[運用]ビューへの管理対象マシンの自動登録機能は、VMware(vCenter Server管理)環境、Hyper-Vクラスタ環境の管理対象マシンについて、[運用]ビューの登録まで、自動的に行う機能です。
基本的な[運用]ビューへの管理対象マシンの登録の考え方については、「1.2.13. [運用]ビューへの登録」を参照してください。
以下について、説明します。
VMware(vCenter Server管理)環境、Hyper-Vクラスタ環境にて、サブシステム設定の[マシンを運用グループへ自動登録する]のチェックをオンにした場合、収集による管理対象マシンの登録が、[運用]ビューまで自動的に行われます。
また、追加の条件でDeploymentManagerとSystemMonitor性能監視の登録も自動で行うことが可能です。
DeploymentManagerのサブシステムを登録すると[運用]ビューに登録された仮想マシンは収集の操作時に自動でDeploymentManagerに登録が行われます。※仮想マシンサーバはDeploymentManagerの自動登録の対象外です。
サブシステム設定の[マシンの性能監視を有効にする]のチェックもオンにすると、上記により自動登録されるマシンの性能データ収集設定が自動で行われ、SystemMonitor性能監視への登録が自動で行われます。
自動登録の処理は次のように実行されます。
収集の操作により、仮想化基盤製品に登録されている管理対象マシンは、[リソース]/[仮想]ビューに登録が行われます。通常の収集処理の場合は、ここで終了しますが、 [マシンを運用グループへ自動登録する]のチェックがオンの場合は、続いて、次の処理が行われます。
[運用]ビュー上でカテゴリ(初回のみ)、グループ(初回のみ)、マシンの割り当て先となるホスト設定が自動作成されます。
また、[マシンの性能監視を有効にする]のチェックがオンの場合、グループの性能データ収集設定が有効になるように設定されます。
マスタマシン登録が自動実行され、上記で作成されたホストにマシンの割り当てが行われます。
DeploymentManagerのサブシステムが登録されている場合、収集の操作のタイミングで自動登録された仮想マシンはDeploymentManagerにも登録が行われます。
[マシンの性能監視を有効にする]のチェックがオンの場合、性能データ収集の設定もされているため、マシンがSystemMonitor性能監視に反映され、性能データ収集が開始します。
[マシンを運用グループへ自動登録する]と[マシンの性能監視を有効にする]のチェックは、既定ではオフのため、本機能の利用を行う場合は明示的に有効にする必要があります。
サブシステムの設定で[マシンを運用グループへ自動登録する]のチェックをオフにした場合は、チェックがオフ中の間は、自動登録は行われません。[リソース]ビューに登録された管理対象を、[マスタマシン登録]などの操作でホスト定義に割り当てて、[運用]ビューに登録する必要があります。
サブシステムの設定で[マシンの性能監視を有効にする]のチェックをオフにした場合は、チェックがオフ中の間は、性能監視設定は行われません。別途、運用グループなどの設定を追加する必要があります。
NEC Hyper Converged System Console(NEC HCS Console)から、サブシステムのvCenter Serverの登録を行った場合、[マシンを運用グループへ自動登録する]と[マシンの性能監視を有効にする]のチェックは既定でオンとなります。
稼動中のマシン、グループプールに追加されているマシン、管理外のマシンは、対象外になります。
管理対象マシンの自動登録時は、電源OFFであっても管理対象マシンの自動起動は行われません。マスタマシン登録やリソース割り当ての操作など手動操作のときのみ、自動起動が実行されます。
自動登録処理は、収集のジョブの最後に行われますが、進捗率が100%の状態でも処理が完了していないので注意してください。ジョブの状態が「Success」になったとき、処理が完了します。
[運用]ビューに自動登録が行われる仮想マネージャ(サブシステム)の種類は以下です。
VMware vCenter Server
Hyper-V Cluster
上記以外の配下のマシンについては、[運用]ビューへの管理対象マシンの登録は、マスタマシン登録やリソース割り当てなどで手動で行う必要があります。
[運用]ビューに自動登録が行われる操作は、次のとおりです。
サブシステムの追加時に実行される収集処理
サブシステムに対する[収集]操作
定期収集、全収集
データセンタ、仮想マシンサーバに対する[収集]操作
※操作のデータセンタ、仮想マシンサーバが所属しているサブシステム下の管理対象マシンについて、自動登録が行われます。
サブシステムが新規に登録されたとき、[運用]ビュー直下に自動登録用のカテゴリ、および、その配下にデータセンタごとに仮想マシンサーバと仮想マシンのグループが作成されます。
仮想マシンサーバのグループには、ポリシー/データセンタの設定やリソースプールの作成が自動的に行われます。
また、上記の自動登録用のグループ配下には、自動登録の処理ごとに管理対象マシンごとにホストが作成され、マシンリソースの割り当てが行われます。
自動登録の利用の流れは次のとおりです。
仮想化基盤製品(VMware vCenter Server、Hyper-V Cluster)の初期構築を行います。
vCenter Serverの場合、インストールなどvCenter Server環境の構築を行います。vSphere Clientでデータセンタの作成も行います。
Hyper-V Clusterの場合、フェールオーバー クラスター マネージャーを使用してクラスターの作成まで行う必要があります。
SigmaSystemCenterのサブシステムの設定にて、「VMware vCenter Server」、または、「Hyper-V Cluster」のサブシステムを[マシンを運用グループへ自動登録する]のチェックをオンにして登録します。
サブシステム登録時、[運用]ビュー上には仮想マネージャ(サブシステム)の名前でカテゴリが作成され、その配下に、[仮想]ビュー上のデータセンタの名前が使用されて仮想マシンサーバと仮想マシンのグループが自動的に作成されます。
仮想化基盤製品上に管理対象マシンの登録が行われている場合は、仮想化基盤製品上の名前で管理対象マシンの自動登録も行われます。
サブシステム登録後に仮想化基盤製品上で設定を行った場合は、前述の各種の[収集]の操作で反映することが可能です。
自動登録された運用グループ上の構成を[グループ移動]や[グループ変更]の操作で変更しないでください。
構成を変更すると変更後の自動登録の処理が正常に動作できなくなります。ただし、カテゴリ名、グループ名の変更は可能です。
登録されたグループ、管理対象マシンに対して、SigmaSystemCenterでの運用内容に合わせたカスタマイズの設定を行います。
自動登録で登録される運用グループやホスト、マシンは、シンプルな運用が行われる前提で既定の設定が行われます。また、マシンの個別のアカウントの設定など、自動登録時に取得できない情報については設定を行うことができません。
そのため、自動登録が行われた後に、別途、運用のカスタマイズや個別の設定を行う必要があります。変更観点について、以下を参照してください。
登録される仮想マシンサーバと仮想マシンの運用グループの設定、および変更観点について、以下に説明します。
登録される運用グループの名前について
仮想マシンサーバのグループは、[仮想]ビュー上のデータセンタの名前で作成されます。
仮想マシンのグループは、[仮想]ビュー上のデータセンタの名前に"_VM"が付加された名前で作成されます。
既に同一名のグループがある場合は、名前の後ろに[x](xは数字)が付加されてグループが作成されます。
カテゴリと仮想マシンサーバと仮想マシンのグループについて、初期登録された名前から変更することが可能です。
ただし、仮想マシンサーバと仮想マシンのグループについて、一度名前を変更すると同期対象のvCenter Serverの構成を変更しても、自動で名前が反映されなくなりますので注意してください。
カテゴリ名については、名前変更の有無に関わらず、サブシステムの仮想マネージャ名の変更は反映されません。
仮想マシンサーバのグループ
既定の設定について
次の設定でグループの自動登録が行われます。
OS種別 | 仮想マシンサーバグループの[ホストプロファイル]タブのOS種別が自動的に以下で設定されます。
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リソースプール | 仮想マシンサーバグループの自動登録時にリソースプールは自動的に次の設定で作成されます。
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ポリシー | 「標準ポリシー(仮想マシンサーバ ステータス設定)」が設定されます。 |
データセンタ | 所属するデータセンタが設定されます。 |
性能データ収集設定 | [マシンの性能監視を有効にする]のチェックがオンの場合、以下の設定が行われます。 仮想マシンサーバグループの自動登録時に次の性能監視の設定が自動的に行われます。
注:
上記の通り、仮想マシンサーバグループのグループのアカウントとパスワードの設定は自動では未設定となりますので注意してください。 以下を参照して、SystemMonitor性能監視が性能データ収集のために仮想マシンサーバにアクセスするための設定を行ってください。
SigmaSystemCenterのWebコンソール上の各画面で設定可能なアカウントとパスワードは、以下の優先順でSystemMonitor性能監視に反映されます。
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追加や変更が必要な設定について
次の利用を行う場合は設定変更が必要です。
障害監視・復旧機能を使用する場合 | グループプロパティの[全般]タブで、利用内容に合わせたポリシーの指定変更が必要です。 指定の可能な標準ポリシーについては、「2.4.1. 管理対象の種類別の利用可能な監視機能について」の「(2)仮想マシンサーバ」を参照してください。 SigmaSystemCenterの仮想マシンサーバの障害復旧の動作については、「4.8. 仮想環境の障害対応について」を参照してください。 |
VM最適配置・VM配置制約機能を使用する場合 | グループプロパティの[VM最適配置]タブや[VM配置制約]タブなどの設定変更が必要です。 「4.7. 仮想マシンの配置管理」の説明を参照してください。 |
仮想マシンのグループ
既定の設定について
次の設定でグループの自動登録が行われます。
OS種別 | 仮想マシングループの[ホストプロファイル]タブのOS種別が自動的に以下で設定されます。
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[DPMサーバ]の設定 | グループプロパティの[全般]タブの[DPMサーバ]の設定について、以下のいずれかの条件を満たす項目の設定が自動的に行われます。[DPMサーバ]の設定は自動登録先のDeploymentManagerの設定として使用されます。
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性能データ収集設定 | [マシンの性能監視を有効にする]のチェックがオンの場合、以下の設定が行われます。 仮想マシングループの自動登録時に次の性能監視の設定が自動的に行われます。
注:
上記の通り、仮想マシンサーバグループのグループのアカウントとパスワードの設定は自動では未設定となります。 Hyper-V Clusterの仮想マシンの性能データ収集は、ゲストOS経由で収集のため、管理対象マシンに直接アクセスするためのアカウントとパスワードを明示的に設定する必要がありますので注意してください。 自動登録後に、SigmaSystemCenterのWebコンソールの運用グループ、モデル、またはホスト設定の [性能監視] タブ設定で、アカウント名/パスワードを設定してください。 なお、VMware vCenter Serverの仮想マシンの性能データ収集は、VMware ESXi経由で収集する性能情報が設定されますので、仮想マシンサーバ側の設定が必要です。 |
追加や変更が必要な設定について
次の利用を行う場合は設定変更が必要です。
障害監視・復旧機能を使用する場合 | グループプロパティの[全般]タブで、利用内容に合わせたポリシーの指定変更が必要です。 指定の可能な標準ポリシーについては、「2.4.1. 管理対象の種類別の利用可能な監視機能について」の「(3)仮想マシン」を参照してください。 |
仮想化基盤製品側で登録されている管理対象マシンが、[収集]の操作でSigmaSystemCenterに自動登録されたときの設定や登録後に追加や変更が必要な項目について、説明します。
登録されるマシン名・ホスト名について
仮想化基盤製品側で管理されているマシン名で作成されます。
マシン名がIPアドレス形式の場合、"."をハイフン("-")に変換します。
上記以外でホストで使用できない文字は、削除されます。マシン名がホストで使用できない文字のみで構成されていた場合、名前は"host"になります。
仮想マシンサーバ
既定の設定について
次の設定でマシンやホストの登録が行われます。
マシンプロパティ設定 | 既定で設定される項目はありません。後述のBMCの設定実施を推奨します。 |
ホスト設定 |
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追加や変更が必要な設定について
既定の設定から追加や変更が必要な項目は以下のとおりです。
BMCの設定(推奨) | マシンプロパティ設定の[アカウント情報]タブにて、管理対象マシンのBMCに接続するための設定を行う必要があります。 |
ESMPRO/ServerManagerへの登録作業 | ESMPRO/ServerManagerのWebGUI上で[コンポーネントの追加] - [自動登録]などの操作で手動登録します。 VMware(vCenter Server管理)環境や Hyper-Vクラスタ環境の場合、ESMPRO/ServerManagerへの登録は基本的に必要ありませんが、ローカルディスク監視などの利用を行う場合は手動登録が必要です。「1.2.16. ESMPRO/ServerManagerへの登録について」を参照してください。 |
DeploymentManagerへの登録作業 | PXEブート/DPMクライアントによる自動登録やUUIDとMACアドレス指定による手動登録により、DeploymentManagerに登録します。 起動(Wake On LAN)やバックアップ・リストアやファイル配信などDeploymentManagerの機能を使用する場合は、DeploymentManagerに管理対象マシンの登録が必要です。「1.2.18. DeploymentManagerへの管理対象マシンの登録について」を参照してください。 |
仮想マシン
既定の設定について
マシンプロパティ設定 | 既定で設定される項目はありません。 |
ホスト設定 |
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自動登録により登録された管理対象マシンが仮想化基盤製品上で削除された場合、[収集]の操作でSigmaSystemCenterに反映するとSigmaSystemCenter上で削除の処理が自動的に行われます。SigmaSystemCenterの[運用]/[リソース]/[仮想]ビューから削除されます。
ただし、DeploymentManagerにも当該マシンを手動で登録している場合は、削除手順に注意が必要です。後述の説明を参照してください。
その他、削除に関連する動作は次のとおりです。
サブシステムで[マシンを運用グループへ自動登録する]のチェックをオンにしたサブシステムを削除した場合、[運用]ビューで稼動していたマシンが削除されます。
自動登録で作成されたグループ配下で稼動しているマシンが1台もない場合、そのグループは削除されます。
自動登録で作成したカテゴリ配下にグループが存在しない場合は、カテゴリも削除されます。
DeploymentManagerのサブシステムが登録されている環境では、自動登録が行われた管理対象マシンがDeploymentManagerに登録されている場合、削除の順番によっては、管理対象マシンの登録の自動削除が実行されない場合がありますので注意してください。
DeploymentManagerにマシンを登録している場合は、次のようにすべてのサブシステム上の登録を削除した後に収集を行ってください。
各サブシステム上の登録を削除
仮想化基盤製品から、管理対象マシンの登録を削除
DeploymentManagerから、管理対象マシンの登録を削除
[収集]の操作
次のように、DeploymentManagerから削除しないで収集を行ってしまうと、自動削除が実行されなくなります。
仮想化基盤製品から、管理対象マシンの登録を削除
[収集]の操作
DeploymentManagerから、管理対象マシンの登録を削除
[収集]の操作
上記により、登録が残ってしまった場合は、[運用]ビュー上で管理対象マシンに対して[割り当て解除]の操作を実行し、[運用]ビュー上のホストに対するマシンのリソースの割り当て状態の解除を実行する必要があります。
また、上記[割り当て解除]の操作では、[リソース]/[仮想]ビュー上の登録は残った状態になりますので、最後に[収集]の操作も再度実行する必要があります。