (volmgr1) を入力します。[次へ] をクリックします。

  3. 依存関係設定のページが表示されます。何も指定せず [次へ] をクリックします。

  4. [活性異常検出時の復旧動作]、[非活性異常検出時の復旧動作] が表示されます。
    [次へ] をクリックします。
  5. 利用するボリュームマネージャ名 (lvm) を選択し、ターゲット名 (vg1) をボックスに入力します。[完了] をクリックします。

6.4.2.4. グループリソース (ディスクリソース) を追加する

クラスタ環境が共有ディスク使用時の場合は、共有ディスクをグループリソースとして追加します。

  1. [グループリソース一覧] で [追加] をクリックします。

  2. [グループのリソース定義 | failover1] 画面が開きます。[タイプ] ボックスでグループリソースのタイプ (ディスクリソース) を選択し、[名前] ボックスにグループリソース名 (disk1) を入力します。[次へ] をクリックします。

  3. 依存関係設定のページが表示されます。何も指定せず [次へ] をクリックします。

  4. [活性異常検出時の復旧動作]、[非活性異常検出時の復旧動作] が表示されます。
    [次へ] をクリックします。
  5. [ディスクのタイプ] ボックスでディスクのタイプ (disk)、[ファイルシステム] ボックスでファイルシステム (ext3) を選択し、デバイス名 (/dev/sdb2)、マウントポイント (/mnt/sdb2) をそれぞれのボックスに入力します。[完了] をクリックします。

6.4.2.5. グループリソース (ミラーディスクリソース) を追加する

クラスタ環境がミラーディスク使用時の場合は、ミラーディスクをグループリソースとして追加します。

  1. [グループリソース一覧] で [追加] をクリックします。

  2. [グループのリソース定義 | failover1] 画面が開きます。[タイプ] ボックスでグループリソースのタイプ (ミラーディスクリソース) を選択し、[名前] ボックスにグループリソース名 (md1) を入力します。[次へ] をクリックします。

  3. 依存関係設定のページが表示されます。何も指定せず [次へ] をクリックします。

  4. [活性異常検出時の復旧動作]、[非活性異常検出時の復旧動作] が表示されます。
    [次へ] をクリックします。
  5. [ミラーパーティションデバイス名] ボックスでミラーパーティションデバイス名 (/dev/NMP1) を選択します。マウントポイント (/mnt/sdb2)、データパーティションデバイス名 (/dev/sdb2)、クラスタパーティションデバイス名 (/dev/sdb1) をそれぞれのボックスに入力します。[ファイルシステム] ボックスでファイルシステム (ext3) を選択します。 [完了] をクリックします。

注釈

[タイプ] ボックスに (ミラーディスクリソース) が表示されない場合は、CLUSTERPRO X Replicatorライセンスの登録状況を確認の上、[ライセンス情報取得] をクリックしてください。

6.4.2.6. グループリソース (EXEC リソース) を追加する

スクリプトによってアプリケーションの起動/終了を行う、EXEC リソースを追加します。

  1. [グループリソース一覧] で [追加] をクリックします。

  2. [グループのリソース定義 | failover1] 画面が開きます。[タイプ] ボックスでグループリソースのタイプ (EXEC リソース) を選択し、[名前] ボックスにグループリソース名 (exec1) を入力します。[次へ] をクリックします。

  3. 依存関係設定のページが表示されます。何も指定せず [次へ] をクリックします。

  4. [活性異常検出時の復旧動作]、[非活性異常検出時の復旧動作] が表示されます。[次へ] をクリックします。

  5. [この製品で作成したスクリプト] をチェックします。
    ユーザはこのスクリプトを編集して、業務アプリケーションの起動および停止手順を記述します。すでに CLUSTERPRO で使用するアプリケーションが決定している場合は、ここでスクリプトを編集します。
    [完了] をクリックします。
    クラスタ環境が共有ディスク使用時の場合は、failover1 の [グループリソース一覧] は以下のようになります。
    クラスタ環境がデータミラー型の場合は、failover1 の [グループリソース一覧] は以下のようになります。
  6. [完了] をクリックします。

6.4.3. モニタリソースの作成

指定した対象を監視するモニタリソースをクラスタに追加します。

6.4.3.1. モニタリソース (ディスクモニタ) を追加する

ディスクを監視するモニタリソースを追加します。この例では、ディスクモニタ を追加します。

  1. [グループ] で、[次へ] をクリックします。

  2. [モニタリソース一覧] が表示されます。[追加] をクリックします。

  3. [モニタリソースの定義] ダイアログボックスが開きます。クラスタ環境が共有ディスク使用時の場合、1 つ目のモニタリソースはクラスタ名を定義したときにデフォルトで作成されています。ミラーディスク使用時の場合、1 つ目のモニタリソースがクラスタ名を定義したときにデフォルトで作成されています。6 つ目と 7 つ目のモニタリソースはミラーディスク リソース追加時にデフォルトで作成されています。
    [タイプ] ボックスでモニタリソースのタイプ (ディスクモニタ) を選択し、[名前] ボックスにモニタリソース名 (diskw1) を入力します。[次へ] をクリックします。
  4. 監視設定を入力します。ボリュームマネージャ使用時には、監視タイミング (活性時)、監視対象 (volmgr1) を入力します。それ以外の場合、デフォルト値のまま変更しません。[次へ] をクリックします。

  5. ボリュームマネージャ使用時には、監視方法 (READ (O_DIRECT) )、監視先 (/dev/vg1/lv1) を入力します。それ以外の場合、監視方法 (READ (O_DIRECT) )、監視先 (/dev/sdb1) を入力します。[次へ] をクリックします。

  6. 回復対象を設定します。[参照] をクリックします。

  7. 表示されるツリービューで [LocalServer] を選択し、[OK] をクリックします。[回復対象] に [LocalServer] が設定されます。

  8. [最終動作] ボックスで [クラスタサービス停止と OS シャットダウン] を選択し、[完了] をクリックします。

6.4.3.2. モニタリソース (IP モニタ) を追加する

ネットワークを監視するモニタリソースを追加します。

  1. [モニタリソース一覧] で [追加] をクリックします。

  2. [モニタリソースの定義] 画面が開きます。[タイプ] ボックスでモニタリソースのタイプ
    (IP モニタ) を選択し、[名前] ボックスにモニタリソース名 (ipw1) を入力します。[次へ] をクリックします。
  3. 監視設定を入力します。ここではデフォルト値のまま変更せず、[次へ] をクリックします。

  4. [追加] をクリックします。
    [IP アドレス] ボックスに監視 IP アドレス (10.0.0.254) を入力し [OK] をクリックします。

    注釈

    IP モニタリソースの監視対象には、パブリック LAN 上で、常時稼動が前提とされている機器 (例えば、ゲートウェイ) の IP アドレスを指定します。

  5. 入力した IP アドレスが [IP アドレス一覧] に設定されます。[次へ] をクリックします。

  6. 回復対象を設定します。[参照] をクリックします。

  7. 表示されるツリービューで [All Groups] を選択し、[OK] をクリックします。[回復対象] に [All Groups] が設定されます。

  8. [完了] をクリックします。

[モニタリソース一覧] は以下のようになります。ミラーディスクリソース使用時は、mdnw1、mdw1 が追加で表示されています。ボリュームマネージャリソース使用時は、volmgrw1が追加で表示されています。

6.4.4. クラスタ動作を無効化する

モニタリソースを作成し、[完了] をクリックすると、以下のポップアップメッセージが表示されます。

[いいえ] をクリックすると、グループの自動起動、グループリソース活性・非活性異常時の復旧動作、モニタリソース異常時の回復動作、およびサーバダウン時のフェイルオーバを行わなくなります。クラスタ構成情報を作成した後で初めてクラスタを起動する場合は、自動起動や復旧・回復動作を無効化して、クラスタ構成情報に誤りがないか確認することを推奨します。

なお、本機能は、[クラスタのプロパティ] の [拡張] タブの [クラスタ動作の無効化] で設定可能です。

注釈

モニタリソース異常時の回復動作の無効化は、ユーザ空間モニタリソースには適用されません。

以上でクラスタ構成情報の作成は終了です。「 6.11. クラスタを生成する 」へ進んでください。

6.5. 3 ノードクラスタ環境の設定値を確認する

6.5.1. クラスタ環境のサンプル

本章では、以下の図に記載されている、3 ノードミラーのクラスタ環境を構築する場合を例にとって説明を行います。

それぞれミラーディスクに接続された3台のサーバ

図 6.6 3ノードクラスタの例(ミラーディスク)

  • FIP1: Cluster WebUIクライアントからのアクセス先

  • FIP2: 業務クライアントからのアクセス先

以下に、上図のクラスタシステムを構築するためのクラスタ構成情報のサンプル値を記載します。以降のトピックでは、この条件でクラスタ構成情報を作成する手順をステップバイステップで説明します。実際に値を設定する際には、構築するクラスタの構成情報と置き換えて入力してください。値の決定方法については、『リファレンスガイド』を参照してください。

  • 3 ノードの構成設定例

    設定対象

    設定パラメータ

    設定値

    クラスタ構成

    クラスタ名

    cluster

    サーバ数

    3

    フェイルオーバグループ数

    3

    モニタリソース数

    10

    ハートビートリソース

    カーネルモード LAN ハートビート数

    2

    1 台目のサーバの情報(マスタサーバ)

    サーバ名 4

    server1

    インタコネクトの IP アドレス
    (専用)

    192.168.0.1 (NIC1-1)

    インタコネクトの IP アドレス
    (バックアップ)

    10.0.0.1 (NIC1-2)

    パブリックの IP アドレス

    10.0.0.1 (NIC1-2)

    ミラーディスクコネクト1

    192.168.0.1 (NIC1-1)

    2 台目のサーバの情報

    サーバ名 4

    server2

    インタコネクトの IP アドレス
    (専用)

    192.168.0.2 (NIC2-1)

    インタコネクトの IP アドレス
    (バックアップ)

    10.0.0.2 (NIC2-2)

    パブリックの IP アドレス

    10.0.0.2 (NIC2-2)

    ミラーディスクコネクト1

    192.168.0.2 (NIC2-1)

    3 台目のサーバの情報(待機系集約サーバ)

    サーバ名 4

    server3

    インタコネクトの IP アドレス
    (専用)

    192.168.0.3 (NIC3-1)

    インタコネクトの IP アドレス
    (バックアップ)

    10.0.0.3 (NIC3-2)

    パブリックの IP アドレス

    10.0.0.3 (NIC3-2)

    ミラーディスクコネクト1

    192.168.0.3 (NIC3-1)

    管理用のグループ(Cluster WebUI 用)

    タイプ

    フェイルオーバ

    グループ名

    ManagementGroup

    起動サーバ

    全てのサーバ

    グループリソース数

    1

    管理用グループのグループリソース 5

    タイプ

    フローティングIPリソース

    グループリソース名

    ManagementIP

    IP アドレス

    10.0.0.11 (FIP1)

    業務用のグループ1

    タイプ

    フェイルオーバ

    グループ名

    failover1

    起動サーバ

    server1 -> server3

    グループリソース数

    3

    1 つ目のグループリソース

    タイプ

    フローティングIPリソース

    グループリソース名

    fip1

    IP アドレス

    10.0.0.12 (FIP2)

    2 つ目のグループリソース
    (Mirror disk 1-1
    Mirror disk 1-2)

    タイプ

    ミラーディスクリソース

    グループリソース名

    md1

    ミラーパーティションデバイス名

    /dev/NMP1

    マウントポイント

    /mnt/md1

    データパーティションデバイス名

    /dev/sdb2

    クラスタパーティションデバイス名

    /dev/sdb1

    ファイルシステム

    ext3

    ミラーディスクコネクト

    mdc1

    3 つ目のグループリソース
    (Mirror disk 2-1
    Mirror disk 2-2)

    タイプ

    EXECリソース

    グループリソース名

    exec1

    スクリプト

    標準スクリプト

    業務用のグループ 2

    タイプ

    フェイルオーバ

    グループ名

    failover2

    起動サーバ

    server2 -> server3

    グループリソース数

    3

    1 つ目のグループリソース

    タイプ

    フローティング IP リソース

    グループリソース名

    fip2

    IP アドレス

    10.0.0.13 (FIP3)

    2 つ目のグループリソース

    タイプ

    ミラーディスクリソース

    グループリソース名

    md2

    ミラーパーティションデバイス名

    /dev/NMP2

    マウントポイント

    /mnt/md2

    データパーティションデバイス名

    /dev/sdb2

    データパーティションデバイス名
    (server3 サーバ別設定)

    /dev/sdc2

    クラスタパーティションデバイス名

    /dev/sdb1

    クラスタパーティションデバイス名
    (server3 サーバ別設定)

    /dev/sdc1

    ファイルシステム

    ext3

    ミラーディスクコネクト

    mdc2

    3 つ目のグループリソース

    タイプ

    EXECリソース

    グループリソース名

    exec2

    スクリプト

    標準スクリプト

    1 つ目のモニタリソース(デフォルト作成)

    タイプ

    ユーザ空間モニタ

    モニタリソース名

    userw

    2 つ目のモニタリソース
    (Mirror disk 1-1
    Mirror disk 1-2
    Mirror disk 2-1)

    タイプ

    ディスクモニタ

    モニタリソース名

    diskw1

    デバイス名

    /dev/sdb1

    監視対象 Raw デバイス名

    -

    異常検出時

    クラスタサービス停止と OS シャットダウン

    監視方法

    read(O_DIRECT)

    3 つ目のモニタリソース
    (Mirror disk 2-2)

    タイプ

    ディスクモニタ

    モニタリソース名

    diskw2

    デバイス名

    /dev/sdc1

    監視対象 Raw デバイス名

    -

    異常検出時

    クラスタサービス停止と OS シャットダウン

    起動サーバ指定

    server3

    4 つ目のモニタリソース(ManagementIPリソース作成後自動作成)

    タイプ

    フローティングIP モニタ

    モニタリソース名

    fipw1

    監視対象

    ManagementIP

    異常検出時

    "ManagementGroup" グループのフェイルオーバ 6

    5 つ目のモニタリソース(fip1リソース作成後自動作成)

    タイプ

    フローティングIP モニタ

    モニタリソース名

    fipw2

    監視対象

    fip1

    異常検出時

    "failover1" グループのフェイルオーバ 6

    6 つ目のモニタリソース(fip2リソース作成後自動作成)

    タイプ

    フローティングIP モニタ

    モニタリソース名

    fipw3

    監視対象

    fip2

    異常検出時

    "failover2" グループのフェイルオーバ 6

    7 つ目のモニタリソース

    タイプ

    IP モニタ

    モニタリソース名

    ipw1

    監視 IP アドレス

    10.0.0.254
    (ゲートウェイ)

    異常検出時

    全グループのフェイルオーバ 6

    8 つ目のモニタリソース(ミラーディスクリソース作成後自動作成)

    タイプ

    ミラーディスクコネクトモニタ

    モニタリソース名

    mdnw1

    監視ミラーディスクリソース

    md1

    異常検出時

    何もしない

    9 つ目のモニタリソース(ミラーディスクリソース作成後自動作成)

    タイプ

    ミラーディスクコネクトモニタ

    モニタリソース名

    mdnw2

    監視ミラーディスクリソース

    md2

    異常検出時

    何もしない

    10 個目のモニタリソース(ミラーディスクリソース作成後自動作成)

    タイプ

    ミラーディスクモニタ

    モニタリソース名

    mdw1

    監視ミラーディスクリソース

    md1

    異常検出時

    何もしない

    11 個目のモニタリソース(ミラーディスクリソース作成後自動作成)

    タイプ

    ミラーディスクモニタ

    モニタリソース名

    mdw2

    監視ミラーディスクリソース

    md2

    異常検出時

    何もしない

    4(1,2,3)

    設定情報で利用するサーバ名は、FQDN 名ではなくショートネーム (最初のドットより前の部分のみ) を指定してください。

    5

    Cluster WebUI に接続するフローティング IP を用意します。このIP により、障害発生時もWeb ブラウザから動作している方のサーバが実行するCluster WebUI にアクセスできます。

    6(1,2,3,4)

    すべてのインタコネクト LAN が切断された状態でのフェイルオーバを試行させる設定は『リファレンスガイド』の「モニタリソースの詳細」を参照してください。

6.6. 3 ノードクラスタ構成情報の作成手順

クラスタ構成情報を作成するには、基本的に、クラスタの作成、グループの作成、モニタリソースの作成のステップを踏みます。以下に手順の流れを示します。

注釈

クラスタ構成情報の操作は何度でも繰り返して行えます。また、設定した内容のほとんどは名称変更機能やプロパティ表示機能を使用して後から変更できます。

  1. 6.6.1. クラスタの作成

    クラスタの生成、サーバの追加を行います。

  2. 6.6.2. フェイルオーバグループの作成

    フェイルオーバを行う際の単位である、フェイルオーバグループを作成します。

  3. 6.6.3. モニタリソースの追加

    指定された監視対象を監視する、モニタリソースをクラスタ内に追加します。

  4. 6.6.4. クラスタ動作を無効化する

    クラスタ動作を有効、または無効にします。

6.6.1. クラスタの作成

まず、クラスタを作成します。作成したクラスタに、クラスタを構成するサーバを追加し、優先度とハートビートの優先度を決定します。

6.6.1.1. クラスタを追加する

  1. Cluster WebUI の設定モードから、 [クラスタ生成ウィザード] をクリックして、[クラスタ生成ウィザード] ダイアログボックスを表示します。[言語] フィールドには、Cluster WebUI を使用するマシンの OS で使用している言語を選択します。

    注釈

    1 つのクラスタ内で使用できる言語は 1 つのみです。複数の言語の OS をクラスタ内で使用している場合は、文字化けを避けるために「英語」を指定してください。

  2. [クラスタ名] ボックスにクラスタ名 (cluster) を入力します。

  3. Cluster WebUI の接続に使用するフローティング IP アドレス (10.0.0.11) を [管理 IPアドレス] ボックスに入力します。[次へ] をクリックします。
    [サーバ] の [基本設定] が表示されます。Cluster WebUI 起動時に URL で指定した IP アドレスのサーバ (server1) が一覧に登録されています。

6.6.1.2. サーバを追加する

クラスタを構成する 2 台目以降のサーバを追加します。

  1. [サーバの定義一覧] で [追加] をクリックします。

  2. [サーバ追加] ダイアログボックスが開きます。 2 台目のサーバのサーバ名か FQDN名、または IP アドレスを入力し、[OK] を押します。 [サーバの定義一覧] に 2 台目のサーバ(server2) が追加されます。

  3. 同様にして 3 台目のサーバ (server3) を追加します。

  4. [次へ] をクリックします。

6.6.1.3. ネットワーク構成を設定する

クラスタを構成するサーバ間のネットワーク構成を設定します。

  1. [追加]・[削除] で通信経路を追加・削除し、各サーバの列のセルをクリックしてIP アドレスを選択または入力してください。一部のサーバが接続されていない通信経路の場合は、接続されていないサーバのセルを空欄にしてください。

  2. ハートビートの送受信に使用する通信経路 (インタコネクト) は、[種別] 列のセルをクリックして、[カーネルモード] を選択してください。ハートビートに使用せず、ミラーディスク リソースやハイブリッドディスクリソースのデータミラーリング通信にのみ使用する場合は、 [ミラー通信専用] を選択してください。
    必ず一つ以上の通信経路をインタコネクトに設定する必要があります。なるべく全ての通信経路をインタコネクトに設定してください。
    なお、インタコネクトを複数設定する場合、[優先度] 列の番号が小さい通信経路が優先的にクラスタサーバ間の内部通信に使用されます。優先度を変更する場合は、矢印で通信経路の順位を変更してください。
  3. DISK ハートビートを使用する場合、[種別] 列のセルをクリックして、[DISK] を選択してください。[サーバ名] 列のセルをクリックしてディスクデバイスを選択または入力してください。

  4. Witness ハートビートを使用する場合、[種別] 列のセルをクリックし、[Witness] を選択してください。[プロパティ] ボタンをクリックして、[ターゲットホスト] に Witness サーバのサーバアドレスを入力し、[サービスポート] にポート番号を入力してください。Witness ハートビートを使用しないサーバは、そのサーバのセルをクリックして [使用しない] を選択してください。

  5. ミラーディスクリソースのデータミラーリング通信に使用する通信経路 (ミラーディスクコネクト) は、[MDC] 列のセルをクリックして、その通信経路に割り当てるミラーディスクコネクト名 (mdc1~mdc16) を選択してください。データミラーリング通信に使用しない通信経路は [使用しない] を選択してください。

  6. [次へ] をクリックします。

6.6.1.4. ネットワークパーティション解決処理を設定する

ネットワークパーティション解決リソースを設定します。

  1. PING 方式の NP 解決を行う場合、[追加] をクリックして [NP解決一覧] に行を追加し、[種別] 列のセルをクリックして [Ping] を選択し、[ターゲット] 列のセルをクリックしてping 送信の対象とする機器(ゲートウェイ等)の IP アドレスを入力します。カンマ区切りで複数の IP アドレスを入力すると、その全てに ping 応答がない場合にネットワークから孤立した状態と判断します。一部のサーバのみ PING 方式を使用する場合、使用しないサーバのセルを [使用しない] にしてください。ping 関連のパラメータを既定値から変更する必要がある場合は、[プロパティ] を選択して、[Ping NPのプロパティ] ダイアログで設定します。
    本章の設定例では、 PING 方式の行を1つ追加し、[ターゲット] に192.168.0.254を設定します。
  2. HTTP 方式の NP 解決を行う場合、[追加] をクリックして [NP 解決一覧] に行を追加し、[種別] 列のセルをクリックして [HTTP/HTTPS] を選択してください。[プロパティ] ボタンをクリックして、[ターゲットホスト] に Web サーバのサーバアドレスを入力し、[サービスポート] にポート番号を入力してください。一部のサーバのみ HTTP 方式を使用する場合、使用しないサーバのセルを [使用しない] にしてください。
    本章の設定例では、HTTP 方式は使用しません。
  3. [調整] を選択し、ネットワークパーティション検出時の動作を設定します。[クラスタサービス停止と OS シャットダウン] か [クラスタサービス停止] を選択します。
    本章の設定例では、[クラスタサービス停止] を選択します。
  4. [次へ] をクリックします。

6.6.2. フェイルオーバグループの作成

クラスタに、業務用のアプリケーションを実行するフェイルオーバグループ (以下「グループ」と省略する場合あり) を追加します。

6.6.2.1. フェイルオーバグループ (業務用1) を追加する

障害発生時にフェイルオーバを行う単位となる、グループの設定を行います。

  1. [グループ一覧] で [追加] をクリックします。

  2. [グループの定義] 画面が開きます。
    [名前] ボックスにグループ名 (failover1) を入力し、 [次へ] をクリックします。
  3. フェイルオーバグループが起動可能なサーバを設定します。本章の設定例では、[全てのサーバでフェイルオーバ可能] チェックボックスをオフにし、[利用可能なサーバ] リストから [server1] 、[server3] の順で [起動可能なサーバ] に追加します。

  4. フェイルオーバグループの各属性値を設定します。本章の設定例では、全て既定値を使用しますので、そのまま [次へ] をクリックします。
    [グループリソース] が表示されます。

6.6.2.2. グループリソース (フローティング IP リソース) を追加する

6.6.2.1. フェイルオーバグループ (業務用1) を追加する」 で作成したフェイルオーバグループに、グループの構成要素であるグループリソースを追加します。

  1. [グループリソース一覧] で、[追加] をクリックします。

  2. [グループのリソース定義 | failover1] 画面が開きます。[タイプ] ボックスでグループリソースのタイプ (フローティング IP リソース) を選択し、[名前] ボックスにグループリソース名 (fip1) を入力します。[次へ] をクリックします。

  3. 依存関係設定のページが表示されます。何も指定せず [次へ] をクリックします。

  4. [活性異常検出時の復旧動作]、[非活性異常検出時の復旧動作] が表示されます。[次へ] をクリックします。

  5. [IP アドレス] ボックスに IP アドレス (10.0.0.12) を入力し [完了] をクリックします。

6.6.2.3. グループリソース (ミラーディスクリソース) を追加する

  1. [グループリソース一覧] で [追加] をクリックします。

  2. [グループのリソース定義 | failover1] 画面が開きます。[タイプ] ボックスでグループリソースのタイプ (ミラーディスクリソース) を選択し、[名前] ボックスにグループ名 (md1) を入力します。[次へ] をクリックします。

  3. 依存関係設定のページが表示されます。何も指定せず [次へ] をクリックします。

  4. [活性異常検出時の復旧動作]、[非活性異常検出時の復旧動作] が表示されます。
    [次へ] をクリックします。
  5. [ミラーパーティションデバイス名] ボックスでミラーパーティションデバイス名 (/dev/NMP1) を選択します。マウントポイント (/mnt/md1)、データパーティションデバイス名 (/dev/sdb2)、クラスタパーティションデバイス名 (/dev/sdb1) をそれぞれのボックスに入力します。[ファイルシステム] ボックスでファイルシステム (ext3) を選択します。

  6. [ミラーディスクコネクト] の [選択] をクリックします。[順位] の [2] を選択し [削除] をクリックします。[ミラーディスクコネクト一覧] に [順位] の [1] のみが選択されていることを確認し、[OK] をクリックします。

  7. [グループのリソースの定義| failover1] 画面で [完了] をクリックします。

注釈

[タイプ] ボックスに (ミラーディスクリソース) が表示されない場合は、CLUSTERPRO X Replicatorライセンスの登録状況を確認の上、[ライセンス情報取得] をクリックしてください。

6.6.2.4. グループリソース (EXEC リソース) を追加する

スクリプトによってアプリケーションの起動/終了を行う、EXEC リソースを追加します。

  1. [グループリソース一覧] で [追加] をクリックします。

  2. [グループのリソース定義 | failover1] 画面が開きます。[タイプ] ボックスでグループリソースのタイプ (EXECリソース) を選択し、[名前] ボックスにグループ名 (exec1) を入力します。[次へ] をクリックします。

  3. 依存関係設定のページが表示されます。何も指定せず [次へ] をクリックします。

  4. [活性異常検出時の復旧動作]、[非活性異常検出時の復旧動作] が表示されます。[次へ] をクリックします。

  5. [この製品で作成したスクリプト] をチェックします。
    ユーザはこのスクリプトを編集して、業務アプリケーションの起動および停止手順を記述します。すでに CLUSTERPRO で使用するアプリケーションが決定している場合は、ここでスクリプトを編集します。
    [完了] をクリックします。
    failover1 の [グループリソース一覧] は以下のようになります。
  6. [完了] をクリックします。

6.6.2.5. フェイルオーバグループ (業務用2) を追加する

次に、障害発生時にフェイルオーバを行う単位となる、グループの設定を行います。

  1. [グループ一覧] で [追加] をクリックします。

  2. [グループの定義] 画面が開きます。
    [名前] ボックスにグループ名 (failover2) を入力し、 [次へ] をクリックします。
  3. フェイルオーバグループが起動可能なサーバを設定します。本章の設定例では、 [全てのサーバでフェイルオーバ可能] チェックボックスをオフにし、[利用可能なサーバ] リストから [server2] を選択し、[追加] をクリックします。[server2] が [起動可能なサーバ] に追加されます。 同様に、[server3] を追加し、[次へ] をクリックします。

  4. フェイルオーバグループの各属性値を設定します。本章の設定例では、全て既定値を使用しますので、そのまま [次へ] をクリックします。
    [グループリソース] が表示されます。

6.6.2.6. グループリソース (フローティング IPリソース) を追加する

6.6.2.5. フェイルオーバグループ (業務用2) を追加する」 で作成したフェイルオーバグループに、グループの構成要素であるグループリソースを追加します。

  1. [グループリソース一覧] で [追加] をクリックします。

  2. [グループのリソース定義 | failover2]画面が開きます。[タイプ] ボックスでグループリソースのタイプ (フローティングIPリソース) を選択し、[名前] ボックスにグループリソース名 (fip2) を入力します。[次へ] をクリックします。

  3. 依存関係設定のページが表示されます。何も指定せず [次へ] をクリックします。

  4. [活性異常検出時の復旧動作]、[非活性異常検出時の復旧動作] が表示されます。[次へ] をクリックします。

  5. [IP アドレス] ボックスに IP アドレス (10.0.0.13) を入力し [完了] をクリックします。

6.6.2.7. グループリソース (ミラーディスクリソース) を追加する

  1. [グループリソース一覧] で [追加] をクリックします。

  2. [グループのリソース定義 | failover2]画面が開きます。[タイプ] ボックスでグループリソースのタイプ (ミラーディスクリソース) を選択し、[名前] ボックスにグループ名 (md2) を入力します。[次へ] をクリックします。

  3. 依存関係設定のページが表示されます。何も指定せず [次へ] をクリックします。

  4. [活性異常検出時の復旧動作]、[非活性異常検出時の復旧動作] が表示されます。
    [次へ] をクリックします。
  5. [ミラーパーティションデバイス名] ボックスでミラーパーティションデバイス名 (/dev/NMP2) を選択します。マウントポイント (/mnt/md2)、データパーティションデバイス名 (/dev/sdb2)、クラスタパーティションデバイス名 (/dev/sdb1)をそれぞれのボックスに入力します。[ファイルシステム] ボックスでファイルシステム (ext3) を選択します。

  6. [ミラーディスクコネクト] の [選択] をクリックします。[順位] の [1] を選択し [削除] をクリックします。[ミラーディスクコネクト一覧] に [順位] の [2] のみが選択されていることを確認し、[OK] をクリックします。

  7. [グループのリソース定義| failover2] ダイアログの [server3] のタブを選択し、[個別に設定する] のチェックボックスをオンにします。データパーティションデバイス名 (/dev/sdc2)、クラスタパーティションデバイス名 (/dev/sdc1)をそれぞれ入力し直します。

  8. [完了] をクリックします。

注釈

[タイプ] ボックスに (ミラーディスクリソース) が表示されない場合は、CLUSTERPRO X Replicatorライセンスの登録状況を確認の上、[ライセンス情報取得] をクリックしてください。

6.6.2.8. グループリソース (EXEC リソース) を追加する

スクリプトによってアプリケーションの起動/終了を行う、EXEC リソースを追加します。

  1. [グループリソース一覧] で [追加] をクリックします。

  2. [グループのリソース定義 | failover2] 画面が開きます。[タイプ] ボックスでグループリソースのタイプ (EXECリソース) を選択し、[名前] ボックスにグループ名 (exec2) を入力します。[次へ] をクリックします。

  3. 依存関係設定のページが表示されます。何も指定せず [次へ] をクリックします。

  4. [この製品で作成したスクリプト] をチェックします。
    ユーザはこのスクリプトを編集して、業務アプリケーションの起動および停止手順を記述します。すでに CLUSTERPRO で使用するアプリケーションが決定している場合は、ここでスクリプトを編集します。
    [次へ] をクリックします。
  5. [活性異常検出時の復旧動作]、[非活性異常検出時の復旧動作] が表示されます。[完了] をクリックします。
    クラスタ環境がデータミラー型の場合は、failover2 の[グループリソース一覧] は以下のようになります。

  6. [完了] をクリックします。

6.6.3. モニタリソースの追加

指定した対象を監視するモニタリソースをクラスタに追加します。

6.6.3.1. モニタリソース (ディスクモニタ) を追加する

ディスクを監視するモニタリソースを追加します。この例では、ディスクモニタ を追加します。

  1. [グループ] で、[次へ] をクリックします。

  2. [モニタリソース一覧] が表示されます。[追加] をクリックします。

  3. [モニタリソース定義] ダイアログボックスが開きます。1 つ目のモニタリソースはクラスタ名を定義したときにデフォルトで作成されています。7つ目から10個目のモニタリソースはミラーディスクリソース追加時にデフォルトで作成されています。
    [タイプ] ボックスでモニタリソースのタイプ (ディスクモニタ) を選択し、[名前] ボックスにモニタリソース名 (diskw1) を入力します。[次へ] をクリックします。
  4. 監視設定を入力します。ここではデフォルト値のまま変更せず、[次へ] をクリックします。

  5. 監視方法 (READ (O_DIRECT) ) 、監視先 (/dev/sdb1) を入力します。[次へ] をクリックします。

  6. 回復対象を設定します。[参照] をクリックします。

  7. 表示されるツリービューで [LocalServer] を選択し、[OK] をクリックします。[回復対象] に [LocalServer] が設定されます。

  8. [最終動作] ボックスで [クラスタサービス停止と OS シャットダウン] を選択し、[完了] をクリックします。

6.6.3.2. モニタリソース (ディスクモニタ) を追加する

ディスクを監視するモニタリソースを追加します。この例では、ディスクモニタ を追加します。

  1. [モニタリソース一覧] で [追加] をクリックします。

  2. [モニタリソースの定義] ダイアログボックスが開きます。 [タイプ] ボックスでモニタリソースのタイプ (ディスクモニタ) を選択し、[名前] ボックスにモニタリソース名 (diskw2) を入力します。[次へ] をクリックします。

  3. 監視設定を入力します。[サーバ] をクリックします。

  4. [独自に設定する] のラジオボタンをオンにします。[利用可能なサーバ] の [server3] を選択し、[追加] をクリックします。[server3] が [起動可能なサーバ] に追加されたことを確認して[OK] をクリックします。

  5. [モニタリソースの定義]画面で [次へ] をクリックします。

  6. 監視方法 (READ (O_DIRECT) )、監視先 (/dev/sdc1) を入力します。[次へ] をクリックします。

  7. 回復対象を設定します。[参照] をクリックします。

  8. 表示されるツリービューで [LocalServer] を選択し、[OK] をクリックします。[回復対象] に [LocalServer] が設定されます。

  9. [最終動作] ボックスで [クラスタサービス停止と OS シャットダウン] を選択し、[完了] をクリックします。

6.6.3.3. モニタリソース (IP モニタ) を追加する

  1. [モニタリソース一覧] で [追加] をクリックします。

  2. [モニタリソースの定義] ダイアログボックスが開きます。[タイプ] ボックスでモニタリソースのタイプ (IP モニタ) を選択し、[名前] ボックスにモニタリソース名 (ipw1) を入力します。[次へ] をクリックします。

  3. 監視設定を入力します。ここではデフォルト値のまま変更せず、[次へ] をクリックします。

  4. [追加] をクリックします。
    [IP アドレス] ボックスに監視 IP アドレス (10.0.0.254) を入力し [OK] をクリックします。

    注釈

    ip モニタリソースの監視対象には、パブリック LAN 上で、常時稼動が前提とされている機器 (例えば、ゲートウェイ) の IP アドレスを指定します。

  5. 入力した IP アドレスが [IP アドレス一覧] に設定されます。[次へ] をクリックします。

  6. 回復対象を設定します。[参照] をクリックします。

  7. 表示されるツリービューで [All Groups] を選択し、[OK] をクリックします。[回復対象] に [All Groups] が設定されます。

  8. [完了] をクリックします。
    [モニタリソース一覧]は以下のようになります。

6.6.4. クラスタ動作を無効化する

モニタリソースを作成し、[完了] をクリックすると、以下のポップアップメッセージが表示されます。

[いいえ] をクリックすると、グループの自動起動、グループリソース活性・非活性異常時の復旧動作、モニタリソース異常時の回復動作、およびサーバダウン時のフェイルオーバを行わなくなります。クラスタ構成情報を作成した後で初めてクラスタを起動する場合は、自動起動や復旧・回復動作を無効化して、クラスタ構成情報に誤りがないか確認することを推奨します。

なお、本機能は、[クラスタのプロパティ] の [拡張] タブの [クラスタ動作の無効化] で設定可能です。

注釈

モニタリソース異常時の回復動作の無効化は、ユーザ空間モニタリソースには適用されません。

以上でクラスタ構成情報の作成は終了です。「 6.11. クラスタを生成する 」 へ進んでください。

6.7. 3 ノードクラスタ (ハイブリッド方式) 環境の設定値を確認する

6.7.1. クラスタ環境のサンプル

本章では、以下の図に記載されている、 3 ノードハイブリッド方式のクラスタ環境を構築する場合を例にとって説明を行います。

同じ共有ディスクに接続された2台のサーバと、ディスクに接続された1台のサーバ

図 6.7 3ノードクラスタの例(ハイブリッド)

  • FIP1: Cluster WebUIクライアントからのアクセス先

  • FIP2: 業務クライアントからのアクセス先

以下に、上図のクラスタシステムを構築するためのクラスタ構成情報のサンプル値を記載します。以降のトピックでは、この条件でクラスタ構成情報を作成する手順をステップバイステップで説明します。実際に値を設定する際には、構築するクラスタの構成情報と置き換えて入力してください。値の決定方法については、『リファレンスガイド』を参照してください。

  • 3ノードの構成設定例

    設定対象

    設定パラメータ

    設定値

    クラスタ構成

    クラスタ名

    cluster

    サーバ数

    3

    フェイルオーバグループ数

    2

    サーバグループ数

    2

    モニタリソース数

    6

    サーバダウン通知

    オフ(使用しない)

    ハートビートリソース

    カーネルモード LAN ハートビート数

    2

    ディスクハートビート数

    1

    1 台目のサーバの情報(マスタサーバ)

    サーバ名

    server1

    インタコネクトの IP アドレス
    (専用)

    192.168.0.1

    インタコネクトの IP アドレス
    (バックアップ)

    10.0.0.1

    パブリックの IP アドレス

    10.0.0.1

    ディスクハートビートデバイス

    /dev/sdb3

    ディスクハートビート Raw デバイス

    /dev/raw/raw1

    ミラーディスクコネクト

    192.168.0.1

    2 台目のサーバの情報

    サーバ名

    server2

    インタコネクトの IP アドレス
    (専用)

    192.168.0.2

    インタコネクトの IP アドレス
    (バックアップ)

    10.0.0.2

    パブリックの IP アドレス

    10.0.0.2

    ディスクハートビートデバイス

    /dev/sdb3

    ディスクハートビート Raw デバイス

    /dev/raw/raw1

    ミラーディスクコネクト

    192.168.0.2

    3 台目のサーバの情報

    サーバ名

    server3

    インタコネクトの IP アドレス
    (専用)

    192.168.0.3

    インタコネクトの IP アドレス
    (バックアップ)

    10.0.0.3

    パブリックの IP アドレス

    10.0.0.3

    ディスクハートビートデバイス

    設定しない

    ディスクハートビート Raw デバイス

    設定しない

    ミラーディスクコネクト

    192.168.0.3

    1 つ目のサーバグループ

    サーバグループ名

    svg1

    所属するサーバ

    server1
    server2

    2 つ目のサーバグループ

    サーバグループ名

    svg2

    所属するサーバ

    server3

    管理用のグループ(Cluster WebUI 用)

    タイプ

    フェイルオーバ

    グループ名

    ManagementGroup

    起動サーバ

    全てのサーバ

    グループリソース数

    1

    管理用グループのグループリソース

    タイプ

    フローティングIPリソース

    グループリソース名

    ManagementIP

    IP アドレス

    10.0.0.11

    業務用のグループ

    タイプ

    フェイルオーバ

    グループ名

    failover1

    起動サーバ

    server1 -> server2 -> server3

    サーバグループ

    svg1 -> svg2

    グループリソース数

    3

    1 つ目のグループリソース

    タイプ

    フローティングIPリソース

    グループリソース名

    fip1

    IP アドレス

    10.0.0.12

    2 つ目のグループリソース
    (Shared disk for hybrid resource
    Disk for hybrid resource)

    タイプ

    ハイブリッドディスクリソース

    グループリソース名

    hd1

    ミラーパーティションデバイス名

    /dev/NMP1

    マウントポイント

    /mnt/hd1

    データパーティションデバイス名

    /dev/sdb2

    クラスタパーティションデバイス名

    /dev/sdb1

    ファイルシステム

    ext3

    ミラーディスクコネクト

    mdc1

    3 つ目のグループリソース

    タイプ

    EXECリソース

    グループリソース名

    exec1

    スクリプト

    標準スクリプト

    1 つ目のモニタリソース(デフォルト作成)

    タイプ

    usew

    モニタリソース名

    userw

    2 つ目のモニタリソース

    タイプ

    diskw

    モニタリソース名

    diskw1

    監視先

    /dev/sdb2

    監視方法

    READ(O_DIRECT)

    異常検出時

    クラスタサービス停止と OS シャットダウン

    3 つ目のモニタリソース(ManagementIPリソース作成後自動作成)

    タイプ

    フローティングIP モニタ

    モニタリソース名

    fipw1

    監視対象

    ManagementIP

    異常検出時

    "ManagementGroup" グループのフェイルオーバ

    4 つ目のモニタリソース(fip1リソース作成後自動作成)

    タイプ

    フローティングIP モニタ

    モニタリソース名

    fipw2

    監視対象

    fip1

    異常検出時

    "failover1" グループのフェイルオーバ

    5 つ目のモニタリソース

    タイプ

    IP モニタ

    モニタリソース名

    ipw1

    監視 IP アドレス

    10.0.0.254
    (ゲートウェイ)

    異常検出時

    全グループのフェイルオーバ

    6 つ目のモニタリソース(ハイブリッドディスクリソース作成後自動作成)

    タイプ

    ハイブリッドディスクコネクトモニタ

    モニタリソース名

    hdnw1

    監視ハイブリッドディスクリソース

    hd1

    異常検出時

    何もしない

    7 つ目のモニタリソース(ハイブリッドディスクリソース作成後自動作成)

    タイプ

    ハイブリッドディスクモニタ

    モニタリソース名

    hdw1

    監視ハイブリッドディスクリソース

    hd1

    異常検出時

    何もしない

6.8. 3 ノードクラスタ (ハイブリット方式) 構成情報の作成手順

クラスタ構成情報を作成するには、基本的に、クラスタの作成、サーバグループの作成、グループの作成、モニタリソースの作成、クラスタプロパティの変更の 5 つのステップを踏みます。以下に手順の流れを示します。

注釈

クラスタ構成情報の操作は何度でも繰り返して行えます。また、設定した内容のほとんどは名称変更機能やプロパティ表示機能を使用して後から変更できます。

  1. 6.8.1. クラスタの作成

    クラスタの生成、サーバの追加を行います。

  2. 6.8.2. フェイルオーバグループの作成

    フェイルオーバを行う際の単位である、フェイルオーバグループを作成します。

  3. 6.8.3. モニタリソースの作成

    指定された監視対象を監視する、モニタリソースをクラスタ内に追加します。

  4. 6.8.4. クラスタ動作を無効化する

    クラスタ動作を有効、または無効にします。

  5. 6.8.5. クラスタプロパティの変更

    サーバダウン通知を行わないように設定を変更します。

6.8.1. クラスタの作成

まず、クラスタを作成します。作成したクラスタに、クラスタを構成するサーバを追加し、優先度とハートビートの優先度を決定します。

6.8.1.1. クラスタを追加する

  1. Cluster WebUI の設定モードから、 [クラスタ生成ウィザード] をクリックして、[クラスタ生成ウィザード] ダイアログボックスを表示します。[言語] フィールドには、Cluster WebUI を使用するマシンの OS で使用している言語を選択します。

    注釈

    1つのクラスタ内で使用できる言語は 1 つのみです。複数の言語の OS をクラスタ内で使用している場合は、文字化けを避けるために「英語」を指定してください。

  2. [クラスタ名] ボックスにクラスタ名 (cluster) を入力します。

  3. Cluster WebUI の接続に使用するフローティング IP アドレス (10.0.0.11) を [管理IPアドレス] ボックスに入力します。[次へ] をクリックします。
    [サーバ] の [基本設定] が表示されます。Cluster WebUI 起動時に URL で指定した IP アドレスのサーバ (server1) が一覧に登録されています。

6.8.1.2. サーバを追加する

クラスタを構成する 2 台目以降のサーバを追加します。

  1. [サーバの定義一覧] で [追加] をクリックします。

  2. [サーバ追加] ダイアログボックスが開きます。 2 台目のサーバのサーバ名か FQDN名、または IP アドレスを入力し、[OK] を押します。 [サーバの定義一覧] に 2 台目のサーバ(server2) が追加されます。

  3. 同様にして 3 台目のサーバ (server3) を追加します。

  4. ハイブリッドディスクを使用する場合、[設定] をクリックして二つのサーバグループ (svg1とsvg2) を作成し、[svg1] に [server1] と [server2] を、[svg2] に [server3] を追加します。

  5. [次へ] をクリックします。

6.8.1.3. サーバグループを作成する

ハイブリッドディスク構成の場合、ハイブリッドディスクリソースを作成する前に、ミラーリングするそれぞれのディスク毎に、ディスクに接続しているサーバのグループを作成します。

  1. [サーバグループの設定] の [設定] をクリックします。

  2. [サーバグループの定義一覧] で [追加] をクリックします。

  3. [サーバグループの設定] ダイアログボックスが開きます。[名前] ボックスにサーバグループ名 (svg1) を入力します。

  4. [利用可能なサーバ] の [server1] をクリックし、[追加] をクリックします。[server1] が [起動可能なサーバ] に追加されます。
    同様に、[server2] を追加します。
  5. [OK] をクリックします。[サーバグループの定義一覧] に [svg1] が表示されます。

  6. [追加] をクリックして [サーバグループの設定] ダイアログボックスを開き、[名前] ボックスにサーバグループ名 (svg2) を入力します。

  7. [利用可能なサーバ] の [server3] をクリックし、[追加] をクリックします。[server3] が [起動可能なサーバ] に追加されます。

  8. [OK] をクリックします。[サーバグループの定義一覧] に [svg1] と [svg2] が表示されます。

  9. [閉じる] をクリックします。

  10. [次へ] をクリックします。

6.8.1.4. ネットワーク構成を設定する

クラスタを構成するサーバ間のネットワーク構成を設定します。

  1. [追加]・[削除] で通信経路を追加・削除し、各サーバの列のセルをクリックしてIP アドレスを選択または入力してください。一部のサーバが接続されていない通信経路の場合は、接続されていないサーバのセルを空欄にしてください。

  2. ハートビートの送受信に使用する通信経路 (インタコネクト) は、[種別] 列のセルをクリックして、[カーネルモード] を選択してください。ハートビートに使用せず、ミラーディスク リソースやハイブリッドディスクリソースのデータミラーリング通信にのみ使用する場合は、 [ミラー通信専用] を選択してください。
    必ず一つ以上の通信経路をインタコネクトに設定する必要があります。なるべく全ての通信経路をインタコネクトに設定してください。
    なお、インタコネクトを複数設定する場合、[優先度]列の番号が小さい通信経路が優先的にクラスタサーバ間の内部通信に使用されます。優先度を変更する場合は、矢印で通信経路の順位を変更してください。
  3. Witness ハートビートを使用する場合、[種別] 列のセルをクリックし、[Witness] を選択してください。[プロパティ] ボタンをクリックして、[ターゲットホスト] に Witness サーバのサーバアドレスを入力し、[サービスポート] にポート番号を入力してください。Witness ハートビートを使用しないサーバは、そのサーバのセルをクリックして [使用しない] を選択してください。

  4. ミラーディスクリソースやハイブリッドディスクリソースのデータミラーリング通信に使用する経路に対してミラーディスクコネクト名を設定します。 [MDC] 列のセルをクリックして、mdc1~mdc16 の中から割り当ててください。データミラーリング通信に使用しない経路に対しては [使用しない] を割り当ててください。

  5. [次へ] をクリックします。

6.8.1.5. ネットワークパーティション解決処理を設定する

ネットワークパーティション解決リソースを設定します。

  1. PING 方式の NP 解決を行う場合、[追加] をクリックして [NP解決一覧] に行を追加し、[種別] 列のセルをクリックして [Ping] を選択し、[ターゲット] 列のセルをクリックしてping 送信の対象とする機器 (ゲートウェイ等) の IP アドレスを入力します。カンマ区切りで複数の IP アドレスを入力すると、その全てに ping応答がない場合にネットワークから孤立した状態と判断します。一部のサーバのみPING方式を使用する場合、使用しないサーバのセルを [使用しない] にしてください。ping 関連のパラメータを既定値から変更する必要がある場合は、[プロパティ] を選択して、[Ping NP のプロパティ] ダイアログで設定します。
    本章の設定例では、 PING 方式の行を1つ追加し、[ターゲット] に192.168.0.254を設定します。
  2. HTTP 方式の NP 解決を行う場合、[追加] をクリックして [NP 解決一覧] に行を追加し、[種別] 列のセルをクリックして [HTTP/HTTPS] を選択してください。[プロパティ] ボタンをクリックして、[ターゲットホスト] に Web サーバのサーバアドレスを入力し、[サービスポート] にポート番号を入力してください。一部のサーバのみ HTTP 方式を使用する場合、使用しないサーバのセルを [使用しない] にしてください。
    本章の設定例では、HTTP 方式は使用しません。
  3. [調整] を選択し、ネットワークパーティション検出時の動作を設定します。[クラスタサービス停止と OS シャットダウン] か [クラスタサービス停止] を選択します。
    本章の設定例では、[クラスタサービス停止] を選択します。
  4. [次へ] をクリックします。

6.8.2. フェイルオーバグループの作成

クラスタに、業務用のアプリケーションを実行するフェイルオーバグループ (以下「グループ」と省略する場合あり) を追加します。

6.8.2.1. フェイルオーバグループを追加する

障害発生時にフェイルオーバを行う単位となる、グループの設定を行います。

  1. [グループ一覧] で [追加] をクリックします。

  2. [グループの定義] 画面が開きます。
    本章の設定例では、ハイブリッドディスクを使用する場合、[サーバグループ設定を使用する] をオンにします。
    [名前] ボックスにグループ名 (failover1) を入力し、[次へ] をクリックします。
  3. [利用可能なサーバグループ] リストから [svg1] 、[svg2] の順で [起動可能なサーバとサーバグループ] に追加します。

  4. フェイルオーバグループの各属性値を設定します。本章の設定例では、全て既定値を使用しますので、そのまま [次へ] をクリックします。
    [グループリソース] が表示されます。

6.8.2.2. グループリソース (フローティング IPリソース) を追加する

6.8.2.1. フェイルオーバグループを追加する」で作成したフェイルオーバグループに、グループの構成要素であるグループリソースを追加します。

  1. [グループリソース一覧] で、[追加] をクリックします。

  2. [グループのリソース定義 | failover1] 画面が開きます。[タイプ] ボックスでグループリソースのタイプ (フローティング IP リソース) を選択し、[名前] ボックスにグループリソース名 (fip1) を入力します。[次へ] をクリックします。

  3. 依存関係設定のページが表示されます。何も指定せず [次へ] をクリックします。

  4. [活性異常検出時の復旧動作]、[非活性異常検出時の復旧動作] が表示されます。[次へ] をクリックします。

  5. [IP アドレス] ボックスに IP アドレス (10.0.0.12) を入力し [完了] をクリックします。

6.8.2.3. グループリソース (ハイブリッドディスクリソース) を追加する

  1. [グループリソース一覧] で [追加] をクリックします。

  2. [グループのリソース定義 | failover1] ダイアログボックスが開きます。[タイプ] ボックスでグループリソースのタイプ (ハイブリッドディスクリソース) を選択し、[名前] ボックスにグループ名 (hd1) を入力します。[次へ] をクリックします。

  3. 依存関係設定のページが表示されます。何も指定せず [次へ] をクリックします。

  4. [活性異常検出時の復旧動作]、[非活性異常検出時の復旧動作] が表示されます。
    [次へ] をクリックします。
  5. [ミラーパーティションデバイス名] ボックスでミラーパーティションデバイス名 (/dev/NMP1) を選択します。マウントポイント (/mnt/hd1)、データパーティションデバイス名 (/dev/sdb2)、クラスタパーティションデバイス名 (/dev/sdb1) をそれぞれのボックスに入力します。[ファイルシステム] ボックスでファイルシステム (ext3) を選択します。 [完了] をクリックします。

注釈

[タイプ] ボックスに (ハイブリッドディスクリソース) が表示されない場合は、CLUSTERPRO X Replicator DR ライセンスの登録状況を確認の上、[ライセンス情報取得] をクリックしてください。

6.8.2.4. グループリソース (EXEC リソース) を追加する

スクリプトによってアプリケーションの起動/終了を行う、EXEC リソースを追加します。

  1. [グループリソース一覧] で [追加] をクリックします。

  2. [グループのリソース定義 | failover1] ダイアログボックスが開きます。[タイプ] ボックスでグループリソースのタイプ (EXEC リソース) を選択し、[名前] ボックスにグループ名 (exec1) を入力します。[次へ] をクリックします。

  3. 依存関係設定のページが表示されます。何も指定せず [次へ] をクリックします。

  4. [活性異常検出時の復旧動作]、[非活性異常検出時の復旧動作] が表示されます。[次へ] をクリックします。

  5. [この製品で作成したスクリプト] をチェックします。
    ユーザはこのスクリプトを編集して、業務アプリケーションの起動および停止手順を記述します。すでに CLUSTERPRO で使用するアプリケーションが決定している場合は、ここでスクリプトを編集します。
    [完了] をクリックします。
    failover1 の [グループリソース一覧] は以下のようになります。

    [完了] をクリックします。

6.8.3. モニタリソースの作成

指定した対象を監視するモニタリソースをクラスタに追加します。

6.8.3.1. モニタリソース (ディスクモニタ) を追加する

ディスクを監視するモニタリソースを追加します。この例では、diskw を追加します。

  1. [グループ] で、[次へ] をクリックします。

  2. [モニタリソース一覧] が表示されます。[追加] をクリックします。

  3. [モニタリソースの定義] ダイアログボックスが開きます。1 つ目のモニタリソースはクラスタ名を定義したときにデフォルトで作成されています。 6 つ目と 7 つ目のモニタリソースはハイブリッドディスクリソース追加時にデフォルトで作成されています。
    [タイプ] ボックスでモニタリソースのタイプ (ディスクモニタ) を選択し、[名前] ボックスにモニタ リソース名 (diskw1) を入力します。[次へ] をクリックします。
  4. 監視設定を入力します。ここではデフォルト値のまま変更せず、[次へ] をクリックします。

  5. 監視方法に (READ (O_DIRECT) ) を選択し、監視先 (/dev/sdb2) を入力します。 [次へ] をクリックします。

  6. 回復対象を設定します。[参照] をクリックします。

  7. 表示されるツリービューで [LocalServer] を選択し、[OK] をクリックします。[回復対象] に [LocalServer] が設定されます。

  8. [最終動作] ボックスで [クラスタサービス停止と OS シャットダウン] を選択し、[完了] をクリックします。

6.8.3.2. モニタリソース (IP モニタ) を追加する

  1. [モニタリソース一覧]で [追加] をクリックします。

  2. [モニタリソースの定義] ダイアログボックスが開きます。[タイプ] ボックスでモニタリソースのタイプ (IP モニタ) を選択し、[名前] ボックスにモニタリソース名 (ipw1) を入力します。[次へ] をクリックします。

  3. 監視設定を入力します。ここではデフォルト値のまま変更せず、[次へ] をクリックします。

  4. [追加] をクリックします。
    [IP アドレス] ボックスに監視 IP アドレス (10.0.0.254) を入力し [OK] をクリックします。

    注釈

    ip モニタリソースの監視対象には、パブリック LAN 上で、常時稼動が前提とされている機器 (例えば、ゲートウェイ) の IP アドレスを指定します。

  5. 入力した IP アドレスが [IP アドレス一覧] に設定されます。[次へ] をクリックします。

  6. 回復対象を設定します。[参照] をクリックします。

  7. 表示されるツリービューで [All Groups] を選択し、[OK] をクリックします。[回復対象] に [All Groups] が設定されます。

  8. [完了] をクリックします。

    [モニタリソース一覧] は以下のようになります。

6.8.4. クラスタ動作を無効化する

モニタリソースを作成し、[完了] をクリックすると、以下のポップアップメッセージが表示されます。

[いいえ] をクリックすると、グループの自動起動、グループリソース活性・非活性異常時の復旧動作、モニタリソース異常時の回復動作、およびサーバダウン時のフェイルオーバを行わなくなります。クラスタ構成情報を作成した後で初めてクラスタを起動する場合は、自動起動や復旧・回復動作を無効化して、クラスタ構成情報に誤りがないか確認することを推奨します。

なお、本機能は、[クラスタのプロパティ] の [拡張] タブの [クラスタ動作の無効化] で設定可能です。

注釈

モニタリソース異常時の回復動作の無効化は、ユーザ空間モニタリソースには適用されません。

6.8.5. クラスタプロパティの変更

  1. Cluster WebUI の設定モードから [cluster] の [プロパティ] をクリックします。

  2. [クラスタのプロパティ] ダイアログボックスが開きます。[インタコネクト] タブを選択します。 [サーバダウン通知] のチェックボックスをオフにします。

  3. [OK] をクリックします。

以上でクラスタ構成情報の作成は終了です。「 6.11. クラスタを生成する 」へ進んでください。

6.9. クラスタ構成情報を保存する

クラスタ構成情報は任意のディレクトリに保存することができます。Cluster WebUI で保存したクラスタ情報をCLUSTERPRO Server をインストールしたサーバマシンにCluster WebUI 経由で反映させることができます。
構成情報を保存するには、以下の手順に従ってください。
  1. Cluster WebUI の設定モードから [設定のエクスポート] をクリックします。

  2. 保存先を選択し、保存します。後ほどクラスタ生成コマンドを実行する際に、このディレクトリを指定します。

    注釈

    保存されるのはファイル 1 点 (clp.conf ) とディレクトリ 1 点 (scripts) です。これらのファイルとディレクトリがすべて揃っていない場合はクラスタ生成コマンドの実行が不成功に終わりますので、移動する場合はかならずこの 2 点をセットとして取り扱ってください。なお、新規作成した構成情報を変更した場合は、上記 2 点に加えて clp.conf.bak が作成されます。

6.10. クラスタ構成情報をチェックする

Cluster WebUI で作成したクラスタ構成情報をクラスタサーバに反映する前に、設定したクラスタ構成情報のチェックを行うことができます。

  1. Cluster WebUI の設定モードから [クラスタ構成情報チェック] をクリックします

  2. チェックが完了すると結果が別画面で表示されます。作成したクラスタ構成情報の設定内容によってはチェック完了まで時間がかかる場合があります。

以下に各チェック内容の詳細について記載します。

クラスタプロパティ

チェック内容

説明

NP解決リソースのpingチェック

ネットワークパーティション解決を行うための ping ターゲットに対して ping が到達可能であるかを確認します。

ポート番号タブのポート番号チェック

OS が管理している通信ポート番号の自動割り当ての範囲が、CLUSTERPRO が使用する通信ポート番号と重複していないかを確認します。

ポート番号(ミラー)タブのポート番号チェック

OS が管理している通信ポート番号の自動割り当ての範囲が、CLUSTERPRO が使用する通信ポート番号と重複していないかを確認します。

ポート番号(ログ)タブのポート番号チェック

OS が管理している通信ポート番号の自動割り当ての範囲が、CLUSTERPRO が使用する通信ポート番号と重複していないかを確認します。

グループリソース

チェック内容

説明

fipのpingチェック

設定された IP アドレスに対して ping を実行し、該当の IP アドレスが、同一ネットワーク内で既に使用されていないかを確認します。

vipのpingチェック

設定された IP アドレスに対して ping を実行し、該当の IP アドレスが、同一ネットワーク内で既に使用されていないかを確認します。

diskのパーティション存在チェック

設定されたパーティションがシステムに存在するかを確認します。

mdのパーティション存在チェック

設定されたパーティションがシステムに存在するかを確認します。

hdのパーティション存在チェック

設定されたパーティションがシステムに存在するかを確認します。

mdのクラスタパーティションサイズチェック

設定されたクラスタパーティションのサイズが十分か確認します。

hdのクラスタパーティションサイズチェック

設定されたクラスタパーティションのサイズが十分か確認します。

diskの/etc/fstabエントリチェック

設定されたパーティションが /etc/fstab にエントリされていないか確認します。
ただし、オプションに"noauto"が設定されている場合は/etc/fstab にエントリされていても NG になりません。

mdの/etc/fstabエントリチェック

設定されたパーティションが /etc/fstab にエントリされていないか確認します。
ただし、オプションに"noauto"が設定されている場合は/etc/fstab にエントリされていても NG になりません。

hdの/etc/fstabエントリチェック

設定されたパーティションが /etc/fstab にエントリされていないか確認します。
ただし、オプションに"noauto"が設定されている場合は/etc/fstab にエントリされていても NG になりません。

mdのマウントオプションチェック

設定されたパーティションのマウントオプションが適切か確認します。

hdのマウントオプションチェック

設定されたパーティションのマウントオプションが適切か確認します。

mdのポート番号チェック

OS が管理している通信ポート番号の自動割り当ての範囲が、設定された通信ポート番号と重複していないかを確認します。

hdのポート番号チェック

OS が管理している通信ポート番号の自動割り当ての範囲が、設定された通信ポート番号と重複していないかを確認します。

azureppのポート番号チェック

OS が管理している通信ポート番号の自動割り当ての範囲が、設定された通信ポート番号と重複していないかを確認します。

diskのファイルシステムチェック

設定されたパーティションのファイルシステムが適切か確認します。

mdのファイルシステムチェック

設定されたパーティションのファイルシステムが適切か確認します。

hdのファイルシステムチェック

設定されたパーティションのファイルシステムが適切か確認します。

volmgrのVG存在チェック

設定されたボリュームが存在するかを確認します。

ハートビートリソース

チェック内容

説明

khbのpingチェック

ハートビートリソースとして設定された IP アドレスに対して ping を実行し、該当 IP アドレスが使用可能であるかを確認します。

hbのpingチェック

ハートビートリソースとして設定された IP アドレスに対して ping を実行し、該当 IP アドレスが使用可能であるかを確認します。

diskhbのデバイス存在チェック

設定されたデバイスがシステムに存在するかを確認します。

diskhbの/etc/fstabエントリチェック

設定されたパーティションが /etc/fstab にエントリされていないか確認します。
ただし、オプションに"noauto"が設定されている場合は/etc/fstab にエントリされていても NG になりません。

その他

チェック内容

説明

AWSCLIコマンド実行チェック

AWS CLI が実行可能であるかを確認します。

OS起動時間チェック

OS が起動するまでの時間が、ハートビートタイムアウトよりも長くなるように設定されているかをチェックします。

SELinuxの無効化チェック

SELinux が適切に設定されているか確認します。

カーネルチェック

カーネルのバージョンを確認します。

tarコマンドの存在チェック

tarコマンドがインストールされているか確認します。

zipコマンドの存在チェック

zipコマンドがインストールされているか確認します。

セキュアブートチェック

セキュアブートが無効になっているか確認します。

非推奨設定確認

チェック内容

説明

非活性異常時の復旧動作チェック

各グループリソースの非活性異常時の最終動作に、「何もしない」以外が設定されているかを確認します。

注釈

出力されるメッセージについて「クラスタ構成情報チェックの詳細情報」を参照してください。

6.11. クラスタを生成する

Cluster WebUI でクラスタ構成情報を作成したら、クラスタを構成するサーバに構成情報を反映させクラスタシステムを生成します。

6.11.1. クラスタを生成するには

Cluster WebUI でクラスタ構成情報の作成が終了したら、以下の手順でクラスタを生成します。

  1. Cluster WebUI の設定モードから、[設定の反映] をクリックします。
    「設定を反映しますか。」 というポップアップメッセージが表示されるので、[OK] をクリックします。
    アップロードに成功すると、[反映に成功しました。] のメッセージが表示されますので、[OK] をクリックします。
    アップロードに失敗した場合は、表示されるメッセージに従って操作を行ってください。
  2. Cluster WebUI のツールバーのドロップダウンメニューで [操作モード] を選択して、操作モードに切り替えます。

  3. 使用するリソースによって以下の手順を実行してください。

  • ハイブリッドディスクリソースを使用する場合

    1. ハイブリッドディスクリソース初期化については本ガイド、「2.8. ハードウェア構成後の設定」の「2.8.3. ハイブリッドディスクリソース用のパーティションを設定する (Replicator DR 使用時は必須) 」を参照してください。

    2. クラスタ内で上記に該当するサーバで上記を実行してから下記の手順へ進みます。

    3. 全サーバを再起動します。サーバの再起動後、クラスタが開始され、クラスタの状態が Cluster WebUI に表示されます。

  • ミラーディスクリソースを使用する場合

    1. 全サーバを再起動します。サーバの再起動後、クラスタが開始され、クラスタの状態が Cluster WebUI に表示されます。

  • ミラーディスクリソース、ハイブリッドディスクリソースを使用しない場合

    1. Cluster WebUI のサービスメニューから [クラスタ開始] を実行します。クラスタが開始され、クラスタの状態が Cluster WebUI に表示されます。

    Cluster WebUI の操作・確認方法についてはオンラインマニュアルを参照してください。
    オンラインマニュアルは画面右上部の[ ]から参照できます。

7. クラスタシステムを確認する

本章では、作成したクラスタシステムが正常に起動するかどうかを確認します。
本章で説明する項目は以下のとおりです。

7.1. Cluster WebUI による動作確認

本トピックでは、Cluster WebUI を使用してクラスタシステムの確認を行う方法について説明します。Cluster WebUI は、CLUSTERPRO Server のインストール時点ですでにインストールされています。新たにインストールを行う必要はありません。ここでは、まず Cluster WebUI の概要を説明し、その後、Cluster WebUI にアクセスし、クラスタの状態を確認する方法について説明します。

参考

Cluster WebUI の動作環境については、『スタートアップガイド』の「CLUSTERPRO の動作環境」を参照してください。

クラスタを生成し、Cluster WebUI を接続後、以下の手順で動作を確認します。

参考

Cluster WebUI の操作方法についてはオンラインマニュアルを参照してください。また、動作確認で異常がある場合は『リファレンスガイド』の「トラブルシューティング」を参照して障害を取り除いてください。

  1. ハートビートリソース
    Cluster WebUI 上で各サーバのステータスが起動済であることを確認します。
    各サーバのハートビートリソースのステータスが正常であることを確認します。
  2. モニタリソース
    Cluster WebUI 上で各モニタリソースのステータスが正常であることを確認します。
  3. グループ起動
    グループを起動します。
    Cluster WebUI 上でグループのステータスが起動済であることを確認します。
  4. ディスクリソース
    ディスクリソースを持つグループが起動しているサーバで、ディスクのマウントポイントにアクセスできることを確認します。
  5. ミラーディスクリソース、ハイブリッドディスクリソース
    ミラーディスクリソース、ハイブリッドディスクリソースを持つグループが起動しているサーバで、ディスクのマウントポイントにアクセスできることを確認します。
  6. フローティング IP リソース
    フローティング IP リソースを持つグループが起動している状態で、フローティング IP アドレスに対して ping コマンドが成功することを確認します。
  7. EXEC リソース
    EXEC リソースを持つグループが起動しているサーバで、アプリケーションが動作していることを確認します。
  8. グループ停止
    グループを停止します。
    Cluster WebUI 上でグループのステータスが停止済であることを確認します。
  9. グループ移動
    グループを他のサーバに移動します。
    Cluster WebUI 上でグループのステータスが起動済であることを確認します。
    フェイルオーバポリシに含まれる全サーバに対してグループを移動してステータスが起動済になることを確認します。
  10. フェイルオーバ
    グループが起動しているサーバをシャットダウンします。
    ハートビートタイムアウト経過後、グループがフェイルオーバされることを確認します。また、Cluster WebUI 上でフェイルオーバ先のサーバでグループのステータスが起動済になることも確認します。
  11. フェイルバック (設定している場合)
    自動フェイルバックを設定している場合は、10 フェイルオーバの確認でシャットダウンしたサーバを起動します。サーバ起動後、グループがフェイルバックすることを確認します。また、Cluster WebUI 上でフェイルバック先のサーバでグループのステータスが起動済になることも確認します。
  12. クラスタシャットダウン
    クラスタをシャットダウンします。クラスタ内の全サーバが正常にシャットダウンされることを確認します。

7.2. コマンドによるクラスタの動作確認

クラスタを生成後、コマンドラインを使用してクラスタを構成するサーバ上からクラスタの状態を確認するには、以下の手順で動作を確認します。

参考

コマンドの操作方法については『リファレンスガイド』の「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」を参照してください。また、動作確認で異常がある場合は同ガイドの「トラブルシューティング」を参照して障害を取り除いてください。

  1. ハートビートリソース
    clpstat コマンドを使用して、各サーバのステータスが ONLINE であることを確認します。
    各サーバのハートビートリソースのステータスが NORMALで あることを確認します。
  2. モニタリソース
    clpstat コマンドを使用して、各モニタリソースのステータスが NORMAL であることを確認します。
  3. グループ起動
    clpgrp コマンドを使用して、グループを起動します。
    clpstat コマンドを使用して、グループのステータスが ONLINE であることを確認します。
  4. グループ停止
    clpgrp コマンドを使用して、グループを停止します。
    clpstat コマンドを使用して、グループのステータスが OFFLINE であることを確認します。
  5. ディスクリソース
    ディスクリソースを持つグループが起動しているサーバで、ディスクのマウントポイントにアクセスできることを確認します。
  6. ミラーディスクリソース、ハイブリッドディスクリソース
    ミラーディスクリソース、ハイブリッドディスクリソースを持つグループが起動しているサーバで、ディスクのマウントポイントにアクセスできることを確認します。
  7. フローティング IP リソース
    フローティング IP リソースを持つグループが起動している状態で、フローティング IP アドレスに対して ping コマンドが成功することを確認します。
  8. EXEC リソース
    EXEC リソースを持つグループが起動しているサーバで、アプリケーションが動作していることを確認します。
  9. グループ移動
    clpgrp コマンドを使用して、グループを他のサーバに移動します。
    clpstat コマンドを使用して、グループのステータスが ONLINE であることを確認します。
    フェイルオーバポリシに含まれる全サーバに対してグループを移動してステータスがONLINE になることを確認します。
  10. フェイルオーバ
    グループが起動しているサーバをシャットダウンします。
    ハートビートタイムアウト経過後、clpstat コマンドを使用して、グループがフェイルオーバされることを確認します。また、clpstat コマンドを使用して、フェイルオーバ先のサーバでグループのステータスが ONLINE になることも確認します。
  11. フェイルバック
    自動フェイルバックを設定している場合は、10 フェイルオーバの確認でシャットダウンしたサーバを起動します。サーバ起動後、clpstat コマンドを使用して、グループがフェイルバックすることを確認します。また、clpstat コマンドを使用して、フェイルバック先のサーバでグループのステータスが ONLINE になることも確認します。
  12. クラスタシャットダウン
    clpstdn コマンドを使用して、クラスタをシャットダウンします。クラスタ内の全サーバが正常にシャットダウンされることを確認します。

8. クラスタ構成情報を変更する

本章では、作成したクラスタシステムが正常に起動するかどうかを確認します。
本章で説明する項目は以下のとおりです。

8.1. クラスタ構成情報を変更する

クラスタ作成後、構成情報を変更する際の手順と注意事項について説明します。

8.1.1. Cluster WebUI を使用してクラスタ構成情報を変更する

  1. Cluster WebUI を起動します。

  2. Cluster WebUI の ツールバーのドロップダウンメニューで [設定モード] を選択します。

  3. 現在のクラスタ構成情報が表示されるので、構成情報を変更します。

  4. 変更した構成情報をアップロードします。
    その際、変更した情報によってはクラスタのサスペンドや停止、クラスタシャットダウンによる再起動などが必要になります。このような場合はアップロードが一旦キャンセルされ、必要な操作が表示されますので、表示されたメッセージにしたがって操作を行い、再度アップロードを実施してください。

8.2. クラスタ構成情報を反映する

クラスタ構成情報の内容を、CLUSTERPRO 本体の環境に反映します。反映は、変更した内容によって反映方法が異なります。変更したパラメータと反映方法に関する詳細は『リファレンスガイド』の「パラメータの詳細」を参照してください。

反映方法によって、CLUSTERPRO 本体の動作に影響する場合があります。詳細は以下の表を参照してください。

反映方法

影響

アップロードのみ

業務アプリケーションや CLUSTERPRO 本体の動作に影響はありません。
ハートビートリソースやグループリソース、モニタリソースは停止しません。

アップロードしてから API サービス再起動

"

アップロードしてから WebManager サーバを再起動

"

アップロードしてから Information Base サービス再起動

"

アップロードしてから Node Manager サービス再起動

CLUSTERPRO Node Manager サービスが停止している期間は、ハートビートリソースが停止します。グループリソースは停止しませんので、業務アプリケーションは継続動作します。

モニタを一時停止してからアップロード

モニタリソースは停止します。グループリソースは停止しませんので、業務アプリケーションは継続動作します。

クラスタをサスペンドしてからアップロード

CLUSTERPRO 本体の一部の動作が停止します。
CLUSTERPRO デーモンがサスペンドしている期間は、ハートビートリソースとモニタリソースが停止します。グループリソースは停止しませんので、業務アプリケーションは継続動作します。

リソースを停止してからアップロード

グループリソースは停止します。リソースを起動するまで業務アプリケーションが停止します。

グループを停止してからアップロード

グループは停止します。グループが起動するまで業務アプリケーションが停止します。

クラスタを停止してからアップロード

CLUSTERPRO 本体の全ての動作が停止します。グループも停止されますので、アップロードしてクラスタを開始し、グループが起動するまで業務アプリケーションが停止します。

クラスタを停止してミラーエージェントを停止してからアップロード

CLUSTERPRO 本体の全ての動作が停止します。グループも停止されますので、アップロードしてクラスタを開始し、グループが起動するまで業務アプリケーションが停止します。

アップロードしてからクラスタシャットダウン・再起動

クラスタが再起動してグループが起動するまで業務アプリケーションが停止します。

注釈

反映方法として CLUSTERPRO デーモンのサスペンド、または CLUSTERPRO デーモンの停止が必要な場合には、クラスタ構成情報を反映させる前に、サスペンドまたは停止が完了したことを確認する必要があります。
Cluster WebUIのアラートログで、「種類:情報、モジュール名:pm、イベントID:2」のメッセージが出力されたことを確認してください。メッセージの詳細については『リファレンスガイド』の「エラーメッセージ一覧」を参照してください。
Cluster WebUI が使用できない場合は、syslog に「モジュールタイプ:pm、イベント分類:情報、イベントID:2」のメッセージが出力されることを確認してください。
上記メッセージの確認後、クラスタ構成情報を CLUSTERPRO 本体の環境に反映してください。

9. 動作チェックを行う

本章では、擬似障害を発生させてクラスタシステムの動作チェックを行います。またパラメータの調整を行います。
本章で説明する項目は以下の通りです。

9.1. 動作確認テストを行う

共有ディスクの擬似障害評価や、バックアップ・リストアを実施して、モニタリソースの異常検出や、サーバや OS の停止の発生等がないかを確認します。
モニタリソースの異常検出や、サーバや OS 等が発生する場合には、タイムアウト値等の調整が必要です。
  1. 擬似障害発生による回復動作の遷移
    障害検証機能を利用して、異常を検出したモニタリソースの回復動作が設定で意図したとおりに動作することを確認してください。
    本機能は、Cluster WebUI または clpmonctrl コマンドからテストすることが出来ます。詳細については、オンラインマニュアル、または『リファレンスガイド』の「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」をご参照ください。
  2. 共有ディスクの擬似障害
    (共有ディスクが RAID 化されていて擬障評価が可能な場合)
    共有ディスクのサブシステムの RAID の障害、交換、復旧を想定したテストを行ってください。
    • 共有ディスクの擬似障害を発生させる
    • RAID を縮退状態から正常状態へ復帰する
    共有ディスクによっては縮退運転への切り替え、RAID の再構築時に一時的に I/O の停止、遅延が発生する場合があります。
    ディスクモニタなどにタイムアウトや遅延が発生した場合には各モニタリソースのタイムアウト値を調整してください。
  3. 共有ディスクへのパスの擬似障害
    (共有ディスクへのパスが二重化されていて擬似障害評価が可能な場合)
    パスの障害、切替を想定したテストを行ってください。
    • プライマリパスの擬似障害を発生させる
    パス切り替えソフトウェア (ドライバ) によっては正常なパスが切り替わるまでに時間がかかり OS (ソフト) 側へ制御を戻さない場合があります。
    ディスクモニタなどにタイムアウトや遅延が発生した場合には各モニタリソースのタイムアウト値を調整してください。
  4. バックアップ / リストア
    定期バックアップなどを行う場合には、実際にバックアップを試行してください。
    バックアップソフトやアーカイブコマンドの中には CPU 負荷やディスクの I/O 負荷が高いものがあります。
    サーバや OS の停止、ハートビート遅延、各種モニタリソースの遅延やタイムアウトが発生した場合には、ハートビートタイムアウト値や各モニタリソースのタイムアウト値を調整してください。

以下に、デバイス別の擬似障害と、発生する現象について記載します。

装置/リソース

擬似障害

発生する現象

共有ディスク装置
SCSI/FC パス
サーバ側ケーブルを抜く
(二重化している場合は、両方のケーブルを抜く)

待機ディスク監視をしている場合は待機系へフェイルオーバする。ディスクを監視していない場合は業務停止。

ディスクハートビートリソースが OFFLINE になる。
アラートログへ警告
 =業務は継続

ディスクモニタリソースが異常検出

FCの場合、FCスイッチの電源OFFも実施

待機系へフェイルオーバ
 ディスク監視をしている場合、監視していない場合は業務停止

ディスクハートビートリソースが OFFLINE になる。

ディスクモニタリソースが異常検出

インタコネクト LAN

LAN ケーブルを抜く

パブリック LAN を使用してサーバ間通信を継続
 =業務は継続
インタコネクト側の カーネルモード LAN ハートビートリソースがOFFLINE になる。
アラートログへ警告
 =業務は継続
IP モニタリソースで異常検出
 =待機系へフェイルオーバ
NIC Link Up/Downモニタリソースで異常検出
 =待機系へフェイルオーバ

パブリック LAN

LAN ケーブルを抜く、またはHUBの電源OFF

通信断、アプリケーションストール/エラー
 =フェイルオーバ対象とならない。
パブリック側の カーネルモード LAN ハートビートリソースが非活性になる。
アラートログへ警告
 =業務は継続
IP モニタリソースで異常検出
 =待機系へフェイルオーバ
NIC Link Up/Downモニタリソースで異常検出
 =待機系へフェイルオーバ

本体 UPS

UPS のコンセントを抜く

現用系サーバがシャットダウン
 =待機系へフェイルオーバ

アレイ UPS

UPS のコンセントを抜く

両サーバがシャットダウン
 =業務停止

UPS 用 LAN

LAN ケーブルを抜く

UPS 制御不能
 =業務は継続

OS 障害

現用系でシャットダウンコマンドを実行

現用系サーバがシャットダウン
 =待機系へフェイルオーバ

ミラーディスクコネクト

LAN ケーブルを抜く

アラートログへ警告 (ミラーリング停止)
=業務は継続しているが,待機系への切り替えができない
ミラーディスクモニタリソースで異常検出
 =業務継続

ディスクリソース

ディスクタイプが[raw]以外の場合
ディスクをマウントした後でグループを起動する

(例) # mount /dev/sda2 /mnt/sda2

ディスクリソースが活性しない

ディスクタイプが[raw]の場合
既に使用しているデバイス(クラスタパーティションで使用しているデバイス)を指定して、デバイスを重複させる

ディスクリソースが活性しない

EXEC リソース

EXECリソースのスクリプトに不正なコマンドを記述する
 スクリプトの最後にある「EXIT 0」を「EXIT 1」に変更する
EXEC リソースが活性しない
 =待機系へフェイルオーバ

フローティングIPリソース

既に使用しているアドレス(サーバで使用しているアドレス)を指定して、アドレスを重複させる

フローティング IP リソースが活性しない

仮想 IP リソース

既に使用しているアドレス(サーバで使用しているアドレス)を指定して、アドレスを重複させる

仮想 IP リソースが活性しない

ミラーディスクリソース
ハイブリッドディスクリソース
ディスクをマウントした後でグループを起動する

(例) # mount /dev/sda2 /mnt/sda2

ミラーディスクリソース、ハイブリッドディスクリソースが活性しない

PID モニタリソース

監視対象のEXECリソースの常駐プロセスを終了させる

(例) # kill プロセスID

待機系へフェイルオーバ

ボリュームマネージャモニタリソース

ボリュームマネージャが[lvm] の場合
待機系から手動でボリュームグループをエクスポートする

モニタリソースで異常検出

ダイナミックDNSリソース

DNS サーバの名前解決サービスが起動していない状態で、ダイナミック DNS リソースを起動する

ダイナミック DNS リソースが活性しない

ダイナミックDNSモニタリソース

正常に運用中のDNSサーバをダウンさせる、或いは運用中の名前解決サービスを停止させる

ダイナミック DNS モニタリソースが異常を検出して、異常時アクションを実行する、リソース再活性とフェイルオーバはダイナミック DNS リソースが停止失敗

nsupdateコマンドを使って、ダイナミックDNSリソースで登録した仮想ホスト名をDNSサーバから削除する

ダイナミック DNS モニタリソースが監視間隔内で仮想ホスト名を DNS サーバに再登録する

参考

各パラメータの変更方法は『リファレンスガイド』を参照してください。

9.2. バックアップ手順を確認する

クラスタシステムの運用開始前に、かならずバックアップの業務シミュレーションを行ってください。ディスクイメージによるバックアップ方法の詳細は『メンテナンスガイド』の「保守情報」、およびバックアップソフトのマニュアルを参照してください。ファイルシステムのバックアップは、以下の手順で行ってください。

9.2.1. CLUSTERPRO 起動状態でのバックアップ

CLUSTERPRO デーモン起動状態でバックアップするには、以下の手順を実行してください。

  1. クラスタの状態を正常状態にします。

  2. ユーザ空間の高負荷によるハートビートタイムアウト等を防ぐためタイムアウト一時調整コマンドで CLUSTERPRO のタイムアウト倍率を変更します。
    タイムアウトを現在の設定値の 3 倍にし、この設定の有効期間を 1 時間にする場合は、以下のようにコマンドを実行してください。
    # clptoratio -r 3 -t 1h
  3. 共有ディスクまたはミラーディスクまたはハイブリッドディスクのバックアップ作業を行います。
    共有ディスクについては、グループリソースのディスクリソースがバックアップするサーバで活性化されている必要があります。
    ミラーディスクまたはハイブリッドディスクについては、グループリソースのミラーディスク リソースまたはハイブリッドディスクリソースがバックアップするサーバで活性化されている必要があります。ただし、ミラーディスク、ハイブリッドディスクの場合、パーティションデバイスを直接アクセスするバックアップコマンドはサポートしていません。
  4. タイムアウト一時調整コマンドで調整したタイムアウト倍率を元に戻します。
    # clptoratio -i

タイムアウト一時調整コマンドの詳細については、『リファレンスガイド』の「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」を参照してください。

9.2.2. CLUSTERPRO 停止状態でのバックアップ

CLUSTERPRO デーモン停止状態でバックアップするには、以下の手順を実行してください。

  1. クラスタの状態を正常状態にします。

  2. CLUSTERPRO デーモンを停止します。

    # clpcl -t -a
  3. ファイルシステム、共有ディスクのバックアップ作業を行います。
    共有ディスクについては、バックアップする共有ディスク上のファイルシステムを手動でmount してください。
    また、バックアップ作業完了後、必ずファイルシステムを umount してください。
  4. CLUSTERPRO デーモンを起動します。

    # clpcl -s -a

9.2.3. CLUSTERPRO 停止状態でのバックアップ -Replicator、Replicator DR 使用時の場合-

CLUSTERPRO デーモン停止状態でバックアップすることは推奨しません。
緊急時のバックアップについては『リファレンスガイド』の「トラブルシューティング」 - 「障害発生時の手順」 - 「ミラーディスクを手動で mount する」を参照して実行してください。

9.3. リストア手順を確認する

クラスタシステムの運用開始前には、バックアップのほかにリストアの業務シミュレーションも必要です。ディスクイメージによるリストア方法の詳細は『メンテナンスガイド』の「保守情報」、およびバックアップソフトのマニュアルを参照してください。ファイルシステムをリストアするには、以下の手順を実行してください。

9.3.1. /opt/nec/clusterpro のディレクトリを含むファイルシステムのリストア

  1. クラスタ内の正常なサーバで外部メディアに、クラスタ構成情報をバックアップします。
    # clpcfctrl --pull -l -x <構成情報のあるディレクトリパス>
    バックアップ完了後、外部メディアを取り外してください。

    注釈

    これ以降の手順については、リストアするサーバで実行してください

  2. リストアするサーバで、下記のコマンドを実行してサービスを無効にします。
    clpsvcctrl.sh --disable -a
    
  3. Cluster WebUI または clpstdn コマンドでクラスタシャットダウン、リブートを実行し再起動します。

  4. 復旧するサーバでファイルシステムのリストア作業を行います (ここでのクラスタに依存する作業はありません)。

  5. リストアしたファイルシステムに CLUSTERPRO Server がインストールされているか以下のコマンドで確認してください。
    rpm -qi clusterpro
    
    Ubuntuの場合は以下のコマンドを実行してください。
    dpkg -s clusterpro
    
    CLUSTERPRO Server がインストールされていれば、6 を実行してください。
    CLUSTERPRO Server がインストールされていなければ 7 から実行してください。
  6. CLUSTERPRO Server がインストールされていれば、以下のコマンドを実行し、アンインストールします。
    rpm -e clusterpro
    
    Ubuntuの場合は以下のコマンドを実行してください。
    dpkg -r clusterpro
    

    注釈

    上記以外のオプションを指定しないでください。

    CLUSTERPRO Server のアンインストールでのトラブルシューティングは、「11.1.1. CLUSTERPRO Server のアンインストール 」を参照してください。
  7. CLUSTERPRO Server をインストールします。
    詳細は本ガイドの「4. CLUSTERPRO をインストールする」の「4.2. CLUSTERPRO Server のセットアップ」を参照してください。
    クラスタ内の他サーバで CLUSTERPRO Server のアップデートが適用されている場合は、このサーバにも同一のアップデートを適用し、クラスタ内の全てのサーバで同一のバージョンのCLUSTERPROがインストールされているようにします。
  8. CLUSTERPRO Server を再インストールしたサーバに外部メディアを取り付けます。

    注釈

    CLUSTERPRO Server を再インストールしたサーバは、インストール後に再起動しておく必要があります。

  9. 1 でバックアップしたクラスタ構成情報をクラスタ生成コマンドでサーバに登録します。
    # clpcfctrl --push -x <構成情報のあるディレクトリパス>
    Command succeeded.(code:0)
    上記、コマンド終了メッセージが表示され、コマンドが正常に終了したことを確認してください。

    参考

    クラスタ生成コマンドの詳細については、『リファレンスガイド』の「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」を参照してください。

  10. 外部メディアを取り外し、サーバを再起動します。

9.3.2. 共有ディスクのデータのリストアを実行する

共有ディスクのディスクリソース上のデータをリストアする方法について説明します。共有ディスクでハイブリッドディスクリソースを使用している場合には「 9.3.3. ミラーディスク、ハイブリッドディスクのデータのリストアを実行する 」を参照してください。

CLUSTERPRO 起動状態でリストア

  1. クラスタの状態を正常状態にします。

  2. ユーザ空間の高負荷によるハートビートタイムアウト等を防ぐためタイムアウト一時調整コマンドで CLUSTERPRO のタイムアウト倍率を変更します。
    タイムアウトを現在の設定値の 3 倍にし、この設定の有効期間を 1 時間にする場合は、以下のようにコマンドを実行してください。
    # clptoratio -r 3 -t 1h
  3. 共有ディスクのリストア作業を行います。
    リストアするサーバでグループリソースのディスクリソースが活性化されている必要があります。
  4. タイムアウト一時調整コマンドで調整したタイムアウト倍率を元に戻します。

    # clptoratio -i

    参考

    タイムアウト一時調整コマンドの詳細については、『リファレンスガイド』の「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」を参照してください。

CLUSTERPRO 停止状態でリストア

  1. クラスタの状態を正常状態にします。

  2. CLUSTERPRO デーモンを停止します。

    # clpcl -t -a
  3. 必要であれば7以下のコマンドを実行し、ディスクリソースのパーティションを Read/Write に設定します。
    例) ディスクリソースのパーティションデバイスが /dev/sdb5 の場合
    # clproset -w -d /dev/sdb5
  4. リストアする共有ディスク上のファイルシステムを手動で mount し、リストア作業を行います。また、リストア作業完了後、必ずファイルシステムを umount してください。

  5. 必要であれば1以下のコマンドを実行し、ディスクリソースのパーティションを ReadOnly に設定します。なお、ボリュームマネージャリソースが利用しているデバイスはReadOnlyに設定しないで下さい。
    例) ディスクリソースのパーティションデバイスが /dev/sdb5 の場合
    # clproset -o -d /dev/sdb5
  6. CLUSTERPRO デーモンを起動します。

    # clpcl -s -a

参考

クラスタ操作コマンドの詳細については、『リファレンスガイド』の「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」を参照してください。

7

ディスクリソースのディスクタイプが「Disk」に設定されている場合のみ必要になります。

9.3.3. ミラーディスク、ハイブリッドディスクのデータのリストアを実行する

ミラーディスクリソース、ハイブリッドディスクリソース上のデータをリストアする方法について説明します。

CLUSTERPRO 起動状態でのリストア

  1. クラスタの状態を正常状態にします。

  2. ユーザ空間の高負荷によるハートビートタイムアウト等を防ぐためタイムアウト一時調整コマンドで CLUSTERPRO のタイムアウト倍率を変更します。
    タイムアウトを現在の設定値の 3 倍にし、この設定の有効期間を 1 時間にする場合は、以下のようにコマンドを実行してください。
    # clptoratio -r 3 -t 1h
  3. ミラーディスクまたはハイブリッドディスクのリストア作業を行います。
    リストアするサーバでグループリソースのミラーディスクリソースまたはハイブリッドディスクリソースが活性化されている必要があります。
  4. タイムアウト一時調整コマンドで調整したタイムアウト倍率を元に戻します。

    # clptoratio -i

    参考

    タイムアウト一時調整コマンドの詳細については、『リファレンスガイド』の「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」を参照してください。

CLUSTERPRO 停止状態でのリストア

CLUSTERPRO 停止状態でのリストアは推奨しません。

10. 運用開始前の準備を行う

本章では、クラスタシステムの運用開始前に必要な事項について説明します。
本章で説明する項目は以下のとおりです。

10.1. 基本的な運用、操作手順を理解する

クラスタシステムの基本的な運用手順について説明します。運用開始前に、これらを実際に行い、クラスタシステムが正しく動作するかを確認するとともに、正しい手順で操作ができるようにしておいてください。
これらの操作は、Cluster WebUI または CLUSTERPRO コマンド から実行できます。Cluster WebUI の機能詳細についてはオンラインマニュアルを参照してください。CLUSTERPRO コマンドの詳細については『リファレンスガイド』の「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」を参照してください。
以下、クラスタ起動、クラスタシャットダウン、サーバシャットダウンに関しての手順を説明します。

10.1.1. クラスタを起動する

以下の手順に従って、クラスタを起動してください。

  1. 共有ディスクまたは外付けのミラーディスクを使用している場合は、ディスクの電源を投入します。

  2. クラスタを構成している全てのサーバの電源を投入します。
    クラスタが起動します。

    注釈

    クラスタ内の全てのサーバの電源投入は、Cluster WebUI の [クラスタのプロパティ]-[タイムアウト] タブで設定する [同期待ち時間] 内に行ってください。この時間内にサーバの起動が確認されない場合には、フェイルオーバが発生するため注意してください。

    注釈

    共有ディスクは、電源投入後数分間の時間をかけて初期化処理を行います。初期化処理中にサーバが起動すると、共有ディスクを認識できません。共有ディスクの初期化完了後、サーバが起動するように設定してください。

10.1.2. クラスタシャットダウン、サーバシャットダウンを実行する

クラスタのシャットダウンやサーバのシャットダウンは、CLUSTERPRO コマンドまたは Cluster WebUI を使用して行ってください。

注釈

Replicator / Replicator DRを使用している場合には、CLUSTERPRO コマンドまたは Cluster WebUI を使用しないでクラスタのシャットダウンを行うとミラーブレイクが発生することがあります。

10.1.3. クラスタ全体をシャットダウンするには

clpstdn コマンド、または Cluster WebUI からクラスタシャットダウンを実行することでクラスタをシャットダウンすることができます。クラスタシャットダウンにより、クラスタ内の全サーバをクラスタとして正常に終了させることができます。

10.1.4. サーバ単体をシャットダウンするには

clpdown コマンド、または Cluster WebUI からサーバシャットダウンを実行することでサーバをシャットダウンすることができます。
サーバをシャットダウンするとフェイルオーバが発生します。Replicator / Replicator DRを使用している場合にはミラーブレイクも発生します。
ハードウェア保守時など、故意に待機系サーバに代替運転をさせたい場合などにサーバをシャットダウンさせます。

10.1.5. クラスタサスペンド、クラスタリジュームを実行する

クラスタ構成情報の更新、CLUSTERPROのアップデートなどを行いたい場合に、業務を継続したまま、CLUSTERPRO デーモンを停止させることができます。この状態をサスペンドといいます。サスペンド状態から通常の業務状態に戻ることをリジュームといいます。
サスペンド・リジュームはクラスタ内の全てのサーバに対して処理を要求します。サスペンドは、クラスタ内の全サーバの CLUSTERPRO デーモンが起動した状態で実行してください。
クラスタのサスペンドやリジュームは、CLUSTERPRO コマンドまたは Cluster WebUI を使用して行ってください。
サスペンド状態では、活性していたリソースはそのまま活性した状態で CLUSTERPROデーモンが停止するため以下の機能が停止します。
  • 全てのハートビートリソースが停止します。

  • 全てのモニタリソースが停止します。

  • グループまたはグループリソースの操作ができなくなります。(起動、停止、移動)

  • 以下のコマンドが使用不可となります。

    • clpcl の --resume 以外のオプション

    • clpdown

    • clpstdn

    • clpgrp

    • clptoratio

    • clpmonctrl (-c, -v オプションを除く)

    • clprsc

    • clpcpufreq

10.1.6. クラスタをサスペンドするには

clpcl コマンド、または Cluster WebUI からクラスタサスペンドを実行することでクラスタをサスペンドすることができます。

10.1.7. クラスタをリジュームするには

clpcl コマンド、または Cluster WebUI からクラスタリジュームを実行することでクラスタをリジュームすることができます。

10.2. CLUSTERPRO を一時停止する

CLUSTERPRO の動作を停止する方法としては、CLUSTERPRO デーモンを停止する方法と、CLUSTERPRO デーモンを無効化する方法の 2 つがあります。

10.2.1. CLUSTERPRO デーモンの停止

OS をシャットダウンしないで CLUSTERPRO デーモンだけを停止する場合、clpcl コマンドを使用します。

参考

clpcl コマンドの詳細については『リファレンスガイド』の「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」を参照してください。

10.2.2. CLUSTERPRO デーモンの無効化

OS 起動時に CLUSTERPRO デーモンが起動しないようにするには、コマンドでCLUSTERPRO デーモンを無効化できます。
CLUSTERPRO デーモンの無効化は以下の手順で行ってください。
  1. デーモンを無効化するサーバ上で、下記のコマンドを実行してサービスを無効にします。
    clpsvcctrl.sh --disable core mgr
    
  2. Cluster WebUI またはclpdown コマンドで、サーバを再起動します。

10.2.3. 無効化した CLUSTERPRO デーモンを有効にする

無効化した CLUSTERPRO デーモンを再び有効化する時は以下の手順で行ってください。

  1. デーモンを無効化したサーバ上で、下記のコマンドを使用してサービスを有効にします。
    clpsvcctrl.sh --enable core mgr
    
  2. サーバを再起動します。

11. CLUSTERPRO をアンインストール/再インストールする

本章では、CLUSTERPROをアンインストール/再インストールする手順について説明します。
本章で説明する項目は以下のとおりです。

11.1. アンインストール手順

11.1.1. CLUSTERPRO Server のアンインストール

注釈

CLUSTERPRO Server のアンインストールは、必ず root 権限を持つユーザで実行してください。アンインストール前に構成情報の採取を推奨します。詳細は『リファレンスガイド』の「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」を参照してください。

以下の手順に従って、CLUSTERPRO Server をアンインストールします。

  1. SNMP 連携機能を利用している場合は、CLUSTERPRO Server アンインストール前に連携を解除する必要があります。設定解除手順に関しては、「 11.1.2. SNMP 連携機能の設定を解除するには 」を参照してください。

  2. 下記のコマンドを実行して、サービスを無効にします。
    clpsvcctrl.sh --disable -a
    
  3. Cluster WebUI または clpdown コマンドで、サーバを再起動します。

  4. CLUSTERPRO の内部バージョンが 5.1.2-1 以降で、SELinux を有効にしている場合、下記のコマンドを実行して、SELinux 用の設定を削除します。

    clpselctrl.sh --delete
    
  5. rpm -e clusterpro を実行します。
    Ubuntu の場合は、 dpkg -r clusterpro を実行します。Ubuntu の場合はインストールディレクトリ配下の構成情報や内部ログが削除されません。不要であれば手動で削除してください。

    注釈

    上記以外のオプションを指定しないでください。

11.1.2. SNMP 連携機能の設定を解除するには

CLUSTERPRO Server をアンインストールする際は、必ず SNMP 連携機能の設定解除も行ってください。
以下の手順に従い、設定解除してください。

注釈

  • root ユーザで設定解除してください。

  • アンインストール手順に現れる Net-SNMP 関連の記述はディストリビューション毎に異なる可能性があります。

  1. snmpd デーモンを停止します。

    注釈

    通常、以下のコマンドを実行することで停止できます。
    • init.d 環境の場合:

      /etc/init.d/snmpd stop
      
    • systemd 環境の場合:

      systemctl stop snmpd
      
  2. snmpd デーモンの構成ファイルから SNMP 連携機能の登録を解除します。
    テキストエディタで構成ファイルを開いてください。
    以下に該当する行を削除してください。
    dlmod clusterManagementMIB /opt/nec/clusterpro/lib/libclpmgtmib.so
    dlmod clusterManagementMIB /opt/nec/clusterpro/lib/libclpmgtmib2.so
    

    注釈

    通常、snmpd デーモンの構成ファイルは以下に配置されています。
    /etc/snmp/snmpd.conf

    注釈

    snmpd デーモンで許可している MIB ビュー(snmpd.conf の view定義) から、CLUSTERPRO の OID を削除してください。
    CLUSTERPRO の OID は、「.1.3.6.1.4.1.119.2.3.207」です。
  3. 4.2.4. SNMP 連携機能を設定するには 」で作成したシンボリックリンクを削除します。
    4.2.4. SNMP 連携機能を設定するには 」でシンボリックリンクを作成した場合、削除してください。
  4. snmpd デーモンを起動します。

注釈

通常、以下のコマンドを実行することで起動できます。
  • init.d 環境の場合:

    /etc/init.d/snmpd start
    
  • systemd 環境の場合:

    systemctl start snmpd
    

11.2. 再インストール手順

11.2.1. CLUSTERPRO Serverの再インストール

CLUSTERPRO Serverを再インストールする場合、Cluster WebUI で作成した構成情報が必要です。
Cluster WebUI で作成した構成情報がない場合は、clpcfctrl コマンドでバックアップを作成できます。詳細は『リファレンスガイド』の「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」を参照してください。

クラスタ全体を再インストールする場合

以下の手順に従って、CLUSTERPRO Server を再インストールします。

  1. CLUSTERPRO Server をアンインストールします。
    詳細は、「 11.1.1. CLUSTERPRO Server のアンインストール 」を参照してください。
  2. CLUSTERPRO Serverをインストールしてクラスタを再生成します。
    詳細は「 4.2. CLUSTERPRO Server のセットアップ 」を参照してください。

クラスタ内の一部のサーバのみ再インストールする場合

以下の手順に従って、CLUSTERPRO Server を再インストールします。

  1. CLUSTERPRO Server をアンインストールします。
    詳細は「 11.1.1. CLUSTERPRO Server のアンインストール 」を参照してください。
  2. CLUSTERPRO Server の rpm をインストールします。
    詳細は「 4.2. CLUSTERPRO Server のセットアップ 」を参照してください。

    注釈

    CLUSTERPRO Serverを再インストールしたサーバはインストール後、再起動しておく必要があります。

  3. CLUSTERPRO Server を再インストールしなかったサーバから再インストールしたサーバに構成情報を配信します。
    クラスタ内の再インストールしなかったサーバのいずれか1台に root でログインします。
    以下のコマンドを実行します。
    clpcfctrl --push -h <再インストールしたサーバのホスト名>
    または
    clpcfctrl --push -h <再インストールしたサーバのIPアドレス>
    配信が正常に終了した場合、以下のメッセージが表示されます。
    Command succeeded.(code:0)
    
    期限付きライセンスを使用している場合は、以下のコマンドを実行します。
    clplcnsc --reregister <ライセンスファイル格納フォルダのパス>

    注釈

    clpcfctrl 実行時のトラブルシューティングについては『リファレンスガイド』の「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」を参照してください。

  4. 配信した構成情報にミラーリソースが設定されている場合、ミラーリソースのクラスタパーティションに設定されているデバイスを初期化する必要があります。clpmdinit コマンドを使用して初期化を行ってください。詳細は『リファレンスガイド』の「CLUSTERPRO コマンドリファレンス」を参照してください。

  5. 再インストールするサーバでノードライセンスのオプションを使用する場合には、ライセンスを登録します。
    再インストールするサーバでノードライセンスのオプションを使用しない場合には、この手順は不要です。
    詳細は「 5.3. ノードライセンスの登録 」を参照してください。
  6. 再インストールを行ったサーバを再起動します。

12. トラブルシューティング

12.1. CLUSTERPRO Serverのインストール時

動作及びメッセージ

原因

対処

failed to open /var/lib/rpm/packages.rpm
error: cannot open /var/lib/rpm/packages.rpm

root権限を持つユーザではありません。

root権限を持つユーザで実行してください。

error: package clusterpro-* is already installed

すでにCLUSTERPROがインストールされています。

一度アンインストールしてから再度インストールしてください。

warning: CLUSTERPRO : The mirror driver is not supported this distribution.

ミラードライバはCLUSTERPROをインストールしたサーバのディストリビューションをサポートしていません。

ミラードライバがサポートしていないディストリビューションではミラーディスクリソースが動作しません。

warning: CLUSTERPRO : The khb driver is not supported this distribution.

clpkhbドライバはCLUSTERPROをインストールしたサーバのディストリビューションをサポートしていません。

clpkhbドライバがサポートしていないディストリビューションではカーネルモードLANハートビートが動作しません。

warning: CLUSTERPRO : The ka driver is not supported this distribution.

clpkaドライバはCLUSTERPROをインストールしたサーバのディストリビューションをサポートしていません。

clpkaドライバがサポートしていないディストリビューションではclpkaドライバを使用するモジュールが動作しません。

12.2. CLUSTERPRO Serverのアンインストール時

動作及びメッセージ

原因

対処

failed to open /var/lib/rpm/packages.rpm
error: cannot open /var/lib/rpm/packages.rpm

root権限を持つユーザではありません。

root権限を持つユーザで実行してください。

error: CLUSTERPRO is running

CLUSTERPROが起動しています。

サービスの自動起動を無効にしてサーバを再起動し、再度アンインストールを実行してください。

12.3. ライセンス関連

動作及びメッセージ

原因

対処

コマンド実行後、以下のメッセージがコンソールに出力された。
「Log in as root.」

一般ユーザでコマンドを実行しています。

root でログインするか、su - で root に変更後、再度実行してください。

ライセンス登録でコマンド実行後、以下のメッセージがコンソールに出力された。
「Command succeeded. But the license was not applied to all the servers in the cluster because there are one or more servers that are not started up.」

CLUSTERPROのデータ転送サービスの未起動又は、クラスタ構成情報の未配信の可能性があります。

全サーバでのトランザクション サーバ起動、クラスタ構成情報の配信がされているか、再度確認してください。もし、どちらかが未完了であれば、完了後、再度ライセンスの登録を行ってください。

Cluster WebUI で作成したクラスタ構成情報を全サーバに配信後、クラスタシャットダウン、リブートを行うと、アラートログに以下のメッセージが表示され、クラスタが停止した。
「The license is not registered. (Product name:%1)」
%1:製品名

ライセンスを登録せずにクラスタシャットダウン、リブートを実行したためです。

5. ライセンスを登録する」に従って、ライセンスを登録してください。

Cluster WebUI で作成したクラスタ構成情報を全サーバに配信後、クラスタシャットダウン、リブートを行うと、ラートログに以下のメッセージが表示されていたが、クラスタは、正常に動作している。
「The number of licenses is insufficient. The number of insufficient licenses is %1. (Product name:%2)」
%1:ライセンス不足数
%2:製品名

ライセンスが不足しています。

販売元からライセンスを入手し、ライセンスを登録してください。

試用版ライセンスでクラスタ運用中に以下のメッセージが出力され、クラスタが停止した。
「The trial license has expired in %1. (Product name:%2)」
%1:試用終了日
%2:製品名

ライセンスの有効期間を超えています。

販売元へ試用版ライセンスの延長を申請するか、製品版ライセンスを入手し、ライセンスを登録してください。

期限付きライセンスでクラスタ運用中に以下のメッセージが出力され、クラスタ動作が無効化された。

「The fixed term license has expired in %1. (Product name:%2)」
%1:有効期間終了日
%2:製品名

「Cluster operation is forcibly disabled since a valid license has not been registered.」

ライセンスの有効期間を超えています。

販売元から新たに製品版ライセンスを入手し、ライセンスを登録してください。

13. 用語集

インタコネクト
クラスタ サーバ間の通信パス
(関連) プライベート LAN、パブリック LAN
仮想 IP アドレス

遠隔地クラスタを構築する場合に使用するリソース(IP アドレス)

管理クライアント

Cluster WebUI が起動されているマシン

起動属性
クラスタ起動時、自動的にフェイルオーバグループを起動するか、手動で起動するかを決定するフェイルオーバグループの属性
管理クライアントより設定が可能
共有ディスク

複数サーバよりアクセス可能なディスク

共有ディスク型クラスタ

共有ディスクを使用するクラスタシステム

切替パーティション
複数のコンピュータに接続され、切り替えながら使用可能なディスクパーティション
(関連) ディスクハートビート用パーティション
クラスタシステム

複数のコンピュータを LAN などでつないで、1 つのシステムのように振る舞わせるシステム形態

クラスタシャットダウン
クラスタシステム全体 (クラスタを構成する全サーバ)をシャットダウンさせること
クラスタパーティション
ミラーディスク、ハイブリッドディスクに設定するパーティション。ミラーディスク、ハイブリッドディスクの管理に使用する。
関連 (ディスクハートビート用パーティション)
現用系
ある 1 つの業務セットについて、業務が動作しているサーバ
(関連) 待機系
セカンダリ (サーバ)
通常運用時、フェイルオーバグループがフェイルオーバする先のサーバ
(関連) プライマリ サーバ
待機系
現用系ではない方のサーバ
(関連) 現用系
ディスクハートビート用パーティション

共有ディスク型クラスタで、ハートビート通信に使用するためのパーティション

データパーティション
共有ディスクの切替パーティションのように使用することが可能なローカルディスク
ミラーディスク、ハイブリッドディスクに設定するデータ用のパーティション
(関連) クラスタパーティション
ネットワークパーティション
全てのハートビートが途切れてしまうこと
(関連) インタコネクト、ハートビート
ノード
クラスタシステムでは、クラスタを構成するサーバを指す。ネットワーク用語では、データを他の機器に経由することのできる、コンピュータやルータなどの機器を指す。
ハートビート
サーバの監視のために、サーバ間で定期的にお互いに通信を行うこと
(関連) インタコネクト、ネットワークパーティション
パブリック LAN
サーバ / クライアント間通信パスのこと
(関連) インタコネクト、プライベート LAN
フェイルオーバ

障害検出により待機系が、現用系上の業務アプリケーションを引き継ぐこと

フェイルバック

あるサーバで起動していた業務アプリケーションがフェイルオーバにより他のサーバに引き継がれた後、業務アプリケーションを起動していたサーバに再び業務を戻すこと

フェイルオーバグループ

業務を実行するのに必要なクラスタリソース、属性の集合

フェイルオーバグループの移動

ユーザが意図的に業務アプリケーションを現用系から待機系に移動させること

フェイルオーバポリシー

フェイルオーバ可能なサーバリストとその中でのフェイルオーバ優先順位を持つ属性

プライベート LAN
クラスタを構成するサーバのみが接続された LAN
(関連) インタコネクト、パブリック LAN
プライマリ (サーバ)
フェイルオーバグループでの基準で主となるサーバ
(関連) セカンダリ (サーバ)
フローティング IP アドレス
フェイルオーバが発生したとき、クライアントのアプリケーションが接続先サーバの切り替えを意識することなく使用できる IP アドレス
クラスタサーバが所属する LAN と同一のネットワーク アドレス内で、他に使用されていないホストアドレスを割り当てる
マスタサーバ

Cluster WebUI の設定モード の [サーバ共通のプロパティ]-[マスタサーバ] で先頭に表示されているサーバ

ミラーディスクコネクト

ミラーディスク、ハイブリッドディスクでデータのミラーリングを行うために使用する LAN。プライマリインタコネクトと兼用で設定することが可能。

ミラーディスクシステム
共有ディスクを使用しないクラスタシステム
サーバのローカルディスクをサーバ間でミラーリングする