6.9. インメモリデータグリッド連携

WebOTXはStandardの製品において、インメモリデータグリッド製品、Oracle CoherenceおよびInfinispanと連携し、 スケーラブルなシステムを容易に構築できる機能を備えています。

WebOTX V10.10はInfinispan 8.2.8.Finalと連携可能です。InfinispanのWebサイトからダウンロードしてください。

6.9.1. 事前準備

Infinispan

WebOTXをInfinispanと連携させるには、ダウンロードしたzipに含まれる以下のJarファイルを、ドメイン起動前に ${INSTALL_ROOT}/lib/datagrid ディレクトリにコピーしておく必要があります。

さらに、Infinispanを利用するアプリケーションがCDI(JSR 299: Contexts and Dependency Injection)を利用している場合は、 ダウンロードしたzipに含まれる以下のJarファイルについても、同様に ${INSTALL_ROOT}/lib/datagrid ディレクトリにコピーしてください。

次に、Infinispanの動作に必要なJarファイルを有効化するため、以下のようにエディタ等で${INSTALL_ROOT}/features/full-profile-feature.xmlに以下の行を追加してください。

変更前

<modules>
     <module location="lib/datagrid/resolve-blueprint.jar" />
     ...
</modules>

変更後

<modules>
     <module location="lib/datagrid/infinispan-embedded-8.2.8.Final.jar" />
     <module location="lib/datagrid/resolve-blueprint.jar" />
     ...
</modules>

6.9.2. データグリッド設定

データグリッド連携をするためのドメイン共通の設定を行なえます。通常は設定を変更する必要はありません。 同一ネットワーク内に他のデータグリッドクラスタが存在する、あるいは他のソフトウェアとポートが衝突するなど、 設定変更が必要な場合があります。

Infinispan

server.data-grids.infinispan-cluster-nameとして、Infinispanのクラスタ名を指定します。既定値は"webotx-infinispan-cluster1"です。 同一ネットワーク内に複数のInfinispanクラスタが存在する場合、クラスタ名をクラスタごとにユニークな文字列に変更してください。

server.data-grids.infinispan-jgroups-fileとして、{INSTANCE_ROOT}/config/datagrid/infinispanディレクトリにある、JGroups(*)設定ファイルを指定します。 JGroups設定ファイルについては、Infinispan User Guide 「1.4. Clustered Configuration」を参照してください。

(*)Infinispanが利用しているクラスタ通信基盤ライブラリ。

6.9.3. データグリッド個別設定

セッションレプリケーションやJPAなど、データグリッド製品を利用するモジュールごとに、個別の設定を使用することが可能です。

統合運用管理ツール、運用管理コンソール、運用管理コマンドより"データグリッド個別設定"を作成し、利用モジュール側の設定でデータグリッド個別設定の名前を指定します。

また、WebOTXインストール時に以下2つの個別設定が作成されており、これを指定することで簡単にデータグリッド連携を行なえます。

どちらも既定ではタイプがdisabledになっています。実際に使用する際には、タイプをinfinispanに変更する必要があります。