センサー診断は、稼動中の管理対象マシンからのイベントを受けて、管理対象マシンが電源オン状態において、センサーの状態に問題がないか解析します。
この解析には、OOB管理機能によって、管理対象マシンのBMC と通信できていることと、IPMIの有効化が必要です。
診断機能のポリシーアクションである"センサー診断、故障ステータス設定" アクションは、障害発生マシンが正常状態であると判断した場合に異常終了します。マシン状態の解析は、このポリシーアクションが起動した契機となったイベントの種類や、そのときの管理対象マシンの状態によって変化します。
管理対象マシンの電源状態、センサー診断で行うアクションの契機となるイベント、センサーの状態の取得結果、および解析結果の関係の詳細を、次の表で示します。
なお、 センサー状態の重要度の判断は、ハードウェアの内部実装の基準に従います。そのため、イベント区分の障害などに分類されているイベントに対してこのアクションを設定しても、正常と判断される場合があります。
管理対象マシンの電源状態 | アクションの契機となったイベントの種類 | センサーの情報の取得結果 | 解析結果 |
---|---|---|---|
センサー診断中、管理対象マシンの電源状態がオン | OOB Management イベント、センサーに関連する診断対象ESMPRO イベント
診断対象のESMPROイベントは、通報元がSystemMonitorEventの以下のSourceのイベントです。
| 予兆イベントを送信したセンサーの状態が、危険と判断される状態 | 故障マークを設定して、正常終了します。 |
予兆イベントを送信したセンサーの状態が、正常、または警告と判断される状態 | マシンに異常が見つからなかったと判断し、故障マークを設定せずに異常終了(後続のアクションは実行されません) します。 | ||
以下の理由で、センサーの情報を取得できなかった。
| アクション契機となったイベントの重要度で判断します。イベントの重要度が危険レベルである場合、故障マークを設定して正常終了します。 | ||
その他のイベント | センサーの取得情報は使用されません。 | 故障マークを設定して、正常終了します。 | |
センサー診断中に管理対象マシンの電源状態が変化 | すべてのイベント | センサーの取得情報は使用されません。 | 故障マークを設定して、正常終了します。 マシンの異常を契機に、自動でマシンがシャットダウン、もしくはリブートが発生した可能性があります。マシンが異常の可能性があるため、故障と判断します。 |
センサー診断開始時、管理対象マシンの電源状態がオフ | すべてのイベント | センサーの取得情報は使用されません。 | 故障マークを設定して、正常終了します。 マシンが危険状態に陥り、センサー診断前に電源がオフになった可能性があります。マシンが異常の可能性があるため、故障と判断します。 |
「2.9.4. 総合診断(総合回復診断)」から呼ばれるセンサー診断は、契機となったイベントに関わらず、以下のように動作します。
管理対象マシンの持つすべてのセンサーの状態を解析し、すべてのセンサーが正常の場合にのみ、"正常" と診断し正常終了します。すべてのセンサーが正常でないマシンは、正常を判断できないため、"異常" と診断し異常終了します。
管理対象マシンの電源状態により、正確にセンサーの状態を取得できない場合も正常に判断できないため、"異常" と診断し異常終了します。
回復診断機能のポリシーアクションである"総合回復診断、ステータス設定正常" アクションは、対象マシンが正常状態であると判断した場合に、ハードウェアステータスに正常を設定し正常終了します。
より正確にセンサー診断を行うために、カレント値が取得できないセンサー(電源ON状態でもカレント値が"---"となっているセンサー)は、診断から除外するよう設定してください。
「診断から除外する」設定は、Webコンソールの[センサー]タブより設定できます。