16. インメモリデータグリッド連携

インメモリデータグリッド連携に関する設定について説明します。

16.1. インメモリデータグリッド連携全般の設定項目・設定方法

インメモリデータグリッド連携機能では、分散キャッシュやクラスタ間通信の基盤である Infinispan と JGroup の設定は外部の設定ファイルで定義しています。 MO では参照する設定ファイルを指定することができます。Infinispan と JGroup の詳細な動作設定を行いたい場合は、設定ファイルを直接編集してください。 なお、設定ファイルを編集した場合、反映するにはドメインの再起動が必要です。

16.1.1. インメモリデータグリッド設定

ドメイン共通の設定です。この設定を変更した場合、ドメインを再起動することにより反映されます。

Dottedname : server.data-grids

属性名
(attribute-name)
説明 既定値
Jgroupsファイル名 (Infinispan)
[ infinispan-jgroups-file ]
このドメインで使用する、${INSTANCE_ROOT}/config/datagrid/infinispan ディレクトリにある JGroups の設定ファイルを指定します。 デフォルトでは以下の環境別設定ファイルが用意されています。
  • jgroups-ec2.xml
  • jgroups-kubernetes.xml
  • jgroups-tcp.xml
  • jgroups-udp.xml
jgroups-udp.xml
クラスタ名 (Infinispan)
[ infinispan-cluster-name ]
このドメインで使用する、Infinispan のクラスタ名を指定します。 webotx-infinispan-cluster1

16.1.2. インメモリデータグリッド個別設定

データグリッドごとの設定です。

Dottedname : server.data-grids.data-grid. name

nameはデータグリッド名が設定されます。

16.1.2.1. 一般タブ
属性名
(attribute-name)
説明 既定値
名前
[ name ]
DataGrid の名前です。セッションレプリケーションや永続化サービスの data-grid-name としてこの名前を指定します。 なし
タイプ
[ type ]
DataGrid のタイプを指定します。指定できる値は以下です。
  • disabled
  • infinispan
値に infinispan を設定する場合、Infinispan のライブラリを読み込む設定をしていないとエラーになります。設定手順については [ 提供機能 > インメモリデータグリッド連携 > 事前準備 ] を参照してください。
disabled
アーキタイプ
[ archetype ]
DataGridのアーキタイプを指定します。指定できる値は以下です。
  • standard (標準)
  • high-performance (性能重視)
  • high-available (可用性重視)
この属性を変更することにより、ロードされる Infinispan の設定値が変更されます。 各アーキタイプごとの Infinispan の設定値は「 アーキタイプによる既定値の変更」を参照してください。
standard
JMXエージェント上でロードする
[ use-jmx-agent ]
エージェントプロセスでデータグリッドを動作させるかを指定します。 エージェントプロセスにデータグリッド連携を使用したアプリケーションを配備しない場合は false を指定してください。 true
全てのプロセスグループで使用する
[ use-all-processgroups ]
全てのプロセスグループでデータグリッドを動作させるかを指定します。 プロセスグループにデータグリッド連携を使用したアプリケーションを配備しない場合は false を指定してください。 true

Memo
プロセスグループにシステムプロパティ -Dcom.nec.webotx.enterprise.data-grids.data-grid-names=<データグリッド名> を 設定している場合は、 [ use-all-processgroups ] に false を設定している状態でも、そのプロセスグループに限り システムプロパティに指定したデータグリッドが使用されます。
これにより、特定のプロセスグループだけで任意のデータグリッドを実行することができます。

16.1.2.2. アーキタイプによる既定値の変更

上記既定値はアーキタイプが standard の場合のものです。データグリッド作成時のアーキタイプによって既定値が以下のように設定されます。 また、作成済みのデータグリッドのアーキタイプを変更した場合にも、以下の値に設定変更されます。

standard high-performance high-available
キャッシュモード Distributed Distributed Replicated
動作モード SYNC ASYNC SYNC
L1キャッシュ no yes no
トランザクション yes no yes
データ複製ノード数 2 2 - (全ノード)