2. コンフィグレーション

2.1. はじめに

WebOTX SIP Application Server の設定方法について記載しています。

本書中では運用操作に用いるコマンドの詳細についての説明は省略しています。
コマンドの詳細は「運用編」−「運用管理コマンド」、「運用管理コマンドリファレンス」を参照してください。

2.2. システムに関する設定

WebOTX SIP Application Server のシステムに関する設定について説明します。


2.2.1. 使用するポート番号

WebOTX SIP Application Server で使用するポート番号について、次に説明します。

dottedname domain1での既定値 説明
server.http-service.sip-listener.sip-listener-1.port 5060

SIP Application Server が UDP で利用するポート

server.http-service.sip-listener.sip-listener-2.port 5060 SIP Application Server が TCP で利用するポート
server.http-service.sip-listener.sip-listener-3.port 5061 SIP Application Server が TLS で利用するポート


2.3. 設定

WebOTX SIP Application Server 固有の設定について説明します。WebOTXのドメインの設定や、Webコンテナ(Webアプリケーション)に関する設定は、WebOTXの「運用編」を参照してください。

2.3.1. 設定項目・設定方法

SIP Application Server 固有の設定項目には次のものがあります。Web/SIP統合コンテナとして、Webコンテナにも設定項目があります。Webコンテナの設定項目は、WebOTXの「運用編」を参照してください。

・コネクタ(SIPリスナ)

項目の設定方法については、WebOTXの「運用編」−「4.コンフィグレーション」−「2.各サービスの属性の設定」を参照してください。

2.3.2. 設定項目一覧

Dottedname:server.http-service.sip-listener.sip-listener-name

属性名(attribute-name) 説明 既定値
default-virtual-server リスナに関連付けされた仮想サーバ名です。
enabled リスナの活性状態を表します。 true
id リスナの識別用名です。  
limit-processors Web/SIP統合コンテナは、アクティブなリクエスト受け付けプロセッサの数が最大数に近づいた時に運用管理コンソールに警告を通知します。その閾値を設定します。 70
max-processors Web/SIP統合コンテナが生成するリクエスト受け付けプロセッサの最大数を設定します。 75
min-processors Web/SIP統合コンテナ起動時に生成するリクエスト受け付けプロセッサの数を設定します。  
port リスナがデータを受け付けるポート番号です。 TCP,UDP:5060
TLS:5061
security-enabled SSL(TLS)を利用したセキュアな通信を行うかどうかを表します。 false
transport 通信プロトコルを指定します。 UDP

Dottedname:server.http-service.sip-listener.sip-listener-name.property

属性名(attribute-name) 説明 既定値

auto-generate-timestamp

リクエストの再送時にTimeStampヘッダを自動的に付加するかどうかを指定します。 false

cache-client-connections

クライアントトランザクション終了後にソケットを閉じるかどうかを指定します。トランスポートがTCP、TLSの場合にのみ有効です。 true

cache-server-connections

サーバトランザクション終了後にソケットを閉じるかどうかを指定します。トランスポートがTCP、TLSの場合にのみ有効です。 true

log-message-content

ログに詳細なSIPメッセージを出力するかどうかを指定します。ログレベルがDEBUG以上の場合に有効です。 false

max-client-transactions

クライアントトランザクションを管理するテーブルの最大サイズを指定します。本プロパティで指定した値×0.8(つまり80%)のクライアントトランザクションを同時実行することができます。 1000

max-connections

TCP,TLSを使用する場合に同時に処理されるTCPコネクションの最大数を指定します。-1を指定した場合は上限値はありません。TCP,TLS使用時のみ有効です。 20

max-message-size

TCPコネクションが転送できるメッセージの最大サイズを指定します。4096より小さい値が設定された場合は、4096バイトで動作します。0が指定された場合は上限値はありません。トランスポートがTCP、TLSの場合にのみ有効です。 0

max-server-transactions

サーバトランザクションを管理するテーブルの最大サイズを指定します。本プロパティで指定した値×0.8(つまり80%)のサーバトランザクションを同時実行することができます。 5000

outbound-proxy

プロキシのIPアドレス、ポート、及びトランスポートを指定します。以下のように記述します。
129.1.22.333:5060/UDP
-

read-timeout

SIPメッセージの先頭バイトを読込み始めてからのタイムアウト時間をミリ秒で指定します。 -1を指定した場合は無限に待ち合わせます。トランスポートがTCP、TLSの場合にのみ有効です。 -1

thread-pool-size

UDPを使用する場合に同時に使用する最大アクティブスレッド数を指定します。-1を指定した場合は上限値はありません。UDP使用時のみ有効です。 20

use-dns

DNS検索するかをどうかを指定します。 true

use-tls-accelerator

trueを設定した場合、SocketまたはServerSocketを使用します。falseを設定した場合、SSLSocketまたはSSLServerSocketを使用します。トランスポートがTLSの場合に有効です。 false


Dottedname:server.java-config

属性名(attribute-name) 説明 既定値
jvm-options DNSサーバのIPアドレスをJVMオプションで指定します。以下の形式で指定します。
-Dcom.nec.webotx.sip.naming.provider.url=dns://xx.xx.xx.xx
(xx.xx.xx.xxはDNSサーバのIPアドレス)
2.3.3. 仮想化機能に関する設定

SIPメッセージの仮想化機能を使用する場合には、次のようにしてWebOTXのドメインの設定を変更します。

  1. otxadminコマンドを起動して、ログインする。
  2. otxadmin> set server.web-container.property.sipconv=true

仮想化機能を使用しない場合は以下のようにotxadminのsetコマンドを実行します。

  1. otxadmin> set server.web-container.property.sipconv=""

仮想化機能が設定されているかどうかは以下のようにして確認できます。

  1. otxadmin> get server.web-container.property.sipconv
仮想化機能については、3.6. SIPメッセージ仮想化機能を参照してください。
2.3.4. セッション、およびタイマオブジェクトの保存に関する設定
セッション、およびタイマオブジェクトの保存と復元機能を利用 する場合には、アプリケーション毎に nec-web.xml の設定が必要 です。 nec-web.xml の設定例を以下に示します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<nec-web-app xmlns="http://java.sun.com/xml/ns/j2ee">
  <session-config>
    <session-manager> 
      <manager-properties> 
         <property name="SipSessionFilename" value="sip_session.ser"/>
      </manager-properties> 
    </session-manager> 
  </session-config>
</nec-web-app>
"SipSessionFilename" で指定するファイルはタイマオブジェク トを保存するファイルではなく、セッションオブジェクトを保存 するファイルになります。
  セッションオブジェクト用 … "SipSessionFilename" で指定
  タイマオブジェクト用     … "siptimer.ser" 固定
つまり、タイマオブジェクトを保存したい場合、セッションオブ ジェクトの保存機能も同時に指定する事になります。これは、セ ッションとタイマが密接に関連しているためです。

セッション、およびタイマオブジェクトの保存と復元機能については 3.7. セッション、およびタイマオブジェクトの保存と復元機能を参照してください。