ここではVISコネクタの提供する機能について説明します。
VISコネクタは、OLF/TPプロトコルに対応した通信機能とOLF/TP-UWプロトコルに対応した通信機能を提供しています。
OLF/TPプロトコル
OLF/TPプロトコルはTCP/IP上でトランザクション処理を行うためのプロトコルで、次のシステムがサポートしています。
OLF/TP-UWプロトコル
OLF/TP-UWプロトコルはOLF/TPプロトコルを拡張したもので、Webシステムのように中継システムが負荷分散された場合にもクライアントとの会話を可能にしたプロトコルです。現在、次のシステムがサポートしています。
バックエンドサーバとVISコネクタが動作するサーバではプラットフォームの違いにより、コード体系が異なることがあります。VISコネクタはコード体系が異なる場合に対応して文字コードの変換機能を提供しています。
VISコネクタのコード変換種別の対応状況は次の表のとおりです。
| コード変換種別 クライアント⇔バックエンドサーバ |
Java | C++ |
|---|---|---|
| UNICODE ⇔ JIS(JIPS(J)) | ○ | ○ |
| UNICODE ⇔ シフトJIS | ○ | ○ |
| UNICODE ⇔ EUC | ○ | ○ |
| UNICODE ⇔ JIPS(E) | ○ | ○ |
| シフトJIS ⇔ JIS(JIPS(J)) | − | ○ |
| シフトJIS ⇔ EUC | − | ○ |
| シフトJIS ⇔ JIPS(E) | − | ○ |
辞書変換
VISコネクタが提供するコード変換機能には、任意のコードをバックエンドシステムの任意のコードにマッピングさせて変換を行う辞書変換機能があります。辞書変換機能を使用することで外字や、禁則文字などのシステムごとに独自の変換が可能になります。
G1文字変換
G1文字の変換機能を提供しています。
本機能を使用するにはクライアントに「外字コントロール2000」が必要となります。
G1文字変換が提供するコード変換種別は以下のとおりです。
VISコネクタはバックエンドサーバとのデータ変換のために、バイナリ形式データ変換機能を提供しています。また、COBOLのTPPでよく使われるパックやアンパック形式と数値文字列間の変換機能も提供しています。
エンディアン変換
バイナリ形式のデータを変換する際、バックエンドサーバとの通信データのエンディアン(BIGエンディアン/ LITTLEエンディアン)を指定できます。
パック/アンパック形式変換
パック/アンパック形式の場合、次の変換が可能です。
| データ形式 | 符号 | SIGN句の指定 |
| アンパック形式 | 符号付き | SIGN IS TRAILING |
| SIGN IS LEADING | ||
| SIGN IS TRAILING SEPARATE | ||
| SIGN IS LEADING SEPARATE | ||
| 符号無し | − | |
| パック形式 | 符号付き | − |
| 符号無し | − |
VISコネクタはOLF/TPプロトコルに対して次の利用形態を想定しています。
会話型
バックエンドサーバのTPPは、実際のクライアントとのセッションを意識して会話型の処理を行う。
一問一答型
バックエンドサーバのTPPは、一問一答のトランザクションを実行し、セッションは意識しないか、HTTPプロトコルのクッキーのようにアプリケーションレベルの電文で意識する。
会話型の場合、VISコネクタはWebOTXのステートフルオブジェクトとして動作します。クライアントごとにバックエンドサーバとのセッションを保持して通信を行うので、バックエンドサーバのTPPは同一のクライアントからのトランザクションであることを端末識別子などにより確認することができます。バックエンドサーバとのセッションの開設(通信の開始)は、VISコネクタオブジェクトの生成時で、セッションの解放(通信の終了)はVISコネクタオブジェクトの解放時です。バックエンドサーバからの切断や通信障害によるセッション解放時は、WebOTX Connector Depeloperの指定により自動的に再接続します。
一問一答型の場合、VISコネクタはWebOTXのステートレスオブジェクトとして動作します。バックエンドサーバとのセッションはステートレスオブジェクト間で共有し、VISコネクタの動作するプロセスのスレッド多重度分(最大同時利用数分)、プロセス起動時に確保してプロセス終了時までプール管理されます。セッションは一問一答のトランザクションが終わるごとにプールに戻され別のクライアントによって使われます。したがって、バックエンドサーバのTPPは会話処理を行いたい場合に、アプリケーションデータでクライアントを識別しなければなりません。WebOTX Connector Depeloperの指定により、バックエンドサーバからの切断や通信障害によるセッション解放時にはVISコネクタ内で自動的に再接続します。
OLF/TP-UWプロトコルの場合、一問一答型と同様にWebOTXのステートレスオブジェクトとして動作します。OLF/TP-UWプロトコルは、ステートレス動作をしても端末識別情報をプロトコル上で運ぶのでバックエンドサーバから見ると特定のクライアントに対する会話動作が実現できます。
ACOS-4のVIS IIなどのトランザクション処理システムでは、一つのシステム上で複数の独立した業務を行うため、業務ごとにログイン・ログアウトを行う必要がある場合があります。VISコネクタは、このようなシステムに対してセッション接続時に自動的に業務ログインを行う機能を提供しています。自動ログインを使うとログアウトはセッション解放契機に自動的に行います。
また、一つのセッション内で業務へのログイン・ログアウトを繰り返してバックエンドサーバのトランザクションを実行できるように、ステートフルオブジェクトに対しては、アプリケーションから業務のログイン・ログアウトを行うことも可能です。
バックエンドサーバ側で自動ログインが指定されている場合や業務ログインを必要としない場合には、VISコネクタを自動ログイン無しで生成することでログイン操作を省略してトランザクション実行を行うことができます。
VISコネクタはバックエンドサーバとのトランザクションをCORBAのオペレーションにマッピングするので、バックエンドサーバとの間のトランザクションは次のものを実行することができます。
現在、バックエンドサーバからメッセージのみが出力されるようなトランザクションには対応していません。