SigmaSystemCenterで、ベアメタルのマシンにWindowsやLinuxをインストールした環境の管理を行う場合について説明します。本書では、ベアメタルのマシンにWindowsやLinuxをインストールした環境のことを物理環境と呼びます。
物理環境の管理対象マシンに対して、SigmaSystemCenterで管理することで、以下の運用が可能となります。
N+1リカバリによる障害時の業務の自動復旧
管理対象マシンの障害が発生したとき、予備のマシンに切り替えることで、業務を自動的に復旧することが可能です。
N+1リカバリとは、N台のマシンに対して1台の予備マシンを用意し、業務サーバ障害時に予備マシンで復旧することです。
管理対象マシンの保守作業の効率化や一部自動化
保守のため、管理対象マシンに対して、電源操作やバックアップの作業をSigmaSystemCenterから実行することが可能です。
また、ストレージ上のディスクボリュームと管理対象マシン間の接続・切断や管理対象マシンと接続するスイッチのポートに対するVLANの割り当てなどもSigmaSystemCenterから実行することが可能です。
ソフトウェア配布の機能により、アプリケーションやパッチのインストールを行うことも可能です。
管理対象マシンの障害監視や性能監視
管理対象マシンが動作しているかどうかの死活監視や管理対象マシンのハードウェアの障害の監視を行うことができます。また、管理対象マシンのCPU使用率やディスク空き容量などの性能情報の監視を行うことも可能です。
システム構築作業の一部自動化
イメージ展開の機能を利用して、管理対象マシンのOSインストール作業を自動的に行うことが可能です。また、アプリケーションのインストールやパッチ配布も行うことができます。
物理環境は、以下の3種類に分類することができます。環境の違いにより、使用するN+1リカバリの種類が異なります。
ローカルディスクブート環境
管理対象マシンに搭載されたローカルディスクでブートを行う環境です。N+1リカバリは、稼動中のマシンのディスクのイメージは、予備のマシンのディスクに移すために、イメージ復元の機能を利用して行います。
SANブート環境
ストレージ上のディスクを管理対象マシンのブートディスクとして利用する環境です。N+1リカバリは、ディスクを予備マシンにつなぎ替えることで実現するSANブート置換を利用します。
ブートコンフィグ(vIO)運用環境
SIGMABLADEのvIOコントロール機能を利用した環境です。N+1リカバリは、vIOコントロール機能により、稼動マシンのUUID・MAC アドレス・WWPN/WWNNなどのハードウェア固有情報を予備マシンに移し変えることで実現するブートコンフィグ(vIO)置換を利用します。ブートコンフィグ(vIO)運用環境は、通常、SANブートの環境ですが、ストレージの制御を利用せずにN+1リカバリを実現しています。