13. TPモニタ |
13.1. J2SE1.4の利用について |
13.2. 既定値以外のValueファクトリを使用する場合 |
(例) ((org.omg.CORBA_2_3.ORB)orb).register_value_factory(NamesHelper.id(), new NamesValueFactory_impl());
13.3. スレッド初期化時間に関する注意事項 |
「プロセスの起動時にかかった時間」が、運用管理ツールで設定されている「スレッド初期化時間」
を超えた時は、プロセスの起動に失敗して終了します。
マルチスレッドの場合は各スレッドの初期処理を順番に行うため、
この時の「プロセスに起動時にかかった時間」とは
全スレッドでかかった時間の総計になります。
「プロセスの停止時にかかった時間」が、運用管理ツールで設定されている「スレッド初期化時間」
を超えた時には、スレッドの終了処理を打ち切って終了します。
マルチスレッドの場合は各スレッドの終了処理を順番に行うため、
この時の「プロセスに停止時にかかった時間」とは
全スレッドでかかった時間の総計になります。
13.4. オペレーション経過時間オーバに関する注意事項 |
運用管理ツールで「実行時間上限」を設定した時、 各オペレーションの処理時間がこの時間(WebOTX内部の精度は最大10秒の遅れがあります) を超えた時はプロセスを終了します。
処理時間を超えたスレッド以外のスレッドで処理中のオペレーションの完了は全て待ちあわせ、 完了したらスレッドの終了処理を行います。
13.5. signalに関する注意事項 |
UNIX版のWebOTXサーバアプリケーションの内部ではsignalが発生すると 異常処理が発生したと見なして、アボート処理を行います。 よって、現在はsignalを利用したサーバアプリケーションの作成を制限しています。
特に重大な障害事に発生する SIGILL, SIGFPE, SIGBUS, SIGSEGVや 内部制御用に使用している SIGUSR1, SIGUSR2のシグナルマスクを 変更した時の動作は保証できません。
13.6. 電文長に関する制限事項 |
WebOTXは大量のクライアントからの同時リクエストに対応し、 一台のクライアントの送受信に通信等が占有されることはシステム構築上避けるべきである、 というコンセプトの元に作成されています。
よってWebOTXサーバにおける送信および受信電文長の最大を9,999,998バイトと定めています。 これを超える通信があった時は、CORBA::IMP_LIMIT()、マイナー=LENGTH_OVER(3933)です。 Ver3.2互換動作を選択した場合CORBA::BAD_OPERATION()、マイナー=LENGTH_OVER(3933)となります。 CORBA例外の詳細化を行わない場合はCORBA::UNKNOWN()、マイナー=1041となります。
リクエスト電文長(クライアントからサーバへの要求)は、200から300バイトのヘッダ領域の後に、 inおよびinoutの引数データが続きます。このデータの大きさは型の定義と並びに依存します。 リプライ電文長(サーバからクライアントへの返却)は、40バイト前後のヘッダ領域の後に outおよびinoutの引数データが続きます。このデータの大きさも型の定義と並びに依存します。
サーバアプリケーションのトレースにて、 トレースレベル6以上に設定すると、入力電文長および出力電文長を確認することが出来ます。
13.7. IOR登録の注意事項 |
Ver5.1から名前サーバへのIOR登録は永続的に扱う事が既定値になりました。
つまり、プロセス起動時に自動で登録されません。運用管理ツールから手動で登録を行う必要があります。
プロセス起動時に自動で登録する場合は運用管理ツールから名前サーバの登録ページで一時的に扱う設定にしてください。
システムの名前サーバの登録ページでも一時的に扱う設定にすることができます。
多数を一度に登録すると名前サーバに負荷がかかります。名前サーバへの登録に失敗したりクライアント側でIOR取得に失敗したりする可能性がありますので注意してください。
インタフェース削除後のIOR削除
IORを永続的に扱う設定をしている場合、
IORの削除をしないうちにコンポーネント削除や置換によるインタフェース名の変更・削除があると、登録されたIORは無効となります。運用管理ツールからは情報が消えるため削除できなくなりますのでコンポーネント削除やインタフェース名変更前に名前サーバからIORを削除してください。
IORを一時的に扱う設定にしている場合はプロセス停止時にWebOTXが削除しますので問題ありません。
IOR削除前にインタフェース名を変更・削除してしまった場合は、実行環境のIOR削除コマンド
woiorunbindで手動削除してください。
この時指定するURLは、名前サーバホスト名の省略はできません。
URLを指定できずコマンドも使用できないという場合は、WebOTX AdministratorにインストールされるOrbManagerを起動し、手動で削除してください。
起動の方法に関しては名前サービスに登録したオブジェクトリファレンスの確認を参照してください。
ただし、このツールで表示されるURLはユーザが手動登録したIOR以外も含まれます。 WebOTXが自動登録したIORやWebOTX製品自身が動作するのに必要なIORを削除した場合、動作が不定になります。 IOR削除は極力運用管理ツールでインタフェース変更・削除前に行うか IOR削除コマンドで行ってください。どうしてもOrbManagerを使用しなければならない場合は 誤って他のIORを削除することのないよう取り扱いには十分注意してください。
13.8. ステートおよびスレッドモデルについて |
(CORBAの場合のみ)
V5.1から、ステートおよびスレッドモデルは実装単位で指定可能になりました。
これによって、プロセス単位のステートおよびスレッドモデルというモードはなくなりました。
そのため、TPSGetServerInformation()は実装クラスの延長から呼ばれた場合はその実装クラスで指定された
ステートとスレッドモデルを返しますが、実装クラス以外から呼ばれた場合はステートとスレッドモデルの
値が不定になってしまいます。
このため、互換維持のために以下の指定で互換動作するようにしました。
実装クラス以外から、TPSGetServerInformation()を使用してステートとスレッドモデルを取得する場合は、この指定
をするようにしてください。
13.9. SetTxStatus について |
(CORBAの場合のみ)
以前はSetTxStatus()を呼び出してオペレーションが異常終了した場合には、
コールバック関数 OnTPSAbort() を呼び出していませんでした。
しかし、V5.xからはこれを呼び出すように変更しました。
もしこの関数を呼び出されて問題が発生した場合には、環境変数に以下の値を設定してください。
OnTPSAbort()を呼び出さない以前の動作に変更されます。
名前 : WO_SETTXSTATUS_CMPT 値 : ON
環境変数が設定されていない場合、および値が異なる場合は従来の動作となります。
環境変数の設定はプロセスグループごとかWebOTX全体かのどちらかで設定できます。
プロセスグループごとに設定する場合は、運用管理ツールからプロセスグループ
のプロパティの環境変数に設定してください。
WebOTX全体で有効にするには、Windowsの場合はマシンのシステム環境変数に、
UNIXの場合は/opt/WebOTX/config/asenv.conf に設定してください。
13.10. 独自にスレッドを生成する場合の注意事項(Javaのみ) |
V5.xまでは、Javaプロセス停止時にJavaの明示的な停止処理を行いませんでした。
Javaの停止処理は、生成された全てのスレッド(メインスレッド以外)が停止するのを待ち合わせて
しまうため、サーバAPで独自スレッドを生成した場合にプロセスが停止しない問題が発生する
可能性があったためです。
しかしJavaの停止処理を行わない場合、Javaプロファイルの採取などができなくなってしまう
問題があったため、R6.xからはこれを呼び出すように変更しました。
そのため、独自にスレッドを生成しているようなサーバAPが登録されている場合に、プロセス
がなかなか停止しない可能性があります。
そのような場合は、プロセスグループの設定の「コマンドライン引数」に以下の値を設定
することで回避できます。
-notusedestroyjavavm
ただし、このオプションを設定しますとJavaプロファイルの機能が利用できなくなりますので ご了承ください。
13.11. Javaのクラスロードについて |
CORBAアプリケーションの場合、Javaのクラスロードの優先順は以下のようになります。
-notusewojarloader
ただし、このオプションを設定しますとコンポーネントの動的配備・配備解除機能が利用できなくなりますので ご了承ください。
J2EEアプリケーションの場合は「運用編」の「アプリケーションの配備」、 「10 J2EE アプリケーションの実行時環境」を参照してください。
13.12. 複数のJDKがインストールされている場合の注意事項 |
複数バージョンのJDKがインストールされている場合に、サーバAPのJavaプロセスが使用する JDK は以下のようにして決定されます。
使用したいJDKを変更したい場合は以下の設定を行ってください。
13.13. WebOTX R3.2以前で作成したAPを再コンパイルする場合の注意事項 |
(CORBAの場合のみ)
V4.xから、インターフェース WO_Base にサーバプロセスメッセージ通知用のオペレーション
が追加されています。
よって、R3.2以前で作成したAPでWO_Baseを継承しているものを再コンパイルする場合には
以下のようなソース修正が必要になります。
void OnTPSMessageNotified(java.lang.String mes)
void OnTPSMessageNotified(const char* mes,
CORBA::Environment& _env = Ob_default_environment())
13.14. 動的配備・配備解除の制限事項 |
起動中のプロセスグループに対してコンポーネントの配備・配備解除を行う動的配備・ 配備解除機能には、以下のような制限があります。
13.15. 共有プロパティの解放処理について(C++のみ) |
共有プロパティを使用する時、共有プロパティの削除API(WOPropertyGroup::DeleteProperty)
を呼び出しても、実際には共有メモリが削除されない問題がV5.xまではありました。
V5.xでは、オプションを用意して回避できるようにしていましたが、V6.xからはデフォルトで
共有メモリを削除するようにしました。
もしこれによって問題が発生するような場合には、プロセスグループの設定の「環境変数」に
以下の値を設定することで共有メモリを実際に削除しないV5.x以前と同様の動作にすることが
できます。
名前 : WO_NOT_DELETE_PROPERTY 値 : ON
なお、旧互換のプロセスグループの場合は共有メモリを実際に削除しないV5.x以前と同様の動作
がデフォルトになります。
プロセスグループの設定の「環境変数」に以下の値を設定することで、共有メモリを実際に削除
する動作にすることができます。
名前 : WO_DELETE_PROPERTY 値 : ON
13.16. モジュールアイドル時間について(C++のみ) |
例外ハンドルありの設定で、マルチスレッドで動作するC++アプリケーションのオペレーション呼び出しが例外すると、以降該当モジュールの「モジュールアイドル時間」が更新されなくなります。
該当プロセスグループを再起動すると、モジュールアイドル時間が更新されるようになります。
13.17. OutOfMemoryError発生時のJavaヒープ情報採取機能について(Javaのみ) |
V6.5から、OutOfMemoryErrorが発生した場合にJavaヒープの情報をAPトレースに出力する機能を提供しています。
この機能はJ2SE5.0 のJVMTIの機能を使用しているため、J2SE5.0を使用しているときのみ有効になります。
また、JVMTIのException発生時イベントを使用しているために、APの作りによって(正常系で例外が何度も発生するような
場合など)は性能に影響がある場合があります。
その場合は、プロセスグループの設定の「JavaVMオプション」-「OutOfMemoryError発生時にJavaヒープの情報を採取する」のチェックを
はずすことで無効にすることができます。
13.18. 旧バージョンの運用管理ツール・コマンドについて |
V6の運用管理ツール、コマンドではWebOTX V5の運用操作は行なえません。 また、V5の運用管理ツール、コマンドではWebOTX V6の運用操作は行なえません。
13.19. CPU情報取得機能と性能について |
V6.3以降のWebOTXでは、オペレーションのCPU情報取得機能が新規に追加されたことにより、
Solaris版とHP-UX版でV6.2と比べてオペレーションの実行性能が遅くなっています。V6.2と比較して、
HP-UX版で約4%、Solaris版で約16%遅くなっています。Windows版とLinux版ではV6.2との性能差は
ありません。V6.31以降では、このオペレーションのCPU情報取得機能を抑制し、オペレーション
呼び出しの実行性能をV6.2と同等にすることができます。
CPU情報取得を抑制するには、プロセスグループの設定の「環境変数」に 以下の値を設定し、
アプリケーショングループを再起動します。この環境変数を指定すると、オペレーションジャーナルに
記録されるオペレーションのCPU使用時間が全て0になります。オペレーションのCPU情報採取機能を
利用しない場合は、本環境変数を設定してください。
名前 : WO_NO_SAMPLING_CPUINFO 値 : ON
13.20. IPv6使用時のIPアドレス表示 |
IPv6使用時、以下の情報のIPアドレスを表示できません。
いずれの場合も、IPアドレス情報には"255.255.255.255"が表示されます。
13.21. Java VMの標準エラー出力先について |
V7.11より、Java VMの本体部分が出力する標準エラー出力が、標準出力に向けられるようになりました。
プロセスグループの属性「標準出力出力先」または「標準エラー出力出力先」の設定を、既定値の「トレースに統合する」から「出力しない」に明示的に変更している場合にのみ影響があります。
既定値設定では、どちらもトレースに統合されるため、影響はありません。
Java VMの本体部分が出力するスタックトレースは、標準出力に出力されるため、こちらも影響はありません。
Java VM上で動作するアプリケーションの標準エラー出力に対しても影響はなく、従来どおりに動作します。
13.22. Javaヒープサイズ、メモリプールサイズ、最大同時接続数の上限 |
32ビットWindowsを使用している場合、WebOTXではJavaヒープサイズとメモリプールサイズの合計は最大で700MB程度となります。また、IIOPリスナの最大同時接続数の設定可能な値はOSの制限により最大で1700程度です。
メモリプールサイズ + Javaヒープサイズ < 700MB程度 |
Javaヒープサイズは連続した領域を確保する必要があります。
ユーザアプリケーションが使用できる仮想メモリ空間はOSの制限により2GBとなっていますが、連続して確保できる領域はProcess Explorer等のツールを使用して確認すると1.4〜1.6GB程度となっています。
(連続した領域でなければ2GB程度使用可能です。)
WebOTXではユーザアプリケーションのプロセスの仮想メモリの一部領域をWebOTX制御用としてアドレス固定で確保しているため、Javaヒープサイズが確保できる連続した領域は700MB程度となります。
次の式で示されるIIOPリスナプロセスの仮想メモリ空間の制限があります。 ただし、メモリプールサイズとIIOPリスナの最大同時接続数だけで 2GB分の仮想メモリを全て使用できるわけではありません。 IIOPリスナの最大同時接続数の上限は最大1700程度となっています。
メモリプールサイズ + IIOPリスナの最大同時接続数 * 1MB < 2GB程度 |
OSで各スレッドに1MB のスタック空間が割り当てられているため、IIOPリスナの接続端末1つに1MBが必要になります。 各スレッドで必要な連続領域は1MBであり、Javaヒープサイズのように数百MBの領域を連続して確保する必要はないため、OSの制限である2GBに達するまではIIOPリスナの最大同時接続数を増やす事が可能です。
・メモリプールサイズ + Javaヒープサイズ を 700MB以上としたい場合の拡張方法
WindowsでJavaアプリケーションのみを使用している場合に限り「メモリプールサイズ + Javaヒープサイズ」の上限を900MB程度まで拡張する事が出来ます。 WebOTXを停止した状態で次のファイルのバックアップを採取後、任意の行に次の値を追加(手修正)してください。
・32ビットWindowsでJ2SE 5.0 以降を利用する場合
J2SE 5.0 以降では、ガベージコレクタのエルゴノミクスの影響で最大ヒープサイズのデフォルトが物理メモリの 1/4 か、1GB かの小さい方になります。 そのため、32ビットWindows で物理メモリ4GB(実際は3.4GB)の環境ではWebOTXのヒープサイズ制限(700MB程度)の影響によりデフォルトの最大ヒープサイズでは プロセスグループが起動しないので、必ず最大ヒープサイズを700MB程度より小さい値に設定する必要があります。