NEC Cloud IaaS環境で利用できる機能について説明します。
「(1)電源制御」
SigmaSystemCenterは、NEC Cloud IaaS環境におけるパブリッククラウドマシンを、NEC Cloud IaaSのサーバ操作APIを利用して電源制御することができます。
電源操作は、パブリッククラウドマシンの種別によって実施可能な操作が異なります。
各サーバ種別で利用できる電源操作は、下表のとおりです。
操作 | スタンダードプラス(STD Plus) | ハイアベイラビリティ(HA) |
---|---|---|
起動 | ○ | ○ |
電源On | ○ | ○ |
シャットダウン | ○ | ○ |
強制電源Off | × | × |
再起動 | ○ | ○ |
リセット | ○ | × |
サーバがNEC Cloud IaaS上で休止状態となっている場合に起動、または電源On操作を実行した場合、SigmaSystemCenterは休止解除の申請を発行します。
休止解除申請は、NEC Cloud IaaSのテナント構成により、後述のように実行結果が異なります。
NEC Cloud IaaSのテナントが承認を必要とするように構成されている場合、SigmaSystemCenterは"Required Approval"のイベントを操作対象マシンに対して発行した後、休止解除申請が承認されるまで待機します。
申請が承認された場合、休止状態が解除されるまで待機した後に起動操作を実行します。
休止解除申請を行った場合、SigmaSystemCenterは申請が承認されるまで、最大60分待機します。
待機中に承認が実施されなかった場合は、承認実施後に再度操作を実施する必要があります。
休止解除の申請を取り下げ、もしくは否認した場合、その結果をNEC Cloud IaaSのAPIでは確認することができません。
このため、申請の取り下げ、および否認を行った場合は、SigmaSystemCenterの対象ジョブに対し、キャンセルを実施して処理を停止してください。
NEC Cloud IaaSのテナントが承認を不要とするように構成されている場合、SigmaSystemCenterは休止解除申請を発行し、休止状態の解除を確認した後に起動操作を実行します。
この場合、休止解除申請に対する承認要求が発行されないため、休止状態を利用する場合には注意して電源操作を行う必要があります。
SigmaSystemCenterは、NEC Cloud IaaS上のサーバ、および仮想LAN構成について、NEC Cloud IaaSのサーバ操作APIを介して情報取得を行い、構成情報として反映します。
SigmaSystemCenterで収集したパブリッククラウドマシンについては、電源制御、およびインシデント監視を行うことができます。
NEC Cloud IaaSのテナント上に仮想LANが構成されていない場合、NEC Cloud IaaSのサーバ操作APIから正しく情報を取得することができません。
このため、SigmaSystemCenterで管理を行う場合には、1つ以上の仮想LANを構成する必要があります。
仮想LANが構成されていない場合、SigmaSystemCenterの収集操作で警告が発生します。
SigmaSystemCenterでは、NEC Cloud IaaSの各要素を、以下のように表現します。
サーバ
マシンとして表現します。
仮想LAN
スイッチとして表現します。
仮想LANはネットワークセグメントを1つのみ有するため、仮想LANはクラウドネットワークセグメントとしても定義されます。
NEC Cloud IaaS基盤に対する収集操作を行った場合、その結果に応じて以下のマネージャ用イベントが通知されます。
イベント ID | 説明 |
---|---|
ClientCertificate Initialization Failed | クライアント証明書の取得に失敗した。 |
User Authentication Failed | ユーザ認証が失敗した。 |
CollectAll Completed | 全収集、もしくは定期収集が完了した。 |
SigmaSystemCenterでは、NEC Cloud IaaS基盤の監視定義によって発生するインシデントの一部について、SigmaSystemCenterのイベントとして通知することができます。
SigmaSystemCenterは、NEC Cloud IaaSの監視操作APIを利用してインシデント情報を取得し、そのインシデント情報から対応するSigmaSystemCenterのイベントを生成して通知します。
インシデント情報の取得は一定間隔で定期的(デフォルトでは5分間隔)に取得します。
このため、ポリシー機能を利用して管理対象マシンの操作を実施する場合には、対象となるNEC Cloud IaaSの監視設定における監視間隔や判定時間は、SigmaSystemCenterのインシデント情報取得間隔と同じか、これより長くなるように設定してください。
NEC Cloud IaaS側の判定時間が、SigmaSystemCenterの情報取得間隔より短くなるように設定した場合、イベント処理のタイミングが重なる可能性があり、正しく動作しない場合があります。
SigmaSystemCenterのインシデント情報取得間隔は、以下のレジストリによって設定することができます。
キー名 : HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\NEC\PVM\Provider\Cloud\NECCI
値名 | 型 | デフォルト値 | 意味 |
---|---|---|---|
EnableEventMonitor | REG_DWORD | 1 | インシデント情報監視の有効/無効 1:有効, 0:無効 |
MonitorIntervalMinutes | REG_DWORD | 5 | インシデント情報監視間隔(分) 範囲:3~10 |