「WebOTX Connector Depeloper」は、トランザクション電文のメッセージ形式を定義するか、バックエンドのトランザクション処理システムで使われているCOBOLのCOPY句またはACOSの画面定義情報(MFDL)を入力情報に使うことで、WebOTX上のCORBAコネクタアプリケーションを生成します。生成されたコネクタアプリケーションはバックエンドのトランザクション処理システムとの通信をラッピングして、CORBAのオブジェクトインタフェースを提供するので既存のトランザクション処理システムをアプリケーションやネットワーク上の他システムからオブジェクト部品として利用することができます。
コネクタアプリケーションのソースコードを生成するので実行時の性能が高く、必要があればソースコードをカスタマイズしてシステム要件に最適な機能を追加することもできます。
「WebOTX Connector Depeloper」は、コネクタアプリケーションの定義および生成をGUIで行うためのコネクタ開発ツールを提供しています。開発ツールは、次の機能を提供します。
GUIでメッセージを定義することで、コネクタアプリケーションを生成します。生成するアプリケーションはJavaとC++です。
Java言語
| IDLファイル: | コネクタアプリケーション外部インタフェース定義(IDLファイル) |
| ソースコード: | コネクタアプリケーションの実行ソースファイル(*.java) |
| コネクタ定義ファイル: | コネクタアプリケーション動作定義情報 |
C++言語
| IDLファイル: | コネクタアプリケーション外部インタフェース定義(IDLファイル) |
| ソースコード: | コネクタアプリケーションの実行ソースファイル(*.cpp(*.C)、*.h) |
| コネクタ定義ファイル: | コネクタアプリケーション動作定義情報 |
COBOL言語のCOPY句を利用して、コネクタアプリケーションを生成します。生成するアプリケーションはJavaとC++です。生成されるファイルは「メッセージ定義による自動生成」と同じです。

ACOSの画面定義ファイル(MFDL定義ファイル)を利用して、コネクタアプリケーションを生成します。MFDL定義ファイルからの生成は、MFDL定義ファイル中に存在するCOPY句を使う方法とMFDLの画面情報を利用する方法で生成されるアプリケーションが異なります。COPY句を使う場合は「COPY句による自動生成(インポート)」と同じです。MFDLの画面情報を使う場合はコネクタアプリケーションのパラメータは表示位置などの画面情報を含んだものになります。この場合は次のファイルが生成されます。
Java言語
| IDLファイル: | コネクタアプリケーション外部インタフェース定義(IDL) |
| ソースコード: | コネクタアプリケーションの実行ソースファイル(*.java) |
| コネクタ定義ファイル: | コネクタアプリケーション動作定義情報 |
| コネクタ連携ファイル: | 表示位置などの画面情報を格納します。 |
コネクタ連携ファイルはWebOTX WebAP JSPと連携させる場合に使用します。本ファイルをWebOTX WebAP JSPの入力情報として使用すると、Thinクライアントに対して今までと同じイメージの画面を生成します。

メッセージ定義からの自動生成の場合など、バックエンドのトランザクション処理システム開発用にCOPY句をファイルに出力することができます。
コネクタアプリケーションの生成時に指定しなければならない定義情報は次の構造をしています。
| [プロジェクト定義] | |
| +[コンポーネント定義] | → バックエンドサーバの定義/コネクタAP共通情報 |
| +[メソッド定義] | → 入力画面の定義 |
| +[パラメータ定義] | → メッセージの定義 |
WebOTX Connector Depeloperでは、コネクタアプリケーション毎に1つのコンポーネント定義を行います。一般にコネクタアプリケーションは、バックエンドサーバ上で特定の業務などの関連するトランザクションを一つにまとめたものになります。コネクタアプリケーションに必要となる定義情報は次のものです。
バックエンドサーバ名、バックエンドサーバポート、バックエンドサーバタイプ、コード種別、エンディアン種別、ログイン設定
リトライ情報(応答監視時間設定)、エラー時の返却方式(ユーザ例外通知/エラーリターン)、トレースレベル(バックエンドサーバ−コネクタAP間)、コネクタ定義ファイル格納ディレクトリ
一つのバックエンドサーバに対する複数のコネクタアプリケーションを開発する場合にバックエンドサーバ側の定義情報などを毎回指定せずに共通に利用できるようにプロジェクト定義情報、コンポーネント定義情報を保存、再利用する機能を提供しています。WebOTX Connector Depeloperで「メニュー」−「既定値として設定」を選択することによりこれらの共通情報(バックエンドサーバ情報/コネクタアプリケーション共通項目)が保存されます。保存された情報は、それ以後の「コンポーネント定義」を生成する場合の既定値になります。
コネクタアプリケーションでは1つのバックエンドサーバのトランザクションは1つのメソッドにマッピングします。メソッド定義で必要となる情報は次のものです。
バックエンドサーバの業務アプリケーションと交換するメッセージ形式の各フィールドに対して、データ変換形式、コード変換形式、などを指定することができます。
コネクタアプリケーションの実行時の動作情報として、バックエンドサーバ定義情報、業務ログイン・ログアウトの有無、ステートフル・ステートレスの有無、エラー通知方法、トレース採取情報、などを定義します。これらの情報はコネクタアプリケーション起動時にコネクタ定義ファイルから読み込まれます。変更を反映するには、コネクタアプリケーションの再起動が必要です。
生成されたコネクタアプリケーションはCORBAのサーバアプリケーションとしてそのまま利用できます。また、プロセス内呼び出しを使ってWebOTX上の他のアプリケーションプログラムからも部品として呼び出すことができます。
コネクタアプリケーションを利用するクライアントアプリケーションは、通常のCORBAアプリケーションと同様にIDLファイルをコンパイルしてスタブを生成し、これをリンクして使います。
「WebOTX WebAP JSP Developer」を使うとHTMLとIDLから、Thinクライアント向けのServlet/ JSPを生成することができ、MVCモデル2のモデル相当としてVISコネクタや、VISコネクタを使うサーバアプリケーションを利用できます。さらに、MFDL移行の場合には、コネクタ連携ファイルを利用して、ETOS端末の画面位置情報を活用したWebサーバシステムを構築することができます。