TP モニタプロセス起動失敗(権限不足やファイル不足)

事象説明

    TPモニタが必要とするファイルやディレクトリにアクセス権限がなかった場合、あるいはファイルやディレクトリが不足していた場合、TPモニタは起動に失敗し、TPモニタ・マネージャも起動失敗となります。

    TPモニタ・マネージャの起動に失敗した場合、プロセスグループが起動しないため、クライアントからのユーザアクセスはエラーとなります(ユーザ実装による)

状況の確認方法

    TPモニタの起動に失敗した場合、統合運用管理ツールからTPシステムを確認すると、停止状態になっています。また、TPモニタが起動失敗したという事象については、以下に説明するイベントログ・syslogから確認することが可能です。

      OTX01180012:監視対象は起動していません。:domain1:category=monitor,type=alive-check-monitor,server=server,name=tpsystem-state
      

    足りない権限や足りないディレクトリによって、出力されるsyslogメッセージは変わります。また、統合運用管理ツールからはTPシステムあるいはアプリケーショングループが停止や起動停止処理失敗となっていることが確認できます。

    例えば、TPモニタの制御ファイルが置いてある ${INSTANCE_ROOT}/config/tpsystemに書き込み権限がない場合はsyslogに以下のメッセージが出力されます。

      WebOTX_Agent: OTX07200004 TPMonitorManager Lifecycle Startup Error. (com.nec.webotx.enterprise.system.TPMonitorManager)com.nec.webotx.enterprise.TPAClient.TPAClientException: TPA ERROR: Fri May 26 15:43:00 2006 TPS12-00911 Cannot open the temporary file:/opt/WebOTX/domains/domain1/config/tpsystem/iioplsn.ped.tmp
      WebOTX_Agent: OTX01205103: Service [com.nec.webotx.enterprise.TPMonitorManager.TPMonitorManagerLifecycle] cannot be started! : com.nec.webotx.enterprise.TPAClient.TPAClientException: TPA ERROR: Fri May 26 15:43:00 2006 TPS12-00911 Cannot open the temporary file:/opt/WebOTX/domains/domain1/config/tpsystem/iioplsn.ped.tmp
      

    TPモニタ関連のプロセスが利用するディレクトリ ${INSTANCE_ROOT}/config/tpsystem/tpsmsgがない場合はsyslogに以下のメッセージが出力されます。

      OTXM:MySystem:SYSTPP_CLS:3187: E:1:TPS04-00204 CHANGING DIRECTORY IS FAILURE. DIRNAME:/opt/WebOTX/domains/domain1/config/tpsystem/tpsmsg  ERRNO:2
      OTXM:MySystem:SYSTPP_CLS:3187: E:1:TPS04-00102 EXITBY ERROR ON INITIALIZATION.
      OTXM:MySystem::3186: W:13:TPS15-01107 Process abnormal end. PID=[3187], class[SYSTPP_CLS], ped[systpp.ped]
      

問題の検出方法

    権限不足やファイル不足によりWebOTXのプロセスが異常終了した場合は、syslogやWebOTXのログにメッセージ出力されます。イベントログメッセージに関しては、前述のメッセージの他、 [ メッセージ一覧 ] を参照してください。また、以下のような場合にこのような権限やディレクトリ不足のエラーが発生する可能性があります。

採取資料
復旧方法
  1. WebOTXを停止してください。
    otxadmin> stop-domain --force <ドメイン名>
  2. ログ内で示されたディレクトリやファイルに関して、不足している権限を付与してください。また、不足しているファイルやディレクトリを正しい状態にしてください。

  3. WebOTXを起動してください。
    otxadmin> start-domain --force <ドメイン名>
予防のための対策

    WebOTXのバックアップ保存や、それを復元する際は、WebOTX配下のディレクトリやファイルの存在に注意し、ディレクトリイメージを変えないようにしてください。圧縮ツールによっては空ディレクトリが作成されない可能性があります(例えば、${INSTANCE_ROOT}/config/tpsystem/tpsmsgディレクトリ)。

    また、CDROMからコピーしたときやファイルの編集を行うときは、必要な権限などが不足しないようにしてください。


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