2. 基本設計

Transactionサービスを用いると、分散トランザクションに関する複雑な処理を意識せずにビジネスロジックを記述するだけで高信頼な分散トランザクションシステムを構築することができますが、それを構築する際に基本となる知識について本章では説明していきます。

 
2.1. 基本モデル

Transactionサービスを利用したシステムにおいて、基本となると考えられるモデル形態をいくつか説明します。


 
2.1.1. トランザクションの処理形態

Transactionサービスが提供するトランザクションサービスでは、トランザクション処理アプリケーションプログラムをアプリケーションの動作形態により次のように分類します。


 
2.1.2. システム構成について

Transactionサービスでは、通信基盤にCORBA準拠のORBであるObject Brokerを採用していますので、アプリケーションがネットワーク上のどこにあるかを意識する必要はありません。ネットワーク上の最適な位置にアプリケーションを再配置することができます。

従って、Transactionサービスを使うと、1台のサーバで集中して処理を行う集中型のシステムや複数サーバ・クライアントが協調して処理を行う分散型のシステムなど、さまざまな業務形態に合わせたシステムを構築することができます。

Transactionサービスを使ったトランザクションシステムの構成は基本的に次のようなものの組み合わせになります。


 
2.1.3. サーバトランザクションモデル

サーバトランザクションモデルは、新規トランザクションの生成処理をサーバオブジェクトが行う運用形態です。クライアントアプリケーションは、サーバ上でトランザクションが実行されているかどうかを意識しません。

サーバトランザクション型

詳細は「3.1.1. サーバトランザクションの場合」を参照してください。


 
2.1.4. クライアントトランザクションモデル

クライアントトランザクションモデルは、新規トランザクションの生成処理はクライアントアプリケーションで行う運用形態です。 主にrichクライアントの形態で使用します。

クライアントトランザクション型

詳細は「3.1.2 クライアントトランザクションの場合」を参照してください。


 
2.1.5. 複合形態モデル

複合形態モデルは、上記の2つの形態(サーバトランザクション、クライアントトランザクション)を自由に組み合せた運用形態です。

複合形態モデル型

詳細は「3.1.3. 複合トランザクションモデルの場合」を参照してください。