Rescue VMは、SigmaSystemCenterやvCenter Serverの管理サーバの仮想マシン(管理サーバVM)を監視・復旧するために使用する仮想マシンで、管理サーバVMに障害が発生したときに管理サーバVMの復旧を行うことができます。
Rescue VMでは、以下の2つの管理サーバVMに関連する障害の検出と復旧を行うことができます。
管理サーバVMが動作するVMware ESXiの障害の検出と管理サーバVMの復旧
管理サーバVM単独の障害の検出・復旧
障害の検出のためのRescue VMの監視機能の詳細については、「2.5.5. RescueVMの死活監視」を参照してください。
Rescue VMは、VMware(vCenter Server管理)環境のみで利用可能です。スタンドアロンESXi環境では利用できません。
Rescue VMは、Red Hat Enterprise LinuxとSigmaSystemCenterのインストールメディアに収録されているrescue-vmモジュールを使用して構築する必要があります。構築の方法については、「4.9.3. Rescue VM環境の利用例」を参照してください。
また、Rescue VMを利用する場合、同様の機能が提供されるVMwareのvSphere HA機能は無効にしておく必要があります。
他の管理サーバの可用性向上方法を含めた説明については、「1.12. 管理サーバの可用性向上方法」を参照してください。
管理サーバVMが動作するESXiの障害が発生している場合、Rescue VMは管理サーバVMを他の正常なESXiに移動(Failover)を実行して、管理サーバVMの復旧を行います。このとき、確実にFailoverを実行できるように障害が発生しているESXiが起動している場合は強制OFFを実行します。
管理サーバVMが復旧した後、Rescue VMはESXiの障害が発生して管理サーバVMの復旧を行ったことを管理サーバVM上のSigmaSystemCenter本体に通報します。
管理サーバVM上のSigmaSystemCenter本体は通報を受けた後、障害が発生したESXi上の他の仮想マシンの復旧処理を実行します。
ESXiは正常で管理サーバVMが単独の障害(電源Off状態)になっている場合、管理サーバVMを起動して復旧を行います。