NEC


8.5. 動作テスト(擬似障害テスト)

ポリシーを適用したところで、動作テストを行ってみます。今回は物理サーバ[esxi1]に擬似的なストレージ障害を発生させることで、[構築ガイド用のポリシー(仮想マシンサーバ VMware)]の[ハードディスク障害]イベントへの対応処置をテストします。

「ハードディスク障害」イベントの対応処置は、故障マーク設定、通報、イベントログ出力、そして、仮想マシンの他のESXiへの移動(Migration)です。テストでは、SSCのWebコンソールで擬似障害を発生させた物理サーバ[esxi1]に故障マークが付き、[esxi1]上の仮想マシンが他のESXiに移動されることを確認します。

注:

8.4.2. 物理サーバ用ポリシーの確認と適用」では、上記の仮想マシンの他のESXiへの移動(Migration)が失敗した場合は、物理サーバ[esxi1]と仮想マシンをシャットダウン(できない場合は強制停止)し、仮想マシンの再起動(Failover)を行うことを説明しましたが、今回のテストでは、ハードディスク障害発生後も物理サーバ[esxi1]が停止しておらず、移動(Migration)が成功する状況を想定したテストを実施します。

より深刻な状況については、擬似的に簡易に障害状況を作り出して実施することが難しいため、説明を省略します。

まず、Windowsの[スタート]メニューから、[Windows システムツール]→[コマンドプロンプト]をクリックします。コマンドプロンプトが起動したら、次のようにカレントディレクトリを<C:\temp>に移動します。

ssc sendeventコマンドを次のように実行し、擬似イベントを発生させます。

障害がどのように見えるか確認しましょう。

まず、画面右上の[運用]をクリックし、[運用]ビューを開きます。ツリービューの[Datacenter]グループに故障マーク(赤い×アイコン)が付いているのが確認できますので、[Datacenter]グループをクリックします。

[全般]タブの[ホスト一覧]の枠を見ると、[esxi1]が[故障]状態であることが分かります。

図 障害発生時の[運用]ビュー

[ホスト一覧]の枠の[esxi1]のリソース[esxi1.vsphere.local]をクリックし、リソースの状態を確認してみます。

下の図のように[リソース]ビューでリソース[esxi1.vsphere.local]の状態が表示されます。[マシンステータス情報]の枠を見ると、やはり[故障]であることが分かります。

図 障害発生時の[リソース]ビュー

さらに、[運用情報]の枠の[仮想パス]の[virtual:/vcenter.vsphere.local/Datacenter/esxi1.vsphere.local]をクリックし、[仮想]ビューを確認してみます。

下の図のように、[仮想]ビューのツリービュー上でも[esxi1.vsphere.local]に故障マークが表示され、故障状態にあることが分かります。さらに、各ESXiのツリーを展開すると、[esxi1.vsphere.local]の配下にあった[VM-01]が別のESXiの配下に移動していることが分かります。

ちなみに、擬似障害の投入直後の仮想マシンの移動が完了していない場合、[esxi1.vsphere.local]の配下に[VM-01]が残っていることがあります。その場合は、しばらく時間をおいてから右側[操作]メニューの[画面更新]をクリックし、仮想マシンが移動したことを確認してください。

また、各ESXiで稼動している仮想マシンの一覧は、中央の[稼動中VM一覧]の枠でも見ることができます。

図 障害発生時の[仮想]ビュー

次に、[esxi1.vsphere.local]の[運用情報]の枠の[ハードウェアステータス]の[(状態詳細)]をクリックしてみます。

[esxi1.vsphere.local]の[状態詳細]が表示され、[状態一覧]の枠の[ストレージ接続性]の状態が[故障]となっていることが分かります。

図 [esxi1.vsphere.local]の状態一覧の画面

テストの確認が終了しましたので、最後に、[仮想]ビューで故障状態を解除し、[esxi1.vsphere.local]の配下に戻すために[VM-01]と[VM-02]を移動します。

ツリービューの[esxi1.vsphere.local]をクリックし、[esxi1.vsphere.local]を選択状態にします。左の[操作]メニューから[故障状態の解除]をクリックすると、故障状態がクリアされ、ステータスが[正常]に変わります。

次に、[esxi1.vsphere.local]の配下への仮想マシンの移動(Migration(vMotion))を行います。

5.5. 手動での仮想マシンの移動(Migration(vMotion))」に記載の方法でも可能ですが、今回は、タイムライン機能を利用して行ってみましょう。

タイムライン機能では、運用グループ内のマシンの状態や仮想マシンの配置に関する過去からの経過の情報がわかりやすく表示されます。

今回のテストでの障害の発生タイミングや障害前後の仮想マシンの配置も、簡単に確認することができます。また、過去の仮想マシンの配置に1度の操作で簡単に元に戻すことが可能です。

まず、[運用]ビューのツリービューにある[Datacenter]をクリックした後、[タイムライン]タブをクリックして、タイムライン画面を表示します。

今回のテストにおける変更の履歴を確認するために、画面の上側にあるタイムラインの表示部でマウスのスクロールボタン(ホイール)によるスクロールを行なったり、[拡大]のアイコンをクリックしたりして、表示期間を拡大して次の画面のように表示します。

前述で説明しました[esxi1.vsphere.local]に対して、[故障状態の解除]を実行した後の状態が表示されています。

図 [esxi1.vsphere.local]の故障状態を解除した後の仮想マシンの配置

履歴の詳細は、以下のように確認することができます。

次に、タイムラインの表示部上で数字が14の赤丸より前の日時をクリックすると、次の画面のように擬似障害テストを実施する前の[Datacenter]グループの仮想マシンの配置が表示されます。

この画面から、次の操作を行うと擬似障害テスト実施前の仮想マシンの配置に戻すことができます。

仮想マシンが移動する時間をしばらく待ち、[仮想]ビュー上のツリービューなどで[esxi1.vsphere.local]に[VM-01]と[VM-02]が移動したことを確認します。仮想マシンの移動がツリービューに反映されていない場合は[操作]メニューの[画面更新]をクリックしてみてください。

図 擬似障害テスト前の仮想マシンの配置