障害解析

本編では、OLF/TP Adapterが出力するメッセージについて詳細に説明します。

1. 障害の解析方法

OLF/TP Adapterが出力するメッセージには、「イベントログ/syslog」、「トレース」とOLFライブラリの「ログ」、「トレース」があります。APコンポーネント動作中に発生した障害や動作状況はこれらのログ、トレースに出力されます。

2. イベントログ/syslog

OLF/TP AdapterはWindowsの場合はイベントログ、UNIX系OSの場合はsyslogにメッセージを出力します。OLF/TP Adapterが「イベントログ/syslog」として出力するメッセージについて説明します。

2.1. 出力形式

Windowsのイベントログ

 Windowsの場合はイベントビューアを起動し、アプリケーションログの対象となるエラーを選択し、プロパティ表示します。

 UNIXの場合はsyslogを表示し、対象のエラーを解析します。

 OLF/TP Adapterが出力するエラーメッセージの出力形式は以下の通りです。

2005-03-16 17:00:41,602 [main] ERROR - OLFCOMM_FAILURE[errcode=0x5006, reason=OTX12005006 javax.naming.NoInitialContextException:
Need to specify class name in environment or system property, or as an applet parameter, or in an application resource file:  java.naming.factory.initial.]

 errcodeとreasonによりエラー原因を解析します。この場合はerrcode=0x5006ですので[ メッセージ > エラーコード一覧 ]よりエラー概要「JNDI登録に失敗した」、対処方法「JNDIサーバを起動してください」を得ることができます。

3. OLF/TP Adapterのトレース

OLF/TP Adapterはエラー情報、通信トレースなどを取得することができます。

 非管理環境で動作する場合、トレースを取得する/しない、トレースファイル名、および、トレースファイルサイズはWebOTX固有機能定義(nec_j2ee.xml)で指定することができます。WebOTX固有機能定義の詳細については [操作方法・設定 > OLF/TP Adapter の運用手順と設定 > 設定 > WebOTX固有機能定義(nec-j2ee.xml)] を参照してください。

また、トレースのレベルは配備記述子(ra.xml)にTraceLevelを設定することにより指定できます。配備記述子の詳細については [操作方法・設定 > OLF/TP Adapter の運用手順と設定 > 設定 > 配備記述子(ra.xml)] を参照してください。


3.1. 出力形式

 OLF/TP Adapterが出力するトレースの出力形式を以下に示します。以下はトレースレベルを1(CCIインタフェースのみ出力)にした場合の例です。APコンポーネントとリソースアダプタ間のインタフェースの確認のために使用することができます。


2002/10/30 09:55:07.324 [main] ConnectionFactoryImpl.getRecordFactory()
2002/10/30 09:55:07.414 [main] ConnectionFactoryImpl.getConnection()
2002/10/30 09:55:08.391 [main] InteractionImpl.execute()
2002/10/30 09:55:08.391 [main] FunctionName=EXECUTE,InteractionVerb=1,ExecutionTimeout=-1,txid=NEC11,formatid=
2002/10/30 09:55:09.414 [main] InteractionImpl.close()
2002/10/30 09:55:09.524 [main] ConnectionImpl.close()
  

4. OLFライブラリのログ/トレース

OLFライブラリはエラー情報、通信トレースなどを取得することができます。

 OLFライブラリの通信環境定義(OLFAdapter.ini)のファイル名は配備記述子(ra.xml)にOLFConfigFileを設定することにより指定できます。配備記述子の詳細については [操作方法・設定 > OLF/TP Adapter の運用手順と設定 > 設定 > 配備記述子(ra.xml)] を参照してください。

トレースレベル、トレースファイルサイズなどの詳細情報は上記通信環境定義にて指定することができます。OLFライブラリの通信環境定義の詳細については [操作方法・設定 > OLF/TP Adapter の運用手順と設定 > 設定 > 通信環境定義(OlfAdapter.ini)] を参照してください。

4.1. 出力形式


 OLFライブラリの出力するトレースを以下に示します。以下はトレースレベルをDebugにした場合の例です。リソースアダプタとバックエンドサーバ間の送受信電文の確認のために使用することができます。

//テキスト形式

13:30:58.863.01 ConfigManager : initialized, user=1
13:30:59.033.01 olftp.OlfSocket:connect request, addr=ACOS4/12.34.56.7,port=5000,id=650

//バイナリ形式

13:31:01.036.01 olftp.OlfSocket:sendData() len = 0x30
0000 00000205 00000000  00000000 00000000    : 	................
0010 00000000 01020101  00000000 80000000    : 	................
0020 80000000 00000000  07010102 00004000    : 	................
0030                                         : 	,id=650
  

 


5. 採取情報

障害解析時には、以下のログ、設定ファイルを採取してください。

取得するログ・設定ファイル 説明(取得条件等)
イベントログ(アプリケーション、システム) 動作OSがWindowsの場合
/var/log/messages 動作OSがLinuxの場合
通信環境定義(OlfAdapter.ini)のTraceLogDirの設定値のディレクトリ配下 通信環境定義(OlfAdapter.ini)のTraceLogDirが設定されている場合
通信環境定義の詳細については [操作方法・設定 > OLF/TP Adapter の運用手順と設定 > 設定 > 通信環境定義(OlfAdapter.ini)] を参照してください。
<WebOTXのドメインディレクトリ>/logs/server.log OLF/TP Adapterを利用するAPコンポーネントが以下の管理環境で動作する場合
・WebOTX Express
・WebOTX Standardのエージェントプロセス
<WebOTXのドメインディレクトリ>/logs/tpsystem/<アプリケーショングループ名>/<プロセスグループ名>ディレクトリ配下 OLF/TP Adapterを利用するAPコンポーネントが以下の管理環境で動作する場合
・WebOTX Standardのプロセスグループ
WebOTX固有機能定義(nec-j2ee.xml)のlog-filenameの設定値 OLF/TP Adapterを利用するAPコンポーネントが非管理環境で動作する場合
WebOTX固有機能定義の詳細については [操作方法・設定 > OLF/TP Adapter の運用手順と設定 > 設定 > WebOTX固有機能定義(nec-j2ee.xml)] を参照してください。
配備記述子(ra.xml) 管理環境で動作する場合、配備されたリソースアダプタ(rar)に含まれています。
非管理環境で動作する場合、Webアプリケーション内で格納先を指定しています。
通信環境定義(OlfAdapter.ini) 配備記述子(ra.xml)にて格納先を指定しています。詳細は、 [操作方法・設定 > OLF/TP Adapter の運用手順と設定 > 設定 > 配備記述子(ra.xml)] を参照してください。
端末定義(OlfAdapter.xml) 通信環境定義(OlfAdapter.ini)にて格納先を指定しています。詳細は、 [操作方法・設定 > OLF/TP Adapter の運用手順と設定 > 設定 > 通信環境定義(OlfAdapter.ini)] を参照してください。
WebOTX固有機能定義(nec-j2ee.xml) 非管理環境で動作する場合のみ必要です。Webアプリケーション内で格納先を指定しています。

上記の記述で、「管理環境で動作」とは、APコンポーネントがJCAコンテナ上で動作することを意味します。
「非管理環境で動作」とは、APコンポーネントがJCAコンテナ以外で動作することを意味します。