Storage Migration / Moveは、指定の仮想マシンを別の仮想マシンサーバ、データストア上に移動させることができます。Migration / Quick Migrationとの違いは、データストア間の移動が含まれる点にあります。移動元と移動先の仮想マシンサーバが共有している同じデータストア上に移動対象仮想マシンが配置されている場合、Migrationと同じ動作になります。逆に仮想マシンサーバ間の移動は行わずにデータストア間の移動だけを実行することも可能です。
以下について、説明します。
移動元と移動先の仮想マシンサーバでデータストアを共有している場合
移動元と移動先の仮想マシンサーバでデータストアを共有していない場合
移動対象の仮想マシンが電源オン状態の場合、実行する操作により移動時の仮想マシンに対する電源制御が異なります。
Storage Migrationの場合
仮想マシンを電源オン状態のまま移動させます。
Moveの場合
電源オン状態の仮想マシンを電源オフ状態にして移動させます。
VMwareの環境で、電源オン状態の仮想マシンを別データストアにStorage MigrationするためにはStorage VMotionのライセンスが必要となります。電源オフの仮想マシンをStorage Migrationする場合、Storage VMotionのライセンスは必要ありません。
移動対象の仮想マシンが電源オフ状態の場合はStorage Migration / Move共に同じ動作となります。
移動後、電源オフ状態の仮想マシンを起動するかどうかをオプションで指定することができます。
仮想マシンの移動先のデータストアは、移動先の仮想マシンサーバに接続されているものが候補となります。
ただし、以下の条件の場合、移動元と移動先の仮想マシンサーバが共有しているデータストアに対してのみ、移動させることができます。共有していないデータストアへの移動はエラーとなります
vSphere5.0以下のVMwareの環境で、電源オン状態の仮想マシンに対するStorage Migrationを実行する場合
また、vSphere5.5以下のVMwareの環境とXenServerの場合、移動元と移動先の仮想マシンサーバは同じ仮想マネージャに所属している必要があります。異なる仮想マネージャ配下の仮想マシンサーバへの移動を行うことはできません。
vSphere6.0以降のVMware、Hyper-V環境の場合、移動元と移動先の仮想マシンサーバが別の仮想マネージャに所属している場合でも移動可能です。
移動先の仮想マシンサーバに接続されているデータストアが複数あり、移動先のデータストアを自動選択に指定している場合は、移動先のデータストアは以下の順番で選択されます。
移動先と移動元の仮想マシンサーバが共有しているデータストア上に移動対象の仮想マシンサーバが配置されている場合は、データストア間の移動は行わずに仮想マシンサーバ間の移動のみ行います。
VMwareの場合、ストレージ環境はSAN、NFSの順で選択されます。Hyper-Vの場合、CSV、SMB、ローカルディスクの順で選択されます。
空き容量の大きなデータストアが優先して選択されます。
VM移動実行時、「拡張ディスクを移動対象から除外する」指定を行うことができます。指定を有効にした場合、仮想マシンの拡張ディスクは Storage Migration / Moveで移動しません。
「拡張ディスクを移動対象から除外する」の指定を行わない場合は、仮想マシンの拡張ディスクはシステムディスクの移動先と同じデータストアに移動します。
タイプがRDM(物理)、RDM(仮想)の拡張ディスクをもつ仮想マシンについては、Storage Migration / Moveによりデータストア間の移動することはできません。ただし、vSphere5以降については移動することが可能です。
なお、RDMの拡張ディスクは実体が1つのLUNでデータストア上にないため、Storage Migration / Moveの移動対象には含まれません。
移動後に仮想マシンが電源ONになるVM移動を行う場合、配置制約の条件に整合しているか確認が行われます。配置制約に反した移動を行う場合、仮想マシンを移動できません。移動する必要がある場合は、VM移動の操作時、配置制約を無視する指定を行ってください。