WebOTX Manual V10.2 (第4版) 目次を表示 |
各サーバプロセスの制御スレッドでオペレーションの実行時間を常に監視しています。実行時間の上限を超過した場合、情報出力を行うための警告メッセージ出力機能を提供しています。運用管理ツールで「実行時間の上限」を設定し、かつ「プロセスを強制停止する」設定を行っている場合、オペレーションの処理時間がこの時間を超えると実行中のスレッドの処理を強制終了したのちプロセスを終了しようとします。
プロセスを終了しようとする時点で他に実行中のスレッドがあった場合、処理が完了するまでプロセス停止を待ち合わせます。待ち合わせる時間はプロセスのストール監視間隔(既定値で600秒)です。待ち合わせる時間を経過しても実行中の場合、そのスレッドの処理を強制終了してプロセス終了(再起動)処理が実行されます。
既定値(プロセス再起動の無の設定)で実行時間超過が起きた場合、イベントログ・syslogにはINFOレベルで以下のメッセージが出力されます。
OTXM:<システム名>:<プロセスグループ名>:<プロセスID>: I:1:TPS10-13302 Tx ELAPSED TIME:xx SEC. TX-GROUP <プロセスグループ名> <プロセスID>
プロセス再起動の有の設定で実行時間超過が起きプロセスが終了した場合、イベントログ・syslogには以下のメッセージが出力されます。
OTXM:<システム名>:<プロセスグループ名>:<プロセスID>: E:1:TPS10-13301 Tx TIME OVER ERROR. CODE:1 TX-GROUP <プロセスグループ名> <プロセスID>
また、クライアントアプリケーションにはNO_RESPONSE(3927)のエラーを返します。
イベントログ・syslogの監視
イベントログ・syslogに出力される、TPS10-13301、TPS10-13302のメッセージから該当のプロセスグループを特定します。
(1) 実行時間超過が発生した場合は、システムトレースに実行途中であったオペレーションの情報が以 下のように記録されます。システムトレースについては [ 構築・運用 > ログ > WebOTXのログ > Standard上のアプリケーションのログ出力 > サーバアプリケーショントレース採取 ] を参照してください。
Error: The following TX execution is unfinished. ------------------------------------- PID ThID TxID StartTime ------------------------------------- 03761 00001 QKAAAC 7/15 10:19:09.703 QKAAAC: LoopBack (IDL:sample/LoopBackSample:1.0;loopback_jsv.jar)
実行時間超過が発生したオペレーションはオペレーション名LoopBack、インタフェース名IDL:sample/LoopBackSample:1.0、モジュール名loopback_jsv.jar であることがわかります。
(2) AP ログに以下のように出力されます。
TPS10-13301 Tx TIME OVER ERROR. CODE:x TX-GROUP <プロセスグループ名> <プロセスID> elptime-over info : TXID=AAABAB,…
このAP ログのTXID から実行時間超過が発生したオペレーションを特定できます。TXID とオペレーション名の関連を調べるためにイベントジャーナルを採取してください。イベントジャーナルは統合運用管理ツールのTP システムを右クリックし、「イベントジャーナルとキュー滞留数の採取」の実行で採取できます。実行すると、${INSTANCE_ROOT}/config/tpsystem/tmp ディレクトリにotx.t2o ファイルが作成され、その中にTXID とオペレーションの対応関係が記載されています。
該当AP がJava の場合、実行時間超過が発生するとシステムトレースにスタックトレースが記録されます。これより対象コードが特定できます。
原因の究明ができるまでは再起動設定(「TP システム」.「上限設定」-「プロセス障害時の再起動回数」)を大きめにすることで、実行時間超過によってサービス停止とならないようにしてください。
実際にこの現象が発生してしまった場合の復旧方法について説明します。
プロセスグループの再起動
システムの再起動
問題のあったオペレーションがそもそもストールなどによって応答の望みがまったくないものなのか(いつまで待っても応答が返らないものなのか)、やむを得ない理由により完了までに時間がかかっていたのかにより、対策は異なります。
問題のAP の修正
実行時間の上限の見直し
TPS10-13301, TPS10-13302, NO_RESPONSE(3927)