SigmaSystemCenterのESMPRO/ServerManagerの登録に関して、以下を説明します。
ESMPRO/ServerManagerは、SigmaSystemCenterの製品の1つで、主に物理マシンの死活監視やハードウェア監視などで使用します。SigmaSystemCenterは、ESMPRO/ServerManagerへの管理対象マシンの登録について、SigmaSystemCenterの管理対象の登録と連動して自動で行う機能を提供しています(※後述の通り、使用できない条件がありますので注意してください)。
SigmaSystemCenterにおけるESMPRO/ServerManagerの用途は以下のように分類できます。
監視での利用
死活監視
ハードウェア監視
イベント連携
情報収集での利用
ハードウェア情報
対象マシンは物理マシン、仮想マシンサーバ(エージェント(ESMPRO/ServerAgentServiceなど)のインストールが必要)
上記の用途において、基本的にSigmaSystemCenterからESMPRO/ServerManagerに対象マシンの自動登録を行なえるように設定する必要があります。
ただし、エージェント(ESMPRO/ServerAgentServiceなど)がインストールされていない対象マシンに対するハードウェア監視、イベント連携については、SigmaSystemCenterから自動登録を行う必要はありません。
監視機能の利用については、死活監視は、一部の環境(主に物理マシン)では、ESMPRO/ServerManagerを利用するかどうかを選択することができます。死活監視における製品選択の考え方については、「2.5.2. 管理対象種類別の使用可能製品一覧」を参照してください。
ハードウェア監視については、対象マシンにiLOが搭載されている場合やESMPRO/ServerAgentを使用する場合にESMPRO/ServerManagerを使用する必要があります。詳細は、「2.6.1. ハードウェア監視の概要」を参照してください。
その他の監視については、ESMPRO/ServerManagerからの通報を利用したイベント連携などで利用できます。
ESMPRO/ServerManagerへの管理対象マシンの登録方法(自動/手動)は、管理対象の種類やESMPRO/ServerManagerの用途により、異なります。「(2)対象マシン種類別のESMPRO/ServerManagerの利用(登録)方法」で説明します。
SigmaSystemCenterからESMPRO/ServerManagerに対象マシンを自動登録を行うための設定について、「(3)ESMPRO/ServerManagerへの対象マシンの自動登録」で説明します。
以下の表にて、対象マシンの種類別にSigmaSystemCenterにおけるESMPRO/ServerManagerの利用や登録に関する概要を説明します。
なお、全体的な他の監視方法も含めた条件別の監視方法の一覧については、「2.4.1. 管理対象の種類別の利用可能な監視機能について」を参照してください。
対象マシンの種類、OS | 死活監視での ESMPRO/SMの 利用有無 | 利用内容、[死活監視]タブの設定内容 ※利用に必要な設定項目は他にもあるので注意。後述の図参照。 |
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物理マシン(Windows/Linux)、 仮想マシンサーバ(Hyper-V/KVM) | 利用する | 基本的にESMPRO/ServerManagerへの対象マシンの登録が必要です。 N+1リカバリを利用する場合は以下のSigmaSystemCenterからの自動登録の設定が必要です(必要な設定は下記以外もあるので、後述の図や説明を参照)。また、BMC関連の設定(※1)が必要です。
N+1リカバリを利用しない場合はESMPRO/ServerManager上での手動登録でも利用可能です(※2)。 |
利用しない | ハードウェア監視などで利用する環境では、ESMPRO/ServerManagerへの対象マシンの登録が必要です。 N+1リカバリを利用する場合はSigmaSystemCenterからの自動登録の設定が必要です(必要な設定は下記以外もあるので、後述の図や説明を参照)。また、BMC関連の設定(※1)が必要です。
N+1リカバリを利用しない場合はESMPRO/ServerManager上での手動登録でも利用可能です(※2)。 | |
仮想マシンサーバ( VMware ESXi) | 利用できない | SigmaSystemCenterの用途においては、ESMPRO/ServerManagerへの対象マシンの登録の必要はありません。 死活監視は、vCenter Serverを利用します。 ハードウェア監視については、対象マシンがiLO搭載機の場合にESMPRO/ServerManagerを利用しますが、ESMPRO/ServerManagerに対象マシンを登録する必要はありません。ESMPRO/ServerManagerに対象マシンが登録されていなくても、対象マシンのハードウェア監視のイベントをESMPRO/ServerManager経由で取得することが可能です。 以下の設定で利用してください。
なお、[ESMPRO/SMにマシンを登録する]をオンにした場合も指定は無視されますので、SigmaSystemCenterから 自動登録を行うことはできません。 |
仮想マシン | 利用できない | ESMPRO/ServerManagerが必要な場合は手動登録が必要です。 |
※1 BMC関連の設定:
対象マシンがBMC自動登録対応かどうか、また、ESMPRO/ServerAgentServiceなどのインストール可否によって、BMC関連の設定方法が異なります。
BMC自動登録対応の機種は以下の通りです。
Express5800/R120h-2M, R120h-1M以降の機種Express5800/R1xx (iLO搭載機)
Express5800/D120h以降の機種Express5800/D1xx
Express5800/T120h以降の機種Express5800/T1xx (iLO搭載マシン)
条件別の利用内容は以下の通りです。
対象マシンがBMC自動登録対応の機種の場合、ESMPRO/ServerManagerのマネージメントコントローラ管理(BMC管理)の登録をSigmaSystemCenterから自動で行うことが可能です。
そのために、SigmaSystemCenterのOOB管理の設定が必要です。OOB管理の設定は、[リソース]ビューの管理対象マシンのマシンプロパティの[アカウント]タブで設定します。
対象マシンがBMC自動登録対応の機種でない場合、対象マシンにESMPRO/ServerAgentService、または、ESMPRO/ServerAgent(SigmaSystemCenter用)のインストールが必要な場合、SigmaSystemCenterから対象マシンをESMPRO/ServerManagerに自動登録する前に、ESMPRO/ServerManagerのマネージメントコントローラ管理(BMC管理)に対象マシンのBMCを手動で登録しておく必要があります。
上記以外のBMC自動登録対応の機種でない場合は、上記のBMC管理の事前登録の必要はありません。また、自動登録を行うことができません。
※2 ESMPRO/ServerManagerに手動登録する場合:
N+1リカバリを利用しない場合はESMPRO/ServerManager上で管理対象マシンに手動で登録を行う利用方法でも利用可能です。手動登録の場合は、[死活監視]タブについて、以下の設定を行ってください。
[ESMPRO/SMにマシンを登録する]をオフ
上記の設定の場合、[死活監視]タブでの死活監視で使用する製品の指定をESMPRO/ServerManagerにすることができなくなりますので、注意してください。
手動登録時に死活監視の設定もESMPRO/ServerManager上で行う必要があります。
SigmaSystemCenterからの自動登録では、後述の図のようにSigmaSystemCenterの[運用]ビュー上で管理対象マシンを登録した時に連動してESMPRO/ServerManagerへの登録が行われます。自動登録を行うためには、後述のように運用グループのグループプロパティやホスト設定、[リソース]ビューのマシンプロパティなどの設定が必要となります。
SigmaSystemCenterからの自動登録を使用せず、ESMPRO/ServerManagerのWebコンソールを使用してESMPRO/ServerManagerに手動で管理対象マシンの登録を行う場合、N+1リカバリ(マシン置換)機能でマシンの切り替えを行った時に手動で再登録が必要なので注意してください。切り替えを行うと対象マシンの固有情報が変更されますが、手動登録の場合、ESMPRO/ServerManager上の対象マシンの登録情報が自動で更新されないためです。
ESMPRO/ServerManagerのマネージメントコントローラ管理(BMC管理)の登録については一部の機種のみSigmaSystemCenterから自動で行うことができますが、自動登録が不可の機種については、ESMPRO/ServerManagerでBMC管理の登録はESMPRO/ServerManagerのWebコンソールを使用して手動で行う必要があります。
ただし、N+1リカバリ(マシン置換)時に必要な固有情報の更新については手動で行う必要はなくSigmaSystemCenterから自動で行われます。手動登録が必要な機種においても、手動作業が必要なのは初回の登録のみです。
BMC管理の登録における機種などの条件の差異については、「(2)対象マシン種類別のESMPRO/ServerManagerの利用(登録)方法」の※2を参照してください。
自動登録を行うために、SigmaSystemCenterで必要な設定は次の通りです。[死活監視]タブ以外も設定が必要ですので、設定漏れがないように注意してください。
ホスト設定の[ネットワーク]タブの設定(管理用IPアドレス)
グループプロパティの[死活監視]タブの設定
[ESMPRO/SMにマシンを登録する]のチェック
自動登録を動作させるためにはオンにする必要があります。
[死活監視機能を有効にする]のチェック
死活監視をESMPRO/ServerManager、または、SystemProvisioningのどちらかで行う場合は、チェックをオンにします。有効にした場合は製品を選択する必要があります。
ホストプロファイルのローカルアカウントの設定
管理対象マシンにESMPRO/ServerAgentServiceをインストールする場合は必要です。指定がない場合、自動登録や死活監視を行えませんので注意してください。
また、指定アカウントは、ESMPRO/ServerManager上でWS-MAN管理を有効化するためのアカウントとして使用するために、以下の注意点があります。
指定アカウントは管理対象マシンのOSの管理者権限を所持している必要があります。
[ローカルアカウント編集]で[制御に使用する]、[WS-MAN]のチェックが必要です。デフォルトでは、これらのチェックは有効ではありませんので注意してください。
マシンプロパティの[アカウント情報]タブの設定(OOB設定)
管理対象マシンのマネージメントコントローラ管理を行う場合は必須の設定です。マシン置換など登録情報が更新される時に使用されます。本設定を行っていた場合も、条件によってESMPRO/ServerManagerへの初期登録は手動で行う必要があります(下図参照)。
[管理]ビュー -> [環境設定] -> [その他]タブの[SNMPコミュニティ名]の設定
管理対象マシンにESMPRO/ServerAgentをインストールする場合は必要です。