3. アプリケーション設計

WebOTX VIS Connectorが提供するサービスについて説明します。

3.1. ステートフル、ステートレス

サーバAPデザイナでは、「ステートレス」方式と「ステートフル」方式のいずれの方式にも対応したアプリケーションを作成します。各方式について、以下に示します。

【ステートレス方式】

コネクタAPの処理部を複数のクライアントで共有し、WebOTXサーバホスト間のセションを共有する方式です。セション資源の管理を行うことができますが、同一のセションを複数のクライアントが共有するため、ホスト側でのセションによるクライアントの特定はできません。1回のメッセージ交換でトランザクションが完了する一問一答型の場合に有効です。

ステートレス方式

【ステートフル方式】

クライアントからのトランザクション要求発生毎にWebOTXサーバホスト間のセションを接続する方式です。トランザクション中、クライアントは常に特定のセションを使用するため、ホスト側でのセションによるクライアントの特定が可能です。このため、複数のメッセージ交換でトランザクションを完了する会話型の場合に有効です。

ステートフル方式

【各方式の特徴】

WebOTXへの登録 ステートレス ステートフル
セション接続/切断契機 通常、コネクタAP起動時にセション接続を実行します。切断はコネクタAP終了時に実行します。 クライアントからの処理要求発生に伴うコネクタAPクラスオブジェクト生成時にセション接続を実行、また、オブジェクト解放時にセション切断します。
クライアントとセションの対応 複数のクライアントでセションを共有します。このため、クライアントからの要求が接続セション数を越えた場合、セションが空くまで要求は待機状態になります。 1クライアントに対し、常に特定のセションが割り当てられます。このため、他のクライアントの処理状況に関係なく、処理を行うことができます。
セション数 WebOTXで設定するスレッド数に依存します。 処理中のクライアント数に依存します。

3.2. タイマ監視

コンポーネント定義画面のオプションの設定にリトライ回数およびリトライ間隔の設定があります。これらの設定値によりタイマ監視を行っています。設定されたリトライ間隔を過ぎても応答がない場合はタイムアウトし、リトライ回数まで繰り返します。詳細については、「WebOTX Connector Developerの運用」の「オプションの設定」を参照してください。

3.3. コード変換

コード変換では以下の機能をサポートしています。

3.4. 出力メッセージを統合したコネクタAP

メソッド定義画面の設定に「出力メッセージを統合する」の設定があります。「出力メッセージを統合する」をチェックした場合には以下のように出力メッセージが統合されたメソッドを持つアプリケーションを作成します。(メソッド毎に指定可能です)

出力メッセージを統合する場合

参考に以下に「出力メッセージを統合する」をチェックしない場合の出力メッセージを示します。

出力メッセージを統合しない場合

出力メッセージを統合するメソッドは想定される受信画面数が多い場合に有効です。

なお、出力メッセージを統合するメソッドの生成を選択する場合は、送信/受信画面の定義方法について注意が必要です。詳細は「注意制限事項」の「メソッド定義」を参照してください。

3.5. 通信モデル

通信管理では以下の通信モデルを提供しています。