3. WebOTX VIS Connectorの運用

3.1. 概要

コネクタAPを動作させるための手順と、WebOTX VIS Connectorが提供している機能について詳細に説明します。

3.2. 運用

3.2.1. WebOTXへの登録

作成したコネクタAPを WebOTX へ登録します。
コネクタAPは各実行環境のマシン上に存在しますが、WebOTX への登録は、Windows 上の WebOTX統合運用管理ツール、もしくは、WebOTX Web 版統合運用管理コンソールから行います。

※WebOTX統合運用管理ツールで作業を行うには、あらかじめ登録用マシン上に「WebOTX Administrator」をインストールしておく必要があります。

下記に、WebOTX統合運用管理ツールを使用しての手順を記載します。
  1. WebOTX統合運用管理ツール上で、アプリケーショングループおよびプロセスグループの作成を行ってください。プロセスグループ作成時の「モジュールの種類」は「CORBA Java」を選択してください。
  2. WebOTX統合運用管理ツールを使用して、開発環境上のifファイルおよびdll(sl、so)ファイル/jarファイルをアーカイブしたcpkファイルを、コネクタAP実行環境上へ登録します。上記で作成したプロセスグループにcpkファイルを配備してください。「コンポーネントタイプ」は「CORBAアプリケーション」を選択してください
    (各ファイルは、WebOTX統合運用管理ツールにより、必要に応じて実行環境上へ複写転送されます)。
  3. コネクタAPの方式に応じて、インタフェース/アプリケーションサーバプロセスグループのプロパティに以下の設定を行います。
  4. 【C++版の場合】

    【Java版の場合】

    <ステートレスとして生成した場合>


    <ステートフルとして生成した場合>

詳しくは「WebOTX」のマニュアルを参照してください。

3.2.2. コネクタAPの起動

目的のコネクタAP を起動します。
コネクタAP の起動/終了は、Windows 上の WebOTX統合運用管理ツールから行います。

3.3. 設定

3.3.1. WebOTXへの設定

サーバAPデザイナで生成・作成したライブラリは、WebOTX のコネクタAPとして動作します。したがって、WebOTX が正しく動作するよう環境を設定しておく必要があります。
詳しくは、WebOTX のマニュアルを参照してください。

この時、各実行環境で必ず変更しなければいけない以下の項目があります。

Windows環境の場合

UNIX環境の場合


3.3.2. ホストの設定(ACOS-4)


3.3.3. コネクタ定義ファイルの設定

VISコネクタのコネクタAPは、プロセスグループのコマンドライン引数で指定したxxx.txt (C++版)、xxx.vsg(Java版)のファイルがWebOTX のインストールディレクトリの Trnsv 配下に存在した場合にコネクタ定義ファイルと見なして起動時に読み込みます。
コマンドライン引数で指定を行わなかった場合、デフォルトコネクタ定義ファイル(VISCon.vsg)を読み込みますので、WebOTX のインストールディレクトリの Trnsv 配下にWebOTX VIS ConnectorインストールディレクトリのJars配下のVISCon.vsgファイルをコピーして必要な定義を行ってください。
コネクタ定義ファイルが存在した場合、起動時の初期値にコネクタ定義ファイルの内容を反映して起動します。

コネクタ定義ファイルの定義上の注意点

コネクタAPの動作を指定するコネクタ定義ファイルのフォーマットを以下に示します。

Java版
[TRACE]            <−セクション行
TraceActivate=YES  <−定義行
FileName=Test1
Level=0
FileSize=128
[VISCON] HostName=123.45.67.89 HostPort=1234 SendRecvPacing=1 SocketRetryFlag=true RetryCnt=5 SocketTimer=10 ClientPort=5678 AutoLogin=false LoginPram = PC1 HostType = 1 OutCode = 0 DICFILE=D:\VIS_COMMON\dic\7890ChgDic.txt CODETRACE=YES CODETRCLVL=1 DATATRACE=YES InvCode=2176 CharSet-Sign=E-E VisEditMode=flex HeartBeatTxID=TXID

コネクタ定義ファイルに記述できるのは以下の項目です。

[ TRACE ] セクション

TraceActivate トレース取得有無 トレースを取得するかどうかを指定します。
   YES:トレースを取得します。
   NO:トレースを取得しません。
YESもしくはNO以外の値が設定された場合は既定値で動作します。
   (既定値:NO)
FileName トレースファイル名 トレースファイル名を指定します。
実際のトレースファイル名はFileName+時間+”.trc”となります。
省略した場合は既定値で動作します。
   (既定値:空文字列)
また、トレースファイル名を絶対パスで指定することにより出力先を指定できます。ファイル名のみの場合は、${ドメインディレクトリ}/logs/tpsystem/${アプリケーショングループ名}/${プロセスグループ名} 配下に出力されます。パスの区切り文字にはWindowsの場合は"\\"をUnix系の場合は"/"を使用してください。
Level トレース取得レベル トレース取得レベルを指定します。
  0: 概要
開放型OLF/TPの場合: 送受信データの先頭から64バイトまで出力します。
OLF/TP-UWの場合: 送受信データの先頭から128バイトまで出力します。
  1: 詳細 送受信データのすべてを出力します。
0もしくは1以外の値が設定された場合は既定値で動作します。
   (既定値:1)
FileSize トレースファイルサイズ トレースファイルのサイズを指定します。
指定できる値は8〜63999(Kバイト)です。範囲外の値が設定された場合は既定値で動作します。
   (既定値:128)

コネクタ定義ファイルをカスタマイズすることにより、以下の項目をコネクタ定義ファイルで設定することができます。

[ VISCON ] セクション

HostName ホスト名

ホスト名をIPアドレスで指定します。
   (既定値:HostName)

省略された場合は、サーバAPデザイナで定義した値が有効となります。
HostPort ホストポート

ホストのポート番号を10進数で指定します。
数字以外の文字が使用された場合は、既定値で動作します。  
alias指定はできません。
    (既定値:0)

省略された場合は、サーバAPデザイナで定義した値が有効となります。
SendRecvPacing 送達確認

送達確認を指定します。
   0:送達確認を行いません。
   1:送達確認を行います。
0もしくは1以外の値が設定された場合は既定値で動作します。
   (既定値:1)

省略された場合は、サーバAPデザイナで定義した値が有効となります。
FailureReconnect 障害後の自動再接続

TCPコネクション障害検出後の自動再接続を指定します。
   true:自動再接続を行います。
   false:自動再接続を行いません。
   (既定値:true)

SocketRetryFlag リトライ実行

送受信(ソケット)のリトライフラグを指定します。
   true:リトライします。
   false:リトライしません。
trueもしくはfalse以外の値が設定された場合は既定値で動作します。
   (既定値:false)

省略された場合は、サーバAPデザイナで定義した値が有効となります。
RetryCnt リトライ回数

送受信(ソケット)のリトライ回数を指定します。
指定できる値は1〜99(回)です。範囲外の値が設定された場合は既定値で動作します。
   (既定値:10)

省略された場合は、サーバAPデザイナで定義した値が有効となります。
SocketTimer リトライ間隔

送受信(ソケット)のリトライ間隔を指定します。
指定できる値は0〜999(秒)です。範囲外の値が設定された場合は既定値で動作します。
   (既定値:2)

省略された場合は、サーバAPデザイナで定義した値が有効となります。
リトライ間隔に0を指定するとタイムアウト値は無限となります。
ClientPort クライアントポート番号

クライアントポート番号を指定します。
数字以外の文字が使用された場合は、既定値で動作します。
alias指定はできません。
   (既定値:0)

省略された場合は、サーバAPデザイナで定義した値が有効となります。
AutoLogin 自動ログイン/ログアウト

自動ログイン/ログアウトの有無を指定します。
数字以外の文字が使用された場合は、既定値で動作します。
   true:自動ログイン/ログアウトします。
   false:自動ログイン/ログアウトしません。
   (既定値:false)

true/false以外の値が設定された場合は既定値で動作します。

本キーワードは、ステートレスで動作するコネクタAPに対してのみ有効となります。
LoginPram 業務名

ログイン時の業務名を指定します。
数字以外の文字が使用された場合は、既定値で動作します。
本キーワードは、AutoLoginがtrueの場合に有効となります。

本キーワードは、ステートレスで動作するコネクタAPに対してのみ有効となります。

HostType ホストタイプ

ホストタイプを指定します。
   0:ACOS-2
   1:ACOS-4
   2:ACOS-6
   3:Windows
   4:UNIX
   (既定値:1)

上記以外の値が設定された場合は既定値で動作します。

本キーワードは、ステートレスで動作するコネクタAPに対してのみ有効となります。
OutCode 出側コード種別

出側コード種別を指定します。
   0:JIPS(E)
   1:JIS
   2:SJIS
   3:EUC
   (既定値:0)

上記以外の値が設定された場合は既定値で動作します。

本キーワードは、ステートレスで動作するコネクタAPに対してのみ有効となります。
DICFILE 辞書テーブルファイル名

辞書テーブルファイル名をフルパスで指定します。
(Windows環境の例)
   DICFILE=D:\VIS_COMMON\dic\7890ChgDic.txt
(UNIX環境の例)
   DICFILE=/opt/WebOTX/Trnsv/7890ChgDic.txt

省略された場合は、JavaVMの環境変数に設定した値が有効となります。
CODETRACE コード変換のトレース取得の有無

コード変換のトレース取得の有無を指定します。
   YES:トレースを取得します。
   NO:トレースを取得しません。
YESもしくはNO以外の値が設定された場合は、既定値で動作します。
   (既定値:YES)

省略された場合は既定値で動作します。
CODETRCLVL コード変換のトレース取得レベルの指定

コード変換のトレース取得レベルを指定します。
   1:エラーメッセージレベル
   2:警告メッセージレベル
指定できる値は1 or 2です。1を指定するとコード変換のエラーレベル種別:VCN_FATALのエラーが、2を指定するとVCN_WARN/VCN_FATALのエラーが出力されます。
1 or 2以外の値が設定された場合は、既定値で動作します。
   (既定値:1)

省略された場合は既定値で動作します。
DATATRACE データ変換のトレース取得の有無

データ変換のトレース取得の有無を指定します。
   YES:トレースを取得します。
   NO:トレースを取得しません。
YESもしくはNO以外の値が設定された場合は、既定値で動作します。
   (既定値:YES)

省略された場合は既定値で動作します。
InvCode 文字コード変換

コード変換時に不正コードが存在した場合の置き換え文字を設定します
   全角文字のJISコード16進数4桁で指定
設定値が不正な場合は、既定値で動作します。
   (既定値:2176 「*」)

省略された場合は既定値で動作します。
CharSet-Sign アンパック形式の符号部分の文字集合&符号化種別の設定

デフォルトのアンパックタイプの文字集合/符号化種別を設定します。
   A-A:ASCII文字集合/ASCII符号化を行います。
   A-E:ASCII文字集合/EBCDIC符号化を行います。
   E-E:EBCDIC文字集合/EBCDIC符号化を行います。
A-A, A-E, E-E以外の値が設定された場合は、既定値で動作します。
   HostType=1 の場合 :(既定値:E-E)
   HostType=1 以外の場合:(既定値:A-E)

※省略された場合は既定値で動作し、VISConCnvクラスのsetCodeType()の設定によって、 アンパックタイプの文字集合/符号化種別が動的に変わります。(V5.3互換)
VisEditMode VIS画面編集モード

VIS画面編集モードを設定します。
   Yes :VIS画面編集を必ず行います。
   No :VIS画面編集を必ず行いません。
   Flex:VIS画面編集を動的に行います
設定値が不正な場合は、既定値で動作します。
   (既定値:Flex)

省略された場合は既定値で動作します。
HeartBeatTxID ハートビート用トランザクションID

ハートビートメソッドが使用するトランザクションIDを設定します。
   トランザクションID
   HostType=1 の場合 :(既定値:WEBOTX)
   HostType=1 以外の場合:(既定値:/NULL)
省略された場合は既定値で動作します。

ErrorReturnIdToPLstop トランザクション要求拒否時の論理パス切断

トランザクション要求拒否時に論理パス切断を行うか否かを設定します。
   Yes:トランザクション要求拒否時に論理パス切断を行います。
   No :トランザクション要求拒否時に論理パス切断を行いません。
設定値が不正な場合は、既定値で動作します。
   (既定値:Yes)

省略された場合は既定値で動作します。
Mode Unpackデータのゼロサプレス処理

クライアントへ送信するUnpackデータのゼロサプレス処理を行うか否か設定します。
   ETOS :ゼロサプレスを行いません。
   指定なし:ゼロサプレスを行います。
設定値が不正な場合は、既定値で動作します。
   (既定値:指定なし)

TimeoutStackTrace 受信タイムアウト時のスタックトレース出力

受信タイムアウト時のスタックトレース出力を行うか否か設定します。
   YES :スタックトレースを出力します。
   NO :スタックトレースを出力しません。
設定値が不正な場合は、既定値で動作します。
   (既定値:YES)

AutoLogoutDisabled 自動LOの抑制

クライアントから論理端末解放用のメソッドを呼ばれた際に、論理端末解放前のLOの送信を抑制するか否かを設定します。
会話型トランザクションを実行する場合は自動LOを抑制してください。
   True :論理端末解放前の「LO」の送信を抑制します。
   False :論理端末解放前の「LO」の送信を抑制しません。
設定値が不正な場合は、既定値で動作します。
   (既定値:False)

C++版
[COMMON]       <−セクション行
TraceActive=1  <−定義行
FileName=Test1
Level=3
Quantity=0
Filesize=128
[VISCON] HostName=123.45.67.89 HostPort=1234 SendRecvPacing=1 SocketRetryFlag=0 RetryCnt=100 SocketTimer=1000 ClientPort=5678

コネクタ定義ファイルに記述できるのは以下の項目です。

[ COMMON ] セクション

TraceActive トレース取得有無 トレースを取得するかどうかを指定します。
   0:トレースを取得しません。
   1:トレースを取得します。
0もしくは1以外の値が設定された場合は既定値で動作します。
   (既定値:0)
FileName トレースファイル名 トレースファイル名を指定します。
実際のトレースファイル名はFileName+時間+”.trc”となります。
省略した場合は既定値で動作します。
   (既定値:VISConn)
また、トレースファイル名を絶対パスで指定することにより出力先を指定できます。ファイル名のみの場合は、${WebOTXインストールディレクトリ}/Trnsv/logs/配下に出力されます。パスの区切り文字にはWindowsの場合は"\\"をUnix系の場合は"/"を使用してください。
Level トレース取得レベル トレース取得レベルを指定します。
   3:エラーメッセージレベル
   4:警告メッセージレベル
   5:通知メッセージレベル
   6:情報メッセージレベル
指定できる値は3〜6です。省略した場合は既定値で動作します。
   (既定値:3)
Quantity トレース取得量 トレース取得量を指定します。
  0: 概要
開放型OLF/TPの場合: 送受信データの先頭から64バイトまで出力します。
OLF/TP-UWの場合: 送受信データの先頭から128バイトまで出力します。
  1: 詳細 送受信データのすべてを出力します。
0もしくは1以外の値が設定された場合は既定値で動作します。
   (既定値:0)
Filesize トレースファイルサイズ IFトレースファイルのサイズを指定します。
指定できる値は8〜65535(Kバイト)です。範囲外の値が設定された場合は既定値で動作します。
   (既定値:128)

コネクタ定義ファイルをカスタマイズすることにより、以下の項目をコネクタ定義ファイルで設定することができます。

[ VISCON ] セクション

HostName ホスト名 ホスト名をIPアドレスで指定します。
省略された場合は、サーバAPデザイナで定義した値が有効となります。
HostPort ホストポート ホストのポート番号を10進数で指定します。
数字以外の文字が使用された場合は、既定値で動作します。
alias指定はできません。
   (既定値:0)
省略された場合は、サーバAPデザイナで定義した値が有効となります。
SendRecvPacing 送達確認 送達確認を指定します。
   0:送達確認を行いません。
   1:送達確認を行います。
0もしくは1以外の値が設定された場合は既定値で動作します。
   (既定値:1)
省略された場合は、サーバAPデザイナで定義した値が有効となります。
SocketRetryFlag リトライ実行 送受信(ソケット)のリトライフラグを指定します。
   0:リトライします。
   1:リトライしません。
0もしくは1以外の値が設定された場合は既定値で動作します。
   (既定値:0)
省略された場合は、サーバAPデザイナで定義した値が有効となります。
RetryCnt リトライ回数 送受信(ソケット)のリトライ回数を指定します。
指定できる値は0〜999(回)です。範囲外の値が設定された場合は既定値で動作します。
   (既定値:250)
省略された場合は、サーバAPデザイナで定義した値が有効となります。
SocketTimer リトライ間隔 送受信(ソケット)のリトライ間隔を指定します。
指定できる値は0〜999000(ミリ秒)です。範囲外の値が設定された場合は既定値で動作します。
   (既定値:80)
省略された場合は、サーバAPデザイナで定義した値が有効となります。
ClientPort クライアントポート番号 クライアントポート番号を指定します。
数字以外の文字が使用された場合は、既定値で動作します。
alias指定はできません。
   (既定値:0)
省略された場合は、サーバAPデザイナで定義した値が有効となります。