レポート機能の利用における以下の各ステップについて説明します。
管理するシステムを構築します。レポート作成に必要なデータが収集されるように監視設定が必要となります。
次のような作業が必要となります。
対象マシンの登録
レポート対象となるマシンを運用グループに登録します。「1.2.13. [運用]ビューへの登録」を参照してください。
対象マシンの性能監視設定
SystemMonitor性能監視から取得したマシン性能データをレポートファイルに出力するために、運用グループの[性能監視]タブで対象のマシンの性能監視設定を行います。性能監視設定の詳細については、「1.2.17. SystemMonitor性能監視への登録の反映」を参照してください。
監視プロファイルを指定することにより、使用する性能情報やその監視方法を設定します。監視プロファイルについては、「2.7.3. SystemMonitor性能監視の概要 - 性能履歴情報の収集、蓄積、閲覧、閾値監視」を参照してください。
既定(「7.2.1. 作成可能なレポートの種類」参照)では、以下の監視プロファイルで定義された性能情報を使用します。対象のマシンの種別に応じて以下の監視プロファイルを指定します。
マシン種別 | 監視プロファイル |
---|---|
仮想マシンサーバ | [Builtin](For Report)VMServer Monitoring Profile |
仮想マシン | [Builtin](For Report)VM Monitoring Profile[Hypervisor] または [Builtin](For Report)VM Monitoring Profile[VM OS] |
物理マシン | [Builtin](For Report)Physical Machine Monitoring Profile |
上記の仮想マシン用の監視プロファイル[Builtin](For Report)VM Monitoring Profile[Hypervisor]では、仮想化基盤(仮想マシンサーバ)経由で取得する性能情報が定義されています。これらの性能情報はゲストOSから見た性能値とは異なるもので、Hyper-V/KVMでは取得できないもの(ゲストディスクRead/Writeなど)も一部あります。これに対して[Builtin](For Report)VM Monitoring Profile[VM OS]ではゲストOS経由で取得する性能情報が定義されています。使用する性能情報に応じていずれかの監視プロファイルを選択してください。[Builtin](For Report)VM Monitoring Profile[VM OS]を使用する場合は、対象の仮想マシンに対して後述の監視用アカウントの設定を行う必要があります。
性能データの収集方法の違いについては、「2.7.7. SystemMonitor性能監視の性能データ収集の動作」を参照してください。
既定のレポートで表示される性能情報の変更・追加が必要な場合、レポート定義ファイルおよびレポートテンプレートファイルをカスタマイズ、および、監視プロファイルの設定変更が必要です。カスタマイズ方法については、「7.3. レポートのカスタマイズ」、「2.7.5. 監視プロファイルのカスタマイズ(性能情報や閾値監視の設定変更)」を参照してください。
SystemMonitor性能監視の管理サーバのIPアドレスとポート番号を設定します。(既定では127.0.0.1:26200)「2.7.6. SystemMonitor性能監視のシステム構成」を参照してください。
マシンの監視用アカウントの設定を行います。
仮想マシンサーバ、および、OS経由で性能情報を取得する各マシンに対して、監視用アカウント(ユーザ名・パスワード)を指定します。指定した監視用アカウントが各対象マシンで有効になっている必要があります。また、情報取得のためのサービスの設定およびファイアウォールの設定などを行う必要があります。詳細については、「SystemMonitor性能監視 ユーザーズガイド」の「1.7.3. 監視対象マシン側の設定について」を参照してください。
仮想マシン用の監視プロファイル[Builtin](For Report)VM Monitoring Profile[Hypervisor]の場合、仮想化基盤製品(仮想マシンサーバ)経由で取得する性能情報が設定されているため、仮想マシンに対しては監視用アカウントの設定は不要です。ただし、仮想マシンが動作する仮想マシンサーバに対して監視用アカウントを設定する必要があります。詳細については「2.7.7. SystemMonitor性能監視の性能データ収集の動作」の「(2)VMware ESXi経由の収集」を参照してください。
リソースプールの履歴データ蓄積設定
初期設定では、リソースプールの登録が行われるとSystemMonitor性能監視に自動登録され、リソースプールの履歴データが自動的に蓄積されるようになっています。収集間隔やSystemMonitor性能監視の管理サーバの場所を変更する場合は、「SigmaSystemCenter コンフィグレーションガイド」の「5.10.6. リソースプールの履歴データ蓄積をするには」や「2.7.6. SystemMonitor性能監視のシステム構成」を参照してください。
既定のレポート定義ファイル(「7.2.1. 作成可能なレポートの種類」参照)では以下の種別がリソースプールの履歴データを必要とします。
仮想マシンサーバグループ
仮想マシングループ
SystemMonitor性能監視の性能データの保存期間設定の見直し
レポート作成の運用内容に合わせて、性能データの保存期間の設定変更が必要な場合は変更します。
性能データの保存期間の設定はSystemMonitorデータ管理ツールを使用します。使用方法は「SystemMonitor性能監視ユーザーズガイド」の「7.1. 性能データ管理ツール」を参照してください。
性能データの保存期間の設定は既定では以下のようになっています。レポート作成時には、指定したデータの間隔(ssc create report コマンドの -interval オプション)と同じか直近の短い間隔のデータの種類が使用されます。レポート作成時に使用するデータの種類の保存期間を超えた分の性能データをレポートに出力することはできませんので、必要に応じて設定を変更してください。
データの種類(データの間隔) | 保存期間 |
---|---|
収集データ(収集間隔の指定に依存) | 3日間 |
5分集計データ | 1週間 |
15分集計データ | 2か月間 |
1時間集計データ | 3か月間 |
1日集計データ | 5年間 |
たとえば、毎月、前月の月次レポート作成を行う運用の場合、レポート作成時に使用するデータの種類は前月のデータが保存されるようにしておく必要があります。レポート作成時に指定するデータの間隔を既定の15分とする場合、本指定で使用される15分集計データの保存期間の既定は2か月となっているため設定変更は不要です。
なお、性能データの保存期間を増やした場合、その分データの保存に必要な容量が増えますので、ディスクの空き容量不足が発生しないように注意してください。データ容量の見積もり方法については、「SystemMonitor性能監視ユーザーズガイド」の「9.9.1. 性能データ保存のために必要なディスク容量の見積もり」を参照してください。
対象環境の通常運用に伴い、実行したジョブや受信イベント・運用ログなどの履歴データ、マシンの性能データ、リソースプールの使用状況の履歴データなどがSigmaSystemCenterに蓄積されていきます。
対象環境についてSigmaSystemCenterが保持するデータや「(2)レポート作成用データの更新、蓄積(通常の運用)」で蓄積されたデータなどからレポートファイルを作成します。
レポートファイルの作成は、Webコンソールの[運用]ビュー(運用グループ/ホストの[レポート]タブ)から実行することができます。
また、SigmaSystemCenter管理サーバ上で ssc create report コマンドを実行することによっても作成可能です。
作成したレポートファイルは、SigmaSystemCenter管理サーバ上の <SystemProvisioningのインストールフォルダ>\ReportDocument フォルダに出力されます。
レポートファイルの出力先フォルダは以下のレジストリ値によって変更することができます。
キー : HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\NEC\PVM\ReportDocument
値 (型) : OutputDir (REG_SZ)
<SystemProvisioningのインストールフォルダ>下のフォルダ名、または、任意のフォルダの絶対パス
既定値は "ReportDocument"
上記レジストリ値によってレポートファイルの出力先フォルダを変更した場合は、合わせて以下の設定を行う必要があります。
SigmaSystemCenter管理サーバ上で「インターネット インフォメーション サービス (IIS) マネージャー」を開く。
Webサイト(既定では[Default Web Site])/Provisioning の下にある ReportDocument を選択する。
「仮想ディレクトリの管理」から「詳細設定」をクリックする。
「詳細設定」ダイアログの「物理パス」に変更後の出力先フォルダのパスを入力し、「OK」をクリックする。
レポートファイルの作成によってSigmaSystemCenter管理サーバのディスク容量が圧迫されることを防ぐため、作成可能なレポートファイルの最大合計サイズを上限値として設定することができます(既定値:2GB)。
Webコンソールの[管理]ビューの[環境設定]([その他]タブ)より、必要に応じて設定を変更してください。
作成したレポートファイルを Microsoft Excel がインストールされたコンピュータにダウンロードし、表示します。
レポートファイルは、Webコンソールの[運用]ビュー([レポート]タブ)からダウンロードすることができます。