3.10. その他の管理ユーザ

3.10.1. 管理ユーザ設定(UNIX)

3.10.1.1. WebOTX管理ユーザ(運用ユーザ)の設定

UNIX系のOSでは、WebOTXのインストール時にシステム管理者権限をもつrootユーザとは別に、WebOTXの起動ユーザを指定してインストールが可能であり、推奨しています。WebOTX管理ユーザ(運用ユーザ)を設定することで、不用意なシステム権限領域へのアクセスを制御し、より強固なセキュリティの確保とOSのもつユーザ制限機能を利用することができます。

運用ユーザを変更するスクリプトを提供していますので、インストール後でも運用ユーザに変更することが可能です。

ただし、WebOTX管理ユーザを利用する場合には、OSの制限により、1024以下のポート番号を利用することができなくなります。HTTP/HTTPS用のポート番号を1024以下で設定している場合には、ポート番号の再設定等が必要になるため、注意が必要です。

なお、UNIX系OSにおける運用ユーザのパスワード変更によるWebOTXへの影響はありません。Windows OSの場合は [ サービスの起動停止 > Windowsサービスアカウントの変更 ] を参照してください。

インストール後の運用ユーザ変更手順
  1. rootユーザでログインします。
  2. WebOTXを停止します。
    # otxadmin stop-domain admin
    
  3. WebOTXのWebOTX運用ユーザのユーザ、および、グループアカウントを作成します。

    ここでは説明の為に、ユーザ名を「admin」、 グループ名を「webotx」と設定します。アカウントの作成はシステム管理者に依頼するか、各OSの運用マニュアルを参照して登録を行ってください。

  4. 新しく作成したアカウントがtelnetなどで正しくログインできることを確認してください。
  5. rootユーザで以下のコマンドを実行します。
    # cd /opt/WebOTX/bin
    # ./otxown.sh
    ## Executing WebOTX Operation User Change script.
    Would you like to change as WebOTX Operation User? [y, n](default n)
    y
    Please input WebOTX Operation User name.
    admin
    Please input WebOTX Operation User group name.
    webotx
    **********************************************************
    * Change of WebOTX Operation User. To continue, input y. *
    * Input q to exit the installation. [y, q](default y)    *
    **********************************************************
    
  6. 設定がおわりましたら、/opt/WebOTX配下のファイルオーナが運用ユーザに設定されていることを確認します。
  7. サーバを再起動してください。
3.10.1.2. 複数のドメインを異なるユーザで運用

UNIX系のOSでは、複数のドメインを異なるユーザで運用する機能をサポートしています。ここではそのための手順を説明します。

ドメインごとに運用ユーザを変えたい時はこちらの設定をご検討ください。

設定の際の注意点

設定の際は、以下の点に注意してください。

  1. 各ドメインに設定するユーザは、すべてのドメイン間で同じグループに属している必要があります。
  2. 管理ドメイン「admin」は、rootでなければなりません。
  3. ファイルの直接編集やディレクトリ等のオーナ・権限等の変更は、WebOTXが停止した状態で行ってください。
  4. ファイルを直接編集する際は、必ずバックアップを取ってください。
設定の手順

以下の環境を例にして設定方法を説明します。

環境設定例
ドメイン種別 名前
管理ドメイン admin -
一般ドメイン domain1 運用ユーザ オーナ otxadm
グループ otxadmin
一般ドメイン domain2 運用ユーザ オーナ otxadm2
グループ otxadmin
WebOTX制御ファイルの変更

ここでは、WebOTXの制御ファイルに関して、値の変更や権限の変更を行います。

  1. asenv.confの変更

    /opt/WebOTX/config/asenv.confに以下の一行を追加してください。

    AS_MULTIUSER=TRUE
    
  2. WebOTX配下のオーナ・グループをrootに戻す

    /opt/WebOTX/bin/otxown.shを用いて、WebOTX配下のオーナとグループをrootに戻してください。

  3. <INSTANCE_ROOT>配下のオーナ・グループを変更

    各ドメインの<INSTANCE_ROOT>配下のディレクトリ・ファイルのオーナとグループを各運用ユーザにそれぞれ変更してください。 マニュアルの例では、変更後は以下のようになります。

    オーナ・グループ設定例
    ディレクトリ ファイルオーナ グループ
    /opt/WebOTX/domains/domain1 とその配下 otxadm otxadmin
    /opt/WebOTX/domains/domain2 とその配下 otxadm2 otxadmin
  4. グループの変更

    以下のディレクトリ・ファイルは、各運用ユーザすべてが読み込み・書き込みできる必要があります。 グループをrootから、運用ユーザの所属するグループに変更してください。 マニュアルの例では、変更後は以下のようになります。

    運用ユーザの所属するグループ設定例
    ディレクトリ ファイルオーナ グループ
    /opt/WebOTX/domains root otxadmin
    /opt/WebOTX/Trnsv とその配下 root otxadmin
  5. 必要なファイルの権限変更

    以下のディレクトリとファイルは、各運用ユーザすべてが読み込み・書き込みできる必要があります。 それらに対して、運用ユーザのオーナ/グループで書き込みができるようにファイル権限775を設定してください。

設定についての補足

設定について、以下の補足事項があります。

  1. Webサーバ設定の変更

    WebOTX運用管理ユーザをroot以外に設定した場合、OSの制約上1024番以下のポート番号は使用できません。もし、ポート番号1024番以下で内蔵型Webサーバを使用中のドメインがあれば、そのドメインに対して、1025番以降の現在のシステムで利用可能な番号に変更してください。

    下に示したdomain.xmlファイルを編集して、ポート番号を変更してください。

    編集する箇所は、<http-service>要素の以下のサブ要素です。idが"http-listener-1"、"http-listener-2"となっているhttpリスナのポートを変更してください。

    <http-listener accept-count="10" address="0.0.0.0"
    buffer-size="2048" connection-timeout="60000" default-virtual-server="server"
    enable-lookups="false"enabled="true" id="http-listener-1" limit-processors="15"
    max-processors="20" min-processors="5" port="80"
    protocol="HTTP/1.1" security-enabled="false" server-name="" xpowered-by="true">
    </http-listener>
    <http-listener accept-count="10" address="0.0.0.0"
    buffer-size="2048" connection-timeout="60000" default-virtual-server="server"
    enable-lookups="false"enabled="true"id="http-listener-2" limit-processors="15"
    max-processors="20" min-processors="5" port="443"
    protocol="HTTP/1.1" security-enabled="true" server-name="" xpowered-by="true">
    </http-listener>
    

    この設定は、パッチモジュールを適用する前にドメインが起動した状態から、以下のように統合運用管理ツールを用いて変更することもできます。

    [一般]画面内のポート番号を変更します。

    運用管理コマンドによる設定も可能です。

    # cd <INSTALLDIR>
    # bin/otxadmin
    otxadmin> start-domain --remote <ドメイン名>
    otxadmin> login --user <ユーザ名> --password <パスワード> --host <ホスト名> --port <管理ポート番号>
    otxadmin> set server.http-service.http-listener.http-listener-1.port=<ポート番号>
    otxadmin> set server.http-service.http-listener.http-listener-2.port=<ポート番号>
    otxadmin> stop-domain --remote <ドメイン名>
    

3.10.2. Windowsサービスアカウント

Windows版 WebOTX ASをインストールしたときに設定されるサービスのアカウント、パスワードを変更する場合は以下のように行ってください。

例) 「WebOTX AS <バージョン番号> Agent Service」サービスのアカウント、パスワードを変更する場合:

  1. Windowsのコントロールパネルから、[管理ツール]-[サービス]を実行する
  2. 「WebOTX AS <バージョン番号> Agent Service」を選択し、右クリックでプロパティを開き、[ログオン]タブを表示する
  3. 指定されているアカウントとパスワードを指定する

指定するアカウントはAdministrators権限が必要です。また、 "サービスとしてログオン" の権限を持っている必要があります。