本章では、導入パターンについて説明します。 第2章以降では、本章で決定した構成を元に具体的に導入作業を進めます。
サーバの役割とは、特定の作業を実行するために必要なコンポーネントを論理的に分類した単位を表します。 WebOTX Portalでは、システムをスケールアップ、スケールアウトする場合に合わせて、大きく2つの役割に分かれています。 ここではサーバマシンに割り当てる役割を決定します。

図1.1-1
クライアントに対して、WebOTX Portalのユーザーインターフェイス(UI)を提供します。 任意の台数までスケールアウトさせることができます。CPU資源やメモリを多く実装したサーバマシンに役割を割り当てます。
WebOTX Portalのリソースデータ、データアクセス機能が配置されます。 後述の「リソースサーバの構成単位」で述べている組み合わせの範囲でスケールアウトすることができます。性能や容量面で十分な余力があるサーバマシンに役割を割り当てます。
各サーバは、割り当てた役割によって次のように分類されます。
Web層、リソース層を一つに割り当てたサーバ
Web層のみを割り当てたサーバ
リソース層のみを割り当てたサーバ
これらのサーバを組み合わせてシステム構成を決定します。WebOTX Portalでは、後述の「リソースサーバの構成単位」で 述べている組み合わせの範囲で任意のシステム構成が選択可能です。 全てのコンポーネントを一つのサーバに導入する「シングルサーバ構成」を基本とし、利用規模に応じてWeb層をWebサーバとして、 また、リソース層をリソースサーバとしてスケールアウトすることができます。
以下に環境規模に合わせた代表的な構成の説明および決定の指針について説明します。
全てのコンポーネントを一つのサーバに導入する構成です。
導入や運用が容易です。
Web層のCPU、メモリ消費によるボトルネックが発生しやすいです。一部のコンポーネントの問題解消のためにサーバ停止を必要とするなど可用性が低いです。
比較的小規模な環境へ導入する場合の構成です。

図1.2-1
シングルサーバ構成からWeb層を任意の台数にスケールアウトや、リソース層を分割した構成です。
Web層(任意の台数)とリソース層(ユーザデータサーバ・ディレクトリサーバ・RDBサーバ)を別サーバに分けることで、効率的な処理分散が可能となります。メンテナンスや障害発生時にサービスを完全に停止せずに一部サービスを継続することが可能です。
サーバ台数が増えるため、シングルサーバ構成に比べると管理コストが増えます。
中〜大規模な環境へ導入する場合の構成です。

図1.2-2

図1.2-3
Webサーバを構成する場合には、以下の製品をインストールする必要があります。 なお、Webサーバを複数台で構成する場合、全て同じ製品構成で構築します。
各々の製品の対応するバージョン等の情報は、[ セットアップガイド > 2. 使用上の条件 ]を参照してください。
リソースサーバは大きく以下の3つの役割に分類することができます。
ユーザデータを登録するサーバで、ユーザのアプリケーションに応じて構成することができます。
ユーザやオフィスなどのディレクトリデータが登録されるサーバで、マスタサーバとして1台、スレーブサーバとして任意の台数まで スケールアウトすることができます。
ポータルのサイト、ページ、ポートレット等の設定情報が登録されるサーバで、システム全体で1台のみ構築することができます。