本章は、V9.4より提供するマイグレーション機能を使用して、既存のAPサーバ上のシステムをWebOTXに移行する作業を支援するガイドです。
マイグレーション機能はマイグレーションアシスタントという機能群によって構成されています。マイグレーションアシスタントの詳細は [ 1.2. マイグレーションアシスタントについて ] を参照してください。
本章で対象とする移行元のAPサーバは以下のとおりです。
| 移行元APサーバ | バージョン |
|---|---|
| Tomcat | 6.0.x |
| 7.0.x | |
| WebOTX Application Server | 7.11 |
| 8.1〜8.4 |
マイグレーションアシスタントは、V9.4より提供するマイグレーション機能を実現する機能群です。マイグレーションアシスタントを使用すると、Tomcatまたは旧バージョンのWebOTXからの移行作業を短時間で容易に行うことができます。
マイグレーションアシスタントに含まれる機能は以下の通りです。
移行元の環境から設定情報を採取する機能です。以下の情報を採取します。
採取した設定情報を移行先の環境に合わせて変換する機能です。設定情報を移行先の環境に反映するために、例えば以下のような変換を行います。
併せて変換後の設定内容を一覧化したパラメータシートを出力します。
変換した設定情報を移行先の環境に反映する機能です。以下の情報を反映します。
アプリケーションのソースコードを解析し、移行先環境で互換性がないコードをチェックする機能です。非互換のコードをわかりやすく表示することで、非互換コードの修正作業を支援します。
マイグレーションアシスタントを使用した移行の流れを説明します。
マイグレーションアシスタントを使用する場合、以下の流れで移行を行います。
情報採取スクリプトを使って設定ファイルなどの設定情報を採取します。
WebOTX Developerに採取した設定情報をインポートして、移行先の設定情報に変換します。
変換結果として表示されるパラメータシートの内容を確認し、必要に応じて設定値の修正を行います。
必要に応じてアプリケーションソースの非互換チェックを行い、アプリケーションの実体ファイル(warやjarなど)を用意します。用意した実体ファイルは、変換後の設定情報に取り込みます。詳細は[ 1.2.2.2. アプリケーションの準備 ]にて説明します。
パラメータシートの内容に従い、移行先の環境にWebOTX Application Serverをインストールします。
WebOTX Developerより、設定情報とアプリケーションを移行先の環境に反映します。
設定情報の採取(手順1)は移行元の環境で、APサーバのインストール(手順5)は移行先の環境で行います。その他の作業については、WebOTX Developerをインストールした環境で行います。
移行元環境からアプリケーションを移行する場合、JDKやWebOTXのバージョン間の非互換に該当していないかソースを検証し、該当している場合は内容を確認し変更して移行先環境に配備します。
種類別に以下の対応を行います。
移行元環境構築時に利用したEclipseのアプリケーションの作成プロジェクトを準備します。
Eclipse形式のプロジェクトが無い場合、アプリケーション開発ガイド(Java EE)を参照し、アプリケーションの種類に 応じたプロジェクトを作成してください。
Eclipseのプロジェクト上でアプリケーションの非互換チェックを行います。
非互換に該当していた場合、内容を確認し必要があれば修正を行います。
修正したアプリケーションを設定情報のZIPファイルに含めて配備します。
CORBAアプリケーションは基本的にはそのまま移行できます。
移行元の環境から利用していた *.cpk/*.spk/*.so/*.dllなどのCORBAアプリケーション関連ファイルを採取します。
Caution
Linux のC++アプリケーションを移行する場合、gcc 3.xとgcc 4.xのバイナリ非互換のため、
gcc 3.x でビルドされているアプリケーションは必ず gcc 4.x で再ビルドする必要があります。
gcc 4.x で再ビルドを行わない場合、正しく移行されません。