5. こんなときには

この章では、本ガイドを通しサンプルアプリケーションの動作システムを構築したあとに、更なるステップアップとしてWebOTX ASが提供する有益な機能やチューニング項目とトラブル発生時の対処法について説明します。

5.1. ログの解析

WebOTXコンテナで発生した障害をログから解析する方法を説明します。

5.1.1. 監視ログの確認

MicroServiceとして動作するWebOTXでは、WebOTXの主要プロセスの起動状況が監視されており、その情報は逐次コンテナの標準出力に出力されます。そのため、コンテナが異常停止した際にそのコンテナの標準出力を確認することで停止したプロセスを特定することができます。

監視対象のプロセスは以下の通りです。

プロセス名称 (標準出力の表記) 概要

domain1

WebOTX Agentプロセスです。

rotatelogs

server.log のログローテーションを行うプロセスです。

プロセスが稼働している場合、監視ログは以下の形式で出力されます。 プロセスが停止している場合は alive ではなく dead と表示されます。

201902110517 rotatelogs is alive
201902110517 domain1 is alive

コンテナの標準出力を確認する方法は以下の通りです。

OpenShift(Webコンソール)を使う場合

対象のPodを選択し「Logs」タブを選択します。

OpenShift(コマンド)を使う場合

次のコマンドを実行します。

oc logs -c ${CONTAINER} ${POD}
Docker コマンドを使う場合

次のコマンドを実行します。

docker logs ${CONTAINER}

5.1.2. ログファイルの解析

トラブル発生時にはlogファイルの解析は非常に有効な解決の手助けとなります。 ここではWebOTXが出力するログファイルについて説明します。

WebOTXが出力するログファイルの一覧です。 全て /opt/WebOTX/domains/domain1/logs/ 配下に出力されます。

ファイル名 説明

agent.log

WebOTX ドメインのエージェントプロセス内で出力される全てのメッセージを統合したログです。

launcher.log

WebOTX ドメインの起動記録のログです。

server.log

AgentのJava VM上の標準出力、標準エラー出力に出力された内容を保持します。

server_access.log

Webコンテナへのアクセス履歴です。

diagnostics/report.csv

WebOTX ドメインのエージェントプロセスの統計レポートです。このファイルには設定によらず基本的な統計項目が出力されます。

diagnostics/optional-stats.csv

WebOTX ドメインのエージェントプロセスの統計レポートです。このファイルにはユーザが設定した任意の統計項目が出力されます。

[ トラブルシューティング > 障害解析 ] を参照し、ログに出力されたメッセージのIDなどから該当する障害がないか検索してください。

コンテナ内部のログファイルをコンテナの外にコピーして、採取する方法は以下の通りです。

OpenShift(Webコンソール)を使う場合

ログファイルの閲覧はできますが、コンテナの外にコピーすることはできません。

OpenShift(コマンド)を使う場合

次のコマンドを実行します。

oc cp -c ${CONTAINER} ${NAME_SPACE}/${POD}:opt/WebOTX/domains/domain1/logs /path/to/dest
Docker コマンドを使う場合

次のコマンドを実行します。

docker cp ${CONTAINER}:/opt/WebOTX/domains/domain1/logs /path/to/dest