仮想マシンに割り当てるメモリの設定を行います。
以下の操作実行時に指定のメモリが作成され、仮想マシンに割り当てられます。
新規リソース割り当て、[ポータル]ビューのVM作成、スケールアウト
マスタマシン登録(インポートの指定時のみ)
リソース割り当て
再構成
VM編集
VM作成(テンプレート指定なし)
VMインポート
メモリの設定項目について、以下に説明します。
メモリサイズ
仮想マシンに割り当てるメモリ量をMB単位で指定します。次のように、仮想化基盤製品により指定値の扱いが異なります。
Hyper-V以外の場合
設定値は仮想マシンの物理メモリサイズとなります。
Hyper-Vの場合
ダイナミックメモリが有効な場合、メモリサイズの設定は作成する仮想マシンの物理メモリサイズの初期サイズとなります。仮想マシン作成後、ダイナミックメモリにより動的に物理メモリサイズが変更されます。
ダイナミックメモリの動作を無効にしたい場合は、メモリリミットの設定をメモリサイズと同じ値にする必要があります。ダイナミックメモリが無効な場合、設定値は仮想マシンの物理メモリサイズとなります。
メモリシェア
仮想マシンサーバ上で仮想マシンに実際に割り当てるメモリリソースの配分のための目安を設定します。
Hyper-Vのダイナミックメモリの場合は、仮想マシンの物理メモリサイズを決定するための目安として使用されます。
メモリシェアの設定はVMware、Hyper-Vで利用可能です。指定可能な設定は以下の4つです。
・ 2000 高
・ 1000 標準
・ 500 低
・ 手動での設定 : 値で指定します。
各仮想化基盤製品に制御を行う際、設定値を使用して以下の計算を行った結果を使用します。
VMware |
設定値 * メモリサイズ / 100 | |
Hyper-V |
設定値 * 5 |
0 <= 計算結果 <= 10000になるように設定する必要があります。 |
各仮想化基盤製品はメモリシェアの設定値以外に仮想マシンサーバ上で動作している仮想マシン数なども考慮して、最終的なメモリリソースの割り当て量を決定します。メモリシェアの設定値は仮想マシンサーバ上で動作している仮想マシン間の相対的な値として使用してください。
メモリ予約
実際に仮想マシンに割り当てる仮想マシンサーバの物理メモリサイズの下限をMB単位で設定します。仮想化基盤製品によりメモリリソースの配分が少なくなりすぎないように、最低限の割当量を確保しておきたいときに設定します。メモリ予約の設定はVMwareとWindows Server 2012以降のHyper-Vで利用可能です。Windows Server 2008のHyper-Vの場合、指定値は無視されメモリサイズで設定されます。
VMwareの場合、0、または、空を指定した場合は、メモリ予約の指定はなしとして扱われます。
Hyper-Vの場合、0、または、空を指定した場合は、仮想マシンに対して指定が可能な最小値として扱われます。
メモリリミット
実際に仮想マシンに割り当てる仮想マシンサーバの物理メモリサイズの上限をMB単位で設定します。メモリシェア設定が他の仮想マシンのメモリシェア設定との間の相対的な値として使用されるのに対し、メモリリミット設定は設定値以上のメモリリソースが割り当てられないようにするための値として使用されます。KVMの場合は、メモリリミットの設定は利用できません。
0、または、空を指定した場合は、VMwareの場合、メモリリミットの指定はなしとして扱われます。Hyper-Vのダイナミックメモリの場合、最大サイズの指定として使用します。最大サイズは、以下のとおり、OSバージョンや世代により異なります。
Windows Server 2016のGeneration 2の仮想マシン: 12TB
Windows Server 2016のGeneration 1の仮想マシン: 1024GB
Windows Server 2012/R2の仮想マシン: 1024GB
Windows Server 2008の仮想マシン: 64GB
メモリの設定は、次の図のように、仮想化基盤製品の種類により利用方法が異なります。
VMwareの場合、メモリサイズの指定により仮想マシンの物理メモリサイズは決定します。メモリリミットの設定は、仮想マシンサーバの実メモリ上で使用されるサイズを制限するために使用されます。ただし、メモリリミットのサイズがメモリサイズより小さい場合、仮想マシン上でのメモリ使用量がメモリリミットを超えると仮想マシンの性能に影響がでるため、通常、メモリリミットは指定なしが推奨されます。
Hyper-Vのダイナミックメモリの場合、メモリサイズの指定は仮想マシンの物理メモリサイズの初期設定として使用されます。その後ダイナミックメモリにより動的に物理メモリサイズが変わるため、メモリリミットの設定は動的に変更される仮想マシンの物理メモリサイズの上限として使用されます。Windows Server 2012以降のHyper-Vの場合、メモリ予約は仮想マシンの物理メモリサイズの下限として使用されます。Windows Server 2008の場合はメモリサイズが下限となります。
仮想マシンサーバ上で使用中のメモリサイズや仮想マシンが認識しているメモリサイズなどの各情報は、仮想マシンサーバのパフォーマンス情報で閲覧することができます。パフォーマンス情報におけるメモリサイズの各情報の表示場所は、次の表のとおりです。仮想マシンサーバのパフォーマンス情報は、[仮想]ビュー->対象仮想マシンサーバの[性能情報]->[パフォーマンス]タブの操作で表示されます。
確認項目 |
情報の表示場所 |
---|---|
仮想マシンが認識しているメモリサイズ |
"メモリサイズ"列 |
ゲストOS上で使用されているメモリサイズ |
"メモリ使用量"列 |
仮想マシンサーバ上で対象仮想マシンのために使用中のメモリサイズ |
"ホストメモリ使用量"列 |
上記説明のメモリの詳細機能の仮想化基盤別の利用可否や対応内容については、以下の表のとおりです。
機能 |
VMware |
Hyper-V |
KVM |
---|---|---|---|
メモリサイズの指定・変更 |
利用可能 |
利用可能 |
利用可能 |
メモリシェアの指定・変更 |
利用可能 |
利用可能 |
利用不可 |
メモリ予約の指定・変更 |
利用可能 |
Windows Server 2012以降では、利用可能。それ以前では、利用不可(VM編集では0を指定) |
利用不可 |
メモリリミットの指定・変更 |
利用可能 |
利用可能 |
利用不可 |