OLF/TP Adapterの提供する機能

ここではOLF/TP Adapterの提供する機能について説明します。

1. JCA準拠のAPI

JCAで規約されているバックエンドサーバアクセス用の標準インタフェースである CCI(Common Client Interface)をサポートしています。ここでいうバックエンドサーバ とは、ACOS-4 VIS II、TPBASEなどのEISを指します。 さらに、APコンポーネントと OLF/TP Adapter間のデータ形式についてはJCAの規約にある RecordインタフェースのIndexedRecord、MappedRecordをサポートしています。

2. バックエンドサーバとの通信

2.1. データの送受信

OLF/TP Adapterは、OLF/TP-UTプロトコル、およびOLF/TP-UWプロトコルをサポートするOLFライブラリを使用し、アプリケーションデータを送受信することができます。

2.2. 通信プロトコル

OLF/TP Adapterは、OLF/TP-UTプロトコル、OLF/TP-UWプロトコルをサポートするACOS-4 VIS II、TPBASE等との通信ができます。

OLF/TP-UTプロトコル

OLF/TP-UTプロトコルはTCP/IP上でトランザクション処理を行うためのプロトコルで、次のシステムがサポートしています。

OLF/TP-UWプロトコル

OLF/TP-UWプロトコルはOLF/TP-UTプロトコルを拡張したもので、Webシステムのように中継システムが負荷分散された場合にもクライアントとの会話を可能にしたプロトコルです。現在、次のシステムがサポートしています。

OLF/TP Adapterのサポートシステム

OLF/TP Adapterでは以下のシステムをサポートしています。

2.3. トランザクションの利用形態

OLF/TP AdapterはOLF/TPプロトコルに対して次の利用形態を想定しています。

会話型

 バックエンドサーバのTPPは、実際のクライアントとのセッションを意識して会話型の処理を行います。

一問一答型

 バックエンドサーバのTPPは、一問一答のトランザクションを実行し、セッションは意識しないか、HTTPプロトコルのクッキーのようにアプリケーションレベルの電文で意識します。

 

会話型の場合、OLF/TP Adapterは、APコンポーネントごとにバックエンドサーバとのセッションを保持して通信を行うので、バックエンドサーバのTPPは同一のクライアントからのトランザクションであることを端末識別子などにより確認することができます。

一問一答型の場合、OLF/TP Adapterは、バックエンドサーバとのセッションはステートレスオブジェクト間で共有し、構成情報にて指定した分、事前に確保してプール管理されます。セッションは一問一答のトランザクションが終わるごとにプールに戻され別のAPコンポーネントによって使われます。したがって、バックエンドサーバのTPPは会話処理を行いたい場合に、アプリケーションデータでクライアントを識別しなければなりません。

OLF/TP-UWプロトコルの場合、一問一答型と同様にステートレスオブジェクトとして動作します。OLF/TP-UWプロトコルは、ステートレス動作をしても端末識別情報をプロトコル上で運ぶのでバックエンドサーバから見ると特定のクライアントに対する会話動作が実現できます。


2.4. 業務ログインとログアウト

ACOS-4のVIS IIなどのトランザクション処理システムでは、一つのシステム上で複数の独立した業務を行うため、業務ごとにログイン・ログアウトを行う必要がある場合があります。OLF/TP Adapterは、このようなシステムに対してセッション接続時に自動的に業務ログインを行う機能を提供しています。自動ログインを使うとログアウトはセッション解放契機に自動的に行います。

また、一つのセッション内で業務へのログイン・ログアウトを繰り返してバックエンドサーバのトランザクションを実行できるように、ステートフルオブジェクトに対しては、アプリケーションから業務のログイン・ログアウトを行うことも可能です。

バックエンドサーバ側で自動ログインが指定されている場合や業務ログインを必要としない場合には、自動ログイン機能を使用しないことでログイン処理を省略してトランザクション実行を行うことができます。

2.5. コード変換

バックエンドサーバとOLF/TP Adapterが動作するサーバではプラットフォームの違いにより、コード体系が異なることがあります。OLF/TP Adapterはコード体系が異なる場合に対応して文字コードの変換機能を提供しています。

OLF/TP Adapterのコード変換種別の対応状況は次の表のとおりです。

コード変換種別
クライアント⇔バックエンドサーバ
コード変換ライブラリ
UNICODE ⇔ JIPS(E)
UNICODE ⇔ JIPS
UNICODE ⇔ シフトJIS
UNICODE ⇔ EUC

辞書変換

OLF/TP Adapterが提供するコード変換機能には、任意のコードをバックエンドサーバの任意のコードにマッピングさせて変換を行う辞書変換機能があります。辞書変換機能を使用することで外字や、禁則文字などはシステムごとに独自の変換をすることができます。


JIS2004文字対応

OLF/TP Adapter のコード変換機能はJIS2004で追加になった文字に対応していません。しかし、FontAvenue 製品「FontAvenue UniAssist JIPS文字セット」と連携することで JIS2004文字を利用可能とする機能を提供しています。別途、「FontAvenue UniAssist JIPS文字セット」を購入することで JIS2004 文字が利用可能となります。

(※) 「FontAvenue UniAssist JIPS文字セット」のバージョン等の詳細はお問い合わせください。


2.6. データ変換

OLF/TP Adapterはバックエンドサーバとのデータ変換のために、バイナリ形式データ変換機能を提供しています。また、バックエンドサーバ上のCOBOLのTPPでよく使われるパックやアンパック形式と数値文字列間の変換機能も提供しています。

エンディアン変換

バイナリ形式のデータを変換する際、バックエンドサーバとの通信データのエンディアン(BIGエンディアン/ LITTLEエンディアン)を指定できます。

パック/アンパック形式変換

パック/アンパック形式の場合、次の変換が可能です。

データ形式 符号 SIGN句の指定
アンパック形式 符号付き SIGN IS TRAILING
SIGN IS LEADING
SIGN IS TRAILING SEPARATE
SIGN IS LEADING SEPARATE
符号無し
パック形式 符号付き
符号無し

3. 非管理環境

OLF/TP Adapterを利用するAPコンポーネントがJCAコンテナ上で動作することを「管理環境で動作する」と表現します。 これに対し、APコンポーネントがJCAコンテナ以外で動作することを「非管理環境で動作する」と表現します。
OLF/TP Adapterを利用するAPコンポーネントがEJBの場合「管理環境」での動作、WebアプリケーションなどEJB以外の場合が「非管理環境」での動作となります。
OLF/TP Adapterでは非管理環境でも管理環境と同レベルのプール管理機能を提供します。

4. 非同期受信機能

OLF/TP Adapterは、バックエンドサーバからの着信接続を受け付けて非同期電文(Inboundメッセージ)をAPコンポーネントに 通知する機能を提供しています。 APコンポーネントへの通知は、Common Client Interface(CCI)を利用する方法と Java Message Service(JMS)を利用する方法の2通りをサポートしています。