4. 運用

ここでは、WebOTX Webサーバの運用・操作方法について説明します。
また、特定機能を利用する場合の設定方法についても説明します。

4.1. 起動・停止

WebOTX Webサーバの起動・停止は、WebOTX Application Server のドメインの起動・停止に 連動して動作します。
WebOTX のドメインの起動・停止処理は、OS のサービスプログラムとして 動作しますので、通常、Webサーバの起動・停止だけを意識する必要はありませんが、 WebOTX Webサーバの定義情報を変更するような場合に有効です。

WebOTX のドメインが起動している状態で、WebOTX Webサーバを単独で起動・停止を行う 場合は、統合運用管理ツールから操作するか、次のコマンドを実行してください。

統合運用管理ツールからの操作

あらかじめ、統合運用管理ツールよりドメインに接続しておきます。

起動・停止方法
  1. 「WebOTX 管理ドメイン[<サーバ名>]」− 「<ドメイン名>」−「アプリケーションサーバ」−「WebServer」 を選択し、マウスを右クリックして操作メニューを表示します。 あるいは、メニューバーの[操作]を選択します。


  2. 表示されるメニューから「Webサーバの開始」を選択すると、 WebOTX Webサーバが起動します。
    また、「Webサーバの停止」を選択すると、WebOTX Webサーバが停止します。

運用管理コマンド(otxadmin)からの操作

あらかじめ、運用管理コマンドで、ドメインにログインしておきます。
otxadmin>login --user admin --passwprd adminadmin --port 6212

起動・停止方法
  1. WebOTX Webサーバを起動する場合、次のコマンドを実行します。

    otxadmin>invoke server.WebServer.start

  2. WebOTX Webサーバを停止する場合、次のコマンドを実行します。

    otxadmin>invoke server.WebServer.stop

4.2. 定義情報の参照

WebOTX Webサーバの定義情報のうち、動作に必要となる一部の必須情報を WebOTX の統合運用管理ツール および 運用管理コマンドから参照すること ができます。

統合運用管理ツールからの操作

あらかじめ、統合運用管理ツールよりドメインに接続しておきます。

定義情報の参照

  1. 「WebOTX 管理ドメイン[<サーバ名>]」− 「<ドメイン名>」−「アプリケーションサーバ」−「WebServer」 を選択し、Webサーバの各定義情報を表示します。


  2. 「定義情報」、「定義情報(SSL)」、「アクセスログ」の各タブ情報を 選択することで、各項目の情報を参照できます。

運用管理コマンド(otxadmin)からの操作

あらかじめ、運用管理コマンドで、ドメインにログインしておきます。
otxadmin>login --user admin --passwprd adminadmin --port 6212

定義情報の参照
  1. WebOTX Webサーバの定義情報を取得するには、次のコマンドを実行します。
    運用管理コマンド(またはツール)から参照可能な定義情報の一覧については、 次の表を参照してください。

    otxadmin>get server.WebServer.*

WebOTX 運用管理コマンド(ツール)から参照できる定義情報一覧

統合運用管理ツールでの属性名 Server.WebServer.* 説明
ポート番号 Port Listen 指示子の設定値を取得します。
WebOTX Webサーバが待ち合わせを行うポート番号を表します。
バージョン情報 Version Webサーバのバージョン情報を表示します。
なお、この情報は httpd.conf には定義されていません。
ServerName ServerName ServerName 指示子の設定値を取得します。
DocumentRoot DocuumentRoot DocumentRoot 指示子の設定値を取得します。
ブラウザから見えるメインのドキュメントツリーになるディレクトリを 表します。
ErrorLog ErrorLog ErrorLog 指示子の設定値を取得します。
Webサーバのエラーログの出力先を表します。
LogLevel LogLevel LogLevel 指示子の設定値を取得します。
Webサーバのエラーログの出力レベルを表します。
最大同時接続数 MaxClients UNIX版の MaxClients 指示子、あるいは Windows版の ThreadsPerChild 指示子の設定値を取得します。
クライアント(ブラウザ)から接続できる最大同時接続数を表します。
SSL(HTTPS)通信の使用の有無 security-enabled SSL(HTTPS)通信を利用するかどうかの情報です。
チェックされている(コマンドで true が返却された)場合、 SSL(HTTPS) 通信が利用可能です。チェックされていない (コマンドで false が返却された)場合、SSL(HTTPS)通信は 利用できません。
この情報は、httpd.conf に定義されていません。
HTTPS 通信用ポート番号 ssl-port SSL用の定義情報ファイルである ssl.conf に定義されている Listen 指示子の設定値を取得します。
HTTPS通信で利用するポート番号を表します。
アクセスログ出力先と出力フォーマット AccessLog CustomLog 指示子の設定値を取得します。
アクセスログの出力先と、出力するフォーマット(LogFormat)情報の ニックネーム値を表します。
「リクエスト処理時間(秒)」情報の出力 AccesslogTat アクセスログに「リクエスト処理時間」の情報が出力されるように 設定されている(LogFormat 指示子に「%T」が設定されている) かどうかの情報を取得します。
チェックされている(コマンドで true が返却された)場合、アクセスログに リクエスト処理時間(秒単位)が出力されます。 チェックされていない(コマンドで false が返却された)場合、 アクセスログにリクエスト処理時間の情報は出力されません。
アクセスログのローテーション Rotatelog アクセスログがローテーション出力されるように設定されている (CustomLog 指示子にローテーション出力が設定されている) かどうかの情報を取得します。
チェックされている(コマンドで true が返却された)場合、アクセス ログはローテーション出力を行います。チェックされていない(コマンド で false が返却された)場合、アクセスログはローテーション 出力されません。
ローテーション間隔 RotationTime 上記「アクセスログのローテーション」が設定されている場合、 そのローテーション時間(秒単位)の情報を取得します。
既定値は 864000 秒(=24 時間)です。

4.3. 定義情報の更新

通常、WebOTX Webサーバの定義情報を更新するには、httpd.conf ファイルを直接編集する必要がありますが、一部の定義情報は、 WebOTX の統合運用管理ツール および 運用管理コマンドを利用して 設定値を更新することができます。

統合運用管理ツールからの操作

あらかじめ、統合運用管理ツールよりドメインに接続しておきます。

定義情報の更新
  1. 「WebOTX 管理ドメイン[<サーバ名>]」− 「<ドメイン名>」−「アプリケーションサーバ」−「WebServer」 を選択し、Webサーバの各定義情報を表示します。


  2. 「定義情報」、「定義情報(SSL)」、「アクセスログ」の各タブ情報を 選択し、各項目の情報を更新します。
    例えば、ポート番号を 8080 に変更する場合には、現在定義されている ポート番号の項目を選択し、「編集」ボタンを押下して、出力されたダイアログ に 8080 を設定します。

  3. 「更新」ボタンを押下することで、定義情報ファイル(httpd.conf)に変更した 情報が反映されます。

  4. Webサーバの再起動 または WebOTX のドメインの再起動を行うことで、 変更した情報で Webサーバ が起動します。

運用管理コマンド(otxadmin)からの操作

あらかじめ、運用管理コマンドで、ドメインにログインしておきます。
otxadmin>login --user admin --passwprd adminadmin --port 6212

定義情報の更新
  1. WebOTX Webサーバの定義情報を取得するには、次のコマンドを実行します。
    運用管理コマンド(またはツール)から参照可能な定義情報の一覧については、 次の表を参照してください。

    otxadmin>set server.WebServer.*=xxx

    例えば、ポート番号を 8080 に変更する場合には、次のコマンドを 実行します。
    otxadmin>set server.WebServer.port=8080

  2. Webサーバ の再起動または WebOTX のドメインの再起動を行うことで、 更新された情報で Webサーバが起動します。

WebOTX 運用管理コマンド(ツール)から更新できる定義情報一覧

統合運用管理ツールでの属性名 Server.WebServer.* 説明
ポート番号 Port Listen 指示子を設定します。
WebOTX Webサーバが待ち合わせを行うポート番号を設定します。
[IPアドレス:]ポート番号 の形式で設定可能です。 また、複数の設定も可能です。
ServerName ServerName ServerName 指示子を設定します。
DocumentRoot DocuumentRoot DocumentRoot 指示子を設定します。
ブラウザから見えるメインのドキュメントツリーになるディレクトリを 設定します。
ErrorLog ErrorLog ErrorLog 指示子を設定します。
Webサーバのエラーログの出力先を設定します。
LogLevel LogLevel LogLevel 指示子を設定します。
Webサーバのエラーログの出力レベルを設定します。
最大同時接続数 MaxClients UNIX版の MaxClients 指示子、あるいは Windows版の ThreadsPerChild 指示子を設定します。
クライアント(ブラウザ)から接続できる最大同時接続数を設定します。
SSL(HTTPS)通信の使用の有無 security-enabled SSL(HTTPS)通信を利用するかどうかを設定します。
SSL(HTTPS)通信を利用する場合は、チェックを行い(コマンド では true を設定し)、SSL(HTTPS) 通信を利用しない場合は、 チェックを外します(コマンドでは false を設定します)。
HTTPS 通信用ポート番号 ssl-port SSL用の定義情報ファイルである ssl.conf に Listen 指示子を設定します。
HTTPS通信で利用するポート番号を設定します。
アクセスログ出力先と出力フォーマット AccessLog CustomLog 指示子を設定します。
アクセスログの出力先と、出力するフォーマット(LogFormat)情報の ニックネーム値を設定します。
「リクエスト処理時間(秒)」情報の出力 AccesslogTat アクセスログに「リクエスト処理時間」の情報を 出力する(LogFormat 指示子に「%T」を設定する) かどうかを設定します。
アクセスログにリクエスト処理時間(秒単位)を出力する場合、 チェックを行い(コマンドでは true を設定し)、 アクセスログにリクエスト処理時間の情報を出力しない場合、 チェックを外します(コマンドでは false を設定します)。
アクセスログのローテーション Rotatelog アクセスログをローテーション出力させるかどうかを設定します。
ローテーション出力を行う場合は、チェックを行い(コマンドでは true を設定し)、ローテーション出力を行わない場合は、 チェックを外します(コマンドでは false を設定します)。
ローテーション間隔 RotationTime 上記「アクセスログのローテーション」が設定されている場合、 そのローテーション時間(秒単位)を設定します。
既定値は 864000 秒(=24 時間)です。

4.4. 定義情報の追加

通常、WebOTX Webサーバの定義情報を更新するには、httpd.conf ファイルを直接編集する必要がありますが、WebOTX の統合運用管理 ツール および 運用管理コマンドを利用して、httpd.confファイルに 現在設定されていない定義情報を追加することができます。

統合運用管理ツールからの操作

あらかじめ、統合運用管理ツールよりドメインに接続しておきます。

定義情報の追加
  1. 「WebOTX 管理ドメイン[<サーバ名>]」− 「<ドメイン名>」−「アプリケーションサーバ」−「WebServer」 を選択し、マウスを右クリックして操作メニューを表示します。 あるいは、メニューバーの[操作]を選択します。


  2. 表示されるメニューから「定義情報の追加」を選択すると、「定義情報の追加」 ダイアログが表示されます。

  3. 「追加する定義情報」に追加する定義情報を設定します。
    定義情報は、<指示子><設定値>の形式で指定する必要があります。
    なお<指示子>だけの定義を設定する場合は、<指示子>の後に半角スペース を設定してください。

  4. 「実行」ボタンを押下することで、設定した定義情報が、定義情報ファイルに 追加されます。

  5. Webサーバの再起動 または WebOTX のドメインの再起動を行うことで、 変更した情報で Webサーバ が起動します。

運用管理コマンド(otxadmin)からの操作

あらかじめ、運用管理コマンドで、ドメインにログインしておきます。
otxadmin>login --user admin --passwprd adminadmin --port 6212

定義情報の追加
  1. WebOTX Webサーバの定義情報に情報を追加するには、 次のコマンドを実行します。

    otxadmin>invoke server.WebServer.setDirective "directive value"

    追加する定義情報は<指示子> <設定値> の形式で、 ダブルコーテーションで囲む必要があります。

    例えば、ListenBackLog 512 という定義情報を追加する場合、次のように指定します。

    otxadmin>invoke server.WebServer.setDirective "ListenBackLog 512"

    また、Win32DisableAcceptEx のような <指示子> だけの定義を追加する 場合には、<指示子> の後に半角スペースを付けて、次のように指定します。
    otxadmin>invoke server.WebServer.setDorective "Win32DisableAcceptEx "

  2. Webサーバ の再起動または WebOTX のドメインの再起動を行うことで、 更新された情報で Webサーバが起動します。

本節で説明している定義情報の追加処理は、httpd.conf ファイル に対してのみ有効です。ssl.conf ファイルに対しては、ツールやコマンドから 定義情報の追加を行うことはできません。

4.5. SSL(HTTPS通信) 設定方法

WebOTX Webサーバは、OpenSSL ライブラリを利用した mod_ssl モジュールと 連携することで、SSL プロトコルを利用した HTTPS 通信を実現することができます。
ブラウザとWebサーバ間に HTTPS 通信を利用するには、次の設定が必要です。

4.5.1. SSL通信用ライブラリのインストール

HTTPS通信を利用するには、WebOTX Webサーバ用のSSL通信用ライブラリが インストールされている必要があります。

Windows版の場合、インストール時にWebOTX Webサーバをインストールする ことを選択することで、SSL通信用ライブラリも一緒にインストールされます。
SSL 通信用ライブラリがマシンにインストールされているかの確認は、 「アプリケーションの追加と削除」(または「プログラムの追加と削除」)から 「SSL通信用ライブラリ(Webサーバ Ver1.3)」または「SSL通信用ライブラリ (Webサーバ Ver2.0)」がインストールされているかを確認してください。

UNIX版の場合、インストール時にWebOTX Webサーバのインストールを 選択すると、SSL通信用ライブラリをインストールするかどうかが 選択できます。
SSL通信用ライブラリのインストールを選択していない場合には、 次のパッケージを別途インストールしてください。

プラットフォーム バージョン パッケージ

HP-UX(IPF)

1.3

/MODSSL/HP_UX/MODSSL

2.0

/MODSSL/HP_UX/MODSSL2

Linux (x86)

1.3

/MODSSL/LINUX/modssl-2.8.xx.xx-1.i386.rpm

2.0

/MODSSL/LINUX/modssl2-2.00.xx.xx-1.i386.rpm

Linux (x64)

1.3

/MODSSL/LINUX/modssl-2.8.xx.xx-1.i386.rpm (※)

2.0

/MODSSL/LINUX/modssl2-2.00.xx.xx-1.x86_64.rpm

Solaris

1.3

/MODSSL/SUN/MODSSL

2.0

/MODSSL/SUN/MODSSL2
(※)Linux (x86) と同一パッケージです。

4.5.2. SSL設定の有効化

SSL通信用ライブラリをインストール後、SSL通信機能を有効にするために、 WebOTX Application Server の設定変更を行う必要があります。
次の手順により、設定変更を行ってください。

統合運用管理ツールからの操作

あらかじめ、統合運用管理ツールよりドメインと接続しておきます。

SSL通信の有効化

  1. 「WebOTX管理ドメイン[<ホスト名>]」-「<ドメイン名>」 -「アプリケーションサーバ」-「WebServer」を選択し、「定義情報(SSL)」 タブの「SSL(HTTPS通信)の使用の有無」をチェックします。

  2. 「更新」ボタンを押下すると、SSL設定が有効になります。
    SSLで利用するポート番号を変更する場合、 「HTTPS通信用の定義情報ファイル」の項目で表示されるファイルを 編集してください。
    または「HTTPS通信用のポート番号」の項目を更新します。

  3. WebOTX Webサーバを再起動することにより、SSL設定が有効になります。

運用管理コマンド(otxadmin)からの操作

あらかじめ、otxadminコマンドを起動し、ドメインにログインしておきます。

otxadmin>login --user admin --password adminadmin --port 6212

SSL通信の有効化

  1. WebOTX WebサーバのSSL通信を有効化するには、以下のコマンドを実行します。

    otxadmin>set server.WebServer.security-enabled=true

  2. SSL通信用のポート番号を変更するには、以下のコマンドを実行します。
    例えば、8443に変更する場合、次のコマンドを実行します。

    otxadmin>set server.WebServer.ssl-port=8443

  3. WebOTX Webサーバを再起動します。

    otxadmin>invoke server.WebServer.stop
    otxadmin>invoke server.WebServer.start

4.5.3. HTTPS 通信の接続確認

WebOTX Webサーバでは、SSL通信用ライブラリをインストールすることで、 HTTPS接続評価用の証明書ファイルと秘密鍵ファイルが同時にインストールされます。
したがって、インストール直後でもローカルマシンのブラウザからHTTPSでの接続確認が 可能です。

  1. ブラウザから次のURLを指定します。 SSL接続用のポート番号を変更している場合には、 そのポート番号も指定してください。 別マシンから接続確認を行う場合には、WebOTXをインストールした ホスト名を指定してください。

    https://localhost/manual/

  2. 例えば、Apache2.0を利用している場合、次のような画面が表示されれば、 SSLで接続できたことが確認できます。
    また、ブラウザのステータスバーに HTTPS 接続中であることを意味する 「鍵」マークが表示されていることを確認してください。

  3. ブラウザに表示される「鍵」マークをクリックすることで、 WebOTX WebサーバのSSL通信機能で利用している 証明書情報を参照することができます。
    ただし、WebOTX WebサーバのSSL通信ライブラリが インストールする本証明書は、接続確認用の自己署名証明書であるため、 以下のように「信頼された証明機関がこの証明書を確認できません」 と表示されます。
    「OK」ボタンを押下して証明書のダイアログを終了させてください。

  4. なお、Internet Explorer 7(IE 7)を利用した場合、次の画面 (IE7でのHTTPS接続画面-@)が表示されます。
    これは、IE 7で証明書のチェックが厳しくなったために 出力される情報であり、SSLでの接続ができないという 訳ではありません。
    「このサイトの閲覧を続行する(推奨されません)。」を選択すると、 さらに次の画面(IE7でのHTTPS接続画面-A)が表示され、 アドレスバーに「証明書エラー」と表示されます。
    本件は、信頼された証明機関から発行された正しい証明書 を利用することで解決します。
    次節に示す手順により、正しい証明書を入手してください。

  5. IE7でのHTTPS接続画面-@

    IE7でのHTTPS接続画面-A

4.5.4. 証明書情報の取得

次に示す手順は、 CA機関に対して証明書の発行を要求する手順の一例です。
この例では、 Linux 上で OpenSSLコマンドを利用して、秘密鍵の生成と証明書署名要求の生成を行い、 CA機関に送付して証明書を取得し、WebOTX Webサーバへ設定を行うまでの手順を記載します。
詳細については、各CA機関での証明書の取得方法(Apacheの場合)を参照してください。

Windowsで OpenSSLコマンドを利用する場合には、OpenSSLのWindows用の バイナリファイルを入手する必要があります。以下を参照してください。
   http://www.openssl.org/related/binaries.html

  1. 秘密鍵の生成
  2. /usr/local/openssl/private に 秘密鍵ファイル(server.key)を生成します。
    キー生成のために、ランダムな情報が含まれている file1〜file3 をあらかじめ用意しておいてください。

      >openssl genrsa -rand file1:file2:file3 1024 \
      -out /usr/local/openssl/private/server.key

    生成された秘密鍵ファイルにアクセス権の設定を行います。
      >chmod 400 /usr/local/openssl/private/server.key
      >chmod 700 /usr/local/openssl/private

  3. 証明書署名要求の生成
  4. 証明書著名要求 (CSR)ファイルを生成し、CA機関に送付します。

      >openssl req -new -key server.key -out server.csr

  5. 証明書ファイルの取得
  6. CA機関から返信された証明書ファイル(server.crt)を /use/local/openssl/certs に格納し、アクセス権を設定します。

      >chmod 400 /usr/local/openssl/certs/server.crt
      >chmod 700 /usr/local/openssl/certs

  7. 証明書と秘密鍵の設定
  8. 証明書ファイルと秘密鍵ファイルを、 WebOTX Webサーバに設定します。
    /opt/WebOTX/domains/domain1/conf/WebServer/ssl.confSSLCertificateFile 指示子に入手した証明書ファイルを、 SSLCertificateKeyFile 指示子に秘密鍵ファイルを設定してください。
    SSLCertificateFile /usr/local/openssl/certs/server.crt
    SSLCertificateKeyFile /user/local/openssl/private/server.key

  9. パスフレーズの取得設定
  10. 秘密鍵作成時にパスフレーズを設定している場合、証明書にアクセスするために パスフレーズの読み込み処理を設定しておく必要があります。
    SSLPassPhraseDialog 指示子を参照し、パスフレーズの設定を行ってください。 また、パスフレーズの読み込み処理を行うスクリプト(例えば、次のpass.sh のようなシェルスクリプト)等をあらかじめ用意しておく必要があります。
    なお、Windows の場合には、パスフレーズなしで秘密鍵を作成してください。

    <</usr/local/openssl/private/pass.sh(※)の内容>>
    #!/bin/sh
    echo "passphrease"
    exit 0

       (※)pass.sh はアクセス権を設定しておく必要があります。

          >chmod 500 /usr/local/private/pass.sh

  11. Webサーバの再起動
  12. 設定した内容を反映するために、WebOTX Webサーバまたは WebOTX のドメインを 再起動します。

4.6. アクセスログファイルのローテーション

WebOTX Webサーバの出力するログファイルには、 クライアントからのアクセス状況を出力するaccess.logと、 Webサーバ本体側の動作に関連した情報を出力するerror.logがあります。

既定値の設定のままでWebOTX Webサーバを長時間動作させたままにすると、 access.log に出力されるログ情報が蓄積されてディスク領域を 大きく占有する場合があります。
これを解消するために、access.logファイルを一定時間で ローテーションさせることが可能です。
次の例では、access.logファイルを24時間(86400秒)でローテーション (1日毎にaccess.logファイルを作成)させる設定方法について記載します。

統合運用管理ツールからの操作

あらかじめ、統合運用管理ツールよりドメインと接続しておきます。

アクセスログファイルのローテーション

  1. 「WebOTX管理ドメイン[<ホスト名>]」- 「<ドメイン名>」-「アプリケーションサーバ」- 「WebServer」を選択し、「アクセスログ」タブの 「アクセスログのローテーション」をチェックします。

  2. 「ローテーション間隔」にローテーション時間を設定します。

  3. 「更新」ボタンを押下することで、設定内容が定義情報ファイルに反映されます。

  4. Webサーバを再起動することにより、設定内容が反映されます。

運用管理コマンド(otxadmin)からの操作

あらかじめ、otxadminコマンドを起動し、ドメインにログインしておきます。

otxadmin>login --user admin --password adminadmin --port 6212

アクセスログファイルのローテーション

  1. WebOTX Webサーバのアクセスログのローテーション設定を有効にするには、 以下のコマンドを実行します。

    otxadmin>set server.WebServer.Rotatelog=true

  2. ローテーション時間は既定値で24時間(=86400秒)が設定されますが、 ローテーション時間を変更するには、以下のコマンドを実行します。
    例えば、1週間(=604800秒)でローテーションさせる場合は、 次のコマンドを実行します。

    otxadmin>set server.WebServer.RotationTime=604800
      

  3. 設定内容を反映するには、Webサーバの再起動が必要です。

上記の設定により、定義情報ファイルに次の設定が追加されます。
なお、統合運用管理ツール/運用管理コマンドからの操作ができない場合には、 定義情報ファイルを直接編集し、次の設定を行ってください。

(UNIX:Apache2.0)

CustomLog "|/opt/WebOTX/WebServer2/bin/rotatelogs \
/opt/WebOTX/domains/domain1/logs/WebServer/access_log 86400" common


(Windows:Apache2.0)

CustomLog "|C:/WebOTX/WebServer2/bin/rotatelogs.exe\
C:/WebOTX/domains/domain1/logs/WebServer/access.log 86400" common

上記の設定により、Webサーバの再起動を実施することで、次のログファイルが順次生成されます。
access_log.1089207300
access_log.1083293700
access_log.1083380100

作成されたファイルのうち、小さい数字のものは過去のログとなりますので、ファイルの移動/削除等が可能となります。

なお、SSL通信用の定義情報ファイル(ssl.conf)に定義されている ssl_request_logファイルに対してローテーション設定を行う場合には、直接ssl.confファイルを編集し、次の設定を行ってください。

(UNIX:Apache2.0)

CustomLog "|/opt/WebOTX/WebServer2/bin/rotatelogs \
  /opt/WebOTX/domains/domain1/logs/WebServer/ssl_request_log 86400" \
  "%t %h %{SSL_PROTOCOL}x %{SSL_CIPHER}x \"%r\" %b"


(Windows:Apache2.0)

CustomLog "|C:/WebOTX/WebServer2/bin/rotatelogs.exe \
  C:/WebOTX/domains/domain1/logs/WebServer/ssl_request_log 86400" \
  "%t %h %{SSL_PROTOCOL}x %{SSL_CIPHER}x \"%r\" %b"

 

4.7. リクエスト処理時間のログ出力

アクセスログに リクエスト処理時間の情報を出力することで、 Webサーバがそのリクエストを受け付けて、レスポンスを返却するまでの 時間を出力することができます。
この情報は、例えば、どのリクエスト(コンテンツ)に対する処理に時間が かかっているかを調査するような場合に役立つことがあります。

ここでは、access.logファイルにリクエスト処理時間を出力する設定方法 について記載します。

統合運用管理ツールからの操作

あらかじめ、統合運用管理ツールよりドメインと接続しておきます。

リクエスト処理時間の情報出力

  1. 「WebOTX管理ドメイン[<ホスト名>]」- 「<ドメイン名>」-「アプリケーションサーバ」-「WebServer」を選択し、 「アクセスログ」タブの「リクエスト処理時間(秒)情報の出力」 をチェックします。

  2. 「更新」ボタンを押下することで、設定内容が定義情報ファイルに 反映されます。

  3. Webサーバを再起動することにより、設定内容が反映されます。

運用管理コマンド(otxadmin)からの操作

あらかじめ、otxadminコマンドを起動し、ドメインにログインしておきます。

otxadmin>login --user admin --password adminadmin --port 6212

リクエスト処理時間の情報出力

  1. WebOTX Webサーバのアクセスログにリクエスト処理時間 の情報を出力するには、以下のコマンドを実行します。

    otxadmin>set server.WebServer.AccesslogTat=true

  2. 設定内容を反映するには、Webサーバの再起動が必要です。

上記の設定により、定義情報ファイルに次の設定が追加されます。
なお、統合運用管理ツール/運用管理コマンドからの操作ができない場合には、 定義情報ファイルを直接編集し、LogFormat 指示子に%T を追加してください。

LogFormat "%h %l %u %t \”%r\”%>s %b %T" common

この設定により、アクセスログには次のログ情報が出力されます。最後の項目がリクエスト処理時間(秒)となります。
なお、1秒未満でリクエスト処理が完了した場合には、0が表示されます。

(アクセスログの出力内容例)

4.8. 最大同時接続数の変更

多数のブラウザから接続要求が同時に行われた場合 (最大同時接続数を超えた場合)、次のメッセージがerror.logに出力されます。

(UNUX)
  [error] server reached MaxClients setting, consider raising the MaxClients setting

(Windows)
  [warn] Server ran out of threads to serve requests. Consider raising the ThreadsPerChild setting

最大同時接続数を増やすには、定義情報の次の設定を変更する必要があります。

統合運用管理ツールからの操作

あらかじめ、統合運用管理ツールよりドメインと接続しておきます。

最大同時接続数の変更

  1. 「WebOTX管理ドメイン[<ホスト名>]」- 「<ドメイン名>」-「アプリケーションサーバ」-「WebServer」を選択し、 「定義情報」タブの「最大同時接続数」の値を変更します。

  2. 「更新」ボタンを押下することで、設定内容が定義情報ファイルに 反映されます。

  3. Webサーバを再起動することで、設定内容が反映されます。

運用管理コマンド(otxadmin)からの操作

あらかじめ、otxadminコマンドを起動し、ドメインにログインしておきます。

otxadmin>login --user admin --password adminadmin --port 6212

最大同時接続数の変更

  1. WebOTX Webサーバの最大同時接続数を変更するには、 以下のコマンドを実行します。

    otxadmin>set server.WebServer.MaxClients=250

  2. Webサーバを再起動することで、設定内容が反映されます。

なお、最大同時接続数の値を変更した場合は、次の設定も合わせて 変更してください。

定義情報ファイルを直接編集する場合には、次の設定を変更します。

 

4.9. 特定クライアントに対するアクセス制限

特定のクライアンに対してアクセス制限をかける場合、 次の設定を追加します。
定義情報ファイルを直接編集してください。

例えば、次の設定例では、特定のフォルダごとにアクセスを許可する クライアントを設定しています。
http://server/aaa にアクセスできるクライアントは yourdomain.comに属するマシンに限定し、http://server/bbb にアクセスできるクライアントは anotherdomain.com に属するマシンに限定しています。

<Directory /opt/WebOTX/domains/domain1/docroot/aaa>
  Order Deny,Allow
  Deny form all
  Allow from yourdomain.com
  ...
</Directory>

<Directory /opt/WebOTX/domains/domain1/docroot/bbb>
  Order Deny,Allow
  Deny form all
  Allow from anotherdomain.com
  ...
</Directory>

次の設定例では、特定のフォルダに対してアクセスを拒否する クライアントを設定しています。
http://server/ccc にアクセスできるクライアントは、ccc.domain.com 以外に属するクライアントとなります。 ccc.domain.comに属するクライアントはhttp://server/cccにアクセスできません。

<Directory /opt/WebOTX/domains/domain1/docroot/ccc>
  Order Allow,Deny
  Allow from all
   Deny from ccc.domain.com
  ...
</Directory>

 

4.10. LDAP 連携

(Apache2.0) WebOTX Webサーバは、WebOTX Application Server にバンドルされている Enterprise Directory Server(EDS)と連携動作が可能であり、 EDSに登録されたエントリ情報を、HTTP認証に利用することができます。
定義情報ファイル(httpd.conf) において、次の設定を追加します。

LoadModule ldap_module "/opt/WebOTX/WebServer2/modules/mod_ldap.so
LoadModule auth_ldap_module /opt/WebOTX/WebServer2/modules/mod_auth_ldap.so

<Directory /opt/WebOTX/domains/domain1/docroot>
  AuthType Basic
  AuthName "Enter username/password."
  AuthLDAPUrl ldap://ldap-server:ldap-port/dc=users,dc=webotx,o=NEC,c=JP?uid?sub
  Require valid-user
</Directory>

上記設定により、ブラウザから http://server/ に対してアクセスが行われた場合に、次のダイアログが出力されます。
ここで LDAPサーバに登録されたユーザ/パスワード を入力することで、ブラウザからのアクセスが可能となります。

認証に失敗した場合には、次のメッセージ(HTTPステータスコード 401) がブラウザに出力されます。

4.11. IPv6/IPv4 混在環境での設定

(Apache2.0)
Windowsマシンに、IPv4 ネットワークとIPv6 ネットワーク のそれぞれのIPアドレスが設定されている環境において、 それぞれのIPアドレスに対してWebサーバでアクセス受付を行う場合、 Listen 指示子を利用して、IPv4とIPv6の それぞれのIPアドレスとポート番号を設定してください。

統合運用管理ツールからの操作

あらかじめ、統合運用管理ツールよりドメインと接続しておきます。

ポート番号の設定

  1. 「WebOTX管理ドメイン[<ホスト名>]」- 「<ドメイン名>」-「アプリケーションサーバ」-「WebServer」を選択し、 「定義情報」タブの「ポート番号」の値を更新します。
    (例:WindowsマシンのIPv4/IPv6混在環境でポート番号80を有効にする場合、 編集ボタンや追加ボタンを押下して次の情報を設定します。)
       0.0.0.0:80
       [::]:80

  2. 「更新」ボタンを押下することで、設定内容が定義情報ファイル に反映されます。

  3. Webサーバを再起動することで、設定内容が反映されます。

運用管理コマンド(otxadmin)からの操作

あらかじめ、otxadminコマンドを起動し、ドメインにログインしておきます。

otxadmin>login --user admin --password adminadmin --port 6212

ポート番号の設定

  1. WebOTX Webサーバのポート番号を変更するには、以下のコマンドを実行します。

    otxadmin>set server.WebServer.port=0.0.0.0:80,[::]:80

  2. Webサーバを再起動することで、設定内容が反映されます。

上記の操作を行うことで、定義情報ファイルには、次の設定が反映されます。

#Listen 80
 Listen 0.0.0.0:80
 Listen [::]:80

それぞれIPアドレスに対して指定したポート番号で受付可能状態に なっているかを確認するには、netstat コマンド等を利用し、設定したポート番号が LISTENING 状態となっていることを確認してください。
次の例では、 IPv4 および IPv6 のそれぞれのアドレスに対して ポート番号 80 がLISTENING 状態(リクエスト受付可能状態)になっている ことを意味します。

>netstart –an
 Proto Local Address Foreign Address State
 TCP   0.0.0.0:80         0.0.0.0:0         LISTENING
 …
 TCP   [::]:80                [::]:0             LISTENING        0
 …

 

4.12. システム環境変数の設定

(UNIX)
LoadModule 指示子を利用してモジュールの動的ロードを行う場合、 モジュールが利用するライブラリをロードするために、 あらかじめシステム環境変数(LD_LIBRARY_PATH/SHLIB_PATH等)にライブラリ情報 を登録しておく必要がある場合があります。

この場合、次のファイルに必要となるシステム環境変数の設定を 追加してください。

(Apache 2.0)
${AS_INSTALL}/WebServer2/bin/envvars
<<envvarsの内容>>

LD_LIBRARY_PATH="xxx:/opt/WebOTX/WebServer2/lib:$LD_LIBRARY_PATH"
export LD_LIBRARY_PATH

(Apache 1.3)
${INSTANCE_ROOT}/domain1/bin/apachectl
<<apachectlの内容>>

SHLIB_PATH="XXX:$SHLIB_PATH"
export SHLIB_PATH

 

4.13. 起動待ち合わせ時間の設定

WebOTX Webサーバは、WebOTX Application Server の起動と連動しており、 WebOTX Application Server の起動と同時にWebOTX Webサーバに対して、 アライブチェックモニタ機能が動作します。

WebOTX Webサーバの起動タイミングとアライブチェックモニタの 開始タイミングによっては、Webサーバが完全に起動する前に、 アライブチェックモニタ機能が動作するため、「Webサーバが起動していない」 というログが出力される場合があります。

この場合、WebOTX Application Server の JavaVM のオプションに次の設定を行うことで、Webサーバ起動後に アライブチェックモニタ機能を開始する時間(待ち合わせ時間) を秒単位で指定することができます。

あらかじめ、otxadminコマンドを起動し、ドメインにログインし、次のコマンドを実行します。

otxadmin>create-jvm-options -Dwebotx.webserver.startup_wait_count=xxx(秒単位)

4.14. WebOTX Webサーバ起動失敗時の対処方法について

WebOTX Webサーバの起動/停止は、WebOTX Application Server のドメイン起動/停止に連動していますが、ポートの重複や定義情報の設定ミス等 により、WebOTX Webサーバの起動に失敗する場合があります。

WebOTX Webサーバの起動に失敗した場合、次のファイルに エラーメッセージが出力されますので、その内容を確認し、 エラー発生箇所を修正し、WebOTX Webサーバの再起動を行ってください。

エラー出力先)
  /opt/WebOTX/domains/domain1/logs/webotx_agent.log
  /opt/WebOTX/domains/domain1/logs/WebServer/webotx_websv.log

エラーメッセージ内容)
  OTX05230002: execute ExecException occurred
  Error: com.nec.webotx.enterprise.util.ExecException: abnormal sub process termination:
  Detailed Message: Error Message

または
  OTX05230002: コマンドの実行(execute)で例外(ExecException)が発生しました。(com.nec.webotx.enterprise.syste.webserver)
  Error: com.nec.webotx.enterprise.util.ExecException: abnormal sub process termination:
  Detailed Message: Error Message

Error Message には起動に失敗した原因を意味する メッセージが出力されます。

Webサーバの起動に失敗する主な原因は次のことが考えられます。

失敗原因についての詳細については、「運用編」−「障害解析」−「機能別」−「Webサーバ(Apache HTTP Serverベース)」を参照してください。