SigmaSystemCenterで管理する仮想マシンを構築する方法として、効率性、簡易度、利用局面が異なる次の5つの方法があります。
複数の仮想マシン構築のために、SigmaSystemCenterにより一連の作業を自動で行う。
エクスポートしておいたファイルをインポートして、仮想マシンを作成する。
残存している既存ディスクを使用して、仮想マシンを作成する。
SigmaSystemCenterを使用して空の仮想マシンを作成した後、OSのインストールなどを手動で行う。
SigmaSystemCenter以外のツールを使用して仮想マシンを構築した後、SigmaSystemCenterに仮想マシンを登録する。
上記のいずれの方法においても、構築後の仮想マシンに対する運用管理が実施できるように、最終的にSigmaSystemCenterのWebコンソールの[運用]ビュー上に登録されるように作業を行います。仮想マシンを[運用]ビューに登録することにより、障害時の復旧処理やVM最適配置などSigmaSystemCenterの主要な機能を利用することができるようになります。
各方法について、詳細に説明します。
テンプレートを使用した新規リソース割り当ての操作により、仮想マシンの作成、OSのインストール、固有情報の反映など、仮想マシンを構築するために行う一連の作業を自動で行うことができます。
これにより、大量の仮想マシンの構築作業を、短時間で効率的に実施することが可能となります。
また、新規作成だけではなく、作成済みの仮想マシンに対する変更も再構成の操作で効率的に実施することが可能です。
ただし、次の図のように、雛型となるマスタVMを作成したり、テンプレート(イメージ)、マシンプロファイル、ホストプロファイルの設定、イメージ展開の準備などの多くの事前作業が必要となります。
詳細な構築例については、「1.4.12. イメージ展開の利用例-物理マシン展開、HW Profile Clone (DPM) -」、「1.4.13. イメージ展開の利用例-Full Clone、Disk Clone、Differential Clone (vCenter Server) -」、「1.4.14. イメージ展開の利用例-Disk Clone、Differential Clone (DPM) -」を参照してください。
任意の仮想マシンから事前にエクスポートしておいたファイルをインポートして仮想マシンを作成し、[運用]ビューに登録する方法です。
仮想マシンからエクスポートしたファイルは、直接移動ができない複数システム間の仮想マシンの移行や、仮想マシンの復元の用途で利用することができます。また、SigmaSystemCenterは各仮想化基盤製品で標準で提供されるファイル形式(OVAやVHD)に対応しているため、他の管理ツール上でエクスポートしたファイルから仮想マシンを作成するときにも利用できます。
[運用]ビューではマスタマシン登録と新規リソース割り当てでインポートの指定を行うことができます。新規リソース割り当てでは操作実行時に固有情報の反映を行うことができます。新規リソース割り当ては、VMwareとHyper-Vで利用することができます。
未使用の既存ディスクを使用して、仮想マシンを作成する方法です。
何らかの理由で削除が必要になった仮想マシンを再度作成するときに利用できます。仮想マシン作成に使用する既存ディスクは、元の仮想マシンを削除するときに削除しないで残しておく必要があります。
既存ディスクを使用した仮想マシンの作成は、[仮想]ビュー上で既存ディスクを使用した仮想マシンを作成した後にマスタマシン登録を行うか、[運用]ビュー上でマシンプロファイルに既存ディスクを設定して新規リソース割り当てを行うか、2つの方法があります。
本方法では、以下の図のように、SigmaSystemCenterでOSがインストールされていない空の仮想マシンを作成した後、OSのインストールなどは手動で作業を行います。構築中に多くの手作業が必要となりますが、シンプルかつ手軽に利用できることがメリットです。
この方法では、OS手動インストールの指定ありで新規リソース割り当ての操作を実行します。
SigmaSystemCenter以外のツールで構築した仮想マシンに対して、SigmaSystemCenterのVM最適配置や障害時の自動復旧機能などの運用管理の機能を利用できるようにするために、SigmaSystemCenterの[運用]ビューに登録する方法です。
このケースでは、以下の図のように、SigmaSystemCenterに仮想マシンを登録し、マスタマシン登録を実行することでSigmaSystemCenterから運用管理が可能となります。外部のツール以外に、SigmaSystemCenterの[仮想]ビュー上で作成した仮想マシンについても、同様にマスタマシン登録で[運用]ビューに登録することが可能です。
構築用の設定が必要ないため、[運用]ビュー上では、ポリシー、VM最適配置、監視プロファイルなど、運用管理を行うための設定を行うだけでよいです。
仮想マシンを登録するためには、対象の仮想マシンが動作する仮想マシンサーバもSigmaSystemCenterで管理する必要があります。
Hyper-Vの環境で仮想マシンを作成するために、Hyper-V Managerの[エクスポート]と[インポート]による複製を行った場合、SigmaSystemCenterに複製した仮想マシンを登録できないため、注意してください。
仮想マシンの作成は、Hyper-V Managerの [エクスポート] と [インポート] は使用せず、本節説明の(1)~(4)の方法で、SigmaSystemCenterの機能を利用して行ってください。
発生する問題の詳細や対処方法については「リファレンスガイド 注意事項、トラブルシューティング編」の「2.2.46. Hyper-V Managerのインポートで作成した仮想マシンをSigmaSystemCenterに正しく登録できない」を参照してください。